2017年04月08日

【コラム】 「俺を好きなのはお前だけかよ」5巻発売記念!駱駝先生インタビュー

「俺が好きなのはお前だけかよ」駱駝先生インタビュー 新感覚ラブコメ「俺を好きなのはお前だけかよ」もついに5巻が発売。今回のインタビューは少年ジャンプ+にて連載開始されたコミカライズ版を描かれている伊島ユウ先生のコメントあり、駱駝先生&三木一馬編集による原作5巻のネタバレありと、賑やかにお送りします!(取材・文:かーずSP
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※注意:記事後半に原作小説5巻までのネタバレ含みます。お読みいただいてから御覧ください。

小説「俺を好きなのはお前だけかよ」5巻
(著者/駱駝先生、イラスト/ブリキ先生

著者:駱駝先生
■ホモ漫画疑惑が浮上!? コミック版『俺好き』裏話

───コミカライズが3話まで配信されてます、原作者としていかがですか?

駱駝:ジョーロ君とサンちゃんは原作だと絵が少ないんで、漫画だと「こんなに動くんだー」って、ちょっと感動です。そしてジョーロ君は、原作よりも先に漫画の方でカラーイラストが登場しました(笑)

駱駝:意外だったのは、1話の扉絵に「ここにいる全員から告白される」って書いてあり、そこにサンちゃんも入っていたのが原因なのか、BL系の漫画じゃないかって疑う人が多くて……(笑)

三木一馬(担当編集。以下、三木):あっ、そうくるの!? みたいな(笑)

担当編集・三木一馬さん

───小説からだいぶ構成を変えてきましたね

駱駝:原作通り漫画にしていたら、ジョーロ君が本性を出すところまで時間がかかっちゃうので、スピーディーに出しちゃった方が良いと漫画の編集さんより説明を受け、どう短くするのかとドキドキしていましたが、上手にまとめてあって非常に感服いたしました。

三木:『ジャンプ+』さんは、スマホユーザーの方が多くて、ですのでいつもの雑誌判型よりも小さな画面で見ていることを意識しないといけません。つまり吹き出し一つに入る文字の量が多すぎると読めなくなってしまうので、ある程度文字数を少なくする必要があり、そこはすごく苦労しました。

───なるほど、スマホで見ることを想定した上での漫画版になってるんですね。

三木:そのあたりは『ジャンプ+』の編集者さんが色々アドバイスをしてくださって、すごく勉強になりました。
また、漫画になったことで文章で伝わりづらい演出が絵になるのも良かったです。3話でパンジーがジョーロの顎をくいってするシーンあるんですよ。あのシーンが小説だと普通のセリフだけなんですけど、仕草をともなったビジュアルで見せられたのが良かったです。あとは『ジャ●プ』パロディするためには本家しかないと思い……!!

───さっそくジョーロが夜神月みたいになってました。

三木:は? 『デスノート』のパロディは入ってませんが……?(あさっての方向を見ながら)

──……じゃあそういうことにしておきます……。

駱駝:自分は、パンジーさんの三つ編みだけ登場させる時、『魔人探偵脳噛ネウロ』のあかねちゃんみたいにしてってお願いしました(笑)

───そういうリクエストは他にもありましたか?

駱駝:2話で告白のシーンの後ろに、とある女性キャラをこっそり描いてもらったんですよ。原作ではジョーロ君の一人称で進むので、ジョーロ君が得た情報のみしか伝えられないのですが、漫画ではジョーロ君以外の情報を読者の皆様に伝えられることができるメリットが活かせて嬉しかったです。

───今回は特別に、コミカライズを描かれている伊島ユウさんからメールインタビューもいただきました。

───原作を読んでの第一印象、感想は?
伊島ユウ(以下、伊島):まず前半のネタばらしでやられたなぁと。そこからはキャラのかけあいとジョーロの突っ込みが面白くて、普通にジョーロを応援する気持ちで読んでました。今まで触れてきたラブコメとは違う面白さがあってとても斬新でした。

───3話まで連載してきて、今のお気持ちはどうでしょうか?手応えなど。
伊島:3話目でパンジーちゃん登場ということで色々反響いただけて嬉しいです。漫画にするうえで原作と変えている部分もあるのでそういったシーンの感想を見かけると嬉しいですね。

───印象的なシーンや、描いていて楽しかった箇所やこだわりの部分、キャラなど教えてください。
伊島:基本的にジョーロのつっこみとか振り回されているのを描くのは楽しいですね。ぽんこつなひまわり、コスモスを描くのも楽しいです。キャラはサンちゃんと眼鏡董子ちゃんにこだわってます。漫画初出みたいな部分もあるので力入っちゃいますね。

───反対に、苦労した箇所があればお聞かせください。
伊島:ネームの構成が一番苦労したと思います。原作の面白さをテンポ良く漫画で読むにはどうしたらいいか、削ったり足したりで大変でした。でも一番楽しかった部分でもあります。あとは感情の移り変わりが激しいので、ここの顔どうしようかなって頭抱えてました。それこそ、ジョーロみたいに。多分同じ顔してたと思います。

───記事をお読みいただいている方へ、メッセージをお願いします。
伊島:ジョーロさんは裏表のない素敵な人です。応援してね。
■『ジャンプ+』掲載のミニ小説も、
少年誌らしく、主人公をかっこよく

───伊島先生、最後に茶目っ気が。そんな『ジャンプ+』では、マンガ連載だけではなく、書き下ろし小説も公開されてます。

駱駝:漫画仕様のジョーロ君で書かなくてはいけないのが苦労しました。実は漫画と原作で、ジョーロ君は、微妙にキャラや口癖が異なっているんですよ。また、「ジャンプ+に載せる小説というアレンジを加えてほしい」ということで、ヒロインの可愛らしさよりも主人公のかっこよさを出してほしいと。

───少年誌らしいオーダーが来たってことですね。

駱駝:ジョーロ君をかっこよくしなければいけない……。ですが、最初の番外編小説では、ネタバレできる範囲が1巻の本性を明かした時点まで。ジョーロ君って、その段階ではただのクズだからどうしようかな、と。

(一同笑い)

三木:『ジャンプ+』ではコミックの配信は月一で、小説も月一で配信します。なので月に2回『俺を好きなのはお前だけかよ』に会えます!

駱駝:ジョーロ君の視点だけじゃ描ききれなかったものを漫画ではやっていきますので、原作を読んでいない人だけでなく読んでいる人にも、様々な新しい楽しみを提供できる出来になっています。今後もご期待ください!

※注意:ここからは5巻のネタバレになります。

■5巻は男らしい勝負の燃えるラブコメを書きたかった

───5巻はホースとの対決シーンのみならず、サンちゃんと芝の仲直り、野球シーンなど男性キャラが活躍しました。

駱駝:今回は萌えるだけでなく、燃える……萌え燃えのラブコメを書きたかったんです。私の従兄弟と親戚に野球経験者がいて、根掘り葉掘り色々と野球について教わりました。特に心配だったのが、「試合中に女子マネージャーがベンチから外に出て大丈夫なのか」とか「試合開始の後挨拶したらそのまま守備つくのか、一旦ベンチに入るのか」とか、そのあたりのディティールを確認したり。

───ラブコメといったら女性キャラがたくさん出てくるのが華ですが、編集さんから「もっとヒロインを出しましょう」みたいなやり取りは?

駱駝:女性キャラの出番を増やそうって声はなかったんですけど、ジョーロ君よりもサンちゃんが目立っているからサンちゃんを抑えてっていうのはありましたね。それほどサンちゃんには力を入れて書きました。今回は口絵もサンちゃんなんですよ。

───5巻でお気に入りのイラストを教えてください。

駱駝:やっぱり一番最後のイラストが良かったんですが、それ以外ですとサザンカさんの挿絵も良かったです。特に爪ですね。サザンカさんの爪は普通なんですが、後ろから押しているカリスマ軍の友達の手が、ギャルなので爪が長いんですよ。出たー!ブリキさんの細かい芸!って感動しました。

───もうひとりの男性ライバル、ホースは覚醒しました。さらに難敵になることを最初からジョーロは想定していたのですか?

駱駝:もちろん、最初から想定していました!……三木さんが。

三木:これは『荒木飛呂彦の漫画術』でも書いてあったんですが、「吉良吉影を強くしすぎて承太郎と仗助が倒すことができなくなって、どうしよう」と荒木先生自身が悩んだというエピソードがありました。つまり、それくらいやらないと読者が面白いと思ってくれない、ということです。それをこの作品でもやりたい!と思って、「ホースは、一回ジョーロが出し抜いたあとさらにパワーアップしてください」と、駱駝さんに無茶ぶりをさせていただきました。

駱駝:勝負の内容とジョーロ君の勝ち方は前から決まっていたんですけど、圧倒的なピンチの切り抜け方……主にジョーロ君が女の子達から逃げる方法を考えるのが難しかったですね。

───ホースはその結果、善人から利己的なムカつくやつに成り下がってしまいました。

駱駝:それまでの方が気持ち悪い善人だったので、むしろ人間らしくなり、ホース君は成長しています!今回は、成長して新しく得た力に翻弄されてしまった結果、悪い面が目立っていましたが、彼は決して悪人ではないのです!

■新ヒロイン・大千本槍子さん登場!……なんて読むの?

───球場で助けた女の子が髪留めを持ってきたんですが、あれって偶然だったのか、ジョーロの狙いだったのか。

駱駝:出会いは偶然ですけど、それを生かして協力は必然的に。転んでもただでは起きない男……それがジョーロ君です。

───5巻でも新キャラが登場しましたが、大千 本槍子っていう名前に驚きです。

駱駝:どうしてもガーベラっていう名前をつけたかったんですよね(笑) 「だいせんぼん・やりこ」だとちょっと無理矢理感あるじゃないですか。でも「だいせん・ぼんやりこ」ならありでしょう!これ、間違いないですね!

───どっちもどっちのような……。それとチェリー先輩をまく時のおっぱい揉みから『ゴミ箱片付けて』って流れが大笑いしました。

駱駝:5巻で一番苦労したシーンがそこなので、そう言ってもらえると嬉しいです。どうやってチェリーさんから逃げようかと考え、打ち合わせでも様々な案が出ました。おっぱいをもまれたくなかったら近づくな作戦。ジョーロ君がわざとゴミ箱を倒して、片づけさせる作戦。ジョーロ君が隠し撮りしていたホース君のお色気ブロマイドを床にばらまく作戦。スカートをめくりまくる作戦などなど……(笑)できる限り、社会的にNGではない方法を考えたんです!

───おっぱい揉みもスカートめくりも社会的にはNGだと思いますが(笑)

駱駝:最後にはTwitterで「ラプラス出たよ」と呟き、ラプラス目当ての人が大挙してやってくる中で逃げようとか……もう、本当に苦労したんです!!

■『おおが』と『サンちゃん』は分離したまま生きていく

───本題としては、やはり『おおが』という別人格が大きなメインでした。

駱駝:はい、1巻だとサンちゃんが表主人公、ジョーロ君が裏主人公だったんですが、5巻は逆の構図になってます。1巻の時はもともと1巻完結のつもりで書いていたのですが、シリーズ化すると決まった時、それならもっとサンちゃんを掘り下げて、一学期編は『友情』をテーマに書いていこうと決めました。

───1巻でジョーロの好きな相手が親友に惚れているっていう仕打ちを、サンちゃんも昔やられてたっていう事実は衝撃的でした。

駱駝:これ一応、1巻にもちょっとだけ書いてあるんですよ。その上高校でも、自分の好きなパンジーさんがジョーロ君のことを好きだったんだ、ちくしょー!っていうところでダークサンちゃんに変わる(笑)

───豹変しますよね。ジョーロも他の子もそうなんですけど、人間には誰でも裏の顔があるっていう意図を感じました。

駱駝:小説なので大げさに書いているんですけども、相手によって態度を変えるのって普通じゃないですか。会社の上司と友達に対する態度は違いますよね。当たり前のことなんですけど、いい意味でも悪い意味でも人は相手によって態度を変えるっていうのを、露骨に押し出してみたっていう感じですね。

───結局、太陽は『おおが』と『サンちゃん』に人格が分離したままで、問題が解決しませんでした。

駱駝:ここは解決させませんでした。どっちも太陽君なので、二つに分離したまま彼は生きていくことになる。嘘もつき続けていれば本当になるじゃないですか。まあもしかしたらベンチに座れば二つが一つに合体するかも。「おおが、サンちゃんです」って(笑)

───(笑)後書きによると、最初からこのラストを決めていたということですが?

駱駝:はい、初志貫徹といいますか、ジョーロ君は1巻から誰が好きかは明確に書いていたはずなので、それを一学期編では最後まで貫き通しました。また、ジョーロ君だけでなくパンジーさん達にも恋人の前に友達を作らないといけないと考えて。友人関係がちゃんと構築できる人じゃないと恋人ができても上手くはいかない可能性が高いのではないかと。

───『To Heart』や『ときめきメモリアル』の「俺たち友達だよな」エンドを経験されたわけじゃないですよね? そういうギャルゲーの友情エンドみたいなのは意識されたんですか?

駱駝:ギャルゲーはそこまでやりこんでいたわけじゃないんですが、よくラブコメやギャルゲーで、友情エンドはバットエンドに描かれがちなので、『だったら、自分が本気でハッピーエンドの友情エンドを書いてやる!』という意気込みで書いていました。

───ラストは予定どおりとのことですが、想定外だった部分も発生しましたか?

駱駝:もちろん多々あります。スタートとゴールは見えているけど道筋は見えていないので、結構ありましたね。特にあすなろさんです。実は彼女、初期では男性って設定だったんですよ。なので、彼女も恋の戦いに加わる時に、どうやって参戦させようかなーというのは常に悩みました。他にも、なかなか出せない子をどう出すかが苦労しました。

───出っ張ったのを凹ますよりは、凹んだものを引っ張るみたいな?

駱駝:はい、今回は特にヒロインを均等に活躍させようと思ってましたので。ラストのオチがオチなので(笑) 

───女性を曜日ごとにって本当にヒドイですよね(笑)

駱駝:夢があっていいじゃないですか!やっぱりラブコメって誰か一人を選ぶと角がたつんで!だったら、全員選べばいいんじゃないでしょうか!

───太陽君と串カツを食べる二人で綺麗にタイトルが回収されました。もうこれでタイトル詐欺なんて言わせない?

駱駝:これは5巻限定のタイトル回収ですから、勘違いしてはいけません。なので、5巻の表紙をよーくみてもらえると、矢印の位置がちょっと違うんですよ。いつも矢印はパンジーさんに当たってるんですけど、今回は壊れたジョーロに当たっています。

───では最後に皆さんへのメッセージをお願いします。

三木:はい!お待たせしましたが、4巻での伏線を5巻で完全回収しました。駱駝さんもものすごく頑張ってくださって……。ですので、僕としては「これでつまらないと思うなら、もう読者やめてくださって結構です」と言えるくらいの出来だと思っております。それくらい勝負の巻だとも。この5巻まで読んでつまらなかったら、これ以降は読まなくていいです。それくらい、自分たちのベストを出したつもりですので、もう何も出ません(汗)。

───逆にいうと、このテイストでこれからも仕掛けていくってことですよね。

三木:そうですね。なので、逆に言うならハマった人には、6巻以降はさらにより良い、より面白いものを提供出来る自信があります。是非、期待してください!

駱駝:5巻まで読んでくれてありがとうございます!そして6巻も出ます、完結しませんから!次で終わりなんじゃないかっていう予想をよく見かけるのですが続きますので、よろしくお願いします!まだまだ、超特大の問題が残っていますので!

───なるほど、続きも早く読みたいですね。ありがとうございました。

取材・文:かーずSP  協力:MyDearest inc.


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