2011年10月31日

【コラム・ネタ・お知らせ】 「限界」はどこにあるのか?

限界 クエスチョナーズ藤岡です。人間は脳の30パーセントも使い切ってはいないらしいですが、皆さん今までに限界を感じたことってありますか?。僕は正直ありません。正確に言うとクエスチョナーズ設立してちょっとした頃までは限界を追い求めようとしたこともなく、それ以降も「限界の壁が見える段階にすらない」といったところです。
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ちょっと自分語りをしてしまうと、僕は「要領・運が少々良くてせっかち」なタイプですので、クエスチョナーズ設立に至るまであまり物事に真剣になったことがありません。まあ正確に言うとその時その時はその時なりに真剣ではあるつもりなんですが、今から考えると一つ一つのことに対して大したことをやってないわけです。

で、大したことやってない割にある程度まではうまくいってしまい、せっかちなのですぐに次の段階に目がいってしまうんですが、当然そんなに世の中甘くないのであっという間に壁にぶち当たります。そうなるとそれまでの「努力に対する成功の費用対効果」が当たり前だと思っているからめんどくさくなって「もういいや」となるのがパターン。でした。

と、まあそこらへん見渡せば掃いて捨てるほどあるダメな若者の一例みたいな感じだったんですが、よーく考えれば親や会社の庇護の下、その庇護を突き破ってやろうとかそういうことを考えもせずにヌルヌルやってれば人間そりゃダメになります(その時点ではそんな意識すらないわけですが)。ちなみに何かの庇護の下生きてるのがダメなんじゃなくて、何かの庇護の下「ヌルヌル」生きてるのがダメだという話なので、誤解なきように。で、僕の場合は幸か不幸かうっかりと自分で会社をやることになったりしてしまいました。もうここからが大変ですよ。

藤岡自身の現在と、「会社の庇護の下ヌルヌル生きていた」頃との写真比較
表情・格好だけ見ると今の方がヌルヌルやってそうorz。まあ人間外見じゃないんですよ

もともと自覚もなしにずーっと何がしかの庇護の下ヌルヌル生きてきた人間が、「ちょっと前までうまいことやってきた」というあやふやな自信?・実績?だけでやってけるほど会社経営は甘いもんじゃございません。ということがわかるのも会社を始めた後のことw。なんだかんだでクエスチョナーズは活動を開始してから5年目に突入していますが、僕自身最近になってようやくこれからの自分・会社の将来を真面目に考えはじめているという体たらく。そんな人間が「限界」なんてモノを知れているはずがないわけです。

そんな情けない人間でも、ここまで状況が揃ってくると流石に会社の経営者としてどうすればもっともっと上手く「儲けられるのか」とか常時考えるともなく考え続けるようになります。ちなみにこのくだりちょっと露悪的な感じに書いてみたりしてみていますが、ここの部分だけ読んで「儲けのことしか考えてないのかよ」みたいなレベルの感想しか出てこない様なお方は一回普通に社会人としてまともにお給料をもらえるような仕事をしてみるといいと思います。

ちょっと話がずれましたが元に戻して、「儲け」というのはとてもたくさんの要素が複雑に絡み合った結果、一つの分かりやすい基準として出てくる「会社の行動」に対する「お客様からの評価」であると考えることができます。で、この概念を単純に一つの商品Aという例を当てはめた上で因数分解してやると「Aによる儲け(売上)」=「顧客数」*「価格」となり、要は「Aという商品に対して何人のお客様が幾らまで出してよいと考えた結果が企業の儲け(売上)になる」ということになります。これを図にすると下のような感じになります。

「Aによる儲け(売上)」=「顧客数」*「価格」の図。商品によって図のどこに位置するかは違いますが、斜線部分の面積の大きさが「儲け(売上)」をあらわします。

まあ理論上はこんな感じの現象が起きてくるはずなんですが、上に書いた方程式は極端に単純化したものなので本当はもっと色々な要素について考える必要があります。

例えば「顧客数」は「商品の種類(フィギュアなのかキーホルダーなのか)」や「大元のコンテンツ」はたまた「商品自体のクオリティ」・「商品に付加されるアイディア」「販促方法」などの要素によって変化します。

また、「価格」も「諸経費」や「企業が要求する利益」・「流通の仕組み」などによって大幅に変わってきます。さらにその細かく分けた要素の間でも「商品自体のクオリティ」と「諸経費」は相関関係(基本的にクオリティが上がれば経費も高くなります)にありますし、ものによっては「大元のコンテンツ」が「流通の仕組み」に作用する場合(ディ○ニーの関連商品をアダルトビデオの流通に乗っけることは多分できません)もあります。

さらにさらにこれらの細かく分けられた各要素は「時間」という要素を軸に互いに相関関係を持ち、一企業がもっているリソースをその相関関係のある各要素にどう振り分けるかによって、「儲け(売上)」も複雑に変化することになります

複雑な「儲け」の仕組み。とても一つの図だけには収めきれません。

上記のような事情があるので、同じような業界の中で同じようなレベルの会社があったとしてもその各企業の考え方次第で「限界」まで突き詰めた商品の出す「儲け」という結果が全然違うものになるということは当然のように起こりえます。

極論すれば同じ会社の似たような商品であったとしても、その商品に対する姿勢が違えば、同じようなことをやっていたとしても結果は変わってきます。さらに言うと「時流」も無視できません。例えばフィギュア業界でだって「フィギュアの肌の色は塗装で表現するのが良い」という時もありましたし「成型色で表現するのが良い」という時もあります。

なので、企業が「Aという商品」を作る時に、持てるリソースを限界まで使い切って上の段で述べたような各要素のバランスを上手く取り、さらにソレが十分な市況の把握がなされていることによりその時の市場で最も顧客が求めている価値観のバランスとがっちり上手く重なる、そしてその商品を作ることにより割いたリソースが結果として会社の経営フローを圧迫することもなかった、という状況が実現できればソレが『「限界」まで上手くいった商品』ということになるんだということです。

もう読んでるだけでややこしいことこの上ないとは思いますが、コレを文章にまとめたり、実現しようとするのも結構大変なんすよ。いやマジで。

いつも考えながら脳みそがオーバーヒートしそうになっております。正直ここで書いたようなこと全てを上手いことやれたなんていう実感をもったことはないですし、これから先も出来ることがあるのかすらわかりませんが、こんな感じの「限界」を追い求め続けていきたいものだと考え続けております。まあそう考えているのは僕に限ったもんでもないとは思いますが。この「限界」が実現できた暁にはメーカー、作家、流通、小売、そしてお客様の全てが幸せになる「約束の地」が待っているはずなので皆様が暖かく見守り続けてくれることを願っております。といったところで今回はここまで。ではではまたまた再来週。

クエスチョナーズ 藤岡聡

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