明日大学の入学式をひかえた次女がテレビの前で私を呼ぶ。新元号が間もなく発表されるという。
私は,常に世事にとんと疎く,世の動きに対してもぼんやりしている。
今回の改正も「診断書の書式変更をいつまでしなきゃならないかあ?」を気にし,あまり関心を持っていなかったはずなのに,何故か,にわかにドキドキしてきた。

「令和」

最初その字を見た時,真っ先に「令」の字に目が行った。
「大宝律令」「命令」の言葉が浮かんだ。
ええっ!何か強いられるのぉ!?
続く「和」の字を見て少し安心した。
「和」の字は私も大好きである。
でも「和」を「命令」される・・・の?
続く首相の会見で,「令」の字が,オキテや命令の意味では無いことを知ってほっとした。
「令」の字には,もっと温かい意味があるのであった。

語感が今風である。
これには意表を突かれた。
簡単な漢字ながら,もっと古風で,頑固で,ガツンとした言葉が来るのだと思っていた。
「れいわ」という音韻,唱えやすい。
言うは易く行うは難し,である「和を以て貴しとなす」精神が,都会の(もちろん田舎のも)子どもら若者らにとって身近になってくれそうな気がする。

席を外すと―
頭の中に,エリック・クラプトンの「愛しのレイラ」のギターフレーズが浮かんできた。ここで「レイワー♪」と鼻歌を歌うのは不謹慎である。が,これほどまでに,すぐに染み込む言葉のようだ。

テレビでは解説の皆さまが「令和は『L』?『R』?」としきりに気にしていた。
何だか「右?左?」と,思想の傾きを問うているようで,一抹の後味の悪さが残った。


無断引用を禁じます。某先生,本当に「和」であって欲しい。「和」のために,もう,全力で,皆で,我武者羅に,頑張っていけたら。