2007年05月03日

吉右衛門祭夜の部

今日は新橋演舞場で夜の部を観てきた。おもしろかったのは「隅田川続俤」(ただし、「双面」を除く)。吉右衛門丈演じる法界坊の滑稽味、それに悪の凄み。おまけにあんなきたなづくりにも関わらず色気があって、なんとも素敵な破戒僧だった。この法界坊に対する道具屋甚三は富十郎丈。ちょっと立派すぎる気もするが、この素敵な法界坊を止められるのは彼だけだろう。また、襲名披露を終えたばかりの錦之助丈は舞台が大きくなったというか、背筋がしゃんと伸びた感じがした。これなら2人の女が命を懸けて惚れると思う。
野分姫は花道の出がなんとも可憐で、誰だっけ?と思ったら「高麗屋!」と声がかかったのでびっくり。染五郎丈の女形はこのところ何度か観ているが、もともと華奢できれいな顔立ちの人だし、化粧がうまくなったのかとても美しく、かつ品よく見えるようになった。ただ、今日はボカシの具合のせいか、少し大衆芸能の女形めいていたように思う。法界坊が殺されるまではとてもおもしろかったが、その後、「双面」でとたんにつまらなくなってしまった。染五郎丈の法界坊の霊/野分姫の霊はとても美しいのだけど、体が変わるところがくっきりしない感じがしたが、そのせいかもしれない。
夜の部の最初は「妹背山婦女庭訓」の「御殿」。お三輪を勤めるのは福助丈だが、これがまるっきりかわいそうじゃないので困ってしまった。花道の出だけはきれいだと思ったが、それ以外はかわいげがなく、表情もいやらしくてうんざりした。豆腐買いはもう少し踊りのうまい人が出てくれないと、全然ご馳走に見えない。

gen96_cat at 23:59│Comments(4)TrackBack(0) theatergoing 

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この記事へのコメント

1. Posted by 和季亜   2007年05月04日 19:14
歌舞伎のお化粧にも巧い下手ってあるの?

全部同じに見える・・・(汗)
源九郎さんが選ぶベスト3って教えて欲しいなー
そしたらネットで顔比べてみちゃう(笑)
2. Posted by 源九郎   2007年05月05日 21:58
>和季亜さん
歌舞伎には「メイクさん」がいなくて、役者さんが自分でするから、結構ばらつきあるよ。もともとの美醜の差もあるけど、素顔は……なのに化粧するときれいな人とか、素顔はハンサムなのに化粧するとそうでもない人とか、いろいろです。
坂東玉三郎は素顔もきれいな人なのでわかりにくいかもしれないけど、自分をきれいに見せることへの情熱はものすごくて、お化粧も上手。彼の化粧術を教わる若手も多いみたいです。あとは私の好きな中村雀右衛門さまと、市川團十郎さんかな。
全歌舞伎役者の写真(素顔と舞台写真)がこちらに載っているので、見比べてみて。
http://www.actors.or.jp/meikan/index.html
3. Posted by 和季亜   2007年05月05日 22:13
源九郎さぁ〜ん

今見てきた!<(_ _*)> アリガトォ
歌舞伎役者さんてメイクも自分でするのね〜♪初めて知った!

玉三郎さんは昔1回見たんだけど、立ち姿が女性でした。(後姿)

見比べてみて(⌒▽⌒;) オッドロキー
なるほど、やっぱりメイクって差があるっていうか・・・感じるものが。
中村雀右衛門さま・・・お美しかったです。どーしてこんなにかわるんだろ。不思議・・・
4. Posted by 源九郎   2007年05月05日 23:50
>和季亜さん
舞台のお化粧だから遠くからもきれいに見えないといけないってことで、雀右衛門さまは近くからだけでなく遠くからの見え方も、合わせ鏡で確認してるんですよ。鏡像が互いに写り込んで、鏡の中の自分が持っている鏡に映っている自分が持っている鏡に映っている顔(わかる?)は、少し距離をおいて見えるので、それを見て確認するの。そういう使い方が!?と驚きました。

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