2017年11月11日

【コラム】 俺を好きなのはお前だけかよ7巻、発売記念インタビュー!駱駝先生に創作に関するアレコレを訊いた「ライトノベルを書くコツ」

「俺を好きなのはお前だけかよ」駱駝インタビュー ギャグあり、ラブあり、裏の感情あり。新感覚ラブコメ「俺を好きなのはお前だけかよ」(著:駱駝先生、イラスト:ブリキ先生)の7巻が発売。今回はライトノベル作家になりたい人、必読!駱駝先生に創作に関するアレコレをオープンに語っていただきました!(取材・構成:かーずSP
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著:駱駝、イラスト:ブリキ「俺を好きなのはお前だけかよ」7巻
「俺を好きなのはお前だけかよ」7巻
(著:駱駝先生、イラスト:ブリキ先生

※本文中、敬称略

※注意:記事後半に、『俺好き』7巻のネタバレインタビューがあります。

■最後まで書ききるコツは「自分が楽しくなるように書く」
(左)著者:駱駝先生 (右)担当編集・三木一馬氏

───カドカワのN高等学校の企画で、先日駱駝先生の特別授業がありました。当日の様子はどうでしたか?

三木:駱駝さんのテンションが高すぎて僕が引いてしまいました。

駱駝:あそこはああいうノリでいこうと。ちなみに私が脚を組んでいるのは偉そうにしているわけじゃなく、実はあの時、左のお尻に吹き出物があって脚を揃えて座ると超痛いんで、左のお尻を浮かせてただけっていうオチだったりもします。

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───今もタイムシフト視聴できるので、ああ、この時痛かったんだと思いながら観てほしいですね。中身は、小説を最後まで書ききるための方法論が実用的でした。

駱駝:点を4つ作って、間を線でつなげるという執筆スタイルは独学です。私は小説家になるための専門書を読んだことなくて、ゲームをやるときも説明書を読まないタイプなので(笑) でもライブ型になる時もあって、特に何も決めずに書き始めることもあります。要するに、その時のテンション次第です。

───「自分が面白くないと思って、筆が止まる」時の解決法も興味深かったです。

駱駝:はい、自分の好きなキャラを好きなように活躍させることで、自分が楽しくなるように書く。自分が楽しんで、最後まで書ききるためのコツだと思います。ただ一点、私がニコ生で「ラブコメが面白くない」って発言したのは、「私が書いた普通のラブコメが面白くない」って意味でして、世の中のラブコメがつまらないわけじゃないんですが、「普通のラブコメはつまらない」って記事になっていて、「ああー、俺の言い方が悪かった!」って反省してます。

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■一回落ちた原稿を他社の新人賞に送るのはアリか無しか

───電撃小説大賞の攻略法を教えてください。

駱駝:電撃小説大賞って絞られちゃうと難しいですね。一般的な小説賞の受賞方法なら、120ページくらい(いろんな賞の規定以内の枚数)で書いておいて、電撃文庫に送って落ちたら、次に別の賞に送って、みたいに使いまわすと案外当たるかもっていう。

───「一回落ちた原稿を他社の新人賞に送るのはアリなのか?」が最近ネットでも話題になりました。

駱駝:全然ありだと思いますよ。とある作品なんて『電撃小説大賞』の1次で落ちて、それを修正して翌年もう一度送ったら、賞を取ったというパターンもありますし。

三木:厳密には、改稿をしておく必要がありますね。同じものを同じ賞におくっても、成長がみられないと進歩が無い……と判断されてしまう恐れがありますから。

───いろんな賞の下読みをやっている人が、「この人、同じの送ってる」って気づいて落とすケースも出てくるのでは?

三木:そうですね、その可能性もゼロではないです。

駱駝:3次くらいまで進んでいたら、「これ、前も読んだことあるな」という状況も大いにあるかと思います。そこまで行くと、多くの編集さんの目に止まっていると思うので。でも、1次で落ちちゃってる場合は、同じ賞に送っても面白ければ受賞する可能性があると思います。

───自信があるんだったら、埋もれないためにも、そういう方法もあるということですね。では創作する時に、何か受賞するためのアドバイスは。

駱駝:前半に楽しめるポイントを書いておいた方がいいですね。最初の5ページに全力を向けること。そこで楽しみ方がわからないと、その先を読んでいてもつまらない思うから。あと、これは私が小説を読みやすくする手段として使っているのは、状況の説明を、台詞っぽく言うことですかね。例を出しますと、7巻でひまわりがコスモスの手を乱暴に振り払うシーンがあるのですが、ここで「ひまわりが、コスモスの手を乱暴に振り払った」とは書かずに、「うげっ! ひまわりの奴、コスモスの手を乱暴に振り払っちまった」と台詞風に書いています。こっちのほうが、読みやすいかなと個人的には思うので。

■キャラクターには3つ、愛されてるポイントをつける

───キャラクターを創るときに気をつけることは?

駱駝:愛されるポイントを3つくらい付けます。もっと沢山あったほうがいいとおもうんですけど、意識してあんまり多くつけちゃうと、『それを出し切らなきゃ』と意識して、逆に扱いづらいキャラクターが生まれてしまった経験があるので、3つぐらいです。最初は3つでも、書いていくうちに自然と増えていくと思いますしね。

───ニコ生ではジョーロの場合は友情・努力・勝利。パンジーの場合は毒舌・好きと主人公に言うところ・健気でした。コスモスとひまわりも教えてください。

(左から)ひまわり・コスモス・パンジー

駱駝:コスモスの場合は、しっかり者、でも実は駄目なところがあるっていう愛される駄目ポイントをまず作ったんですよね。あとは真面目な健気さ。ひまわりの場合は、元気なところと、ビッチなところと、天然系ビッチなところ。それと幼馴染ポジション=ジョーロの理解者みたいな。

───ビッチが重なってる! 『俺好き』が影響を受けた作品について、ニコ生でも驚かれてましたね。

駱駝:「ダイの大冒険」に影響を受けていて、ジョーロはポップを意識してたんだろうなと後から気づきました。序盤のポップは大して強くなくて、ダイのことを見捨てて逃げるシーンが多い。でも中盤からめっちゃ格好良くなるんですよね。しかもポップは、最終的にハーレムを築き上げたんですよ。マァムとメルルと一緒に旅に出てますから。つまり彼はラブコメ主人公だったんです(笑)

■モチベーションの維持は「自分が成功する姿を妄想する」

───小説家を目指して書いている時に必要なことは?

駱駝:妄想? 想像力? って大事だと思います。「ANAのファーストクラスで旅行に行ってみたい」とか「クルーザー買ってみたい」とか「部屋にテレビを置きたい」とか。

三木:最後のそれ、駱駝さんの実体験じゃないですか!

駱駝:……みたいに成功する未来を想像しながら、自分なりの目標を持って目指す! デビュー前の私の脳内では、自分の書く作品がハリウッドでデビューしていたので。スティーブン・スピルバーグ監督が『ジョロシックパーク』を作ったり、パンジー役がナタリー・ポートマンだとか(笑)

■『ジャンプ+』掲載のコミカライズ『俺好き』、
コメント機能が楽しい

───「少年ジャンプ+」で連載中のコミカライズ、一巻が発売されました。

コミカライズ版「俺を好きなのはお前だけかよ」1巻(伊島ユウ先生

三木:聞くところによると売上も好調だということです。引き続き2巻も目指して連載をしておりますので、ご注目いただければ!

駱駝:『ジャンプ+』のコメント機能を二ヶ月前に知ったのですが面白いです。9話でジョーロが学校のみんなからいじめられるところは「何この胸糞悪い展開とか、ひまわりとコスモス◯ね」というコメントを見て、「ですよねー!すみません!」なんて思っていました。10話から大逆転が始まっておりますので、もし9話で切ってしまった方がいましたら、帰ってきてくれると嬉しいなぁ〜。

───コミカライズと書き下ろし小説で、本編へのフィードバックや影響を受けたりはしていますか?

駱駝:ちょっと影響を受けたのが6巻にあまおうクリームパンを出したぐらいで、他はもう別物として書いてます。ジョーロのパンジーに対する呼び方も、原作だと「てめぇ」ですけど漫画だと「オマエ」になってますしね。だからベータ世界線くらいの気持ちで(笑)
また、次回のコミカライズ(11月下旬更新)では、原作だとジョーロの一人称なので、絶対書けなかったシーンが書かれています。原作では気づいている人が少なかったようなので、コミカライズでは絶対に分かるように描かれてますのでお楽しみに!








※注意:ここからは原作『俺好き』7巻のネタバレインタビューになります。7巻をお読みいただいた後にご覧ください。

■「7巻のテーマは"フェイント"、
至るところに仕掛けてます」

───6巻エピローグで「次はチェリーとサザンカの2人の話になるよ」っていうフリでした。それで7巻をぱらってめくると、違う修羅場をしていて驚きました。

駱駝:それ、7巻最後の仕掛けですね(笑)ジョーロがチェリーとサザンカにキスをして、バレて怒られてると思いきや、実は……っていう引っ掛けです。それプラス7巻は二学期のスタートなので、一学期のスタートの1巻を少々意識して書いているんですよ。1巻もプロローグが、時系列的には一番最後ですからね。他にも1巻とまるで同じジョーロのモノローグなども登場していますので、気づいた人は俺好きに相当詳しい人と自信持てますよ!

───「フェイント」がテーマとのことですが、あの叙述トリックも。

駱駝:途中で気づく人は気づくと思うんです。色々とさり気ないメッセージを混ぜ込んでありますので。その一つが呼び方ですね。ジョーロはチェリーを『チェリーさん』、嵐を『嵐』と呼ぶのに対して、ホースはチェリーを『チェリー会長』、嵐を『炭印嵐』と呼んでいます。あと非常に細かいですが、シーンチェンジの『※』の数がなんだか増えているところは、そういうことです。なので、それに気づいてしまった方は、すぐに気づいちゃうんじゃないかなと。

───まさか、ホースがクンカクンカしているとは……。

駱駝:ホースに変態的なことをさせたかったんです。最初にホースがジョーロのふりをした4章でも、炭印嵐と話している時に「今日のジョーロは一味違う」ってモノローグで言ってます。そして3章のタイトルが『俺と僕のバトンタッチ』。1巻の『僕と俺のバトンタッチ』はジョーロと裏ジョーロが入れ替わる部分だったんですけど、今回はそれっぽく見せつつ、実はホースとジョーロの2人だったというフェイントになってます。

───至る所にヒントが隠されていたんですね。サザンカとチェリーの2人がチョイスされた理由は?

チェリー

サザンカ

駱駝:チェリーは前から活躍させたかったんです。5巻ではチェリーがジョーロに寄っています。髪留めもつきみがホースに渡してるのに対して、チェリーはジョーロに渡してたり。つきみとは軽い会話があっただけなのに、チェリーにはイラストがあっておっぱいまで揉まれていたり(笑) 活躍させたかった理由は、ブリキさんの絵が可愛かったから。イカリングなのに可愛いんですよ!サザンカも、前々から絶対に活躍させたいと思っていたので、今回は我侭に二人共に活躍してもらいました。

■ジョーロがそっちにモテてしまうなんて…新キャラ・ミント登場!

───そして新キャラのミントが登場しました。

ミント

駱駝:「ジョーロがまたモテてるじゃん。やっぱりそうか……って、あれ?こいつって……」と思ってもらうための、好かれて羨ましくない、ジョーロを苦しめるキャラとして出てきてもらいました。

───さらにもう一人、リリスも新しく出てきました。

リリス

駱駝:リリスはちょっと言い方が悪いですけど、最初から囮だったんです。彼女の正体は、読者の皆さんに絶対気づかれると思って書いていました。それで油断を誘い「なんだ今回はそういう話ね」と思ってもらっているところに、ジョーロとホースが入れ替わっていたのが本当の仕掛けだよって言う。

───なるほど、これもフェイントになっていると。

駱駝:はい。加えて、あすなろと同じことをさせたかったんです。2巻はあすなろが、自分がそばにいるためにジョーロを貶める話でした。今回のリリスも同じことをしているので。あと本名『蘭頂朱(らんちょうあかね)』で映画好きって設定なんですね。『きっと、うまくいく』っていうセリフを言わせかった(笑)

───7巻でお気に入りのイラストは?

駱駝:ホースが顔を出す275ページ。さすがホースかっこいいっていうのと、嵐の顔が意外と極悪(笑) チンピラ感出てるなーって。あとは134ページのミントの顔しか出てないところ。制服を出すと男だってバレるので、その縛りをブリキさんが頑張ってくださいました。

───そして3人目の新キャラといっていいのでしょうか、モクセイについて。まず、なぜ擬人化したのかって事なんですけど……。

モクセイ

駱駝:ベンチを擬人化させた方は隣にいる方です。

三木:いやこれはですね、なんというか、本編の合間にも、お楽しみポイントがあってもいいんじゃないかと思って……。

───今後は正式にヒロイン化するんですか?

駱駝:一応『不思議の国のナディア』路線で行こうと思います。今、褐色ヒロインの時代がきてるはずなんですよ。『週刊少年ジャンプ』の『ぼくたちは勉強ができない』にも、武元うるかさんという非常に可愛い褐色のヒロインが登場していますから!でも1つ必要なことに気づいて、日焼け跡が必要だなって。

───モクセイにはなさそうですね。

駱駝:でもいつでも色っぽい日焼け跡は作れますから。「これぐらいベンチとして当たり前だんち」みたいな。

三木:ベンチとしてって、それ意味分かんないから!

───終盤で登場した椿のライバル・元木智冬。次巻はこのお話になる予定ですか?

駱駝:もちろんそうです、8巻はたぶん椿と柊の熱い戦いが行われるでしょう。元木智冬さんって、柊になるって気づきました?

───あっ! 言われるまで気づきませんでした。

駱駝:洋木茅春は木と春で椿。だから元木智冬の木と冬で柊。春に対して冬でいこうと随分前から温めていたキャラです。……っていうか、本当は4巻で出す予定でしたが、つきみとチェリーで精一杯で出せなかったキャラだったりもします……。

三木:今回もこのインタビューを読んでくださって、ありがとうございました!! 個人的には、この作品は、紙媒体だけでなく!! 「動く絵」っていうかな? 音とかもついてるのかな? 最終的に円盤の形になるのかな?(チラッ) 素人なんでよくわかんないですけど、お声掛け待ってます(チラッ、チラッ)

───まわりくどすぎですよ! 翻訳すると、アニメ化のオファーがほしいと。

駱駝:別に二次元のイラストで動かなくても、役者さんが演じる的な?

三木:ミュージカルってことですか!? あるいは映画……いやでも実写化はハードルが高いですので……。

駱駝:『銀魂』『斉木楠雄の災難』も実写映画になって、『勇者ヨシヒコ』の続編もまだないだろうから、ちょうどここにいいのあるんだけどなぁ。

三木:そういう話を待ってます!

駱駝:今回の俺を好きなのはお前だけかよ7巻は、様々な罠が張ってある巻です。ここでは語りきれなかった罠も多く存在しますので、是非買っていただければと!貴方は果たして最後まで引っかからずに読みきれますかね?――とか、それっぽいことを言ってみます。

───読者というか一部の業界関係者向けアピールになってますが……本日はありがとうございました!

(取材・構成:かーずSP  協力:株式会社ストレートエッジ

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