松たか子が主演するドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」（カンテレ・フジテレビ系、毎週火曜夜9時～）の第1話が13日に放送され、SNSでは「開始早々もう面白い」「今季暫定1位」「満足感が半端じゃない」「面白くて久しぶりにドラマにハマりそう」など続々と感想がつぶやかれ反響を呼んでいる。冒頭から斬新な展開でただならないドラマ感満載だった第1話。見逃した人はもったいない……！ まだ追いつけるうちに、本ドラマの魅力を紹介したい。
松たか子、バツ3ヒロインに
まさかのバツ3主人公にふんしたのは、松たか子。「HERO」「カルテット」「ノーサイド・ゲーム」など数々の名作ドラマに出演してきた松。その名前があるだけで、ドラマのクオリティーが保証されたかのような安定感がある。さらに脚本を手がけたのはドラマ「東京ラブストーリー」や現在ロングヒット中の映画『花束みたいな恋をした』などの坂元裕二とあり、放送前から期待は高まっていたが、1話ではその期待を裏切らない物語が展開した。
本作が描くのは、松が演じる主人公・大豆田とわ子（おおまめだ とわこ）が3人の元夫たち（松田龍平・角田晃広・岡田将生）に振り回されながらも奮闘していく日々。とわ子は、これまで3回の結婚→離婚経験があり、現在は建設会社の社長を務め、1話では斎藤工ふんするイケメン船長といい感じになりそうになる。だが、恋多きバリキャリ系主人公かと思いきや一味違うのがこのドラマの面白いところ。とわ子は、反抗期の娘の母親としてや、悩み多き職場の中で、いたって自然体に生きている。そして、口内炎が気になってしかたなかったり、食べ損ねたカレーパンのことが忘れられなかったり、帰り道で道路の穴にハマったりして、謎の親しみやすさを醸し出す。
1話冒頭から、松たか子が靴に入った小さい石を靴を脱がずにどうにか取り出そうとしている姿に、なんだ？ なんだ？ と思っているうちに気付くと最後まで観てしまう……日常をのぞき見しているような感覚でついつい観ちゃう系のドラマなのだ。
クセが強い！3人の元夫たち
そして、とわ子の3人の元夫たちのクセが強い。最初の夫は、レストランオーナーで女性にモテる田中八作（松田龍平）。2番目の夫は、いちいち器が小さいカメラマンの佐藤鹿太郎（角田晃広）。3番目の夫は、理屈っぽいエリート弁護士の中村慎森（岡田将生）。1話で、とわ子はある理由から彼らに接触することになる。次々と登場した3人の元夫たちは、三者三様に持ち前の残念な魅力を振りまいていった。
優しいけれど何かと引っかかるところのある八作、自転車に轢かれて登場する鹿太郎、弁が立ちすぎる慎森。元夫たちのクセつよ具合は衝撃的だが、それぞれ素朴な性格の持ち主であることが見て取れ、欠点があるのにどこか憎めない。彼らが、かつてとわ子と恋愛を経て結婚生活を送ったと思うと気になるし、3回とも離婚に至った理由も気になってくる。そして、吹っ切れた様子のとわ子とは対照的に、元夫は3人ともが、どうやらとわ子との関係に未練を残しているように見える。その辺りの詳しい事情は今後明かされていくと思われ、次回以降の展開が楽しみだ。
出禁夫トリオがまさかの集結
そんなとわ子の3人の元夫は、なぜか平然と集結してしまう。大豆田家を出禁になっているはずの元夫2人が家にやって来てブロッコリーで殴り合いを始めたり（なんで？）、3人の元夫会議などという元妻側からしたらたまったもんじゃないイベントが開催されてしまったりする。4人のおかしな関係は、今後どのように発展していくのだろうか。本作ではそんな斬新な展開を描きながら、誰もが共感するような日々のささやかな出来事を拾い上げ、登場人物たちによる絶妙なテンポの小気味よい会話が繰り広げられていく。それはやはり脚本の妙であるし、実力派俳優陣のなせるわざでもあるのだろう。
1話終了後、SNSには「坂元裕二の脚本はやっぱ良いな」「カルテット好きにはもうたまらない」「想像していた以上に最高だった」「終わった瞬間からもう来週が楽しみ」というコメントが見られ、早くもハマる人が続出している様子だ。また、この放送で明らかになったのだが、女優の伊藤沙莉がナレーションを務めていることも注目ポイントで、特徴的なハスキーボイスが物語に軽やかな魅力を添えている。放送は始まったばかり。見逃し配信もあるため、2話からの展開に今ならまだ追いつける！
