2019年12月10日

【コラム】 「俺を好きなのはお前だけかよ」の軸は初志貫徹でブレてない。アニメ「俺好き」駱駝×三木編集×中山Pインタビュー

「俺を好きなのはお前だけかよ」インタビュー 物語も佳境に入ったアニメ「俺を好きなのはお前だけかよ」!原作ライトノベル「俺好き(13)」(電撃文庫)も10日に発売された。アニメ脚本の裏話から、謎のフェチズムまで!?駱駝先生×三木編集×中山プロデューサーによる『俺好き』トーク!(取材・文:かーずSP
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アニメ「俺を好きなのはお前だけかよ」公式Twitterで3人への質問を募集したところ、多数の応募をいただきました。この場をお借りしまして、ありがとうございます。 今回は、お寄せいただいた質問を随所に差し込みながら進行していきます。

■3話ごとに「良い最終回を迎えているなー」

───TVアニメ「俺を好きなのはお前だけかよ」も後半に差し掛かり、9話まで放映されました。現時点での感触、実感はいかがですか?

駱駝(原作者。アニメ『俺好き』ではシリーズ構成、脚本を担当):3話ごとに「良い最終回を迎えているなー」と思いながら眺めています(笑)でも最初の1話〜3話と次の4話〜6話では、視聴者の反応が違っているのが面白いです。最初の3話がイマイチだった人は、次の花舞展のエピソードを気に入ってくれる人が多く、その逆の反応も見受けられました。原作の1巻(1話〜3話)と2巻(4話〜6話)で違うテイストの話を書いたので、人の好みがわかりやすく出ていたのが印象的です。

三木一馬(ストレートエッジ代表取締役、『俺好き』担当編集。以下、三木):「お話の内容が楽しい」と言っていただける方が多くて、主に文芸回りで参加した身としてはありがたいですね。オンエアを見ても出来の良さに満足です。

中山信宏(アニメ『俺好き』プロデューサー。以下、中山):業界の知り合いからも「『俺好き』、面白いっすよ」ってお声掛けいただいて評判が良いんですよ。僕自身、毎週フィルムの仕上がりが楽しくて、アフレコでも、ダビングでも、V編でも同じ話なのに繰り返し笑っています。

■ローアングルが多め!?
アニメスタッフのお尻への熱きこだわり!

───原作サイドから見たアニメ版『俺好き』の魅力はどこでしょうか。

三木:当然ですが、小説からアニメになると声や絵など演出面が強化されています。より見せたかった部分を魅力的に倍増させてくれるところがいいですね。例えば文章で「メガネを取ってサラシを外して」って書いても、すべてが伝わるとは限りません。ですがフィルムにすれば一目瞭然です!そうした部分がきちんと再現されているところが魅力に繋がっています。

真のパンジー

───原作の良い点を拡張して届けられると。

三木:そう、言うならばガリバートンネルです!

駱駝:それ、逆にちっちゃくなってませんよね?(笑)

三木:ジョーロが自分の正体を明かしてからは、逐一ツッコむセリフが出てくるんです。小説だと地の文に書かれているだけですが、アニメだと感情が籠もって、セリフのスピードやイントネーションが加味されて、さらに面白くなっています。

───駱駝先生はアニメ版の魅力、どうでしょう?

駱駝:そうですね……アニメスタッフのお尻への熱きこだわり!

中山:そうそれ! 8話のV編(アニメの編集作業)をしていたら、8話が異様なくらい下から上のアングルが多くて、お尻そのものは映ってないんですけど、ローアングルが多くて驚きました。

駱駝:7話もです。全体的にカメラが下から見上げていて、なんで足の間からジョーロが見えてるんだろう、みたいな(笑)

───1話からパンチラもありました。

中山:でもパンチラは3話くらいまでで、そこからパンチラ率は下がったんです。そうしたら中盤から、スカートの裾がよく見える構図が増えていって……。

駱駝:謎のお尻へのフェチズムは、スタッフの誰が好きなんだろうって思いながら毎週楽しみに見ています(笑)

中山:現場では、ブリキさんの絵を再現することが重要視されています。ブリキさんの絵の肉感的な質感が大事で、影の入り方とか、髪の毛のハイライトとか、普通のアニメよりも情報量が多めではあるんですよね。なので、そこに引っ張られると、どうしても見せ方がフェチ的になるといいますか……「ニーソの脚の食い込みは絶対凹ませろ!」みたいな主張が出てきたり(笑)

───フェチズムが広がっていく、と(笑)

中山:学校の空間ってカメラのアングルが限定的になりがちなんですよ。窓や廊下が映るとか、カメラが固定されちゃうんですよね。だから見せ方を変えたりしないと、間が持たない。多分そういうことも関係しているんじゃないかなって思います。

■福山潤さん演じるホースが、予想以上に超かっけぇ!

───同じアングルばかりで飽きさせないための工夫ということですね。次に、予想外の事態や嬉しい誤算はありますか?

駱駝:福山潤さんが演じるホースが超かっけえ! ホースの演技を聞いた時は、これはジョーロ勝てないって思いましたね。でもホースはそういうヤツとして登場してほしかったんで、まさに狙い通りです。私は「ほんと上手ですね、胡散臭いし」「本当に胡散臭いですね」って褒めていたら、「馬鹿にしてます?」って。いやいやしてないですって(笑)

爽やかイケメン、ホース登場

駱駝:ホースは、声優が決まる前の私のイメージとは違っていたんですよ。高い声で「アハハハハ」って笑うかっこいい系をイメージしていましたが、福山さんに演じていただいて、低い、太い声のかっこよさを持ったホース君になりました。

中山:ジョーロ役の山下大輝さんも声質は低いんですよね。それに対して高くなりすぎちゃうと、やっぱり演技的に負けちゃう場合もあるので。だからベースは低いけど、そう聞こえないラインの方となると、福山さんの声質になるんです。

───ジョーロとのバランスを考慮した人選だったんですか。

中山:それはもう、確実にそうですね。

駱駝:サンちゃんもそうです。ジョーロに対して力強くて太い系の声の方がハマりますので。

中山:サンちゃん役の内田雄馬さんはもう少し線の細い声も出せるんですけど、あえてサンちゃんは芯が強い方の声で演じていただいています。

───あすなろの津軽弁がとても上手です。三上枝織さんが青森県出身だからキャスティングされたんでしょうか?

駱駝:主要メンバーはテープオーディンションとスタジオオーディションの2段階で決めていったんですけど、三上さんだけはテープ段階の津軽弁を聞いて、「なんでこの人、こんな完璧なんだろう?」って。あとから青森県ご出身だったことを知り、これはもう、あすなろ役は三上さんで決まりでしょうって演じてもらいました。

あすなろ.

中山:もちろん方言だけじゃなくて、キャラ感も合ってたんですよね。

駱駝:そうそうそう! キャラ感もめっちゃ合ってるし、あすなろ役はオンリーワンでしたね。

───後半から登場する、たんぽぽの演技についてはいかがでしょうか?

駱駝:佐伯伊織さんはもう、見事なアホですよ(笑)

中山:言い方が!(笑) 佐伯さんがメインを張る10話は注目ですよ。

駱駝:佐伯さんの素晴らしいところは、自分の出番がなくても毎回アフレコに来られるんですよね。見学して、現場の空気をちゃんと感じ取って、たんぽぽの出番に仕上げてくる素晴らしい方です。

───後半組としては、ホース、チェリー、つきみも登場します。

駱駝:さっきも言いましたが、ホースの演技は超かっこいい! チェリーとつきみの演技は、原作者としても本当にしっくりきて、最初の音源を聞いたときに「イメージ通りのチェリーとつきみが出たもんだなー!」って嬉しくなっちゃいました。

■アニメスタッフが苦心して作り上げた、
ローリエの髪型の絶妙なバランス

───「アニメオリジナルストーリーを7話に持ってきた理由はありますか?」(うちーさん。他、多数の質問を採用)

駱駝:オリジナルの水着回を入れるとしたら、原作2巻と3巻の間しかタイミングがないだろうとは、最初から議論していました。もう一つシリーズ構成の意図としては、原作の3巻って、やることがべらぼうに多い巻なんです。ツバキの話、ひまわりの話、パンジーの話、サザンカの話。さすがにこの4つのオチを9話にまとめて描くのは無理なので、オリジナル回の7話にツバキの勝負の話とサザンカの話を入れて、9話でやるべきことを減らしたんですよね。それでも、キツキツでしたが(笑)

第7話の水着回。ひまわり.

中山:でもやっぱりサザンカのお父さんの話は入れられませんでしたので、そこは原作を読んでほしいです。

───「どのように展開していくか、一番悩んだエピソードはなんですか?」

駱駝:なので、8話と9話になります。7話でオリジナル兼原作のストーリーを混ぜ入れて、8話と9話の負担を減らしました。他にも3話で問題解決する順番も変えましたし、重要なエピソードから考えていって、再構成をするやり方でシリーズ構成しています。

───あすなろ編でスルーしていたローリエとパンジーの関係も、7話で回収していて上手な再構成でしたね。

中山:唯一、真ローリエが出ないけど、いいですよね?ってことは確認しました。

駱駝:水着回だし、ローリエを水に落としたらあるいは……。

中山:それは無理だって言ったでしょ(笑)

駱駝:あと三木さんがローリエの髪型にすごくこだわっていたんです。「もっとローリエの髪が、ボンってデカい方がいい」って。

三木:だって駱駝さんが最初に『「ちびまる子ちゃん」のママっぽい感じ』だって言うんだもん!だから僕の意見じゃなくて、駱駝さんの言葉を再現しようとして、「パパイヤ鈴木みたいな感じです」ってお伝えしていました。でもそのままだと可愛くないから、気を遣ってクリエイターさんがお綺麗にしてくださったんですけども、本当は葉加瀬太郎のような外見です。

アニメ版ローリエ

原作2巻ローリエ(左)

駱駝:本来のイメージはそっちなんですけど、ネタキャラにしないギリギリの範囲で作っていただいて、「このくらいでどうですか?」「いやもう一回り大きく」って、ローリエの髪型で細かい調整をするやり取りがありました(笑)

三木:ネタキャラにしないって世界観の割にさあ…クラスの最前列にさあ…。

中山:そこにいく? そこ触れちゃいます?

ロウバヤシくん
本名は老林源三(ロウバヤシ ゲンゾウ)。ポジション「サード」、学年は2年生ほか、
駱駝先生がアニメ用に書き起こした詳細な設定がある

三木:めちゃくちゃ気になるからね、あれ!

中山:秋田谷典昭監督はじめスタッフ、ノリノリでやっています。

三木:現実だと、「お前の背中で黒板が見えないから後ろと替われ」って席替えで後ろに回されるパターン。なのにあいつ、なぜか一番前で……あれを許すんだったら、パパイヤ鈴木ヘアーも許してよ(笑)

駱駝:老林くん、目が悪いから前の席にいないとダメなんですよ。彼、普通に作画ミスだと指摘されていましたけど、違いますからね? だってクラスメイトのキャラクター表で、ロウバヤシ君だけ、みんなの肩の位置に腰があるんです(笑)

中山:一人だけ頭身がおかしくて別の作品みたくなっちゃってます(笑)

■エンディング曲は焼き肉の後のミントガム?その心は…

───「カリスマ群A子からサザンカになりました。斉藤朱夏さんに決定した決め手や理由はなんでしょうか? またオーディションの時のエピソードとかを知りたいです」

三木:どうせパパパっと決めたんだろ?

───上手い!(笑)

中山:オープニング曲『パパパ』は何人かアーティストの候補があった中、斉藤朱夏さんの雰囲気だったら全然ありですって決まりました。曲調が斉藤さんのアーティスト性やパーソナルな雰囲気とも合ってるんですよね。斉藤朱夏さんには作品の世界観も含めて歌っていただいたこともあって、声の雰囲気とかサザンカのイメージがピッタリだったのでお願いしたという経緯です。

駱駝:斉藤朱夏さんは、ジョーロに惚れてない時のサザンカの演技が上手だったんですよ。ジョーロにデレてない時の、初期の怖いサザンカ役の演技がピッタリだったのが、お願いしようと決めた理由です。ジョーロに詰め寄るアフレコの時は怖さが勝って、少し抑えてもらったくらいです(笑)

第5話、サザンカがジョーロに詰め寄るシーン(右のピンク髪の子)

───「EDをメインヒロインの三人に歌ってもらおうと決めた理由はなんですか」

中山:エンディングテーマは、ヒロインの立ち位置で歌ってもらうキャラソンにしようってことで決めました。Jazzin'park(久保田真悟&栗原暁)さんから送られてきたデモ曲が、いわゆるアニソンっぽくない雰囲気でマッチしていたので、その最初の雰囲気のまま完成したのが「ハナコトバ」になります。

駱駝:これはしっくりくるなーって感じの良い曲です。ひまわり役の白石晴香さんが、歌い終えてから「『俺好き』が終わった後にこの曲を聞くと、味の濃い焼き肉を食べた後のミントガムみたいに清涼感の溢れる曲です!」っておっしゃっていて、『俺好き』は焼き肉ってこと?……まあ確かにこってり味ですけど。

三木:いいじゃないですか。『俺好き』は肉食系ラノベですよ!

■コスモス演じる三澤さんの、絶妙なバランスの演技に注目

───「現在、放送された話数(9話まで)の中で、1番のお気に入り話数や印象深い話数は何話ですか?」

三木:3話かなあ。3話でジョーロが書架から出てくるシーンは男を見せるところだから、やっぱりあそこが良かった!

駱駝:私が印象深いのは5話ですね。小ネタ的には「ざわ…ざわ…」って、コスモス役の三澤紗千香さんが声やっているんですよ(笑)真面目に選ぶと5話のBパート後半。コスモスがあすなろをハメるために、「私は今から新聞部に行って、新聞を回収するように指示を……」ってセリフがあるんですけど、三澤さんはわざと棒っぽく演じているんです。三澤さんの評価を落としかねない演技なんですが、その不自然な演技を6話で回収するわけです。そこに合わせた5話のわざとらしい演技は、すごく良いなあと思いました。

第5話のコスモス

中山:追い詰められておどおどしているようにも聞こえるし、バツが悪いようにも聞こえる。コスモスとジョーロの仲を図星突かれて戸惑っている風にも取れる。印象に残るように、ちょっとニュアンスを変えている細かい演じ分けが光りますね。

駱駝:下手すぎても怪しいじゃないですか。だから絶妙なラインをしっかり突いている、匠の技を感じました。

中山:僕は1話かな。AパートとBパートでまるごと作風に変える、トリッキーなことを盛り込んでいて、「この作品は、こういう内容です」ってはっきり打ち出せましたので。Aパートで「テンプレのラノベタイトル来たぜ」「ハーレムもの?まただよー」って声が、Bパートになったら「全然違うぞ!なんだこれは!?」って反応に変わっていました(笑)

駱駝:前半しか見てない人の叩きようね!(笑)

中山:そんな風に1話目を上手くやれたのは、良かったなって思いますね。

───印象的なシーンといえば、6話でパンジーが素顔を晒してダンスした時、たんぽぽの驚いている顔が一瞬だけ映っているカット。原作ファンとしてはニヤリとしました。

中山:あれは原作者がシリーズ構成・脚本をやっているからできたことですね。

駱駝:シナリオの段階から、あれは絶対入れようって決めていました。

───「放送前に作品の情報をあまり言えないことがあったと思います。そういったところで一番大変だったのは何ですか?」(ヒデさん)

駱駝:オンエア前に、どこまで内容を公表するのかは迷いました。「ひまわりとコスモスがサンちゃんを好きだから、ジョーロが手伝う」ところまで、1話のオンエア前に公表するかどうか。インパクトを重視するなら黙っていた方がいいんですが、それだと「僕は幼馴染と生徒会長にデートに誘われた、チャンチャン」って、あらすじが超つまんなそうなんですよ(笑)さすがに話題性に欠けすぎるから、という判断でオープンにしました。

中山:あそこまで言わないと、何をやる作品なのか伝わらない(笑)

■1話Bパートのジョーロのアドリブには、
現場もひっくり返るほど驚いた

───アニメのWebサイトで公開している映像コンテンツもすごく面白いです。ハロウィンやオレモネアなど、贅沢なおまけですよね。

中山:駱駝さんにアイディアで助けていただいて、ハロウィン映像とかめっちゃ回転数いいんですよ。公式サイトの「MOVIE」からご覧いただけますのでまだの方は見てみてください。

駱駝:「オレモネアやりたいです」とか「ハロウィン渋谷に毒づいて欲しいです」って宣伝の方からお題が来ると、「じゃあこんな感じで毒づきましょうか」って提案しています。で、考えるのがめんどくさくなったら、山下さんに無茶ぶりしています(笑)

───「3人の中でウェブラジオ“俺たちを好きなのはリスナーだけかよ”のゲスト出演の予定はありますか?」

駱駝:出ろと言われたら出ますよ。

中山:とりあえずキャストを一周する形にできればと。

───「今でも印象に残っているアドリブはどんなアドリブですか?」

駱駝:1話Bパートで、ひまわりとコスモスの紹介をする山下さん。私は毒づく感じで言うと思ってたんですよ。そうしたら、あんなに明るく楽しく紹介するなんて想定外でした。

第1話Bパート、コスモスの紹介

第1話Bパート、ひまわりの紹介

───「くそビッチ」「アバズレ」って酷いワードを、可愛らしいイントネーションで発してました(笑)

中山:あそこは現場のみんなもひっくり返りましたね。

───ボツになったアドリブで印象的なものはありますか?

駱駝:7話で尺の都合上カットされたコスモスのアドリブが面白かったです。イルカに乗ったジョーロを叩いて出発させた後に、コスモスが「ジョーロ君の家に挨拶に行くのが先かな」って妄想してるんですけど、一番最後の方に、「子供が生まれたら子供の名前はジョスモスにしよう」って面白いアドリブがあったんですが、残念ながら尺が入りきらなくて惜しかったです。

第7話、子供の名前を妄想するコスモス

───「俺は皆さんの推しを知りたーいです。ちなみに俺はジョーロ君を推しています」(ヒロアカとまふ×2さん)

中山:うちの会社では、あすなろの評価が高いんです。確かに彼女がやったことは悪いんですけど、そこまでするくらい好きなんだって、いじらしいところが受けています。それとあすなろは明確に自分の感情を出すので、パンジーみたいな何を考えているかよく分からない事になっていない(笑)

駱駝:私はこういう質問では、たんぽぽって答えています。

三木:僕は、アネモネですかね。

駱駝:アニメに出てないから!

三木:じゃあ最前列のロウバヤシ君で。

───ロウバヤシ君、謎の人気です。「ヒロインの中から一人とデートできるとしたらお三方は誰を選びますか?」

三木:これはパンジーかな、理由は、僕がドMだからですからね! デートしたら絶対に面倒くさいじゃないですか。

駱駝:私はツバキかな。デートしてて一番ラクじゃないですか。

三木:恩返しモードじゃないツバキですよ?

駱駝:全然。ツバキはしっかりしてるから安心じゃないですか。デートに何を求めるかによるんですけど、「ご飯は何を食べたいか?」って訊かれても、「何でもいい」って答えてもいい相手なので。

中山:自分はあすなろかなぁ。ツバキとは別のベクトルで一番ラクな気がするので。あすなろは適度に自分のやりたい事も主張するでしょうし、こっちの要望にも答えてくれるでしょうし、バランスがいいんだろうなって。

三木:この二人は草食系だから、女の子に頑張ってアプローチしようとする考えが無いんですよ。言われる系男子なんですよ。

中山:だって、女の子から言われたほうが一番ラクだから。

三木:ほらまたエロゲーの主人公みたいなこと言って……現実ではそんなこと無理!

中山:ちがうちがう。現実が無理だから二次元は楽な方がいいんじゃん! 何で現実でも辛い思いして、アニメの世界でも辛い思いしなきゃいけないんだよ! そんなのおかしいじゃん!

三木:たしかに正論だ……。

───二次元の力説をしているところ恐縮ですが、そろそろアニメパートの終了です。中山プロデューサーから、アニメ『俺好き』を見ている皆さんへメッセージをお願いします。

中山:10話以降、クライマックスに向かって、ますます盛り上がってまいります。何卒よろしくお願いします!

■ヒロインを花の名前にした理由は、
覚えやすさと、女子に花の可愛らしさが似合うから

───ここからは原作パート、引き続きTwitterで寄せられた質問を訊いていきます。「駱駝さんのTwitterアカウントを見つけたのですが、ツイートの空白期間がかなりあるのはなぜでしょうか?気まぐれで復活したみたいな感じでしょうか?」(やりさん)

駱駝:もともとTwitterはアカウントだけ作って放置していました。でも「俺好き」のアニメが始まるので、見ていただいてる方になにかおまけで楽しんでもらえたらなと始めたんです。

───公式がリツイートするまでは「本物?本物?」って疑われていましたね(笑)

駱駝:そうそう、だから本物っぽいツイートをしたじゃないですか。原作のラフとかをアップして、みんな楽しんでくださいねって。でもいまだに私、電撃文庫公式Twitterからフォローされていません…。

───電撃文庫Twitterの中の人、読んでますか? 次に「このタイトルにしようと思った経緯は?」

三木:もともと電撃大賞の応募作でいただいた原題が「壊れたジョーロは使えない」という、ちょっとネガティブっぽかったんです。なのでラブコメっぽい、ライトな感じにしようと決めました。

───「俺を好きなのはお前だけかよ」ってセリフが1巻に出てきますが、元々あったセリフをタイトルとしてチョイスしたんですか? それともタイトルが決まってからの改稿で入れたんですか?

駱駝:タイトルが決まってからです。

───その1巻が出た時に三澤さんのラジオに出演された際、「俺はこの1巻を死ぬ気で売ります。そしてアニメ化まで持っていきます」と宣言されて夢が叶ったわけですが、アニメを見ながらのお気持ちはいかがですか?

駱駝:2016年1月ごろのうぇぶらじ@電撃文庫に、電撃大賞の受賞者たちが出演した時ですね。隣の作家たちに、こいつらは全員蹴散らそうって思って(笑)。こういう風に言ったのは、自分へのプレッシャーも込みなので、ちゃんと有言実行できてよかったです。

───「イラストにブリキ先生を選ばれた一番の理由を教えてください」(匿名希望)

三木:一番の理由? うーん、友達だったから?(笑) 真面目に答えると、ラブコメを描く最前線のイラストレーターを選びたくて、ブリキさんしかいない!って一本釣りの決めうちでした。

───「原作買ってもいいですか?いえ、買わせてもらいますよ」(匿名希望)

駱駝:当然だ(大きく頷きながら)

三木:中古書店以外で!

───「キャラクターの性格やイラストはどういう感じで決めましたか?」(ユエさん)

駱駝:性格はみんな、花言葉から決めています。

───それに関連した質問も。「なぜ花言葉にこだわろうと思ったのか? なぜヒロインのあだ名が花の名前なのか、花を重要視しているのか?」(みうみん/美海未海さん)

駱駝:まず最初に花を選んだ理由は、覚えやすいからです。私自身、小説を読んでいて混乱した経験があるのですが、登場人物に漢字の名前が多すぎると、誰が誰だか良く分からなくなることがありまして。複雑な名字は覚えにくいんです。逆に某「魔術と科学が交差する作品」くらいまでややこしい名前にしてくれれば、それはそれで覚えやすいんですけど。

───ボカさなくても……「とある魔術」シリーズですね(笑)

駱駝:どうしたら読者に名前を覚えてもらえるのかを考えたときに、「みんなが知っている花の名前を使おう」「漢字を使うのやめよう」「4文字以内にしよう」ってルールを決めて、花の名前をチョイスしました。

───応募作のときからすでに?

駱駝:はい。とにかく覚えやすい名前であることと、女の子に花ってよく似合うし可愛いかなって。それに花言葉は、一つの花にいろんな言葉や意味が込められています。ヒロインにもいろんな要素を加えられるから、花言葉にこだわって性格も決めています。

───「主人公・如月雨露がお花に水をあげるジョーロ(如雨露)であることは何か意味(関係)があって名付けたのでしょうか?」(ふわちゃん〈楚方くん〉さん)

駱駝:もちろん、ヒロインを花の名前にした結果です。花を助けるものってなんだろうって考えた時、水を上げる如雨露だろうということで、ジョーロ君っていう名前にしました。

───「スランプってありますか?」(匿名希望)

駱駝:スランプはないです。すごくイライラしている時は全く仕事が手に付かなくなります。アイディアが思いつかない状態はないですけど、イライラしたり、やる気が出ないから仕事しない、みたいな時はあります。

───「気を付けてることはありますか?」(匿名希望)と、もう一人からも「俺好きの物語を考えるにあたり大切にしていることや、心がけていることはありますか?」(あっくんさん)という質問が来ています。

駱駝:タイトルに偽りのないようにしようと心がけています。読みの甘い読者やアニメの感想でも、たまに「タイトル詐欺だ」とのご指摘を受けますが、その方が気付いていないだけで、実はこの作品、一度もタイトル詐欺はしたことがないんですよ。

三木:一回もないですね。

駱駝:タイトルに偽りなしで、初志貫徹と言わんばかりに、タイトル「俺を好きなのはお前だけかよ」というテーマは守るように気をつけています。

───「サザンカがとっても大好きなサザンカファンです!小説で書かれていないサザンカの裏話について知りたいです。教えてください!」(芋ようかんさん)

駱駝:サザンカの裏話はいろいろありますよ。妹と弟がいますので、長女ですね。あとサザンカのお母さんは朝から晩までアルバイトをしているって設定もあります。ただし、物語に活かせそうにないときは使わない裏設定です。

水着のサザンカ

───「たんぽぽと特正先輩メインの話はまだありますか?」(anna@ワタゲストさん)

駱駝:13巻でチラッとありますので、新刊をぜひ読んでください。完全なメインはちょっと厳しいですけど、今後もあるかもしれません。

───「パンジーがアネモネのことをすぐにあだ名で読んだ理由は、今後明かされますか?」(匿名希望)

駱駝:8巻の後書きの後を読んでいない上での質問だとしたら、まず8巻の後書きの後にも、ちゃんと文章は続いているので、そこを確認してみてください。そこを確認した上でお伝えすると、明かされます。

※※※ここからは、作品の面白さを損なわない程度で、13巻の微ネタバレを含みます。※※


■「俺好き」の影に少女マンガの影響あり。
男子たちの恋愛模様が垣間見える13巻

───以上たくさんの質問、ありがとうございました! それでは最新刊、「俺を好きなのはお前だけかよ(13)」の内容に移ります。今回もパンジーが表紙を飾っています。

駱駝:裏表紙にも注目です。1巻以来、久しぶりのSDパンジー登場です! しかもメガネなしバージョン。

裏表紙のSDパンジー

───本文の挿絵またはピンナップカラーで、お気に入りの一枚を選んでください。

駱駝:気に入っているイラストは、最後のモノクロです。商店街の天井が破損しているのが、ジョーロがやってしまったことを象徴しているようで、とても素敵でした。

───13巻は一人ひとりとデートする回想を交えつつ、男4人の相談事が核となる構成がユニークです。

駱駝:この構成を男の子でしか表現できなかったのは、自分としては心残りです。本当は女の子グループでも表現したかったです。

───主要の男子キャラに、全員気になる女性がいることに改めて気づきました。

駱駝:これは少女マンガに影響されていると思います。少女マンガってヒロインがくっついた後、ヒロインの友達たちがくっつく展開も多いですから。『君に届け』の爽子が付き合ったら次はちづで、その次はあやねちゃんとか。

■ヒロインの一人称を執筆してみて、
改めてジョーロのツッコミ能力の高さが恋しくなった

───13巻は各ヒロインたちのデートが描かれました。

駱駝:次の巻から話が重くなるから、その前に和気あいあいの楽しい話を挟んでおきたかったんです。

───一気に主要ヒロインの一人称を書いてみての感想はどうでしたか?

駱駝:改めて、ジョーロって優秀だなって(笑)。サザンカ、ひまわり、コスモス、パンジーの一人称は書いていて新鮮で楽しかったし、ジョーロとは違う楽しみ方ができました。でもジョーロみたいにツッコめないから、笑いやギャグを生み出すのが難しかったとも感じたんですよ。なのでギャグは入れられる範囲で入れています。

───今、ラノベ業界的にはラブコメのブームが来つつありますけど、思うところはありますか?

駱駝:むしろ私は下火だと思っていたんですけど、ブームって来てます?

小瀧(ストレートエッジ所属。『俺好き』担当編集):新作で売れているのはラブコメが多いです。電撃文庫では「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」が売れていますし、ライトノベル系アプリサイトでも、売れ線にラブコメが増えています。個人的な感触ですが、ラブコメはいったん底をついたのが、また盛り返してきた感じは受けます。

───一読者として、どんなラブコメが読みたいですか?

駱駝:マンガの『電影少女』(ビデオガール)みたいな話があったら喜んで読みます。

三木:今だとビデオがないから『Netflixガール』になる。

───語呂が悪くて言いづらそう(笑)

駱駝:『電影少女』ってヒロインが誰にでもパンツや裸を見せますし、他のヒロイン達も別の男と平然とイチャついたりとか、今のご時世じゃ絶対できない内容です。これを当時、少年誌で描こうと思った根性がすごい。

三木:どっちかっていうとヤングジャンプ系だよね。

駱駝:そうそう。ああいう尖っている作品が出たら嬉しいです。

───『エロマンガ先生』の伏見つかさ先生からエールをいただいております。

・関連記事:【コラム】「山田エルフが大勝利といっても過言ではない」 エロマンガ先生12巻、伏見つかさ先生インタビュー! : アキバBlog

「駱駝先生がすべてのラブコメを過去にしたそうなので、そろそろ令和を象徴するような新しいラブコメが出てくるんじゃないでしょうか。駱駝先生ほど大きなことは言えないですけど、私も新たに、これが“令和のラブコメ”だと胸を張れるような作品を書いてみたいです。駱駝先生には負けるかもしれないですけど。」
伏見つかさ先生インタビューより

駱駝:「何を言っているんだこの人は」と思いましたけど(笑)、元は『すべてのラブコメを過去にする』発言から始まってるんですよね。

三木:そう、駱駝さんがあんな事を言い出したから……。

駱駝:あのキャッチコピーをつけた犯人は隣にいるはずなのだが……。

───三木さんが5巻の帯につけたキャッチコピーであることは、過去のインタビューで語られています(笑)。でもそれがアニメのキャッチフレーズにもなって、広がりました。

原作5巻の帯

駱駝:三木さんがつけたとはいえ私が許可した以上、最終的には私が言ったも同然なので。令和のラブコメ……うーん、令和とか平成とか関係なく、面白いものを書きたいです。だって今読んでも『スラムダンク』は面白いですし、伏見先生の『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』だって、いまだにすごく面白い作品ですし。そんな長く愛されるような作品をたくさん作っていきたいですね。

───次の14巻の予告は、どういった内容になりますか?

駱駝:14巻では3人の女の子が振られます。

───はっきり言い切りましたね。

駱駝:この作品は、なぁなぁでは終わらせません。ラブコメで大好きな作品がいくつかあるんですけど、そういった作品でも明確な答えが出ずに終わっちゃうと、なんだかモヤモヤするので、自分はしっかりと明確な答えを出して終わらせようと決めてます。

───次が最終巻のように受け取られませんか?

駱駝:大丈夫です。『エロマンガ先生』の紗霧さんだって付き合ってからも続いてますから。14巻は3人の女の子が振られて、ジョーロは一人の女の子と付き合うと断言します。

───アニメが山場を迎える中、原作の盛り上がりにも期待です。それでは皆さんへメッセージをお願いします。

三木:今の駱駝さんの発言にあるように、いよいよラブコメとしてクライマックスに辿り着こうとしています。ジョーロ君がどういう決断をするのか、それに対するヒロインたちは、どう動くのか。大事な13巻になっていますので、アニメ同様、小説もぜひ楽しんでいただければと思います。

駱駝:アニメは9話まで放映しています。残り話数から判断して、どういう結末になるのか。原作読者の方は薄々気づいてるかもしれませんね。原作に関しては、今回の話はパッと読むとシンプルな明るく楽しい短編集になっています。でも細かく丁寧に読むと、いろんな事実が隠されている巻にもなっています。それを探すという意味でも楽しい巻になっておりますので、よろしければ探してみてください。

───本日はありがとうございました。

(取材・文:かーずSP



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コミカライズ 俺を好きなのはお前だけかよ4巻 「三股疑惑は晴れるか!?」
コミカライズ 俺を好きなのはお前だけかよ3巻 「いったい恋の何角関係…?」
俺を好きなのはお前だけかよ2巻 「ねじれた五角関係、これがラブコメの最前線!」
コミカライズ 俺を好きなのはお前だけかよ1巻「私、貴方をストーキングしているもの」

駱駝x三木編集x中山Pインタビュー!原作者が全脚本を担当
令和の次の元号までは、"駱駝"の名前を後世に残したい。11巻インタビュー
アニメ化決定!「俺を好きなのはお前だけかよ」最速インタビュー! 10巻情報も!
俺を好きなのはお前だけかよ9巻、発売記念!駱駝先生インタビュー!
俺を好きなのはお前だけかよ8巻、発売記念インタビュー!
俺を好きなのはお前だけかよ7巻、発売記念インタビュー!
「俺を好きなのはお前だけかよ」6巻発売記念!駱駝先生インタビュー!
「俺を好きなのはお前だけかよ」5巻発売記念!駱駝先生インタビュー
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「俺を好きなのはお前だけかよ」3巻発売記念!駱駝先生インタビュー
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「俺を好きなのはお前だけかよ」13巻書籍情報 / 特設ページ(試し読みあり)
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イラスト:ブリキ氏のホームページ「ブリキの砦」
ブリキ (イラストレーター) - Wikipedia
俺を好きなのはお前だけかよ - Wikipedia

TVアニメ「俺を好きなのはお前だけかよ」公式サイト / Twitter
「俺を好きなのはお前だけかよ」【第1弾PV】 - YouTube
「俺を好きなのはお前だけかよ」【第2弾PV】 - YouTube


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