ソース:NPD: Behind the Numbers, May 2011 (Gamasutra)

2011年5月のアメリカのゲーム市場に関するデータがGamasutraで発表されていたんで、それを簡単にまとめてみた。
先月はこっち
2011年5月のゲーム市場(2011年 ← 2010年(増減率))
・全体 7億1880万ドル ← 8億2940万ドル(-13%
・ハード 2億2890万ドル ← 2億4160万ドル(-5.2%
・ソフト 3億7580万ドル ← 4億6630万ドル(-19%
・アクセサリ 1億1140万ドル ← 1億2150万ドル(-6.2%
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2011年1月〜5月のゲーム市場
・全体 55億8090万ドル ← 55億7950万ドル(+0.0%
・ハード 17億9420万ドル ← 17億1160万ドル(+4.8%
・ソフト 27億9180万ドル ← 29億8090万ドル(-6.3%
・アクセサリ 9億9490万ドル ← 8億8700万ドル(+12%
・ソフト市場は金額ベースだと6%減だが、本数ベースでは3%減

2011年5月のゲーム市場の詳細
・20011年5月は2006年10月以来過去最低の月間売上げだった
・2006年10月はDSの黄金期だったが、PS3もWiiもまだ発売されていず、Guitar Hero IIなどの音ゲーブームも到来していなかった
・週平均の売上げは、2011年5月が1億7970万ドル、2011年4月が2億3270万ドルとなり、5月は4月から5300万ドル落ちた
・週平均だとハードの売上げは1250万ドル落ちたが、これはWii以外全機種の販売台数が4月から減少したこと、据置機3機種(Wii、PS3、箱○)全ての平均販売価格が下がったこと、そして3DSが9万台に落ち込んだこと(少なくとも3DSだけで500万ドル分売上げは落ちた)等が原因

ハードの月間平均販売価格
hardware-asps-apr-may-2011
・アクセサリの売上げも週平均だと840万ドル落ちたが、これは箱○とPS3の力強い売上げが、Wiiや携帯機の下落幅を相殺できなかったため
・ソフトの売上げも落ち込んだが、これは全ハードが前月比、前年同月比(3DS以外)共に下回ったためで、販売本数は合計12%、週平均だと250万本減少した
・ソフトの売上げが落ち込んだのには、新作タイトル数が少なかったことも影響している

新作タイトル数と前年比
sku-release-rates
・Wii、DS、PSPの3機種が、ソフト市場縮小の主な原因だとすれば、年間で新作タイトル数が5%減、売上げが6%減ならそれほど酷い状況ではないように思える
・2011年5月のWiiのソフト売上げは、週平均だと前年同月比で1000万ドルも減少した

2005年〜2011年のゲーム市場
total-industry-revenue-2005-2011

Wiiの1週辺りの平均販売台数
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・Wiiは2011年5月15日に150ドルに値下げされた影響で、4月は週平均4.3万台だったのが、5月は5.9万台になった

PSPの1週辺りの平均販売台数

psp-sales-by-month-2011
・PSPは2011年2月末に170ドルから130ドルに値下げされたが、すでに値下げ前より売上げは落ち込んでいる
・大成功を収めたWiiと携帯機のPSPを直接比較することは出来ないが、どちらも200ドルを切ってから長く、後継機が発表されているため寿命が決まっていて、主力タイトルも今後あまり出ないという状況を考えると、WiiもPSP同様、値下げの影響は夏の数ヶ月間だけにとどまり、2007年から2009年のレベルにまで売上げが戻ることはないだろう

3DSの不調
・3DSはハードとソフトの両方で厳しいスタートを切ったように思える
・3DSとPSPは3月末に(前者は2011年、後者は2005年)、DSiは4月初旬に発売されたため、この3機種は5月末の時点で発売からおよそ60日経っていた(正確には、3DSが63日、PSPが66日、DSiが56日)

発売から5月末までの1日辺りの平均販売台数
psp-dsi-3ds-launch-comparison
・3DSはDSiやPSPの半分のペースでしか売れていない
・DSiが発売された時は、DSLが値下げされ安くなっていたため、より安価で、同じメーカーから出ているほぼ同じ機能を持つライバル機という意味では、当時のDSiに対するDSLと、現在の3DSに対するDSiは状況が少し似ている
・DSiは約130万台を売り上げたのに対し、それより長い期間あった3DSは約70万台しか売れなかった
・3DSとDSiの100ドルの価格差は、2009年当時のDSiとDSLの40ドルの価格差よりだいぶ大きいため、その辺りも影響しているのかもしれない
・WedbushのPachterは、3DSは子供達にとって高価すぎるため、現在はほとんどハードコアゲーマー用の贅沢品のようになっていると話しているが、PSPもDSが150ドルの時に250ドルで発売されたのに、3DSの約2倍(120万台)も売れたことを考えると、値段が高いから売れなかったとは言いづらい(ただし、当時のDSはあまり売れていなかった)
・3DSのタイレシオはたった2.0しかないが、PSPも2.1しかなかった(しかも、3DSはDSと互換機能がある)
・3DSユーザーは3DSのソフトをあまり買っていないかもしれないが、2011年後半にはマリオやマリオカートなどが発売されるため、今後もこの状況が続くかは分からない
・サードパーティーはDSから3DSへ移行し始めているため、今後DSはソフトが減り、ユーザーにとって魅力的なハードでなくなれば、3DSへの以降は進むだろうし、来年の2月か3月に任天堂が200ドルに値下げすれば、その勢いは更に増すだろう

PSN問題による影響
・4月中旬、ソニーはPSNに不正アクセスがあったとして全サーバーを停止し、5月14日にオンラインマルチプレイを含む一部機能を、6月1日に全機能を復旧した

PS3の1週辺りの平均販売台数
ps3-sales-by-month-2011
・PS3のハードは2月を頂点に減少し続けているため、4月、5月の減少分がPSN問題の影響かどうかは分からない(前年同月比だと4月、5月共にプラスだった)
・ソフトはキータイトルの発売時期によって売上げが変化するため、参考程度にしかならないが、5月の売上げは4月から28%減少した(箱○は16%の減少)
・ソフトは前年同月比だと全体で19%減の中、PS3は16%減、箱○は10%減
・ハード1台辺りのソフトの売上げだと、PS3は引き続き箱○を上回っている

箱○とPS3の前年比と前月比のソフト売上げ

hd-console-software-rates

PSN問題以降に発売されたソフトの箱○対PS3の売上比率(360/PS3)
relative-sales
・Mortal KombatはPS3版の方が10%多く売れ、L.A. Noireは40%、Portal 2は60%、Brinkは160%箱○版の方が多く売れた
・ハードの累計売上げは箱○の方がPS3より60%多いため、比率で考えるとMortal Kombatだけでなく、L.A. NoireもPS3版の方が売れ、Portal 2は同じだけ売れたことになる(Brinkは箱○版の方が圧倒的に売れた)
・2011年5月のPS3のアクセサリ売上げは、前年同月比でプラスとなったが、具体的な数字は不明(4月はPSNカードの売上げが4%増えたため、5月もおそらくPSNカードが好調だった)
・結局のところ、状況が読みにくいハードを除くと、ソフト、アクセサリ共にPSN問題による影響はほとんど無かったと考えられる
・6月はCODBOの本体同梱版や、そんなCODBOのDLCの発売に合わせてPSNカードの売上げが伸びると予想されるため、ハード、アクセサリ、そしておそらくソフトも好調だろう

こんな感じ。
個人的にここ1,2ヶ月ずっと気になっていたPSN問題だけど、これを見る限りそこまで大きな影響があった訳じゃないのかね。ハードは減少し続けているとはいえ前年越えしているし、ソフトも箱○に比べて減少幅が大きいとはいえ、今年の4月には20万本くらい売れた(はずの)SOCOM4があったわけだし。
ヨーロッパでも、すでにイギリス以外PS3のソフトばかりという以前の状態に戻っているところを見ると、影響は限定的だった、ということでいいのかなぁ。よく分からない。

あーあと、マルチタイトルのPS3と箱○の比率が発表されたんで、それぞれの売上げを計算してみると、Mortal KombatはPS3版が68万本で箱○版が61.2万本(4月を100万本とする)、L.A. NoireはPS3版が37.5万本で箱○版が52.4万本ということに。BrinkとPortal2はPC版が入るんで不明。