2010年02月22日

【コラム・ネタ・お知らせ】 現代における消費というマナー(上)

エンタテインメントコンテンツの消費 先日、カフェレオという問屋の社長さんに「君たちは本当に商品を出さないねえ」と苦言を賜りまして、弊社の商品開発スピードの遅さは自分たちでも悶絶しながら枕を濡らさんばかりのものですので反省しきりです。で、今回はちょっとキワドイ話をしてみます。どういった話かというと 「コンテンツを消費する際に支払う対価にまつわる etc」 といったところ。
-

何で急にこんな話をしようと思ったのかというと、弊社商材の「空飛ぶパンツ」の開発にご協力いただいている野尻抱介氏が、ご自身のサイトにて「ニコニコ動画プレミアム推進ユーザーアピール」という活動をしていたのを発見してある種の感銘を受けたからです。

この活動は、要約すると「自分が楽しむモノに対してはちゃんとお金という対価を支払うようにしようよ」というものなのですが、まあ詳細はせっかくなのでリンクからどうぞ。

野尻氏が行っているニコニコ動画プレミアム推進アピール
野尻氏のblogによれば、かなりの効果があった模様

出版・テレビ・ラジオがメディアの主流だった時代も今は昔、若い世代の時間の多くがインターネット上のコンテンツに占有されつつあります。ネット文化の恐ろしいところは、合法な手段にしろ違法な手段にしろ、上記の3種メディアのコンテンツを内包することができ、さらに今までは限られた人・組織しか携わることができなかったメディア上のコンテンツ製作・改変を、何の後ろ盾も無い個人に対しても容易に可能にしてしまう点にあります。

コレによってネット上における各種コンテンツの発表が個人でも簡単にできる様になって、出版・テレビ・ラジオがメディアの主流だった時代からすると、需要に対するコンテンツの供給が過多になっております。もちろん玉石混淆ではあると思いますが。

ここで心配になってくるのが、コンテンツのクオリティ。

エンタテインメントのコンテンツというものは基本的に、最初はある一定の資金を保有しているパトロンが出資をして製作され、それが世に出て評価され、それにより経費以上の売上が回収されれば最初にお金を出したパトロンが儲かるというギャンブル的な体質によって成り立っているものです。コレはルネッサンス時代の絵画や音楽が作成されていたときから一貫して変わっていません。

コンテンツとパトロンの関係図

このシステムは前世紀くらいまでは順調に稼動し続け、コンテンツ自体が、コピー可能なモノより多くのコピー不可能な固有のモノによって構成されていた時代、またはコピー技術が力不足でコピー可能なモノが少なかった時代には、誰かがエンタテインメントコンテンツの恩恵を享受するためには、現金と引き換えにモノを受け取るしか選択肢はありませんでした。

それが時代の変化に合わせて、オリジナルよりちょっと価値が劣化したコピーが、コピーにかかる経費プラスアルファ程度で安価に手に入るようになり、さらにもうコピーとオリジナルの差異にほとんど意味が無くなったり、コピー作成時の経費がほとんど無視できるようになってしまったりして、現在のようにお金を支払うべきモノとそうでないモノの区別が曖昧になってきてしまっているわけです。

こうなると何が問題になってくるかというと、コンテンツの作成によって得られる利益が金銭面においては段々とゼロに近づいていってしまい、残るのは名誉や満足感という精神的なものだけになってくるというところでしょう。そして新たに供給される「一定の価値のある」コンテンツの量もゼロに近づいていき、コンテンツ同士の競争が緩やかになると、切磋琢磨の必要性が薄れ、本当に素晴らしい作品が生まれにくくなってしまうという負の連鎖が生じてきます。(どんな時代・場所にも愛すべき変人はいるので完全にゼロになることはありえませんが)

エンタテインメントの本質が暇つぶしで、暇つぶしをするためのモノにそこまで価値を追求する意味があるのかと問う方もいるかもしれません。が、こちとらそういったものが好きで好きで、もう自分の人生かけてでも、そういったモノを作り出す一助になってやろうという気持ちで生きている人間ですので、これはもう死活問題なわけですよ

で、ですね、「危ない危ない」といってるだけでは埒が明かないので、僕なりに解決策を考えてみます。というか、普段からこんなことばっかり考えているんですが。今のところの文脈の流れからいうと、現状の問題点は「コンテンツを消費する際のマネタイズ方法・構造」にあると言えなくもないでしょう。

コンテンツを世に出すことによって得られる対価の集まり具合が悪いので→次に製作するモノにかけられるお金が減る→(確率論としての)クオリティの低下→コンテンツ消費者の失望感→最初に戻る、みたいな流れを断ち切らなくてはならないわけです。

コンテンツのマネタイズの悪循環
次回のコラムではその方法論を考察してみます。

現状のコンテンツ制作のスタート地点というのは、基本的にコンテンツ提供側に存在することがほとんどです。要は出版社だったり、メーカーだったりが最初のパトロン役を務めて、結果論として出来上がったモノの売り上げを消費者の判断により対価として得るわけですが、これが近年のネット事情などにより必ずしも成り立たなくなってきているわけです。

で、これに対する回答の一つが、冒頭に語った野尻氏の活動にあると考えたんですが、ちょっと調子に乗ってコラムが長くなりすぎているので続きは次回に持ち越します。

次号では具体的な方法論について考察してみます。


最後に恒例のwebラジオ告知と初のイベント告知。現在弊社で趣味のようにやっておりますwebラジオ「あきでんラジオ」第11回目放送が本日更新されております。今回はゲストにあきでんラジオ主題歌を提供してくれている原田元気氏をお迎えしてます。結局お前もか!?って感じで奇妙なノリの人たちが繰り広げる約1時間。是非聴いてみてください。

つい先日中国から帰ってきた原田元気氏
演奏しているのはファゴット。がんばれ元気!

あと、来る3月6日(土)に弊社も「空飛ぶパンツ」で協力しております「空フェス!」というイベントが行われます。

空飛ぶパンツをみんなで飛ばそう! 「空フェス!」チケットの販売はこちら

みんなでパンツを飛ばしたり、空を飛ぶことに対する情熱を語り合ったり、盛りだくさんなイベントになっております。実はこっそりと後ノリで「そらのおとしもの」公式グッズになったみたいなので、驚きのゲストとかも来るかも知れません。来ないかもしれませんがw。

チケットはこちらからお買い求めいただけますが、定員150名に達し次第締め切られてしまうらしいのでご予約はお早めに。そんな感じでまた再来週。ではでは。

クエスチョナーズ 藤岡聡

【バックナンバー】
(株)クエスチョナーズ ちょっと普通の会社とは違う
(株)クエスチョナーズの作り方
ちょっと頭がアレな人たちの、アレな会社の特殊な事例
空飛ぶパンツ クエスチョナーズがヤリます!!
夢憶えていますか?
初心忘るるべからず
真面目であることの大事さ
フロンティアスピリット
アマチュアの憂鬱
平凡って悪くないですよ

この記事はコラム カテゴリーに含まれています |Ajax Amazon Edit
トラックバックURL
http://trackback.blogsys.jp/livedoor/geek/50992702