2006年05月17日

演舞場夜の部

今日は三階席。修学旅行の中学生に埋もれるような席だったので、まわりの反応がいちいち新鮮だった。
夜の部では最後の「松竹梅湯島掛額」がダントツにおもしろい。なかでも亀治郎丈八百屋お七は凄い。お嬢様と呼ばれるにふさわしい品のよさ、行儀のよさ。人形振りで見せる踊りの技術の確かさ、身体能力の高さが、いずれも傑出している。しかも「妾に差し出せ」と言われるのももっともと思われる美しさ。人形振りは後見とのイキもぴったりで、正確無比な動きは驚嘆するばかりである。文楽人形かどうかはともかく、人形以外の何者でもないだろう。吉右衛門丈の紅長もサービス満点で、とても楽しい。丁稚役の廣松丈はしっかりとした芝居で、笑わせる。まわりの中学生たちも大喜びだった。
ところで、「櫓のお七」というと思い出さずにいられないのが、数年前に四谷の消防博物館で見た「八百屋お七展」。なぜ消防署が放火犯の展覧会を開くのか?という疑問を感じつつ見に行って、衝撃的なポスターに出会ってしまった。櫓に上がって半鐘を叩くお七を描いた浮世絵をメインビジュアルに、「放火させない環境づくり」というキャッチコピーがあしらわれている。それはつまり、「惚れた男と添わせてやりましょう」ということか?
そのほかの演目は、「石川五右衛門」は吉右衛門丈を見るだけの芝居。たっぷり一日かかるほど長い台本を1時間半程度にまとめているので仕方ないのだろうが、あらすじを追っているだけのつまらない台本だ。まわりの中学生たちはヒソヒソ声で「ねえ、どうなってるの?」と言い続けだった。「京鹿子娘道成寺」については、すでに先日書いた通りなので割愛。

gen96_cat at 23:59│Comments(0)TrackBack(0) theatergoing 

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