2010年11月06日

「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」アニメ放映インタビュー

「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」インタビュー

TOKYO MX他にてオンエア中の『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』伏見つかさ先生、担当編集者・三木一馬さん、小原一哲さん(アスキー・メディアワークス)に加えて、アニメ『俺の妹』のプロデューサー・岩上敦宏さん、宣伝担当の高橋祐馬さん、小松慎太郎さんのアニプレックスチームも参加いただき、現在の心境などを訊いてみた。

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さらに後半では、『とある魔術の禁書目録II』広報担当の太田勝也さん(ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社)にも特別にご参加いただいて、9月26日の日本経済新聞に掲載された『俺の妹』x『とある魔術II』のコラボ広告についても、裏事情などざっくばらんにお話しいただいた。

■「桐乃デレすぎ」or「桐乃ウゼえ」、ベストなさじ加減のアニメ版

―――これまでの率直な感想は、いかがでしょうか?

伏見つかさ先生(以下、伏見):アフレコの時から「凄い、これはいいものになるな」と思っていたんですが、そこからさらに制作スタッフのお力でパワーアップしていました。

私は、小説では起承転結の「転」と「結」で盛り上がるように書いてるんですけど、アニメは「起」「承」からすでに面白いんですよ。一人称では見えてない部分、たとえば第3話の桐乃たちのオフ会シーンなどでは、脚本の倉田英之さんが良い仕事をしてくださいました。アニメのオタクたちは、ときに私が知らない話題で盛り上がったりするのですが、そんなときは「なんのことだか分からないけど、こいつら楽しそうだなあ」と微笑ましく観ています。

―――まんま作者=京介ですね(笑)。その京介はアニメでは印象が違います。

伏見:京介はもっと年相応の欠点を持ったクソガキに書いたつもりだったんですけど、心の声をカットしたことによってイケメンになってますね。桐乃や黒猫からは、京介がこんなスーパーお兄ちゃんに見えているのかと驚きました。

一同笑い

伏見:特に第3話で中村悠一さんがやってくれました! アニメ化はあそこがキモだと思っていたので、上手くクリアできてホッとしています。ここが駄目ならしょうがない、というくらいの気持ちでした。

―――桐乃も原作よりツンケンしてない、可愛らしさが全面に出ている感じです。

伏見:原作ファンは「桐乃デレすぎじゃね?」って言ってるんですけど、アニメから入った人は「桐乃ウゼえ」って言ってて、ベストなさじ加減だと思います(笑)。そのギャップが面白いなぁと眺めてます。

―――アニメ化するにあたって変えた箇所とか、補足説明などはありますか?

伏見:第2話で新垣あやせが出てきたり、意識的に登場人物を前倒しで出しているようです。 あとは、アニメで削られたエピソードが後の方で出てきたりという入れ替えがあったりしますので、「この好きなシーンが無くなってたー」という人はもうちょっと待って頂ければと思います。

―――原作の持つ雰囲気を大切にされたからと言うことですね。逆に原作まんまと言えば、第1話でかーずSPアキバBlogが思いっきり実名で出てますけど、いいんでしょうか?

伏見:オンエアで気づいたんですけど、第2話でもモバイル版アキバBlogが出てましたね。っていうかお二人に許可取らなかったんですか?

三木一馬さん(伏見先生の担当編集者。以下、三木):二人からは、これ(指で輪っかを作って)が来なかったんですよ。まぁでも、出した後に請求すればいいかなって。いきなり変なもの届いて、届いたんだから買えよみたいな、新手のあれです!

かーず:どんなヤクザな商売なの!

三木:なんて言ってね! サプライズプレゼントとして演出してみました。………だって、僕らは戦友じゃないですか!

―――急に白々しくなってるんですけど! そういう胡散臭さ、この前『のら犬兄弟のギョーカイ時事放談!』でも注意されてましたよね!

三木:まあまあ、そんなかーずさんやgeekさんのおかげで、ニコニコ動画の再生数も凄いんですよ!

かーず:(ああ、やめないんだ、その芸風……)誰かが必死にクリックしてるんじゃないですかね。

高橋祐馬さん(アニプレックス 宣伝担当 以下ゆま):そう! またアニプレックス陰謀論とか出てきて、必ず出てくるのが自分の名前! どんだけ俺はヒールなんだよっていう!

一同爆笑

かーず:人気者ってことです。きっと今頃は「俺妹、覇権(笑)」とか言われてますよ。

ゆま:フォローになってない……。

三木:ニコニコ動画では「みんなでワイワイできるアニメだね」ってコメントが流れてきて、それはありがたいですよね。

伏見:私自身、弾幕とか見ていて楽しかったんですよ。なるほど、これはニコニコ動画向けのアニメなのかなと、良い意味で思いました。

――――小説でイラストを描かれているかんざきひろ先生が、アニメでも「織田 広之」名義としてキャラクターデザインをされています。アニメとしては非常に珍しいケースだと思いますが、この点についてはいかがでしょうか?

三木:やはり原作者ご本人がしっかりとアニメに携わっていただいてますので、原作のビジュアルがかなり忠実にフィルムに再現されています。これは自分がアニプレックスさんにご提案して、かんざきさんに何度もプレゼンしてお受けいただいた経緯があります。かんざきさんには相当お忙しいところを受てもらいました。非常に感謝しています。

―――絵師=アニメーターという特殊な状況は業界内でも話題になっていますか?

三木:そうですね。いままでそんなスタッフィング自体がなかなかありませんでしたから、かなりポジティブな要素として働きまして、皆さんからも良い意味で驚かれました。自分としては、「よしっ!」という感じでした。

アニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」BD1巻

■伏見つかさ先生、アニメ脚本家デビュー!

―――他に、現場で面白いエピソードはありましたか?

伏見:舛成孝二監督の書いた絵コンテがすっごい面白いんですよ!

三木:絵コンテって構図や立ち位置などが分かればいいので、普通はラフスケッチみたいなものなんですけど、舛成さんのものは独特の絵柄っていうか、4コマ漫画みたいなんです。

伏見:桐乃がエロゲーやりながらコボちゃんみたいな表情してたりとか、噴き出しちゃうんですよね。その回はオリジナルシナリオということで、私が脚本を書かせていただきました。

―――えっ!? さらっと言いましたけど、伏見先生のアニメ脚本デビューですよね!! 小説を書かれるのとはだいぶ勝手が違いますか?

伏見:はい。アニメではセリフを短くする処理とか、ある程度わざと説明しないテクニックが必要になってくるんです。だから私が書きすぎた部分を「そこは表情指定にした方がいい」とか「セリフにしないで、桐乃の鼻歌とかにして表現した方がいい」とか、倉田さんに直していただきました。

―――これで小説以外にゲームシナリオ、アニメ脚本、ドラマCDと一通りやられましたけど、どれが一番大変だったとかありますか?

伏見:単純に、ゲームシナリオが作業量的にきつかったです(笑)。

―――第一巻のBlu-ray&DVDが12月22日(水)に発売されますよね。オーディオコメンタリーを伏見先生が書き下ろされたとか。

伏見:はい、最近のアニメではキャラクターコメンタリーという、本編映像をキャラクターがコメントしていくタイプが流行っていますが、今回はコメンタリー用の新たなアニメーションを作っていただきました。高坂家の居間でキャラクターが本編映像を眺めながらツッコミを入れたりコメントをしていくというシチュエーションになっています。最初は、『化物語』や『Angel Beats!』形式で、と提案していただいたのですが、めんどくさいのでイヤですとお答えしました。

一同爆笑

伏見:必要なテキスト量がまずもの凄いし、尺合わせのためにアフレコ中に修正作業をしないといけないとうかがって、私には絶対に無理なので違う方法を考えましょうと正直にお話しました。岩上さんと打ち合わせて、こういう形になったのですが、これはこれでやってみたら凄い大変で、結局どっちが楽だったか分かりません。

岩上敦宏さん(アニプレックス プロデューサー、以下、岩上):先生に頑張っていただいたおかげで、面白く仕上がっています。時系列に縛られないので、桐乃だから勝手に止めたり巻き戻したりするわけですよ(笑)。これまで見たことない特典映像になってると思いますので楽しみにしててください。

―――第一巻には書き下ろし短編小説もついてるとか。

伏見:桐乃視点と黒猫視点の2本を書いてます。本編では絶対にやらない話なので、BD・DVDを買ってくれた人たちだけの楽しみになります。

三木:パッケージを玄関に落としちゃった時の内心ハラハラした桐乃とか、オフ会に行った時の黒猫の気持ちが書かれていて、僕も読んでて本当に面白くて。黒猫の邪気眼っぷり、地の文だとヤバいっすよ!! カオスっていうより、ケイオスですよ!

伏見:アニメ9話ともども、黒猫の妹たちがちょっと出てきます。

―――これで『ねこシス』と同一人物なのか、ハッキリわかりますね!

伏見:アニメ化するにあたって、黒猫の設定について、明確にする必要が出てきまして。色々悩んだのですが、こんな感じにしてみました。原作の展開もあんな感じになってますし、ちょうどよかったといえばちょうどよかったのかもしれません。

―――これからアニメで注目してほしいところはありますか?

伏見:第8話はほぼ倉田さんオリジナル回で、原作の、とあるエピソードと差し替える形で入ったお話です。期待していて欲しいです。

三木:冗談抜きで第3話は「すげぇ良い話だな」って若干泣いたんですけど、そういう感動エピソードが12話にあるので、僕は12話が好きです。

伏見:完成版を観たわけではありませんが、アフレコを聞いた限りでは、11話が原作を凌駕するエピソードになります。毎回毎回、アニメと原作の勝負だ、という気持ちで視聴しているのですが……この回については「……勝てるわけねーだろ。アニメずるいよ」と思ってしまいました。それと後半の回で、とあるキャラが歌って踊るようですので、個人的に期待しています。

インタビュー後半では、日本経済新聞の一面広告で『とある魔術の禁書目録II 』とのコラボを実現させた、その舞台裏について色々訊いてみた。

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