2012年11月15日

【コラム・ネタ・お知らせ】無断転載と著作権。これからは作家が利用規定を決めていく時代

無断転載と著作権。これからは作家が利用規定を決めていく時代 みなさんのTwitterアイコンは何ですか?自分自身の写真?配布されている、好きなキャラクター?それともゲーム内やアニメ、公開されたイラストから自分好みに作ったものかな? そう、今回はネットにおける『無断転載』について触れつつ、それに付随する『著作権』のこともちょっぴりお話ししてみようかと思います。
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みなさんコンニチワ!
ビジュアルアーツのVAVAしゃちょーです。

最近Twitterなんかを見てると、ずいぶんこの『無断転載』について喧(かまびす)しいみたいですね。

『無断転載はされて当然、そう思えないならネット上に絵を上げるな』(Togetter)
「無断転載」のまとめ(Togetter)

事の発端は、同人作家さんがご自分の作品である絵を、Twitterのアイコンや背景に無断で使用され、それを抗議したことにあるらしい。

んでもって、それを凄い情熱で指摘する人たちがあらわれたり、指摘された人が居直ったりして騒ぎが大きくなったようだ。

そもそも著作物の利用は権利者の恣意や思想によってずいぶんと自由度が違ってくるんだよね。

これはKeyの『Rewrite』キャラのTwitter用アイコン。こうやって使って著作者の側から使ってほしいものを提供する場合はもちろん問題ない。ちなみにDLページはこちら

(過去回へのリンク)
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最速ビジュアルアンテナ
馬場社長ツイッターはこちら
◆無断転載は是か非か

まあ結論から言うと、その人次第じゃないかな?

作家さんにはTwitterアイコンくらいにならOKだけどホームページやブログへの転載はNGという人もいれば、改変さえしなければほとんどの転載はむしろ歓迎だって人もいる。

もちろん一切の転載は嫌だと言う人もいる。

結局、こういう問題には無数の考え方が存在するし、さらに法的な問題、一般常識、大衆文化思想と、いろんな異なるサーフェイスが交差するから非常に複雑だ。

その昔(今でもあるけど)、フリーソフトという考え方が提起されて、自作ソフトウェアの文化が一期に花開いた時期があった。

同人のプログラマーさんがちょっと便利な自作ソフトウェアなんかを公開して、それを自由に使ってもらったり、転載自由にしたり、中にはソースコードをオープンにしたりしたわけだ。

実はここにも同様の問題があるわけだけど、「どこまで無償利用を許するか」というのを作者各人が公開の時に明記することで、特に大きな混乱はなかったように思う。

プログラムも立派な著作物なので当然無断で転載したり使用したりしてはいけない。でも使うために作ったツールなら、一人でも多くの人に使ってもらいたいとも思う。ちなみにツールプログラムには使用にお金がかかるシェアウェアとか、募金ソフトなんてのもあるんだよ。

でもってイラスト

絵についても、法律だけで解釈すれば自分で描いたもの以外は、全部著作者の許可を得ないと利用できないことになってしまう。

そして、もしもそれを残念だと思う作家さんがいるとすれば、どこまでをOKとするかは作家さんが自分自身で明示するしかない。

画像公開サイトさんなどでは、作家さんが絵を公開する際に、個別に転記・転用の許諾範囲を明記してもらうべきと思うな……。

ちなみに、Keyでも無断転載は禁止だけど二次著作にはちゃんとルールがあってそれはこんな感じ↓

Key素材引用・二次創作物について


◆著作物管理の歴史

素晴らしい著作物だから、公開して世に出してもらいたい。お金だってちょっぴりなら出してもいい。
こう考えるのは人間の本能だし、原始作家の成立過程だよね(笑)

まあなんて嬉しそうな笑顔(笑)こんな風にあんまりうまい踊りなら、「いや〜アンタは畑仕事や漁に行かないでずっと踊っていてくれよ。腹が減るならオレの畑で作った作物を持ってくるから」ってなことになる。エンタメの世界はこういう観客の本能で成り立っているんだよ。

ところが現代になって著作物を複製し、有料で頒布するようになってくると、今度は頒布物のダンピングがおこったり、お金を払う立場が強くなって作家へのディスカウントや強要が行われたりするようになる。

どだい、出版や頒布を生業とする企業連中と、個人の作家が交渉で互角に渡り合えるわけはないので、どうしても作家は不利になるんだね。

で、これじゃいけないとなって、法の整備や著作権保護団体、著作権管理団体が出来たりするわけだけど、そうすると今度はそれを窮屈に思う作家さんも出てくるわけだ。

作家にはそれらを自由に利用してもらいたいと思う人もいるし、自由に利用させる権利もあるからね。

<著作物と保護の歴史>

・原始作家の登場
・お金を出すパトロンの登場
・作家と著作物を利用する版元の登場
・作家保護のための法や管理団体の整備が進む
・保護と規制だけでは作家が不自由
・フリー著作物の登場
・利用規定は作家が自分で決める時代? ← イマココ


◆JASRACの話

閑話休題。

先日、折戸伸治のパーソナルフルアルバム『circle of fifth』を発売したのだけど、その中にいくつかJASRACに登録されている楽曲があって、うちとしてもお金を払わないといけないことになった。

これが『circle of fifth』。下にもあるけどイベントではたくさんの方にお越しいただきました!もちろんたくさん売れてます!

一般社団法人日本音楽著作権協会 JASRAC
日本音楽著作権協会(Wikipedia)

企業として著作物を管理団体に委託してないのはめずらしいと思うし、わが社ももうそろそろ委託しなきゃいけない時期かなとも思うんだけど、今のところは故あってしてないんだよね。

で、普通、著作者登録していると払ったお金は音楽出版社を通じて著作者であるわれわれに大半戻ってくるものなんだけど、今回のは著作者登録をしてないのをいいことに、たぶん音楽出版登録してる会社がまる儲けでこっちには一円も返って来ないのもあったりするわけだ(笑)

しかも中に5分を超える曲があって、JASRACの規定によると5分ごとに1曲とするとあるから、2曲分の著作料を著作者自身の我々が支払わなければいけないらしい。

使用料の計算方法

まあ登録の問題は別としても、5分規定であるとか、曲ごとに作家の利用意向が決定できないとか、今の時代ではいろいろ問題はあると思う。

たとえばこの曲だと「実演は無償OK」「カラオケは無償OK」「無断複製は有料」とか、個別に設定できたり、使用料の%をある程度自由に設定できたり、そういう自由度も少しは求められていくべきだと思うんだよね。(うちが委託してない理由はここにある)

鍵っ子の結婚式のBGMで『鳥の詩』をかけてもいいですかと言われて、すみませんJASRACに金払ってください、なんて言いたくないしありえない(笑)カラオケだって無償でどんどんやってほしいのだ。

誤解の無いように言っておくと、JASRACのおかげで歌謡曲の作家がすいぶん経済的に守られたことも事実であるし、著作権遵守の文化に果たした意義は大きいと思うんだけど、そろそろ個人ではない作家や企業にも、柔軟な対応をしていただけないかなあ?


◆登録サイトの整備を

絵に話をもどすと、世の中の一定の方向性として、著作物は保護と利用の両面から適切な扱いを著作者自身が決めていく時代になりつつあると思う。

したがって同人作家さんや、その作品を発表する場をご提供されているサイトさんなんかは、その利用規定について作品ごとに明記するような仕組み作りが必要なのではないかと思うね。

たとえばこんな感じ↓

<この絵の利用規定とお願い>
・このページへのリンク:可
・Twitterアイコンなどへの使用:可
・転載規定:可。ただし作家名の明記とこのページのリンクを明記すること
・商用利用:必ずお問い合わせください。問い合わせ先:メアド
・元ネタ:あります。当該企業の利用規定はコチラ → リンク

ところで、こういう絵についての規定はその掲載ページにしか明記できないし、フリーソフトのようにReadmeパッケージにすることもできない。一部の画像フォーマットではある程度テキストを包含する事も可能だけど、それも知らないうちに消えたりして結局わからなくなる。

そこで画像検索の技術がもう少し向上すれば、作家さんと協力して絵の利用規定をボランティアで一元管理するサイトなんかがあらわれてもいいと思うがどうだろう?

利用したい画像をドロップすれば、たちどころに利用規定や作家情報が表示されるような機能があれば便利だ。

類似画像検索に関する情報
人工知能に関する断創録

そうすれば万一作家さんが引っ越したりして行方不明になっても、知り合いの知り合いみたいに辿って行って連絡をつけることも可能になるかもしれないし、商用利用や仕事の依頼なんかもしやすいと思うんだよね。

著作者が自分の意思を明確にして、しかもそれをきちんと公開したり保存できるようになれば、著作物の正しい利用や普及がなされるようになり、ひいては作家さんの権利や名誉も守れると思うんだ。


補記
私は少なくともTwitterアイコンで自分のところの絵を見ると嬉しく感じるのだが、同業のみなさんや作家さんたちは違うのかな?そういえば同人さんの2次創作ですら嫌悪する企業もあると聞いたことがあるし、こればかりは人それぞれだから、仕方ないね。

補記2
「鳥の詩」と言えば、先日K-1 WORLD MAX 2010 -70kg Japan Tournament王者、長島自演乙雄一郎選手のご結婚披露宴に行ってきたらテープカットの時のBGMに使ってくれていました。ありがとうございます。そして心からおめでとうございます。

補記3
それにしても自分の著作物の使用料払ってしかもどこかに消えていくなんて馬鹿すぎる。すくなくとも音楽出版社にきちんと著作者登録してもらえばいいじゃまいか。うちの法務は仕事しろw

補記4
とはいえ、そんことを言いながら、うちも知らないうちに他人の権利を侵害することだってあるかもしれないんだから気をつけなければね。ついつい自分を基準にして他人にもそれを当て嵌めるのは間違いのもと。自分の意見を他人に強要することもまた同じ。思想万別。

■ 『circle of fifth』発売記念! 折戸伸治とじゃんけんしてレア音源をゲットしようイベントが開催!

折戸伸治のパーソナルフルアルバム『circle of fifth』の発売を記念したじゃんけん大会が、秋葉原のアキバ☆ソフマップ1号館様と、ソフマップザウルス1様で開催となりました!
なんと折戸伸治と直接じゃんけんをして、勝利するとレア音源を収録したCDがゲットできるという企画!
沢山の方にお越しいただきまして、盛況のうちに終了となりました。折戸伸治……これほどまでにじゃんけんが強いとは……。

レア音源争奪じゃんけん大会!

左が勝者にお渡ししていたレアCDです

アキバでの会場はこんな感じにででーんと。デモムービーも流れていて派手でしたよー

折戸伸治と直接じゃんけんに、喜んで頂いた方も多かったようです。それにしても強かった……。

秋葉原では朝から閉店までひたすらじゃんけん!じゃんけん!じゃんけん!

ところかわって日本橋。こちらではRewriteの制服をきたコスプレイヤーさんも!

一面『circle of fifth』!

みなさまのお陰で無事にイベントを終えることができました!

【バックナンバー】
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