2012年01月13日

パパのいうことを聞きなさい!SS第三回 「彼女に彼氏がいない訳」

パパのいうことを聞きなさい!SS「彼女に彼氏がいない訳」 皆さん、おはようございます。松智洋です。昨夜もアニメ「パパのいうことを聞きなさい!」の初回放送がチバテレビ様、毎日放送様の放送地域でオンエアされました。そして本日13日はテレ玉様が25:05から、BS11様が23:00から、AT-X様が23:30から放送開始です。毎日毎日、緊張して眠れない日々が続いております……
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いやあ、twitterのタイムラインが気になって仕事が手に着きません(汗)
原稿が沢山溜まっているというのに……何というチキンハート。
自分が自分で情けないです。もう出来る事なんてないのは判っているのですが。
なのでボチボチと返信を返したりしつつ少しでも原稿を書くべく頑張っております。
皆さんが気に入ってくださるといいなぁ。

そういえば、昨日12日より響様で放送して頂いているwebラジオ「パパ聞き!RADIO」に出演させて頂きました。いつもながら小鳥遊空役の上坂すみれさんはとても可愛かったです! 一生懸命、空を演じてくださっている彼女は現在、僕の中でキャラクターとのシンクロ率が非常に高いです。上坂さんも空も、幸せになって欲しいと思います。

しかし、彼女に会えるのを原作者の役得、と思うのは多少早計でないかと思ったりしなくもないのです。……このゴスロリ美少女から飛び出す想像を超えた熱いロシア&ミリタリートークには、目の前にいてもアナザーワールドに引き込まれる魔力が備わっているのですよ。一緒にいて話していても夢と現の境が崩壊していくような気持ちになるのに、ラジオを聴いている皆さんにはどういう風に聞こえているのでしょうか。

既にゲストに呼ばれた瀬川祐太役、羽多野渉さんも「浄化されるかと思いました」という名言を残されたすさまじいフリーダムトークに、僕の反応が次第に壊れていくのが聴いていて判っていただけるかと思います。一緒に出ていた編集長もタジタジでした。

あと、なんだか爆弾発言をした、と後でみんなに心配されたのですが……ま、まあもう業界歴が無駄に長いことも、20年来のコミケスタッフであることもカミングアウトしている僕に今更隠すことなどないと思うので……(笑)

twitterでも心配してくださった方もおられましたし、本当に有り難うございます。
大丈夫です。現実なんて二次元の前には無力なんです。 心はいつも童貞ですから!

さて、僕の話はこれくらいにして。

今期のアニメもだいぶ出そろってきて、どれを継続して視ようかなー、と皆さんが考えておられる時期だと思います。 今期、豊作ですね!  てかなぜか全体に肌色分も多めで豪華な感じです。
うちの娘たちが頑張ってサービスしてたのに、霞むじゃないですか(笑)
どれも面白いのでかなり難しい選択になると思います。
僕もHDDレコーダーの増設を検討せざるを得ない感じです。

ただ、お願いです。

週間予約に『パパのいうことを聞きなさい!』も残しておいてください! 日常系としては多くの設定を内包するこの作品の真価は、長く見て頂いてこそじわじわと浸透するタイプの遅効性なネタにあります。

実際、僕はアニメにしにくいのではないかと考えていました。 それを考え抜いての、キャラクター紹介に特化しての第一話になっています。 テンプレ展開、と言って頂くのはむしろ光栄なことで、そこに落とし込むことで余計な事を考えずにキャラを見て欲しい、という監督の願いが込められているのだと思います。

ここからブーストしていくアニメ「パパのいうことを聞きなさい!」を、何とぞ宜しくお願い致します!


◇キャラクター紹介<小鳥遊美羽>

小鳥遊三姉妹・次女「小鳥遊美羽」
アニメ公式サイト・キャラクター紹介

小鳥遊美羽は、10歳の金髪美少女です。
美少女揃いの三姉妹にあって、更に頭一つ抜けた美少女なんです。
彼女は北欧系の血を引くハーフで、三姉妹の二人目の母の娘になります。

性格は非常に社交的で、自分が可愛いことも十分に知っているタイプ。
小悪魔系、とよく表現されますが、女子力の高い女の子ですね。
周囲へ気遣いは大人並みで、姉の空よりもお姉さんっぽいくらい。
小鳥遊家のムードメーカーとして、仲良し三姉妹の調整役と言ったところでしょうか。

これから起こる様々な出来事の中で、特に適応力のある彼女はみんなの支えを担っていきます。笑顔でいることを自分に課している美羽も、やはり家族思いの素敵な娘なんです。

彼女を演じてくださっている喜多村英梨さんは、OP主題歌『Happy Girl』も歌ってくださっています。実際、三姉妹が集まっての収録では、羽多野パパを巡る人間関係が不思議と三姉妹にかぶっておりまして……美少女&気遣い&調整役で喜多村さんはバッチリと実物の美羽並みな感じです。まさにハマリ役というところでしょうか。


◇「彼女に彼氏がいない訳」

 大学生活ってのは驚きの連続だった。
 同じ学校とは言っても、これまで受けてきた義務教育とは根本的にやり方が違っている。
 一番判かりやすいところで、カリキュラムを自分で選択できることとか。
 やりようによっては週に3日程度しか大学に通わなくてもすんだりするのだ。まあ、そうすると後々苦労することにはなるが。
 そんな、自由で新鮮な体験に満ちたキャンパスライフだが瀬川祐太――つまり俺のことだ――は、中でも特に変わった体験をしていると自信を持って言える。

 疑う気持ちも分かる。

 だが、どうだろう。たとえば今、俺の目の前には床に横たわる女性がいる。
 背中に包丁が刺さった状態で。
 ただし、誰もそれを気にしている様子はない。
 警察に電話を、とかそんな話にもならない。
 なぜなら、もはや学内の学生たちにとっては一種、既に見慣れた光景だからだ。

 背中に刺さっている包丁のオモチャとか、口元についたケチャップと思われる血の跡とか、なぜか乱れた衣服とか、ついでに言えばさっきから死んでいるはずの彼女の目はうっすら開いていて俺がどういうリアクションをとるのか様子を伺っていたりする。

 ちなみにここは部室で時間は正午ちょっと過ぎ。

 お昼休みに購買でパンと飲み物を買って部室にやってきたら、こんな事態に遭遇したというわけだった。どう考えても、これは俺たちに対して何かを求めてるに違いない。

「おい、仁村……どうしたらいいと思う?」

 俺と一緒にこの奇妙な状況に巻き込まれてしまった友人に聞いた。

「オレに聞かないでよ。こういうの、瀬川ちゃんの方が得意でしょ」

「得意とかそういうんじゃないだろ……」
 しいて言えば、この多摩文学院大学の学生で俺が一番彼女の不可思議な行動に直面した経験が多いってことだ。

 この倒れている女性の名前は、織田莱香さんと、いう。

 超絶的な美貌と、完璧過ぎるプロポーションを持つ……不思議美女である。  彼女はサークル『路上観察研究会』の先輩であり、端的に言え俺が片思いしている相手ということになる。

「ま、とりあえず。織田先輩の担当は瀬川ちゃんだから。んじゃ、あとよろしくっ」

「あっ、こら! 仁村!」

 仁村は俺の肩を叩いてさっさと逃げ出してしまった。
 後に残されたのは、俺と莱香さん(絶賛死体になりきり中)だけ。
 莱香さんもそろそろジッとしているのに飽きてきたのか、俺たちに「さっさとリアクションをしろ」とばかりに足をジタバタさせはじめている。
 ……正直、ちょっと可愛いと思ってしまった。

 しかしあれだ。この場合、俺はどのようなリアクションをとるべきなのだろうか。

 やっぱり、驚愕の表情を浮かべて駆け寄るべきなのか。それともどこかの身体は子ども頭脳は大人な少年探偵よろしく冷静に事件の手がかりを探したりした方がいいのだろうか。
 普通なら真剣に悩むようなことじゃないのだろうが、悲しいかな惚れた弱みというやつで少しでも莱香さんの期待に応えたいとか思ってしまう。
 その辺のことをよく理解しているから、仁村もさっさと俺を置いて行ってしまったのだ。

「よしっ」
 俺は覚悟を決めた。
「わー、莱香さん。いったいどうしてこんなことにー」
 やや……いや、かなり棒読みだったが、俺は精一杯驚いたフリをして莱香さんに駆け寄った。

「……3点」

 莱香さんの口から、あまり嬉しくない点数が告げられた。
 10段階で3。かなり厳しい評価だ。
 もしかすると100点中の3点かもしれない。だとすると、莱香さんの期待に応えるという目的からすれば大失態だ。  というわけで気を取り直して。

「そうか……これは密室殺人!?」
 精一杯、感情を込めて言ってみた。
「2点」
「さらに下がった!?」
 よもや3点より下がるとは思いもよらなかった。

「ていうか、莱香さんもう勘弁してくださいよ……」
 俺が音を上げると、莱香さんはゆっくりと起き上がる。
 それにしても、争った痕跡みたいなのを表現したかったのか、すっかり着乱れた衣服が非常になまめかしくて目のやり場に困る。

「莱香さん、今日のはいったい、な、何がしたかったんですか」
「緊急時における反応。それと……祐太の演技力」
「だったらご覧の通りですよ」
 自慢じゃないが、中学生の頃にクラスのお芝居であまりの大根っぷりに急遽役を降ろされたって悲しい体験もあるくらいだ。

「演技が下手でも悲観することはない。いいこともある」
「いいこと、ですか……?」
「祐太はウソをつくのが下手」
 すると、莱香さんは自信満々に言った。
「ウソが下手って……それって自分にはあんまいいことに思えないんですけど……」
 俺のツッコミなんか意にも介さず莱香さんは何か上機嫌だった。
「実験台として適役」
 莱香さんは、無表情に告げる。
 ああ、そういうことですね……判ります。どうせ俺は単純ですよ……

「あ、忘れていた」

 ふてくされた俺の目の前で、莱香さんは突然、がばっ、と衣服をはだける。
 白い膨らみが、一瞬……俺の視界に……わっ、わわわっ!

「だ、だあああっ! な、なんですかっ!」

 目を覆う……といいつつしっかり見てしまう俺。
 仕方ないじゃないかっ、男の子だもん!
 が、残念ながら莱香さんはきっちり隠すべきところは隠していた。
 そしてそのまま、手の中から首輪らしきものを取りだして……装着する。
 ちりん、と可愛らしく鈴が鳴った。

「ら、莱香さん……?」
「タイ焼きを買って来た。一緒に食べよう」
 は……?
 タイ焼き……??
「な、なんでタイ焼き食べるのにそんな格好する必要があるんですかーっ!」
「猫だから」
 まるで当然だ、というように莱香さんは答えた。

「お魚食べる。猫。祐太、嬉しい?」
 莱香さんは、挑発するように顔の隣に手を持ってくると……くいっ、と拳を返した。
「にゃん」
 俺は……思わず同じポーズを取っていた。
「……にゃん」
 そんな俺に、莱香さんは無表情に言う。
「祐太は、猫好き」
 ……い、いや、それは違うと思うんですけど……
「祐太のことが、またひとつロケンした」
 莱香さんは、そう満足げに言うのだった。

 これが、現在の俺の憧れの人である織田莱香さんだ。
 こんな変わった人でなければ……これほどの美女に男が寄って来ない訳がない。
 莱香さんは、入学以来ずっとこんな調子だったらしくて、最初は群がっていた男たちもいつの間にか諦めたらしい。

 つまりこれが彼女に彼氏がいない訳なのだ。
 俺は、そのことに感謝しつつも……未だに、どうしていいか全然判らない。とほほ……

 こうして多摩文学院大学での日々を過ごしていた俺に、あの事件がやってくるのだった……


【バックナンバー】
パパのいうことを聞きなさい!SS第一回 「BOY MEETS GIRLS」
パパのいうことを聞きなさい!SS第二回 「小鳥遊家の約束」
パパのいうことを聞きなさい!SS第三回 「彼女に彼氏がいない訳」
パパのいうことを聞きなさい!SS第四回 「ママとひな」
パパのいうことを聞きなさい!SS第五回 「イケメン無双」
パパのいうことを聞きなさい!SS第六回 「何事も形から?」
パパのいうことを聞きなさい!SS第七回 「美しい羽」
パパのいうことを聞きなさい!SS第八回 「莱香妄想(YJ風)」
パパのいうことを聞きなさい!SS第九回 「初めてのパンチラ」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十回 「空ちゃんのアルバイト志願」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十一回 「ひなとぬいぐるみ」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十二回 「新子胡桃の溜息」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十三回 「ファーストコンタクト」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十四回 「ひとりでできうもん!」
パパのいうことを聞きなさい!SS番外編 「三姉妹のお願い」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十五回 「プールの日」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十六回 「ひとりの時」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十七回 「そして始まりの時」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十八回 「ゲーム発売記念・お掃除頑張って!」
アニメ『パパ聞き!』放映記念! 松智洋先生インタビュー(前編)
松智洋先生インタビュー(後編)

【関連リンク】
アニメ「パパのいうことを聞きなさい!」公式サイト
パパのいうことを聞きなさい!ポータル
スーパーダッシュ文庫 / 「パパのいうことを聞きなさい!」
ゲームでも、パパのいうことを聞きなさい!

◇本文・松智洋
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◇イラスト・なかじまゆか
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◇コピーライト
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