【コラム・ネタ・お知らせ】秘密に包まれた「きんいろモザイク」画集、担当編集が語るその「色」へのこだわりとKRコミックス最新コミックス3種ご紹介！ : アキバBlog

2013年08月21日

【コラム・ネタ・お知らせ】秘密に包まれた「きんいろモザイク」画集、担当編集が語るその「色」へのこだわりとKRコミックス最新コミックス3種ご紹介！

芳文社・まんがタイムきらら編集部潜入調査班のＫＦです。今回もスクープ、ありますよ。ＴＶアニメも放送中の「きんいろモザイク」。その原作者である原悠衣先生の画集が発売されるとの事で、編集部は校正に大忙しです。その隙に乗じて、この豪華なA4判の書籍の全貌と、8月発売のKRコミックス新刊をご紹介しましょう…。

8月27日発売予定「きんいろモザイク画集ひみつのきんいろモザイク」

ＴＶアニメ放送中、先日のC84でもグッズが即完売する伝説（手に入らなかった方、すみません！）を作った「きんいろモザイク」、その魅力の大きな一翼を担うのは原悠衣先生の超美麗なイラストであります。以前のコラムでもコンセプトの紹介はいたしましたが、その今までのイラスト集とは一線を画す高級感あふれる中身をたっぷりお見せします…。

え、なんですか「イ」殿…自分で紹介したいですと！？というわけで、『きんいろモザイク』担当編集の「イ」氏にご登場願いましょう。

◆　◆　◆　◆　◆　◆　◆　◆

こんにちは、きららMAXのイと申します。ここしばらくはアリスたちをひたすら見つめ続ける生き物として暮らしておりました。さて、8月27日発売予定の「きんいろモザイク画集ひみつのきんいろモザイク」もうすぐ皆さまの元にお届けできるのですが、その前にちょっぴり、解説…というか宣伝させてください。

「最高に"かわいい"イラストを、最高に"かっこいい"デザインで」

これが本画集のコンセプト。前者はもはや語るまでもないかと思いますので、後者主体に宣伝したいのですが……それでもやっぱり、これを見せずにはいられません。

天使降臨の図

て…天使が！金髪の天使が！！このイラストを受領したときの衝撃はスゴかったです。少し遅めの時間帯だったのですが、PCの前でほわー……と見とれていたら終電を逃しました……orz。(KF：ｲ㌔)

え？「いつもの原先生のイラストよりも色が薄いんじゃないか」ですって？さすがアキバブログ読者の皆さま、鋭いですね!そうこれはあくまで校正紙。ここから表面につや消し加工（マットPP）が掛かった状態でベストの色味になるよう出力されているんです。

印刷所さまも非常にこだわってくださり（写真の色校で４枚目）、特に金髪と肌のハイライト部は全く濁りが感じられません。蛍光ピンク（肌部分に加えて血色を良くします）の配分も、主張し過ぎることなく上品に抑えられております。

瀟洒なロゴデザインです

ちなみにこのロゴは既存のフォントではなく、「ひみつのきんいろモザイク」の為にデザイナーの阿閉（あつじ）さんが１文字１文字作って下さったものです！高級感を感じさせる上品なデザインながら、深めに取られたふところが柔らかい印象を出しています。小さく配置しても強い存在感があるのも魅力的ですね。

裏表紙側も細部に至るまでこだわってます！通常の書籍ではバーコードの周辺を白く抜いているものが多いですが、本書籍はそのような処理を加える必要がないよう装丁デザインを行った後にイラストに修正を加えて頂き、舞っている羽が自然な形でバーコードを避けるようにされております。

珍しい半透明の帯

帯は厚めのトレーシングペーパーに、青金（※名前の通り青みを帯びた金色です）１色で印刷しました。（KF：なんだか造本の話になってきたな…）半透明の帯からうっすら原先生のイラストが透けて、天使のベールのように見えるという表現をしたかったのですが、帯の見本とカバーの色校を重ねて見ると……よ、読みづらい！！というか読めない！！

打ち合わせの上、帯の裏面にうっすら白を印刷して透ける度合いを少なくする、文字の下だけ白を100%の濃さで刷って完全に不透明にするという２つの解決案が出ましたが、前者はイラストの透け具合が変わってしまうこと、後者は版ズレ（※インクの色の異なる部分がずれて印刷される現象）発生のリスクが大きくなることからいずれも不採用に。

最終的にはインクを厚盛りし、金部分の透けを軽減することで対処しました。シンプルな解決策が最善、ということもあるのですね…。

こんな風に余白を活かしたデザインとなっております

小洒落た各章扉ページ

設定資料も充実！

本文は残念ながらあまり沢山お見せできないのですが……ちょっとだけ！

本書の超メインコンテンツは、何と言っても「きんいろモザイク」のフルカラーイラストです。イラストページは「春」「初夏」「梅雨」「夏」「秋」「冬」そして、「花」「衣装」「日常」の全９章。心行くまで忍たち５人の美しさをご堪能いただけます。一部のイラストには原先生のコメントも入ってますよ！

少々専門的な話になりますが、原先生はモノクロ：フルアナログ、カラー：フルデジタル環境での作画を行っています。カラーイラストは元々、液晶画面での表示に最適なRGB（※光の三原色、赤・青・緑を使った表現方法）で彩色されており、そのまま印刷すると色が薄い部分がくすんでしまいます。液晶画面での色表現と、インクでの色表現はそもそも原理が異なりますので、CGを紙上で完全に再現することは出来ません。ですが、少しでも本来の色／原先生がその目で見て、塗った色に近づけるべく時間ギリギリまで調整を続けました。その結果は読者の皆さまにご判断頂くより他ありませんが、紙媒体で表現できる最大限まで近づけたと思います。原先生ならではの柔かく、優しい色使いを是非ご覧ください！

さらに、本書で初めて明らかにされるヒロインのプロフィール（久世橋先生の下の名前とか…ね！）や貴重な初期設定資料なども大ボリュームで収録しております。担当イ的にイチオシなのが、イラストの制作途中段階である"線画"。収録している分量は決して多くはないのですが……忍たちきんモザヒロインが「キャラ」ではなく「女の子」に見えるのは、原先生の線画が人間の温かさを表現しているからだと思うのです。

「きんいろモザイク画集ひみつのきんいろモザイク」は、編集者として全身全霊で挑んだ１冊です。第１話から今に至るまでずっと担当し続けて、大好きな作品のプレミアムな画集を編集できて幸せです！原悠衣先生、草野剛デザイン事務所・阿閉高尚さん、そして印刷所のスタッフさまに心からお礼申し上げます。本当にありがとうございました！！

この記事を書くにあたって、改めて最終サンプルを読み返してみましたが、「きんいろモザイク」のイラストが持つ魅力を、最大限伝える内容になったと感じております。この１冊には原悠衣先生の作画と阿閉さんのデザイン、そしてそれを完璧に再現してくれた印刷所スタッフ様の仕事が結実しているのです。定価は2500円（税込）ですが、それだけの価値はあると確信しております！「きんいろモザイク」イラストが持つ無限の魅力を、是非その目でお確かめください！

◆　◆　◆　◆　◆　◆　◆　◆

……以上、担当編集「イ」氏より熱～い解説をいただきました。KFも校正に参加しておりましたが、実際上の通りですよ。是非ご一読くださいませ。

そして、8月は大型の新刊タイトルも目白押しのようです。
今回はその三作品すべての特徴をかるーく報告しますよ。