2012年01月11日

パパのいうことを聞きなさい!SS第一回 「BOY MEETS GIRLS」

パパの言うことを聞きなさい!「BOY MEETS GIRLS」 第一回 はじめまして。松智洋と申します。本日1月10日よりアニメが放送開始となりました「パパのいうことを聞きなさい!」の原作を書かせて頂いております。この度、アニメ放送の間、SSを連載させて頂けることになりました。何とぞ、宜しくお願い致します。個人blogでスペースをお借りしての連載は、集英社としてもSD文庫としても初めての試みです。
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「パパのいうこと聞きなさい!」は、「ドタバタアットホームラブコメ」と銘打たれたライトノベルです。 大学生の男の子が三人の女の子を引き取る事になっての大騒ぎを描いておりまして、ホームドラマとラブコメの中間くらいを意識して書いております。

アキバblog様では、この作品とアニメの展開を連動させた番外編を書いていこうと思っています。

あ、先に言っておきますが、ちなみにこれはいわゆる『ステマ』じゃないですよー。
明確に『宣伝』です(笑)

神田明神でのヒット祈願や、上坂すみれさんのイベントなどで何度も取り上げて頂く機会がありまして、その中でたまたまアキバblog管理人さんをご紹介頂く機会がありました。 そこで私が管理人さんに「もしアキバblogで連載させて欲しいって言ったらOKして貰えますか?」と訊ねたところ、「個人blogなので僕がOKなら何でもありです」というお話を頂き、それは是非とも、とお願いしてこれまで準備をして参りました。 幸い、集英社様、キングレコード様にもご理解頂けまして、この連載となった次第です。

イラストレーターさんも原作絵師であるなかじまゆかさん初め、公式の皆さんが参加してくださることになっております。

なのでインディーズでありながら公式のバックアップを得て、手弁当でお贈りしております(笑)


アニメ「パパのいうことを聞きなさい!」は、本日1月10日を皮切りに各放送局様で順次放映が開始されます。 どの放送局の方にもこの連載を楽しんでいただけるように、今週は毎日掲載を目標に書いていくつもりです。

原作の小説は現在8巻まで出ておりまして、今月25日に9巻が出る予定です。 アニメもこれから三ヶ月にわたって放映される予定です。 また、漫画版も集英社各誌で6誌に渡って展開していただいておりまして、既にジャンプSQ.連載版単行本一巻が発売して、アキバblog様にも取り上げていただきました。ヤングジャンプの単行本も1/19に発売され、続々と増えていく予定です。 連載も集英社で6誌、そしてこのアキバblog様での連載で7誌目になります

個人blogでスペースをお借りしての連載は、集英社としてもSD文庫としても初めての試みです。緊張しておりますが、何とぞよろしくお願い致します。読者の皆さんに楽しんでいただければ、これに勝る幸せはありません。

◇パパのいうことを聞きなさい!とは!?

両親を幼い頃に亡くし姉と二人で育った瀬川祐太は、八王子にある多摩文学院大学への入学を機にひとり暮らしを始めた。大学では美人の先輩、織田莱香の色香につられて路上観察研究会という変わったサークルに参加し、イケメンで人なつっこい友人、仁村浩一と、オタクながら侮れぬ人脈を持つサークル会長、佐古俊太郎たちと楽しい日常を送っていた。

祐太の姉、祐理は×2で二人の子持ちの男性と再婚しており、池袋の一軒家で暮らしている。姉には、夫の連れ子である真面目で内気な長女、小鳥遊空と、次女でアイドル張りの美少女、小鳥遊美羽、そして自分の実の娘である三歳児の小鳥遊ひなの三人の娘がいた。祐太はそのことに微妙な感情を持っているが、家族はとても仲良しだった。

大学にも慣れた七月。姉、祐理の突然の訪問を受けた祐太は突然、自分たちが留守の間、池袋の小鳥遊家に来て三姉妹と留守番をして欲しいと言われる。  突然の申し出に困る祐太、しかしそこは自分を育ててくれて姉の言葉に逆らえず……

この物語は、こんな冒頭から始まります。  まだアニメを見ていない、小説も読んでいない、漫画も読んでいない……そんな人の為に初回の解説はここまでにしておきますが、これから何回かかけて、物語の中核になるキャラクターたちを紹介していこうと思いますので、宜しくお願い致します!


◇BOY MEETS GIRLS

 ……それは、姉さんの家に行く約束になっている前日のことだ。
 俺、瀬川祐太は八王子駅にあるショッピングモールで頭を悩ませていた。
「う〜ん、どうしようかなぁ……」
 眉間に寄ったしわが固定化してしまいそうだ。
 かれこれ、三時間近くこうしているんだから、当然かも知れない。
 ここは、モールの中にある、なんというか……ファンシーというか可愛いというか、そういうイメージのものを扱っている店が集まっているゾーンだ。
 普段、頼まれても近づかないこの場所で、俺は最初、店に入るのすら躊躇していた。
「だけど……手ぶらって訳にも……いかないよなぁ」
 ブツブツと呟いて、勇気を振り絞って入店してみる。
 なんだか、視線が痛い気がする。しかも、可愛らしい原色の多用された女の子アイテムは、どれも俺の目にはきらびやかで全然選べない。
 きょろきょろしている俺を、獲物を狩るハンターの目で見つけ出した店員さんが笑顔で近づいてくるその威圧感だけで、俺は店から逃げ出してしまう。
 これを繰り返している中に三時間だ。
 にしても、これだけ繰り返しても店がまだあるというのは、どれほど多くのアイテムと多くのコンセプトが用意されているかを物語っている訳で……ますます気が重い。
「女の子へのプレゼントなんて、買ったことないんだよね……」
 ため息が出る。
 そう、俺は明日には池袋まで、ほとんど初対面に近い三人の女の子と一緒に過ごすために出かけなければならないのだ。
 ――正直、気が重い
 なんたって、俺はどっちかといえば女の子が苦手だ。つきあったことはおろか、姉以外の女の子と話した時間の総計は通常の男子大学生の半分にもみたないんじゃないか?
 うーん、やっぱりこの留守番を引き受けたのは失敗だったような……

 俺は、幼い頃に両親を亡くしてしっかり者の姉に育てられた。
 高校生だった姉は、苦労して俺を育ててくれた。おかげで、俺はそれほど辛い思いをすることもなく大学生を迎えた。
 ただ一つ、俺が高校に入る時に、姉がいきなり×2の男と結婚すると言い出したのだ。ぶっちゃけ、俺は反対だった。なので、俺はそのまま賄い付きの寮に入って高校に通った。世話好きの寮母さんやルームメイトたちのいる窮屈な高校生活を経て、やっと念願のひとり暮らしを始めた俺は、何人かの親しい友人も得て、楽しい大学生活を送る……はずだったのだが。

「まさか、子どもたちと留守番しろだなんて……姉さん、無茶だよ……」
姉が義兄の出張について行くということで、いきなり小鳥遊家――姉さんの嫁ぎ先の名字だ。たかなし、と読むらしい。鷹がいないから小鳥が遊べる場所、というような意味だそうだ――で留守番の付き添いを頼まれたのだ。
 多少、距離はおいているといっても保護者にして育ての親である姉さんの頼みを俺が断れる訳もない。俺は、しぶしぶながら承諾し……本日に至るわけだ。
「どうしようかなぁ……いっそ、手ぶらの方がいいかなぁ」
「うんうん。そうだねぇ。瀬川ちゃんにしては正しい選択だね」
「うわあっ!」
 な、なんだなんだ!?
 考え込んでいる俺の後ろから、いきなり肩を叩いたのは……仁村だった。
 ……相変わらず、見たことのない女の子を連れている。この男は、俺と同じサークル、路上観察研究会のメンバーだが、俺と真逆で女の子にモテモテのイケメンだ。
「に、仁村……なんでここに……いや、それ以前に……」
 仁村は、判ってる判ってる、という顔で頷いた。
「瀬川ちゃん。女の子たちへの手土産なんて慣れないこと考えない方がいいよ。だいたい、池袋の方が都会なんだからお店も多いし。下手なものを選んでいくくらいなら、一度お邪魔してから、一緒に買い物に行った方が外れがないと思うな。その方が間も持つしさ。そう思わない?」
 きらん、と笑顔の仁村。くくく、まったくその通りで言い返せない……
 俺は、イケメンの意見を受け入れる事にして、手ぶらで出かけることにした。
 確かに、家の中でじっとしてるよりはその方が間が持つかもな。
 そんな作戦を胸に、俺は当日を迎えることになったのだった。


 池袋は鬼子母神にほど近い住宅街の一角にある少し大きめの家。
 そこが祐太の姉、瀬川祐理が嫁いだ小鳥遊家だ。
 普段はちょっと頼りなかったりもするけど仕事の出来るパパと、若く元気で優しいママと、お母さんの違う三人の娘が元気に暮らしている。
 今日も仕事で帰りが遅いパパを除いて、女子四人で仲良く暮らしていた。
「お……お兄ちゃんが来るの、明日なんだよね?」
 なぜか少し顔を赤くして口火を切ったのは、長女の空だった。
 セミロングの髪にリボンが印象的な美少女で、責任感の強い真面目な性格の持ち主だ。長女の問いに、三姉妹のママである祐理は苦笑で答えた。
「そうよ。もう空ちゃん、どうして何度も同じ事聞くの?」
「だって……今まで、ずっと来てくれなかったし」
 頬を染める姉に、イタズラっぽい笑顔を向けたのは次女の美羽だった。
「お姉ちゃん、すっごく楽しみにしてたんだよね! ふふっ、だって……」
「あっ、やーっ、美羽、ヘンなこといわないでよっ!」
 美羽は金髪にツインテールで、TVから抜け出してきたようなアイドルばりの美少女だ。彼女は、怒る姉のそばをかいくぐるようにしてママの隣に行く。
「祐理さん、叔父さんって、どんな人なの?」
「えー、祐太? そうねぇ……優しい子よ」
「そっかあ。あたしも楽しみだな」
 ママに甘えるようにしがみつく次女を、祐理は優しく抱き寄せる。
「そう言ってくれると嬉しいわ。ひな、ひなも楽しみ?」
「えー、あぁにー?」
 リビングのソファーで、ぬいぐるみのうさぎとおままごとをしていた、本人もまるで人形のように可愛い少女が、にぱっ、と笑顔を向ける。
「ひなは、お兄ちゃんのこと覚えてる?」
 空は、ひなの方に近づくと柔らかい身体を抱き上げる。
「えー? わかんないお? なぁに?」
「ふふっ、ひなが会ったのはまだ赤ちゃんの時だもの。覚えてないわよねー」
 優しい笑顔で、祐理は空ごと、ひなを抱き寄せた。
 祐理が、空と美羽、ひなを一緒に抱き寄せる形になる。
「ゆ、祐理さん、なんだか、は、恥ずかしいよ……」
「いいじゃない。家族なんだから、こういうのも。祐太も……早く一緒にこうしてあげたいな」
 祐理は、遠くを見るように微笑んだ。
「わ、私、お兄ちゃんにあったら……『お帰りなさい』っていうね。私は、前にも会ってるし、そ、その……お、お兄ちゃんに、そう言ってあげたいから!」
「……ありがとう、空ちゃん。あなたは、私の自慢の娘よ。美羽ちゃんも、ひなも、みーんな、早く祐太に自慢したいわ。こんなに素敵になったのよ、って」
 その笑顔があまりに優しくて、三姉妹は、大好きなママの身体にぎゅっと抱きついたのだった。

 そして当日がやってきた。

「きゃあああああああああっ!」

 池袋にこだまする黄色い悲鳴。
 状況は説明する必要もないだろう。
 下着姿の長女は半泣きで崩れ落ち、八王子から来た大学生は凍り付いた。

 かくして少年と少女たちは出会った。
 祐太の計画も、空の準備も吹き飛んで、物語は波乱の幕開けを迎える。
 それは、熱い日差しの照りつける初夏の出来事だった。

 でもそれは、これから訪れる激動の日々の……まだ序章に過ぎないのだった。


【バックナンバー】
パパのいうことを聞きなさい!SS第一回 「BOY MEETS GIRLS」
パパのいうことを聞きなさい!SS第二回 「小鳥遊家の約束」
パパのいうことを聞きなさい!SS第三回 「彼女に彼氏がいない訳」
パパのいうことを聞きなさい!SS第四回 「ママとひな」
パパのいうことを聞きなさい!SS第五回 「イケメン無双」
パパのいうことを聞きなさい!SS第六回 「何事も形から?」
パパのいうことを聞きなさい!SS第七回 「美しい羽」
パパのいうことを聞きなさい!SS第八回 「莱香妄想(YJ風)」
パパのいうことを聞きなさい!SS第九回 「初めてのパンチラ」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十回 「空ちゃんのアルバイト志願」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十一回 「ひなとぬいぐるみ」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十二回 「新子胡桃の溜息」
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アニメ『パパ聞き!』放映記念! 松智洋先生インタビュー(前編)
松智洋先生インタビュー(後編)

【関連リンク】
アニメ「パパのいうことを聞きなさい!」公式サイト
パパのいうことを聞きなさい!ポータル
スーパーダッシュ文庫 / 「パパのいうことを聞きなさい!」
ゲームでも、パパのいうことを聞きなさい!

◇本文・松智洋
blog:http://www.papakiki.com/
twitter:http://twitter.com/matsu_tomohiro

◇イラスト・なかじまゆか
blog:http://digitalunderground.blog100.fc2.com/
twitter:https://twitter.com/#!/yuka_nakajima

◇コピーライト
松智洋/なかじまゆか/集英社/PPP

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