谷山浩子さんのアルバム「HIROKO_TANIYAMA_45th_シングル_コレクション」と「白と黒」
を購入し全曲聴きました。が、まだまだ谷山浩子分が足りない!もっと谷山浩子分を!
という事で次に購入すべきアルバムの検討材料を得る為に
ネットから谷山浩子さんの楽曲を物色する事に。

そこで「谷山浩子」の第2検索ワードとして出てきたのが「まもるくん」、
そしてその検索結果と一緒に表示される「谷山浩子の怖い歌」という様な記事がちらほらと…

「恋するニワトリ」や「カントリーガール」から谷山浩子入門すると一見意外な感じがしますが
確かに「HIROKO_TANIYAMA_45th_シングル_コレクション」や「白と黒」の中にも
不気味というか、不穏な、ダークな歌詞の歌がいくつかありました。

「恋するニワトリ」や「カントリーガール」を<表>の谷山さんとすると
【怖い歌】は<裏>の谷山さん、谷山さんのダークサイドとなるのかも知れません。
が、
ダークサイドと書きましたがこのダークな歌詞にこそ谷山浩子さんの本質は在る様に思われます。
「HIROKO_TANIYAMA_45th_シングル_コレクション」の楽曲コメントの中でも度々出てくる
谷山浩子さんが自身のテーマとされているという【諸行無常】。
そしてその【諸行無常】から派生したであろう【厭世主義】(とまではいかないか?)が
谷山さんの根底にあり、そこから不穏な・ダークな歌詞が生まれてくるように思います。

そういった意味からも本当の谷山浩子さんを理解するには【怖い歌】は避けては通れない、
というか寧ろ積極的にどんどん聴いていかねばならないと思っています。なので、
谷山浩子さんの本質を知るために、【怖い歌】として紹介されている歌について
取り敢えず動画サイトで検索して聴いてみる事にしました。
(あくまで検討材料としてであり後でちゃんとアルバム買いますよ)

その内の幾つかについて自分なりの解釈を簡単に述べてみたいと思います。

<<<まもるくん>>>
歌詞の不気味さこそありますが、自分はこの歌を怖いとは感じませんでした。
自分の「まもるくん」の解釈は【自尊心】、【虚栄心】、【優越感】といったもので
【自分を護る】という意味での「まもるくん」だと考えました。

それは歌詞中の『のびるふく~ゆるいふく』からで、服は身を守るものであり
【自尊心】、【虚栄心】、【優越感】といった服を着て自分を護っている人の事を歌っている
のだと考えました。新宿地下道ではホームレスを斜め下に見下ろし、
警察官はその権威を笠に着て、
人に見せる為に背伸びして立派なマイホームを購入しその実、中ではローン返済で苦しんで気絶、
しかしそれはみんな同じでありみんなで見ない振りをしている、
そんな、他人との比較による【自尊心】、【虚栄心】、【優越感】といったもので
自身を護っている人達の事を、そしてそんな人々で埋め尽くされているこの世界を歌っている
のだと解釈しました。

ネットの解釈にあった【監視カメラ説】にもなるほどと、特に『壁から斜めに生えている』は
ピッタシハマり有力な説であるとは思いますが自分は「みんなを護る」【監視カメラ説】より
「自分を護る」【自尊心説】を推していきたいと思います。


<<<ROLLING DOWN>>>
曲調こそ恐ろしい感じですが歌詞自体に怖さは感じませんでした。
この歌は恐怖を与えるという様な歌ではなく寧ろ、励まし・応援ソングであると感じました。

色んな事に疲れて安易に楽になろうとしている人に向けて、転がり落ちるのは楽かもしれないが
その先に待っているのは決して幸せなんかじゃないと、
だから安易に楽になろうとする道を選ぶな、という応援ソングだと解釈しました。


他にも【怖い歌】と紹介されている幾つかを聴きましたが
歌詞の不気味さ、不穏さ、不可解さこそ在りましたが「怖い」と感じた歌はありませんでした
次の曲を除いては…

<<<COTTON_COLOR>>>
本当に怖いと思ったのがこの「COTTON_COLOR」です。
最初に聴いた時は幻想的な曲で全然怖くなんかないじゃないかと思ったのですが
ネット記事でその隠された歌詞の事を知りました。
凄惨な内容の歌詞そのものよりもそれを【隠している】というところに怖さを感じます。

そして、この歌を怖いと思った一番の理由は、
この歌詞が【実話】を基にしているというネット記事を読んだからです。
それは、「メアリー・アン・コットン」という英国女性がモデルではないかというもので
彼女は保険金目当てで自分の夫と子供を殺し、そして再婚しては同じ手口を繰り返し
知人等も含めその数は計21人にも及ぶとの事です。

【コットン】という符合の一致、歌詞の内容の一致からもおそらく
この【実話説】は正しいのでは、と思えます。
そしてその場合、歌詞中の【私(僕)】というのは、事件の最後の犠牲者である
(彼女の最後の夫である)コットン氏との子供(男の子)の事になると思われます。

Wikipediaに載ってるくらいの事しか調べていませんが
(気分が悪くなりそうで詳しく調べようという気が起きませんでした)
彼女の犯行の手口が明らかになるのは、最後の犠牲者である
この男の子の検死によりヒ素が検出された事からになります。
ヒ素中毒の影響が脳(頭)や眼球に現れるのかどうか知りませんが
隠された歌詞の『頭・眼球が語っている』というのは上記の事を歌っているのではないでしょうか。

この【実話説】を正しいと仮定して、
谷山浩子さんはこの歌・歌詞をどういう想いで作ったのかが気になります。
ただ偶然の思いつきで作ったのではなく何か想い・伝えたい事があって作ったのだと考えます。

「COTTON_COLOR」は元々上野洋子さんに提供された曲だそうですが
そのオリジナル版には凄惨な内容の歌詞は隠されていませんでした。
その後谷山さんがセルフカバーするにあたりアレンジを考えていた時におそらく偶然
「メアリー・アン・コットン」の事を知り、不思議な符合の一致を感じ
件の歌詞を入れる事を思いついたのではと考えます。

楽曲提供後に偶然思いついた、と考えないと
初めからこの恐ろしい歌詞が出来上がっていた事になり、そうすると
楽曲提供するにあたり歌詞を変更し本当の意味を隠して
(上野洋子さんがシリアルキラーを題材にした楽曲が欲しいとリクエストする訳もないので)
上野さんに贈った事になり、それはそれで谷山さんの想いが解らなくなってしまいます。

上記の事から、後から偶然に生まれた歌詞だと考え
元は恐ろしい意味などなく幻想的な雰囲気の曲であったと思います。

話が逸れましたが、谷山さんがこの怖い歌詞を入れた理由は
「知って欲しかった」からだと考えました。

以下、自分の勝手な想像ですが、
歌詞中の【僕】はおそらく母親からの直接的な暴力、虐待といったものは受けておらず、
母親は表面的には優しく接していたのではないでしょうか。
そんな(表面的には)優しい母親を愛していた【僕】、
しかしその思いと裏腹に母親は毒を盛っていた…
愛する母親に殺されたとは夢にも思わないで死んでいった【僕】、
そんな【僕】がいた事を谷山さんはみんなに少しでも知って欲しかった、
「母親からの愛」が得られなかった【僕】に対してその代わりに【僕】の事を想って祈ってくれる
【僕】が天国へいけるように祈ってくれる事を願って歌った鎮魂歌ではないか
と考え納得する様にしました。

「COTTON_COLOR」は【実話】という別格の怖さがあり
【怖い歌】と紹介されている中で【本当】に怖い・恐ろしいと感じました。


購入したアルバム「白と黒」の中にも1曲「怖い」と思った歌があるので
少し感想・解釈を述べたいと思います。といってもこの「怖い」はちょっと別種なのですが。

<<<SAKANA-GIRL>>>
怖い歌として紹介されている中にも名前の挙がっていたこちらの歌ですがそれは、
歌詞中の【僕】が【きみ】をアヤめてしまってその【きみ】を【魚】と表現し、
捌いているイメージが怖いとされているのだと思います。

自分がこの歌を怖いと思ったのは、この「歌詞」を作った谷山浩子さんの発想が凄い
という意味で怖さを感じたからです。

この歌を聴いた時のイメージは【魚】は【きみ】ではなく
普通に魚屋で買ってきた【魚】だと思いました。

【僕】は「性」を売っているお店で初めて「女性」というものを知りその相手だった【きみ】に対し
「【僕】は恋をした・これは愛だ」と勘違いし、さらに
「【きみ】も【僕】を愛している、【僕】を特別に思っている」と勘違いした
という設定が思い浮かびました。

(付き合っている「彼女」であれば歌詞の『忘れた』という表現には違和感があります。
仮に、一時的に【僕】の事を忘れて浮気したという表現であるとしても
「裏切った」と書かず敢えて『忘れた』と表現する意図が
全文を通して読んでみても無い様に思われました。
上記の事から【僕】と【きみ】は彼氏彼女の関係ではなくまた『忘れた』と言っている事から
ある程度の面識はあったと考え「商売、客」との関係と考えました)

しかし、当の【きみ】は【僕】の事など特別に思っておらずそれどころか
客としての顔すらも覚えていなかった、
その事に対し激しく怒りを覚えたが、【きみ】に対し何か直接的な行動を起こすでもなく
その怒りを内に抱えたまま帰りの道すがらに魚屋で売られている魚を見て
棚に並べられ商品として買われるのを待つだけの【魚】を【きみ】と重ね
【僕】の怒り、愛などではなく【支配欲】【独占欲】だったそれを
【魚】を【きみ】に見立てる事で満たそうとしている男の狂気を歌っていると解釈しました。

この発想が(正しいと仮定してですが)女性である谷山さんから生まれた事が凄いという意味で
「谷山浩子恐るべし」と感じました。

【きみ】≠【魚】という解釈を述べましたが実は【きみ】=【魚】説も捨てきれずにいます。
それは、曲の最後のバイオリンの音が、何か無心にノコギリをひいている様な
またはチェーンソーの音にも聞こえて、魚を捌くのにそんな道具が必要な訳もなく
一体何を捌いているのか…
谷山浩子さん、、、一筋縄ではいかないな…


前回のブログで、「恋するニワトリ」のシングルマザー解釈が生まれた原因について
アニメーションが問題であると書きましたがそれは安易な考えであったかも知れません。
熟練の谷山浩子ファンは谷山さんが一筋縄ではいかない事を熟知しており
そのために深読みした結果であったのかも知れません。

また、同じく前回ブログの「カントリーガール」での【僕】が【カントリーガール】の行動の仔細を
知っていた理由について「【僕】が幽霊説」を挙げましたが
谷山さんの【諸行無常】【厭世観】が根底にある事を考えると、
挙げた説の中で唯一筋が通っていただけにこれが正解なのかもしれないと思えてきました
…悲しいので絶対に認めませんが。。。

色々曲を聴いて谷山さんを知れば知る程本当に一筋縄ではいかない人だと改めて思わされました

取り敢えず次のアルバムは曲数も多く色んな曲が幅広く収録されている「花とゆめ」と
最新のアルバム「月に聞いた11の物語」を購入する事に決めました。
まだまだ深そうな谷山浩子ワールドにずぶずぶ浸かっていきたいと思います。