2010年03月22日

【コラム・ネタ・お知らせ】 「表現の自由」様をお守りするために

表現の自由 クエスチョナーズ藤岡でおま。 ここ最近やけに真面目なお話ばかり続いていた気がするので今回はちょっとおふざけてみようかと思っていましたが、つい先日こんなお便りが来て、そういえばコレは早めに言っておかないとマズい、というコトを思い出しましたので今回もチョット真面目風でいきます。最近話題の児ポ法がらみ?のお話です。
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・幼児ポルノ法について

一応最初に僕の立場を明らかにしておくと(というほどのもんでもないですが)、僕は個人的に児童ポルノを偏愛するような嗜好はございません。弊社の西はあるようですが…。この話が波及して行き着く先を考えると少々憂鬱になるのでこういった話には反対、みたいな感じです。

まあ、とは言えども、「児ポ法」自体は僕ごときが今更何を言ったところで…という感じなので、興味がある人は自分で状況を広く深く調べて各自大人の判断をしてください。それよりも僕が今のうちに訴えておきたいことというのは、こういう事態に対してユーザーたる僕らが何をすべきかというところ。

・そもそもの民主主義とは

一般に法律・法令というものは、政治という権力を握っている少数の個人と、そういった人たちからおこぼれを与れる立場の人間の利益が色濃く反映されやすいものです。現代日本の「民主主義政治」の名の下には、そういったものが建前上はないというコトになっていますが、日々のニュースを見ているだけでも、そんな話は本当に建前でしかなく、様々なところで腐ったり、破綻したりしているのが分かるでしょう。

政治権力というものを握ることができるのは政治家ですが、政治家というものは日本では「公正」な選挙で選ばれます、というコトになっています。選挙というものは基本的に、ある一定範囲の地域内の有権者に、立候補者が「当選したらこういうことをします」という公約を掲げ、その公約に感じ入るところがあれば有権者が票を投じ、それが他の立候補者より多ければ、その人が何がしかの政治的権力を握ることができる立場の存在になるというシステムなわけです。

知らない人はいないと思うけど、民主主義の仕組み。
落選した立候補者への投票は黙殺されるのに注目。

一応このシステムは、国民の意見の中でも一番多いものを優先的に取り上げうるものですが、実はココに長所も短所もあるのではないかと僕は思うわけです。長所は勿論、国民の総意に近いものを実現させやすい。

で、短所は、積極的に参加をしない層の意見は黙殺される、というところでしょう。何を今更的な話ですが、これは本当に大事な話ですので前提条件として提示しておきます。


・民主主義の短所と「児ポ法」

で、こういった短所がどういうところで効いてくるのかというと、例えば「児ポ法」のような問題。

こういった問題というのは、賛成意見を持つ人よりも反対意見を持つ人のほうが積極的な活動をしやすいものです。どういうことかというと、現在まで日本という国の中では、比較的「児童ポルノ」というものに対して優しめの状況が続いていたわけですが、こういった状況の中で児童ポルノ擁護派の人間がすべき活動というのは「基本的」に存在しないわけです。現状が満足のいくものなんだから、何かを変える必要は無く、現状の既得権益を享受していればいい、というのがその理由です。

コレに対して児童ポルノ規制派の人間にとっては、現状が不満なわけです。そうすると、あの手この手を駆使して現状を変えようと努力するんですが、擁護派がそれに気づくのは規制派のそういった活動が一定の成果を出し始めた時、ということになってしまい、その時点で一歩出遅れるわけです。

ちょっと分かりにくいかもしれないけど、
擁護派の活動は規制派よりも一歩遅れてからしか始められないの図。

さらに言うと「児童ポルノ」のように、そういったものを積極的に好まない人たちにとっては「不快なモノ」として認識されがちなモノというのは、他の人畜無害な専門的嗜好品(コーヒーとか?野鳥の図鑑とか?)よりも槍玉にあがりやすいでしょうし、そういうものを擁護するというのは公の立場にある人ほど、リスクを背負ってしまうものです。

だからこういった争いには構造的に有利な側・不利な側というものができてしまうのも困った問題です。書いていて思いつきましたが、そういう意味においては「タバコ問題」に通ずるところがありますね。余談ですが。

そしてこういった問題を声高に代弁する存在であるところの政治家の立場で物事を考えてみると、よほど「児童ポルノが嫌いだからなんとか根絶したい」だとか「児童ポルノでは無いが、この法案が通ることによって影響を受けてしまう諸々のモノが好きだから守りたい」などという積極的な行動する理由をもっていなければ、規制推進を叫んでいた方が良い、というコトが素直に理解できるでしょう。

そもそもそういった主張云々が無ければ、ある問題に積極的に関わるメリットというのは、その問題がメディアにフォーカスされることによって、その問題に関わる人間自体もフォーカスされて、メディア露出が増え、世間での認知度が上がるというところしかないのですから。で、どうせ主義主張が無い問題に関わるなら「リスクの少ない側で目立つべき」というのは自明の理です。


・僕らがやるべきこと

まあそんなこんなで、ちょっとした想像の範囲内だけでも、「児童ポルノ」問題は規制派に回るべき問題であることは分かっていただけたでしょうか。じゃあここで「児童ポルノ」自体への興味はさておき、「児童ポルノ」すらを含む「エンタテインメントコンテンツ」というモノを愛する人間としてはどのように行動すべきでしょう?

答えはいくつかあるでしょうが、大きくまとめると「リスクを恐れずに声高に己の求める状態を世間に提示する」ことが必要です。

ちなみにココで言うリスクとは「選挙に行ったり、署名運動に協力する面倒臭さ」とか「政治活動をするための資金」とか「世間に誤解される可能性」とか、各人の問題に対する活動レベルによって様々なモノが存在します。

おそらく今回の件について、現在のエンタテインメントコンテンツユーザーの大部分が上記の「面倒臭さ」レベルで止まってしまっているのが、現状の最大の問題点でしょう。現状許されているものが、徐々にダメになっていくという事態は正確に認識しがたいものかもしれません。個人個人の力だけでは何をやろうとも無駄に見えるかもしれません。

マルティン・ニーメラーによる有名な一節。(wikipediaより抜粋)
行動しようと思ったときには時すでに遅しってことですね。

しかし、ここで各個人が動き始めなければ極論のように見える「言論統制」なんて事態も夢でなくなってしまう可能性はゼロではないのです。声を発さない人間の意見が民主主義社会で認められることはあり得ないですし。

で、「具体的に何すりゃいいのよ」って人は、こういったところ(東京都青少年健全育成条例改正問題のまとめサイト)でも参考にしてみるといいでしょう。応用すれば他の問題にも対応はできる、程良いまとめサイトのような気がします。

細かいことを言えばキリが無くなるので言いませんが。一応、学生時代にチョット学生運動をかじった身として補足しておきたいのは、どんな意見を伝えるときにも感情論に流されず、実利(または実害)の存在する理論で相手を説き伏せるというのがとても重要です。

2001年 山形大学学生寮にて学生運動をかじっている写真。
東大の駒場寮と同じプロセスで寮がつぶされました。

今回の件にあわせるならば「そういったコンテンツが減少することによって、一定の市場縮小が起き、国の税金収入が減りますよ」(一例であって正解ではないです)などなど。ちなみに「ああいうもの(クライムサスペンスとか?)が許されているのに、児童ポルノが許されないのはおかしい」的な主張は時間の無駄なのでやめましょう。

さらに突き詰めると、本当にエンタテインメントを愛する人間たちの代弁者足りうる人間を、政治家として動けるようにみんなで援助するとかまでありうるとは思いますが、誰が適任なのか(ローゼン○イデン読んでるよ程度ではなくw)は分からないので、まずはそういった活動母体になりうる団体を作るようなところからはじめるといいかもしれませんね。現実問題ある程度お金の回っている業界には大体そこから支援を受けて活動を続けている政治家というのがいるものですし。

というところで今回はここまで。各自の素敵な判断による素敵な活動により素敵な未来が開けることを祈ります。


・最後に恒例のwebラジオ告知

現在弊社で趣味のようにやっておりますwebラジオ「あきでんラジオ」第13回目放送が、本日更新されます。今回はゲストに、僕の前の会社の先輩である高橋様をお呼びしています。

某有名同人ショップのエロゲコーナーの担当だったんで、哀愁のただよう素敵な後ろ姿をご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。現在は求職中で、エロゲの会社様と繋がりが多いので、興味をもたれた経営者様は、とりあえず僕にご連絡下さいませ。

哀愁のただよう後姿。
某有名同人ショップ秋葉原店の地下一階のエロゲコーナーにいた高橋さん。

そんな感じでまた再来週。ではでは。

クエスチョナーズ 藤岡聡

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