2010年06月14日

【コラム・ネタ・お知らせ】 ダメ人間がダメなりに考えていること

クエスチョナーズ 藤岡 クエスチョナーズ藤岡でっせ。何の因果か「社長」を名乗り始めてから、もう4年くらい経っているわけですが、いくら名ばかりの社長でもロールプレイを続けていると色々と考えることもあるものです。クエスチョナーズ自体の経営方針に想いを馳せたり、組織と個人がどういう関わり方で仕事をしていくべきか、などなど。
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株式会社クエスチョナーズ
気がついたらもう4年目 今回は4年間やって色々気がついたお話です

前にいた会社を勢いで飛び出して、意地と口八丁だけで切り盛りしてきたクエスチョナーズ。会社経営なんてものを真面目に考えたこともないところから、無理矢理仕事をこなして早4年間。

こんなダメな僕でもこうやってなんとか生き延びてくると、変な会社の社長としてメディアに露出したりすることも増えるようなところまで辿り着くものです。最初の頃は名刺の肩書きが「HIMO」だったりして、今思うと「過去に戻ってキチ○イみたいなコト言ってる自分をSATUGAIしたい」なんて思うこともたくさんありますが、まあ概ね楽しくやってきております。

ちなみに今回のお話は経営者だったり、自営業だったり、フリーで仕事してるという人達にとっては当たり前すぎるお話なのでそういう方々は生暖かい目でスルーしてくださいw。びっくりするほど楽天的なダメ人間の、やっと気づいたこと備忘録みたいな感じのお話なんで。これから「こういう業界に単身飛び込んでやろう」、とか「会社やってやるぜ」みたいな人は読んでおくといいかもしれません。前置きが長いですね。はい、始まり始まり。


いろんなところで言い続けているんですが、僕らがやっているエンターテインメントのお仕事というのは本当にギャンブルと紙一重なモノです。好きなモノを作って、それを気にいった人にだけお金出して買ってもらって、それだけで食っていく。まあコレが理想なんですが、なかなかに難しい。僕なんかは本当に楽天的な人間なので(そういう人じゃないとなかなか第一歩が踏み出せない。またはすごく用意周到な人じゃないと。)、「自分が好きなものを正直に作っていけばなんとかなるだろう」とか「首が回らなくなったらホームレスでもやるかな」みたいな事を考えてこの商売を始めているわけです。

そんなことを考えていたとしても人生というのは色々あるもので、やれ結婚だとか、やれ会社に関わる人間が増えただとか、色んなイベントが起きて「そんないい加減なこと言ってちゃダメだなあ」というところに追い込まれるものです。で、いざ真面目に考えだすと、勢いで始めてるもんだから「おいおいどうするよ?」とか悩むことになります。「人間が生きるということは?」とか妙に哲学的なことも考えなくちゃいけなくなったりとかもします。

そういえば結婚式はケーキ爆破なんてことをやりました



さらに言うと僕の場合は、「面白いモノについて考え続けるにはある程度安定した収入が確保出来ていることが大事」、ということに気づく、というイベントも有りました。正直言うと一時期ウチも「そろそろにっちもさっちもいかなくなるかも知れない」みたいな状況になりかけたことがあって、そういう時にさすがの僕も思考があまり良くない方向にいってしまう、という経験をしたのが大きかったように思います。

で、まあ最終的には、「周りにいる人間が毎月最低限生きてくのに困らないくらいのお金だけは安定して稼がなきゃいかんなあ」位のことは思うわけですよ。良く言えば常識が身についてきたとも言えるし、悪く言えば思考が守りに入ってきたとも言います。「50億人を感動させたい」とか言ってる人間の言うことでもない気がしますが、ソレはソレ、コレはコレという事で。

ITMediaさんに取材を受けました ありがとうございます
「パンツ型眼鏡ふきに空飛ぶパンツ 作ったのは “50億人を感動させたい” 玩具メーカー」

具体的に考えると、とりあえず現在ウチの事務所に常にいて、なおかつクエスチョナーズの仕事を主にやっている人間は5人くらい。なので、月に5×20万円くらいはコンスタントに利益を出しておきたい。さらに言うなら諸経費分とか、常にチャレンジャブルな企画をやり続けるために、会社に200万円くらいの貯金は常時あって欲しい。とか言い出すと毎月ざっくり150万円くらいの利益を出し続けることが、今の組織を後ろめたい想いをせずに維持していくのに必要である、と言えそうです。

そんなことをいつの間にか考えるようになって、最近は「モノを作って売って」という業務以外にも「安定して毎月いくら入る」みたいな業務を増やしていこうとしてたりもします。こんな普通の会社なら自然とやってることにたどり着くまで、どれだけの時間がかかったことか...orz。まあ涙を拭いて未来について考えることにしましょう。

と、こんなところが最近のクエスチョナーズの経営方針。こういうことを考える以前の、「ノリでどこまで行けるか試してみよう」なんていうところからしたら、コアセルベートが原始生命になったくらいの奇跡ですね。今みなさんは生命の神秘レベルの奇跡を目の当たりにしているわけです。なので刮目してクエスチョナーズを見てくださいw。


こういう大枠での組織の方針に加えて、クエスチョナーズという組織と個人の関わり方という点についても当初から比べると一定の変化が生まれています。大元のところでは「世界が面白くなればいい」という基本方針は変わっていないんですが、アプローチが変わりつつある感じ。

アキバblogさんに取材を受けた2009年8月
「パンツ型メガネ拭き 制作者インタビュー “世の中が面白くなればいい”」

初めの頃は「自分が面白いモノを作り続けていれば→勝手に周りにそういうことが好きな人間が増えて→そういう人達にモノの作り方を教え込んでいけば→勝手に企画が増えて→金銭的にも良い循環が生まれだすだろう」くらいのことを考えていたりもしたんですが、最近ではそうでもないんじゃないか、なんて思ってます。

正確に言うと、今までのやり方では思ったほどのスピードでそういった循環が起きてはくれない。確かにそういう人たちはそれなりに集まってくるんですが、そういった人間がまずは各々の力だけである一定のレベルの生活を維持し、そしてアイディアを量産し始めるところまで到達するのにとても時間がかかる。そこからがスタートなんですが、スタート地点に立つまでにすでにエライ時間がかかってしまうんです。なおかつゼロからスタート地点に立つまでの生存率もなかなかに低い。

そういったことに気づくまでは、クエスチョナーズの周辺に集まってきて、その中でスタート地点に立った人間の企画を精査して、各々のリスクとリターンに見合った投資をしていけば「面白いモノも増え、なおかつ儲かったりするんじゃないかな」みたいな「実利と夢を同時に追う」という感じのスタンスでした。でも、それではスピードが足りない、というのが今の僕の結論。このままでは50億人の感動を生み出すのも、国を作るのも僕が生きているうちにできるかどうかわかったものじゃありません。じゃあどうするか。もっと積極的に行くしかない。と、当然の結論が見えてくるわけです。

初めの頃に思ってた、企画屋さんの企画を精査して投資をしていくクエスチョナーズの形
バックナンバーを読んでいただけると色々書いてあります

で、そこら辺をより積極的に推し進めるために具体的には何をするべきか、というところで僕が現在考えて(妄想して)いるモノの一つが「コンテンツ天国」とかだったりするわけです。要は僕個人とか、クエスチョナーズとかの利益はさておき、世の中に面白いモノが増え易くする環境をより積極的に作る、というのが今のスタンスになっております。もちろん「コンテンツ天国」以外にも考えていることはあるんですが、そこら辺はまた後日。おいおいこのコラム上とかでも発表していくつもりです。

結構反響があった「コンテンツ天国」のお話
詳しくは2010年3月8日のコラムを御覧下さい

こんなところが、4年間クエスチョナーズをやってきて僕が考えていることです。おそらく僕とは違う立場の人からしたら、何お門違いなこと言ってるんだ、とか、まだそんな事言ってるのか、みたいな感想をもたれるところもあるかも知れません。僕自身ですら4年前の自分にそんな感想を抱くところはありますし。

ただ一つ言えることは、こうやってフラフラと考えを軌道修正しながらでも、とにかくやりたい事をやり続けて生きている内は、大正解ではないとしても不正解ではない、ということです。成功しても失敗しても、生きて何かしらのモノを作り続けている内は僕がクエスチョナーズの代表であることを否定出来る人間はいないわけです。

これは経営者であろうと、漫画家であろうと、原型師であろうと、全てのフリーのプロとして生きている人達について言えることでしょう。まあ多少家族やなんかに文句をいわれたりする時もあるでしょうが、開き直って何かをやり続けている内はすべての人の手の中に平等にチャンスだけはあるものです。願わくば生きている限り、やりたい事をやり続け、最後の最後に面白い人生だったと思えるくらいにはなりたいものです。


最後に恒例のあきでんラジオ告知。今回も生放送でやります。日時は6/14月曜日の21:00~ニコ生Ustreamどちらもやります。今回はお外に出かけてかーずさんをお出迎えします。どこまでもノリで突っ走る!!な感じの約2時間をお楽しみに。

そんな感じで今回はここまで。ではまた再来週。

クエスチョナーズ 藤岡聡

【バックナンバー】
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