2015年11月15日
第3302回 外交力の弱さ
全国鯨フォーラム2015網走。
オホーツク文化交流センターで盛大に開催されました。
基調講演「捕鯨をめぐる国際情勢〜商業捕鯨再開への道筋」
講師は、国際捕鯨委員会日本政府代表の森下丈二氏。
実に分かり易い講演でした。
さすがに政府代表^^
国際捕鯨取締条約(加盟88ヶ国)
「鯨類資源の適当な保存を図って捕鯨産業の秩序ある発展を可能にする」
管理対象は、シロナガス鯨、ミンク鯨、ザトウ鯨等の13種。
基本的に大型鯨です。
同条約の趣旨は、鯨類資源の管理・発展であって、決して反捕鯨目的ではない。
なのに、今やIWC88ヶ国のうち反捕鯨が63前後。
1980年前後に反捕鯨国が外交によって捕鯨文化のない国々を取り込んだ戦果です。
捕鯨関係国は、残念ながら外交的に出遅れてしまった。
今では、とても商業捕鯨禁漁モラトリアムを解除できる状況にはありません。
本来であれば、同条約附表第10(e)の規定により1990年までに包括的評価を行い、捕獲頭数の設定について検討しなければならなかったのにです。
そこで、我が国は同条約第8条の規定に基づき調査捕鯨を行っています。
『1.この条約の規定にかかわらず、締約政府は、同政府が適当と認める数の制限及び他の条件に従って自国民のいずれかが科学的研究のために鯨を捕獲し、殺し、及び処理することを認可する特別許可書をこれに与えることができる。また、この条の規定による鯨の捕獲、殺害及び処理は、この条約の適用から除外する。
2.前記の特別許可書に基づいて捕獲した鯨は、実行可能な限り加工し、また取得金は許可を与えた政府の発給した指令書に従って処分しなければならない』
つまり、我が国の調査捕鯨は捕鯨取締条約に違反して実施しているわけではなく、あくまで同8条に従って正当に行っている行為なのです。
しかし、国際司法裁判所は「第二期南極海鯨類捕獲調査は、調査の計画及び実施が調査目的を達成するために合理的なものと立証されておらず、国際捕鯨取締条約第8条1に規定する科学目的の調査とは言えない」との判決を下しました。
その結果、北太平洋、釧路沖、三陸沖の調査捕鯨は、かろうじて継続実施。
南極海調査はできなくなってしまいました。
商業捕鯨の再開どころではありません。
とは言うものの、判決文の中には日本の主張を踏まえた内容が含まれています。
◎同条約の目的の一つが鯨類資源の持続可能な利用であること
◎南極海調査の活動は概ね科学調査と特徴付けることができること
◎同調査がいくつかの求めるデータの収集は非致死的手法では実行不可能であること
◎致死的調査の使用は同調査の目的との関係で不合理ではないこと
◎副産物である鯨肉の販売及びその収得金の活用を伴う調査は、その点のみをもって
違法とはならないこと
これが、この先一条の光になるかどうかは分かりません。
忍耐強い交渉が続くと思われますが、はたして事態の好転はあるのかどうか・・?
選択肢の一つとして、IWCからの脱退以外に局面の打開はないのかも知れません。
このままでは、回遊魚資源が鯨によって枯渇してしまう・・。
オホーツク文化交流センターで盛大に開催されました。
基調講演「捕鯨をめぐる国際情勢〜商業捕鯨再開への道筋」
講師は、国際捕鯨委員会日本政府代表の森下丈二氏。
実に分かり易い講演でした。
さすがに政府代表^^
国際捕鯨取締条約(加盟88ヶ国)
「鯨類資源の適当な保存を図って捕鯨産業の秩序ある発展を可能にする」
管理対象は、シロナガス鯨、ミンク鯨、ザトウ鯨等の13種。
基本的に大型鯨です。
同条約の趣旨は、鯨類資源の管理・発展であって、決して反捕鯨目的ではない。
なのに、今やIWC88ヶ国のうち反捕鯨が63前後。
1980年前後に反捕鯨国が外交によって捕鯨文化のない国々を取り込んだ戦果です。
捕鯨関係国は、残念ながら外交的に出遅れてしまった。
今では、とても商業捕鯨禁漁モラトリアムを解除できる状況にはありません。
本来であれば、同条約附表第10(e)の規定により1990年までに包括的評価を行い、捕獲頭数の設定について検討しなければならなかったのにです。
そこで、我が国は同条約第8条の規定に基づき調査捕鯨を行っています。
『1.この条約の規定にかかわらず、締約政府は、同政府が適当と認める数の制限及び他の条件に従って自国民のいずれかが科学的研究のために鯨を捕獲し、殺し、及び処理することを認可する特別許可書をこれに与えることができる。また、この条の規定による鯨の捕獲、殺害及び処理は、この条約の適用から除外する。
2.前記の特別許可書に基づいて捕獲した鯨は、実行可能な限り加工し、また取得金は許可を与えた政府の発給した指令書に従って処分しなければならない』
つまり、我が国の調査捕鯨は捕鯨取締条約に違反して実施しているわけではなく、あくまで同8条に従って正当に行っている行為なのです。
しかし、国際司法裁判所は「第二期南極海鯨類捕獲調査は、調査の計画及び実施が調査目的を達成するために合理的なものと立証されておらず、国際捕鯨取締条約第8条1に規定する科学目的の調査とは言えない」との判決を下しました。
その結果、北太平洋、釧路沖、三陸沖の調査捕鯨は、かろうじて継続実施。
南極海調査はできなくなってしまいました。
商業捕鯨の再開どころではありません。
とは言うものの、判決文の中には日本の主張を踏まえた内容が含まれています。
◎同条約の目的の一つが鯨類資源の持続可能な利用であること
◎南極海調査の活動は概ね科学調査と特徴付けることができること
◎同調査がいくつかの求めるデータの収集は非致死的手法では実行不可能であること
◎致死的調査の使用は同調査の目的との関係で不合理ではないこと
◎副産物である鯨肉の販売及びその収得金の活用を伴う調査は、その点のみをもって
違法とはならないこと
これが、この先一条の光になるかどうかは分かりません。
忍耐強い交渉が続くと思われますが、はたして事態の好転はあるのかどうか・・?
選択肢の一つとして、IWCからの脱退以外に局面の打開はないのかも知れません。
このままでは、回遊魚資源が鯨によって枯渇してしまう・・。
gekko946 at 23:28│Comments(0)│自己研さん