2012年09月20日

【コラム・ネタ・お知らせ】今やゲームの時代はパッケージ購入型から、ブラウザゲームへ移りつつある……そんなお話しです

今も昔も変わらずPCのゲームの開発・販売を続けているビジュアルアーツですが、ここにきて世の中が劇的に変わりつつあることを実感しています。エロゲと言えばパッケージ販売やDL販売が主流だけど、世の中的には端末を問わず気軽にプレイできるブラウザゲームがメインコンテンツとなりつつあるのですね。今回は『ブラウザゲーム』についてです。
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こんにちは! いよいよKeyの新作がその骨格をあらわしつつある中、この作品はチームの総力を結集したいと考えているvavaしゃちょーです。

iOSやらAndoroidやら、スマホを主としたOSが脚光を浴びる昨今、我々ソフトウェアメーカーがそれらへの対応を必死に進めているのは、みんなも知ってるよね?

ところが重要なプラットホームが、もうひとつあるんだけど、なんだかわかるかな?

それは『ブラウザ』なんだ。

(過去回へのリンク)
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◆ブラウザゲームとは?

てことで、ブラウザゲームですよ。

ブラウザゲームは、ウェブブラウザで遊べるゲームの事を言う。インターネット上にはFlashゲーム、CGIゲーム、PHP、shockwave、Javaアプレット、JavaScript、HTML5など様々な言語で作られたブラウザゲームがある。ゲーム専用のソフトウェアをダウンロード、またはインストールする必要がなく、インターネットに接続できる環境であればどこでも気軽に遊ぶことができるという利点がある。ただし、プラグイン(後述)がインストールされていない場合は該当プラグインのダウンロードおよびインストールが必要である。
ブラウザゲーム(Wikipedia)
いやー、さすがのWikipediaもこのジャンルについてはあまり情報がないらしい(笑) つまりは書き手があまりいないらしくて、いつもみたいに博学饒舌を披露してくれない。

アキバBlogをご覧のみなさんはもうわかってることだと思うけど、一応説明しておくと、つまりこういうことなのだ。

本来CPUを動かすためにはそれ専用の言語で命令しなきゃいけないんだけど、世の中のあらゆるCPUや端末にはクセがあって、これにすべて対応したものを用意するとなると大変な手間がかかる。

そこでその端末の差異をなくすために、OSというマシンを直接動かしている命令セット(ソフト)が開発された。各アプリはこのOSに対して命令を出せば、機種の相違を気にせずいろんな端末で動作するソフトを作ることができるわけで、これがWindowsなんかの基本的な考え方だ。

ところが世の中の進歩とともにOSすらも多様化してきて、いろいろ種類が出てくることになってきた。PCだけならいざ知らず、携帯電話であるスマホがこれに加わってくるともう大変(笑)入力も表示もさまざまでOSだってiOSやらAndoroidやらWindows Phoneやらえらいことに(笑)

でもどこにも頭のいい人はいるもので(笑)どんな端末にもWEBブラウザは搭載されてるじゃん、これこそ最高のOSじゃね?こいつで動作させればどんな機械にも対応したゲームになるんじゃね?となったんだな。

んで、これをブラウザゲームというんだ。

なんせゲームによってはいろんな端末をまたいで継続したプレイができるわけだから、家ではPCでプレイし、外出先ではスマホでその続きをやる、なんてことも可能なんだよ。

あら可愛い(笑)でも女の子がスマホでゲームやってる姿ってなんであんなに可愛いんでしょうか?この真剣なまなざしがたまらん(いや失礼^^;)


◆モバゲでもブラウザゲーム

ここにこういう資料がある。

2012年度第1四半期業績のご報告(株式会社ディー・エヌ・エー)

この資料の20ページを見ると、DeNAさんが提供しているモバゲでの、スマホにおけるブラウザゲームの比率がわかるね。

調べてみるとモバゲでいう「オープン」というのは、サードパーティー(いわゆる第三者団体)が企画・開発・運営を行うゲームを指すらしい。上記の資料を見るに、2012年6月現在でオープンのスマホゲームが397あり、そのうちのなんと355がブラウザゲームになっているらしいのだ。

詳しくは引用元をご参照ください。DeNAさんて今やプロ野球球団を保有しているのだから恐るべき成長企業。会員数4307万人というのも途方もない数字だ。

ユーザーがガラケーからスマホにシフトしつつあるものの、iOSやAndroid、Windows Phoneという具合にOSが統一されない不安定な現状では、各ゲームメーカーは開発の効率化のためにブラウザゲームに活路を見出そうとしているように思える。

これは私にもとってもよくわかる。メーカーの立場から言わせてもらうと、せっかく苦労して開発したゲームがiOSのバージョンアップのように頻繁に仕様が細かく変更になったり、Andoroidみたいに機種が200近くある上に個体相違が激しいなんてのは、まるで悪夢だ。

その点ブラウザゲームならHTML5や、ある程度の言語仕様、規約はあるものの、それに沿って作っておけばいいわけだから、桁違いの安心感があるわけだな。


◆便利な開発ツールもいろいろ

とはいえ、開発するにはそれなりのノウハウや、効率的に作業を進めるためにAPI的なものが必要になるんだが、もちろん、そういったものも今はいろいろ揃ってるよ。同人のみなさんなんかは、今後ブラウザゲームも手掛けられるだろうから、ちょっぴり紹介しておこう。

まずはサイト上でブラウザゲームが作れるサイト。

ブラウザゲームというくらいだから、開発そのものをブラウザで行うことにも親和性が高くて、そういうツクール系サイトなんかは昔からあるよね。

<ブラウザゲームが作れるサイト>

Rmeke

ここは以前私が『Kanon』の一部を実験的に移植してみたことでご存じの方もおられると思う。

さすがに13年もたってこのタイトルはないだろうと思ってちょっぴりプレイしたらこれが面白いのなんの(笑) 名作ってなそういうもんだよねー。いやー次は同級生やりたい(笑)興味がある方はコチラ

その他にこんなサイトさんもあるよ↓

まぜまぜのべる
ツクローアドベンチャー

もちろん他にもたくさんあるので、ググってみそ!

あと、ここ↓はVAに使ってくれとご依頼があったので紹介しよう(笑) キャラにセリフをつけたりして、ADVぽい会話シーンが作れるサイトさんだそうだ。(Wさんおなつかしや。お元気ですか?^^)

キミP!

これは余談だけど、こういうユーザーへ環境をご提供するサイトってのはよくあるものの、すぐにグダグダコンテンツが氾濫してそのサイトの良さを潰してしまうことが多い。それらをどう監視して、あるいはそうならないよう支援して、サイトの価値を維持していくかと言うのは、永遠のテーマだよね(笑)

次に開発支援やツールについて。

これだけCPUが高速になってくると、昔ほどネイティブなコードでがりがり作らなくても、多少汎用の丁寧なコードを経由しててもそれなりにきちんと動作するし、ゲームの内容そのものも、今はそれほど高度な動きや演出を要求されないので誰かが開発してくれた基本命令セットを使用しても大丈夫のようだ。

それらは汎用開発エンジンとも言うべきもので、すでに各社からはいろいろ開発ツールがリリースされているみたい。それがこちら↓

enchant.js
DeNADev / Arctic.js
 DeNA、ブラウザゲームに特化したHTML5開発支援ツール「Arctic.js」をオープンソース化

ついでにもうひとつ。

こちらではインフィニットの松井健太郎氏が、ブラウザゲームについてその苦労とノウハウを公開されている。面白いし勉強になるのでよかったら読んでみそ。さらにこの閲覧サイト自身が『slideshare』という、ブラウジングで動作するプレゼンサイトというのだからシャレてるよ(笑)

PHPで大規模ブラウザゲームを開発してわかったこと

◆なぜかお金は払いたくない?

どんな端末でもやれて開発もいろいろ便利。こう聞くと「いいことずくめ」に思えるブラウザゲームだけど、もちろん弱点もある。たとえば大量のデータをやりとりするので、通信に頼らざるを得ず、そこがネックになるとか、環境の整備やサーバーメンテナンスなどに費用がかかるとか……。でも一番の問題はユーザーがなぜかお金を払いたくないってことだ(笑)

これはメーカーからすると大いに悩みどころだよ。

PCでの萌え系ADVを作ろうとした場合、1本あたりの経費はざっと1000万から2億くらいなのだが、これを回収するためにはしっかり課金システムを作らないといけない。ところがブラウザゲームはユーザーから見ると無料が当然って感じがして、お金払うのに抵抗を感じてしまうらしい。

そこで基本は無料と謳いつつ、いざゲームが始まると有利にゲームを進めることができるアイテムが販売されていたり、無料プレイでは到底手に入れることが不可能なレアなアイテムなんかが販売したりして、実質課金するわけだ。ただそうすると、今度は逆になんだか騙された(こちらからすると騙してる)感がして、微妙に後味がよろしくない(笑)。

ビジュアルアーツは社長からして精神的にチキンなので、どうもそういうのは苦手だ。あとで怒られないように、最初からきちんと説明しておきたくなる。

たとえばこんな感じ↓

このゲームは無料と言ってますが、途中から有料ガチャは始まるわ、アイテム販売はあるわ、おまけに隣の駅に行かないとヒロインに会えないのに、電車のキップはリアルマネーで1500円もします。ちなみにキップは特急券扱いなので往復3000円です。こんな感じでフルコンプまでいったいいくらかかるのか、開発者としちゃ想像するのも怖いです、わはははは…
これじゃ誰もやらないよ(笑)

課金を堂々とやれて、それでもちゃんとゲームをやってくれるようになるには、まだ少し時間がかかりそう。それが現在の限界なのかもね。

◆萌えゲーもあるよ

てことで、One-upさんという会社に版権許諾して、『メガミエンゲイジ』というのにご協力してみました。

われわれだけでなく、しっかりいろんなメーカーさんがご協力されてます。無料登録と書いてありますが当然これはアレなわけでつまりカードを貰うにはうわなにをするやめr

もちろん世の中には、これ以外にもたくさんあるみたい。

魔法少女 まどか★マギカ オンライン
Web恋姫†無双

PCでプレイするわれらが萌えゲーは絵も大きく音楽や声もあるので、ブラウザゲームにはちょっぴり相性が悪い。それに、ネトゲの先行からファンタジージャンルが主流になってしまったので、現代世界が得意な萌えゲーがブラウザゲームにおいて微妙に立ち遅れているのも残念だが確かだ。

でもこれからはブラウザゲームへも、多くの萌えゲー企業が参入してくるだろう。

思うに、PCからスマホに移行しつつある時代では、いちいちパッケージを購入してインストールするタイプのゲームはだんだん少なくなっていくんじゃないかな。

パッケージ作品をメイン商材として販売してる身としては、今もこれが一番重厚で中身の濃い商品なんだぞ!という自負はある一方、時代の流れを読むと、もはや盤メディアは通信でなんとかなんないのかな、と思ったりもする。

だからだんだんに、パッケージはDLへ、やがてはブラウザゲームへと変わっていくだろう。コンテンツホルダーからすると変化は困りものなのだが、ファンのためにも頑張るしかないよね。

なによりファンがなにを好み、どういうものを嫌うのかは、それらの世界で頑張ってきたわれわれが、一番よく知っているはずだから……。

てことで、今日はこの辺でヾ(´∀`;)ノシ



補記1
ネトゲ業界との協業の場合、こちらへのロイヤリティーは売り上げからプラットホームと課金手数料差し引いた8~10%というのが通例らしい。だけどこれだと微妙に安くて本気を出しにくいので、せめて15%~20%あればと思うのだが相手も企業だしなかなか難しい。

補記2
ところで本文前出のメガエンであるが、見栄えがいまいちな割には実は面白くてハマってるのはうちの都乃河勇人である。いやいやいや、そんなにお金払ってくれてありがとう。というか、お給料はらってる社長としてとおっても複雑な心境だ。社内にもブラゲ開発チーム作ったから顧問に就任してくれ。

補記3
てかさ。やっぱお金の話ってイヤらしいな(笑)ぶっちゃけ生臭いのでどう書いても誰も得しない。しかしこのコラムのコンセプトの一つは、ビジネススキームを明確な数字で語るってことだから、避けて通れないし、困ったもんだ。

補記4
話は変わるが、『RewriteHfカー』のオークション無事終了いたしました。ご協力いただきました皆さま、ありがとうございました!最終落札金額は(また金orz)\1,806,000円でした!



■ ANIME FAIR KANSAI 2012に出展してきました!

神戸で開催されましたアニメ系イベント・ANIME FAIR KANSAI 2012に出展してきました!
会場ではアニメ・リトルバスターズ!のデモムービーを流したり、ポスターの無料配布を行ったり! そんな会場の様子をお伝えしちゃいまーす!

ワーナー・ホーム・ビデオ/ビジュアルアーツで、ANIME FAIR KANSAI 2012に出展!

ビジュアルアーツ大感謝祭でも展示した特大タペストリーをブースに設置!関西初お目見え!

PSP「クドわふたー」、PSP「リトルバスターズ!EX」、PS Vita「リトルバスターズ!EX」、Android「CLANNAD」の試遊台も設置! みなさん興味津々だったようですー!

ブースでは、アニメ版・ゲーム版のリトルバスターズ!がリバーシブルになったポスターを無料配布!今後のイベントでも配る予定なので、チェックお願いします!

こちらはブースで配布していたうちわです。コミックマーケットで配られたものと同じです!

リバーシブルポスターの絵柄はこちら!

【バックナンバー】
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