2016年11月21日

【コラム】 「やがて君になる」3巻×「ハッピーシュガーライフ」4巻 発売記念!担当編集による超「百合」対談!

「やがて君になる」×「ハッピーシュガーライフ」 「やがて君になる」「ハッピーシュガーライフ」の担当編集に、一般誌で「百合」作品が連載されることについて直撃インタビュー!さらに「百合の世界入門」を手掛けた編集者にも立ち会っていただき、ガチな百合漫画トークに花が咲いた対談の様子をお届けしよう!(取材・文:かーずSP
-

これまで専門誌を中心に展開されてきた、女性と女性の関係性がテーマとなる「百合」ジャンルだが、昨今は一般誌で連載される作品も多くなり、「百合の世界入門」が出版されたりと、いろんなところで目立つようになってきた。今月はKADOKAWA電撃大王編集部から「エクレア あなたに響く百合アンソロジー」も発売される。

今回はその中でも目立った活躍を続ける「やがて君になる」(仲谷鳰、KADOKAWA『月刊コミック電撃大王』連載)と「ハッピーシュガーライフ」(鍵空とみやき、スクウェア・エニックス『ガンガンJOKER』連載)の担当編集に、一般誌で「百合」作品が連載されることについて直撃インタビューしてみた。両者の百合にかける熱い想いが語り尽くされる!さらに『百合の世界入門』を手掛けた編集者にも立ち会っていただき、ガチな百合漫画トークに花が咲いた対談の様子をお届けしよう!

(以下、敬称略)

【編集者プロフィール】

電撃大王編集・楠達矢……「やがて君になる」や「新米姉妹のふたりごはん」などを担当。今月発売される百合アンソロジー本「エクレア あなたに響く百合アンソロジー」の編集も手がける。
ガンガンJOKER編集・佐々木克行……鍵空とみやき(「ハッピーシュガーライフ」)や河村ほむら(「賭ケグルイ」原作)などの担当編集。「賭ケグルイ双(ツイン)」も百合度が高く注目される。
編集・眈称票 淵好織献・ハードデラックス株式会社)……「百合の世界入門」を企画してしまうほど百合が好きな編集者。今回は百合ジャンルを俯瞰した立場から、様々な解説をしていただいている。
■雑誌の色に縛られず、本格的な百合を目指して
大ヒットした「やがて君になる」

───『やがて君になる』を知ったきっかけは覚えてますか?

佐々木:去年『電撃大王』さんから百合色の強いタイトル(『やがて君になる』と『新米姉妹のふたりごはん』)が立て続けにヒットしました。一般誌から連続して百合のヒット作が出てくるのは珍しいと思った記憶があります。『やがて君になる』は装丁もすごく良かったので印象的でしたね。特に帯が潔くて思い切ったなって。

:ありがとうございます。雰囲気を大事にしている作品で装丁もかなりこだわって作っていますので、そう言っていただけると嬉しいです。帯は、イラストより先に帯のキャッチを考えて作っています。帯のキャッチがまずあって、仲谷先生がそれに合わせてイラストを描くという順番です。

佐々木:それは珍しい順番ですね。

:帯キャッチとイラストがマッチして、そこが評価いただけているようなので、この試みはうまくいったと思っています。1・2巻のキャッチは自分の案だったのですが、3巻のキャッチは、仲谷先生と案を出しあった結果それがとても素晴らしかったので……3巻のキャッチは仲谷先生の案になっていますのでご注目ください。
また、1巻のカバーは、イラストをトリミングするかでかなり悩みました。最終的にデザイナーさんと手探りしながらかなり思い切ってアップにしたんですけど……。同時期に『ハッピーシュガーライフ』の1巻も発売になって、その表紙を見たら、こっちは全然アップさで敵わなかったなって(笑)

佐々木:こっちはサイコホラーの表紙ですからね(笑) 「夜、目があったら怖い感じにしよう」ってコンセプトなのですが、瞳孔を見開いたさとうを可愛いと言ってくれる人もいて、意外でした。そもそも、百合だとは思わずに純粋にサイコホラーとして連載を開始したんです。ところが第一話のネットの反応が『JOKERでカルトな百合が始まったぞ』って感じで、そこではじめて「おねロリ」という言葉を知ることになりました(笑)

:いやいや明らかに百合ですよね!(笑)サイコホラーであることは間違いないんですけど、女の子同士で作中でしっかりと「好き」とか「愛してる」とか言ってるじゃないですか!

佐々木:百合には、あらかじめ狙って仕掛ける「仕掛け百合」と、狙ってないけど結果的にそういう内容になってファンが認める「結果百合」があると思っています。『ハッピーシュガーライフ』は後者で、あと私の担当作だと『賭ケグルイ双』も結果百合っぽい作品です。『ハッピーシュガーライフ』も女の子同士の愛の話ではありますが、立ち上げ時に百合作品を作っているという意識はありませんでした。

:僕は佐々木さんには、百合の素養みたいなものが、心の奥深くに根強く存在しているんだと思っていますけどね。特に違和感なく、女性同士が「好き」と言い合う関係を受け入れて、企画を進められたのですから。

佐々木:まあそうなのかも(笑) とはいえどの担当作品も、あくまで作家さんが描きたいものを描いて、結果そうなった感じですね。そういう意味では、百合の素養がある作家さんに縁があるということかも……。そちらは電撃で「仕掛け百合」を始めるのにハードルはなかったんですか? これまでの電撃のイメージからはかなり異色の作品だと感じているのですが。

:『やがて君になる』は、最初から仲谷鳰先生と「百合をやりたいね!」と話していました。でもおっしゃる通りで、『電撃大王』で直球の百合作品が載せられるのか、自分の中でも勝手にハードルを上げていた部分はありました。ですが編集部の懐が広く、快くOKを貰うことができました。 ただ、連載当初百合ファンからは「『電撃大王』で百合が載ってるんだけど、まだ百合だと信じていいのかわからない」という声が多数見られました。百合だと思っていたのに、女性キャラが男性キャラと付き合い始める展開になることに、百合ファンは恐怖を感じているんです。

:途中まで百合でも、最終的に男との幸せを選ぶ作品は割りとあって、強い愛好家の方は男が出てくるだけでも裏切られたって思われる読者さんもいます。『やがて君になる』では槙くんたち男子も出てきますし、不安はあったでしょうね。

:なので、「槙くんは僕らの代表の、カップルを眺めるのが好きな人ですよ」ってスタンスを早めに表明しています。これは個人的な考えなのですが、逆に雑誌の色みたいなものは、個々の作品が作ればいいと思っています。あと、「男が出てくるから駄目」みたいな食わず嫌いはもったいないので、いろんな百合を楽しんでもらえたら嬉しいです。

:『ハッピーシュガーライフ』も結果百合とは言え、『ガンガンJOKER』という一般誌ですよね。

佐々木:『ガンガンJOKER』では「制服のヴァンピレスロード」という最初から百合を強く押し出した作品がありますし、男性にうける作品、女性にうける作品どちらも誌面にあって振れ幅が大きい。『電撃大王』さんと比べると抜ける方向が一点突破型ではない分、『ハッピーシュガーライフ』を掲載する上での風当たりはありませんでした。

■一般的な作品にも百合っぽいシーンが増えてきて、
受け入れる土壌が広まっていった

───一般誌から百合が出てくるのが最近のトレンドというのは、漫画編集者としてどう捉えてらっしゃいますか?

佐々木:ガチな百合愛好家の方とは別に、たくさんの作品を読んできた漫画好きの方の目が肥えてきて、作中の人間関係に多様性を求めるようになった結果じゃないかと思っています。まさに『新米姉妹のふたりごはん』はそういう形で受け入れられるようになった作品なのかなと。

:『新米姉妹のふたりごはん』は料理漫画ですが、百合作品と見る方がいても、それは自由ということで。

:『百合の世界入門』では「ほのぼの&優しい作品」のカテゴリに入れさせていただいてます。義姉妹は百合の専門誌でもメジャーで、「強く好意として出さないけど、お互いを想いやってる」感情がすごく素敵ですよね。なので『新米姉妹のふたりごはん』は『百合の世界入門』に載せたいと強く決めてました。

佐々木:エンタメ全体の流れとして、女性同士だけじゃなくて男性同士だったり、男女含めた恋愛の三角・四角関係みたいな描写も増えてきて、その中で百合も受け入れやすくなってるんでしょう。

:漫画より先に、アニメで百合っぽい描写が増えてきて、百合を受け入れる土壌自体が育ってきた経緯はあると思います。例えば『ストライクウィッチーズ』は百合を強く意識させる作品だと思います。そしてアニメファンと漫画ファンは親和性があるので、そういった意識が漫画ファンに移ってきているのかなと。

:『プリキュア』シリーズや『アイカツ!』など、昨今は百合ファンの中で「女児向けアニメが最強の百合アニメだよな」という声をよく聞きます。三次元でも、『SKE48』のPVとか、百合を想起させるものがすごいんですよ! 今の時代は子供の頃から、アニメやアイドルを通して、女の子同士のそういう関係を違和感なく受け入れる下地が作られているように感じます。

:そういったアニメ作品が商業的に成功している背景があって、漫画一般雑誌にも百合的描写を取り入れやすくなっていることはあると思います。ツンデレなど男に対する女性の態度としてメジャーだったものが、女性に対して向けられる事も普通になってきました。

佐々木:『ラブライブ!サンシャイン』みたいな複数の女の子が活躍する作品で、誰かが誰かにヤキモチを焼く描写があったりするのは、そういう事ですよね。

:『ラブライブ!サンシャイン』は……曜ちゃん(渡辺曜)はきっと嫉妬をこじらせているだろうと妄想していたら、その妄想を超えた形で現実になって驚きました。全体的に百合文法が使われている描写も多く見受けられましたし、作り手が百合を意識してるかわかりませんが、ああいった描写が一般に使われるようになったのは百合の土壌が広がった結果だと思っています。

■難しいテーマは逃げるのではなく、
分かりやすく描く努力をした方が作品は面白くなる

───『百合の世界入門』を編纂された眈召気鵑ら、両作品について語っていただけますか?

:『百合の世界入門』では、ほのぼの、シリアス、ファンタジーなどジャンル分けしてるんですが、もっと大きく分けるとジャンルは二つあると思っています。一つ目は、従来の百合がベースにあって、ドラマがその上で動く「テーマ百合」。二つ目は、描きたい世界観、物語が先にあって、その中に百合が強く出てくる「要素百合」です。従来の『つぼみ』『ひらり、』や『百合姫』など百合専門誌以外の一般誌から、「テーマ百合」として『やがて君になる』が出てきたことはすごく喜ばしいと思っています。なので、仲谷先生のページのキャッチはこれにしました。

「百合の世界入門」の仲谷鳰さんページ

:『百合界に彗星のごとく登場したスーパースター』って、すごいパワーワードですよね。

:これくらい評価されるべき人だと思ったんです。百合を全面に押し出して、ブレることがなく、それがこの作品の安心感につながっていたので、フィーチャーさせていただくしかないなと。

佐々木:百合漫画って、普遍性を失いがちだと思うんです。ここでいう普遍性っていうのは、「みんなが感情移入しやすい問題提起」という意味です。「女の子が女の子を好きになる」のは外側から見ている分には美しいけれど、万人があたかも自分のこととして感情移入しやすい体験ではないので、そこで一つメジャーになる上でのハードルが生まれてしまう。
その点、『やがて君になる』は、「誰かを特別だと想うことがピンとこない」という葛藤をメインテーマに置いているんです。これはけっこう青春期に体験した人がいそうな感覚で、万人に届く葛藤になっているのが上手い! 普遍性をしっかりと置いているんですね。そうは言っても、創作では「誰かを特別だと想うことがわからない葛藤」を捉えるのはめちゃくちゃ難しいと思います。ここを読者に伝わるように作れているのは、仲谷×楠コンビの力なのかなと感じます。

:難しいテーマに直面したとき、「どうやったらわかってもらえるか」を考えたほうが面白いものができると思うんです。わかりづらいからってそこから逃げてしまうと、もうそのテーマについては描かれることがなくなってしまう。逆にわかりづらいものをわかるように描けたなら……それは新たな面白さを提供できる漫画になるでしょう。面白いものを作る努力を回避してはいけないと思っています。
確かに制作のかなり初期の段階で、どのように描いたら侑というキャラクターを多くの人に理解してもらえるのかは難しい命題でした。そこで『やがて君になる』はいろんな女性に、恋愛経験を取材しています。その中に「好きがわからない」という、侑にピッタリの感覚を持っている方がいて。その話を参考にしたおかげで、仲谷先生の中で侑の描き方、伝え方が定まったという経緯があります。大事な行程だったと思います。

佐々木:燈子については十話が面白かったですね。それまでは侑の方がコンプレックスを抱えているところに焦点が当たっているのですが、十話で燈子の内面が明かされ、今まで紡がれていた物語が全部反転するんです。なるほど!って唸りましたね。

:十話の構成は、企画当初からずっと絶対こうやろう! と仲谷先生と話していました。なので燈子のモノローグは、意図して十話まで一切出していません。そこまで燈子は侑の事が大好きで、アプローチしているんですが、燈子が何を抱えていて、何を考えているのかは分かりません。十話で燈子の内面が明らかになり、今までとは違った見え方をするようになる。「やがて君になる」は十話が本当のスタートになっています。十話を見た後、一話から見直すと、いろんなシーンが初見と違って読めると思いますので、ぜひ読み返してみてください。

「やがて君になる」十話の燈子

:一方で『ハッピーシュガーライフ』は松坂さとうや他のキャラたちの異常行動に目がいく作りになっていたので、最初百合とは意識せずに読んでいたんです。他に異常性癖の人たちがいっぱい配置されてるんで、余計に百合がわかりづらくなってるんです。なので『ハッピーシュガーライフ』は「要素百合」だと思っています。

佐々木:そうですね。結構、変態の人が他に出てくるので。

:『ハッピーシュガーライフ』はとかく松坂さとうのキャラクターが素晴らしい。とにかく「ブレない」んです。第3巻はその真骨頂という感じで、読者に「あれ? キャラがブレるのかな?」って思わせてくるんですよ。読み手は「ブレないでくれ。ブレないでくれ」と願いながら読み進める。その結果、ちゃんとキャラを貫いてくれる、ブレないでくれる。私も読んでいて、すっかり手の平の上で転がされてしまいました。

佐々木:『やがて君になる』が繊細なところを掘り下げて語るのとは逆に、『ハッピーシュガーライフ』では、とにかく強い感情がまずあって、「この感情はあらゆる困難によって打ち砕かれることはない」っていうより強い気持ちを見せていく作りになっています。

:さとうはヒドいことをいっぱいしてる……言ってしまえば犯罪者なんですけど、読者はさとうの幸せを願わずにはいられない。読者が嫌いにならないキャラ造形のバランスが大変見事だと感じています。

佐々木:「好かれるサイコパスってなんだろう」って考えた時に、手段はおかしいけど、動機に納得感がある。それと賢くて、愛を貫くためにテクニカルなことをするのが好かれる要因なのかな。

:さとうが読者に愛される重要な要因はサブキャラの配置によるところも大きいと思います。サブキャラをかなり酷いキャラとして描写しているから、ヘイト(憎しみ)がそっちに向くんです。 なのでさとうがそいつらを打ち負かしてくれた時に読者がカタルシスを感じる。その時にもまた、さとうが好きになるんですよね。

佐々木:変な人が結構出てきますからね。トラウマこじらせてロリコン堕ちしちゃう人とか……。そんな中、さとうはダークヒーローみたいなところがあります。さとうが誰かを傷つけても、根底には「しおのことが大好きだからこの幸せを守りたい」というピュアな動機があって、読み手はその動機に感情移入できてしまう。読み手はいつのまにか、破滅に向かっているとしか思えないさとうを応援する感覚になってしまうんでしょうね。ネットでさとうは「百合無罪」っていってる人がいて、無罪なんだって(笑)

:確かに百合だったら無罪ですね(真顔で)

■バリエーション豊かな百合漫画が詰まっている
「エクレア あなたに響く百合アンソロジー」

──皆さんが百合で最近注目している作品を教えてください

:まずは、まだ単行本が発売されていないんですけど、『柚子森さん』です。百合ファンからの注目度も高く、単行本発売がかなり待ち望まれます。こちらは『やがて君になる』と同様、一般誌からの「テーマ百合」であることも含めて期待しています。
次に、伊藤ハチ先生の「ご主人様と獣耳の少女メル」。甘い作風なんですけど、ところどころに男だったら嗜好が分かれそうな不安要素が散りばめてるんですよ。獣耳など作家さんが描きたい要素がありつつ、僕の好きな描写が多いので楽しく読んでます。

佐々木「かなえるLoveSick」という、『桜Trick』のタチ先生が描かれた最新作が良いですね。タチ先生は、女の子が女の子を好きになるのは前提として、好きだとどうなっちゃうのかってところにすごい飛躍がある方なので、今回も「あ、そう飛ばすんだ」っていうのが楽しいです。
もう一つはカザマアヤミ先生の『星をふたりで』です。百合作品を描かれる方は、デビューしたての頃からずっと百合っぽい作品を描いていることが多いんです。ですがカザマさんはその逆で、プロとして長いキャリアを積まれた後にこの作品ではじめて百合作品にチャレンジされています。漫画家としての経験を積まれたカザマさんが、先生なりの価値を詰め込んだ百合を描かれていて面白かったですねぇ。

:『百合の世界入門』に掲載されている作品的には、くずしろさんの「兄の嫁と暮らしています。」が注目度高いです。

佐々木:弊社の作品なんですが、百合ではないと担当編集が言ってました(笑)

:だから『百合の世界入門』でも、非百合作品として紹介してます。

:そんな……。あんなに百合なのに……。もうタイトルから強いなって思っていました。『兄の嫁と暮らしています』というタイトルから様々な妄想が膨らむ時点で作品の勝利だと思っています。
あと二つ、百合ファンの方々に読んで欲しい作品というところで紹介したいと思います。一つは志村貴子先生の「娘の家出」。しっかりとレズビアンを自称している子がいるんですが、その子が本当に素晴らしい。百合以外のカップリングも多く出てくるので、百合ファンの中には手に取るのが難しい方もいらっしゃるかもしれませんが、絶対に読んでほしいです。ネタバレをしたくないので多くは語れませんが、読んでいただければわかってもらえるかと……。
そして、こざき亜衣先生の「あさひなぐ」も百合ファンの方々に見ていただきたいです。第16巻のとあるシーンが、そこに行くまでの積み重ねもあり、読んだときの衝撃、感動がすごかったです。漫画としても面白いですし、第60回小学館漫画賞を受賞されている大作なんですけど、ここで百合ファンにも補足されて、もっと盛り上がれば嬉しいです。完全にファン目線で恐縮ですが。

───そして電撃さんからも百合アンソロジー本が出るんですよね。

:はい。「エクレア あなたに響く百合アンソロジー」という百合アンソロジーを出させていただきます。

佐々木:職業的な話をすると、アンソロジーを一冊作るのはものすごいカロリーがかかるので、普通の単行本よりも強い動機がないと企画しないんです。大勢の作家さんとのやり取りだけでも大変で、仕事以上の熱意がないと続かないですから、楠さんの百合熱のすごさたるや(笑)

:編集業をやっていて、百合が好きなんだからいつか百合で一冊作りたいと思っていました。実現できて感無量です。

:内容はどんな感じですか?

:僕は、百合というものに決まりを作りたくないと思っているので、バリエーション豊かに、いろんな百合作品を詰めました。……と言いつつ、男性キャラが一人も出てこないんですが。

一同:あれ!?

:男性キャラの有無で百合は決まらないということです! 大変実力のある作家さんに多く集まっていただくことができまして、そういった豪華作家陣が、小学生百合から大人百合、ケモ耳百合まで様々な百合が描かれています。『やがて君になる』で百合に目覚めた方が、次の百合を探す際に、「こういう百合もあるんだ」って選択肢を発見する一助になればいいと思っています。『やがて君になる』3巻と同日、11月26日に発売されますのでご一緒にお求めいただけると嬉しいです。

佐々木:過去のアンソロジーのような百合の一番濃いお客様だけではなく、女子高生が買っていくような、周辺まで届くようなアンソロジーになるといいですね。

:『エクレア』が起爆剤になって、他社さんも百合アンソロジーを出して欲しいですね。

佐々木:まさにそういう意味では、『エクレア』には実績を出していただければ。

:プレッシャーやめてください! 多くの人に届いて欲しいとは、心の底から思っています。

───さらに『やがて君になる』と『ハッピーシュガーライフ』で合同フェアをやるとか。

佐々木:はい。『ハッピーシュガーライフ』4巻が11月22日、『やがて君になる』3巻が11月26日と近い発売日ですので、アニメイトさん、ゲーマーズさん、メロンブックスさん、とらのあなさん共通で大規模フェアをやらせていただくことになりました。両方の単行本を、巻数問わず=1冊ずつ合計2冊以上購入していただくと、16ページB5フルカラー・描きおろしありのイラスト集が貰えます。

やがて君になる×ハッピーシュガーライフ合同フェア企画
- ガンガンJOKER -SQUARE ENIX-

:めちゃくちゃ豪華ですね。

佐々木:「女の子が、はじめて自分の特別を見つけた」という同じようなテーマに対して違うアプローチで臨んでいる作品同士でもあるので、『やがて君になる』のファンは『ハッピーシュガーライフ』を、『ハッピーシュガーライフ』のファンは『やがて君になる』も気に入っていただけると思います。それと、22日に発売される『ガンガンJOKER』最新号の表紙も『ハッピーシュガーライフ』が登場します!

:同じく『電撃大王』1月号でも『やがて君になる』が表紙です。11月は『やがて君になる』と『ハッピーシュガーライフ』の新刊が出て、特典も貰えて、両方の雑誌の表紙を飾り、『エクレア あなたに響く百合アンソロジー』も出て、『百合姫』さんも月刊化するって、ものすごい百合の革命月で、いい時代だなって喜んでいます。

佐々木:「百合の秋」ですね。

一同笑い

:百合ジャンルは今、第二次発展期だと考えています。「百合」という概念が一般層まで浸透し、理解してもらえて、受け入れてもらえて、「百合」という言葉が必要なくなるくらいになれば本当の春が来ると思っています。『やがて君になる』『ハッピーシュガーライフ』は、両極からその可能性を示した作品だと思います。『百合の世界入門』も百合ジャンルの勢いを後押ししたくて作りましたので、これらが百合の輪を広げるきっかけになることを切に願っています。

:ほぼ同時期に『やがて君になる』と『ハッピーシュガーライフ』のコミックスが発売されるんですけど、ケンカするんじゃなくて、こういう風に仲良くコラボしたり、お互いに良い意味で切磋琢磨して、百合というジャンルが全体的に大きくなってくれるのが理想だと思っています。『やがて君になる』と『ハッピーシュガーライフ』を今後とも宜しくお願い致します

佐々木:『ハッピーシュガーライフ』は発売中のヤングガンガンNo.23、そして12月22日発売のヤングガンガンNo.24に2号連続で出張掲載させていただきます。『やがて君になる』と『ハッピーシュガーライフ』はどちらも一話一話に驚きがあって、最新話を追いかけるのが楽しい作品です。単行本のみならず、ぜひこれを機会に「雑誌で最新話を追いかける」という体験をしてみてはいかがでしょうか? 電撃大王もガンガンJOKERも、百合を含む面白い作品がいくつも載ってる魅力的な雑誌です。よろしくお願いいたします。

───本日はありがとうございました。

(取材・文:かーずSP


この記事はコラム カテゴリーに含まれています |Ajax Amazon Edit
トラックバックURL
http://trackback.blogsys.jp/livedoor/geek/51536605