2007年08月31日

公文協巡業西コース

923b20ac.jpg仕事帰りに川口まで足を伸ばして、錦之助襲名披露の巡業西コースを見てきた。
つい先日、苫舟の会で素晴らしい踊りを見せてくれた梅枝丈は、松江丈と「正札附」。筋書によれば、梅枝丈は「小学生の時、歌舞伎座で舞鶴を踊ったことがある」とのこと。いわれてみれば、ちびっこたちが舞踊三段返しをやったのを7年前に見ているが、あのときのおちびちゃんがこんな立派に……と感動してしまった。しなやかで品のいい所作は、見ていて気持ちがいい。松江丈はドンと踏み込むときにわずかに軸がぶれるところは気になるが、しっかり踊りこんできたことがわかる。幕開きにふさわしい内容だった。
普段の巡業なら次はお目見え口上だが、今回は錦之助襲名と松江襲名の披露口上。錦之助丈と兄・時蔵丈、松江丈と父・東蔵丈、それに披露の梅玉丈だけでもよかったのでは?と思うが、総勢9名と、巡業では珍しい大人数の口上となった。
「番町皿屋敷」は梅玉丈と時蔵丈のクールビューティ・カップル。梅玉丈の播磨は見るからに品がよく、喧嘩三昧といわれてもピンとこない。が、この品のよさがお菊に試された、裏切られたと知ったときの冷たい怒りにつながる、彼ならではの播磨だろう。時蔵丈のお菊は皿を数えるところがなんともうまい。3枚目まではガタガタと震えていた手が、最後の4枚目では落ち着きを取り戻している。本当に愛されていたことを知り、満足して死んでいこうとする彼女の覚悟が見えるように思った。気になったのが錦吾丈の十太夫。傷をつけたら命がないという大事な皿のわりに、扱いがぞんざいに見える。普通に腰の高さまで持ち上げて皿の両面を確認していたが、高さもあるし、すぐそばには脇差もあるしで、見ていてハラハラした。お仙とお菊に皿を戻す際も、皿を積んだ蓋を箱の上に乗せていたが、命にかかわるほどの皿の扱いとしてこれはどうなのだろう。
最後の「戻駕」は松緑丈の次郎作が小気味よいばかりの出来。錦之助丈もすっきりといい男ぶりが光っている。しかし、いくら最後にぶっ返って派手にするといっても顔見世的なこの演目では、襲名の錦之助丈が引き立たないのがちょっと気の毒に思われる。これが隼人丈の襲名披露で、父・錦之助丈と幹部の誰かが次郎作&与四郎で付き合うというならわかるのだけど。隼人丈も踊りの稽古に力を入れているのか、とくに手の表情はやわらかく美しくなった。が、背が伸びたせいで膝を折って踊っているのは辛そうだ。
川口総合文化センターリリアホールというところは初めて行ったが、ものすごく音が響くので驚いた。下座がとんでもない大音量で聞こえてくるし、人によっては台詞もくわんくわん響いて上から降ってくる感じ。何をするつもりで作ったホールなんだろうか。成人式?


gen96_cat at 23:59│Comments(2)TrackBack(0) theatergoing 

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この記事へのコメント

1. Posted by T   2007年09月01日 22:59
初めまして。私も巡業西コース初日を拝見しました。
川口市の成人式は、リリアホールで行われます。どこのホールも洋楽向きに造られているようですね。ツケが凄く響きます。
2. Posted by 源九郎   2007年09月01日 23:16
>Tさん
初めまして。ようこそお越しくださいました。
やはり成人式を行うところなんですね。あれだけ舞台の音がよく響くなら、まわりが少しくらいやかましくても市長や来賓の話はよく聞こえることでしょう……と意地悪を言ってみたりして。おっしゃるように、ツケの音もキンキン響いていましたね。ちょっと耳が疲れました。

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