超党派議連「原発ゼロの会」は、2020年10月20日(火)、東京電力福島第一原子力発電所の「ALPS処理水に関する申入れ」および質疑を梶山経済産業大臣宛に行いました。





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経済産業大臣 梶山弘志様

ALPS処理水に関する申入れ


 東京電力福島第一原発(1F)の汚染水については、「月内にも関係閣僚会議を開いて海に放出する方針」であるとの報道が流れています。しかし、方針決定前には、国が説明すべき課題と、国民の声に耳を傾けるべき課題が以下のように残されています。
1. 海洋放出が必要になった理由の明示
 多額の国費を投入した凍土壁が失敗したために汚染水の増加が続いています。廃炉にも不可欠な地下水の完全止水をどのように進めるのかの説明を行うべきです。

2. 汚染水に関する情報の公開の徹底
 2018年に説明公聴会を行った際の資料には、トリチウム以外に告示濃度比の最大約2万倍もの未処理水が8割(2019年時点で7割)ある説明はなく、フィルターの不具合など原因説明も更に遅れました。今年になり、ALPS(多核種除去設備)で処理可能な62核種に含まれず、測定すら終了していない核種もあることが判明しました。正しい情報提供なしには不信感を増幅させ、実害のみならず、無用な風評被害を広げます。

3. 廃炉(廃止措置)の定義の明確化
 経産省の小委員会は2011年12月から30~40年の「廃止措置」終了時に汚染水処分も終えていることが必要であるとしていますが、「廃止措置」の定義は定まっていません。米国スリーマイル島原発は2079年(事故後100年)に建屋等解体終了の予定です。炉心溶融した1Fは石棺をすべきではないかとの専門家意見も考慮された形跡がありません。汚染水タンクの処理を決定する前に、表裏一体である廃炉について明確にすべきです。

4. 漁業団体等の意見反映と市民参加の保障
 今年10月まで開催された「関係者の御意見を伺う場」は、経産省が関係者と認める者の意見を聞いただけでしたが、それでも漁業団体他、第1次産業に従事する団体からは海洋放出反対の意見表明がありました。同時に行った文書による意見募集の結果は未公表です。大型タンクやモルタル固化などによる陸上保管などの代替案や健康影響等について公開協議できる場を設けるべきです。

5. 法令および運用基準の遵守に向けた第三者監視体制の確立
 処理可能な核種を告示濃度以下にすることは勿論、原子炉等規制法に基づく1F敷地境界線上の実効線量年1mSvを遵守するための運用基準(放射性液体廃棄物等の合計が水1リットル中1,500ベクレル)がどう遵守されるのか、第三者による監視手法を含めて、明確に説明すべきです。
 以上の課題を解決すべく、汚染水の処理方法の決定前に、十分な説明責任を果たし、広く公聴会を開催することを求めます。
以上


2020年10月20日

超党派議員連盟「原発ゼロの会」
共同代表:近藤昭一、事務局長:阿部知子
世話人:逢坂誠二、柿澤未途、真山勇一、笠井 亮、初鹿明博、日吉雄太、山崎誠
顧問 加藤修一元参議院議員、服部良一元衆議院議員