2007年05月19日

文楽「絵本太功記」

89ccede0.jpg歌舞伎ほどの頻度ではないけれど、文楽にも時々足を運ぶ。ただ、文楽そのものを楽しむというよりも、歌舞伎に移された文楽作品を見ておこうという思いの方が強いかもしれない。歌舞伎化された文楽作品にはさまざまな事情から上演されなくなってしまった箇所があるので、文楽の通し上演を見ることは歌舞伎を見るうえでも参考になるからだ。
今回は「太十」として「尼ヶ崎閑居の場」だけは歌舞伎でも頻繁に上演される「絵本太功記」の通し上演を見てきた。この作品は本能寺の変を主軸に、備中高松城水攻めや雑賀攻めなどを題材にしている。いまさら何を、と笑われてしまいそうだけど、これまでは歌舞伎で「尼ヶ崎閑居の場」ばかり見てきたから、武智光秀(歴史上の明智光秀)が主人公のような気がしていたが、それは少し違うとわかった。今回は「太十」に続く三日間(ここで光秀は真柴久吉<=豊臣秀吉>に敗れて自害する)がカットされているので本来の形と少し異なるとは思うが、通して見ると尾田春長(織田信長)への怒りから暗黒面に落ちていく光秀に対し、常に冷静沈着で理非をわきまえた久吉を描き、彼の正統性を際立たせている。やはり「太閤記」、つまり豊臣秀吉の物語なのだ。そんなことは外題を見て気づけよ……とは思うものの、一つ勉強になった。

gen96_cat at 23:59│Comments(2)TrackBack(0) theatergoing 

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この記事へのコメント

1. Posted by don   2007年05月22日 09:15
わたくしも12日に観にいきました。
今週末も行く予定です。
太棹と浄瑠璃とお人形、いいですね。
ただ玉男さんがもういないのが悲しい・・・
2. Posted by 源九郎   2007年05月24日 23:42
>donさま
遅レスすみません。同じ日に同じ劇場にいたというのに、ご挨拶できず残念です。そんなに広いところでもないのに、なかなか会えないものですねえ。
私はたぶん、donさまほどは観ていないと思いますが、玉男さんのお人形は本当にええ男はんという感じがしました。特別な方でしたね。9月に追善公演があるそうですが、もうそんなになるのか……という感じです。

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