2007年12月26日

「DEATH NOTE」考察。(後編)

次にこの漫画の核となっている部分、惹きつけられる源泉は何なのか、という部分を探ってみたい。

全体的にこの漫画の方向性を大きく決めている磁場的な設定条件、「名前を書いたヒトが死ぬ」というのは発想自体は、基本的には新しくはない。きっと誰かの他の漫画でも似たようなことがあったであろう、使われたようなことはあるだろうという既視感を伴うアイデアである。

この漫画に多くの読者がのめり込む理由は他にあると思われる。ここでこの「DEATH  NOTE」の世界と我々が暮らしている現実世界との繋がりについて考えてみたい。

現在のこの現実世界での人間関係は数十年前とは大きく様変わりしている。その最たるものがネット社会の出現である。そのことによって匿名性の高い人間関係というものが台頭している。インターネットの世界の掲示板や携帯電話といったメディアは顔や名前を出さない状態でいられる社会である。これらの出現・浸透が現代を「匿名性に寛容な社会」にたらしめた。お互いには何もしらず、部分的にしか接触していないにも関わらず、それが人間関係の形として認められてしまっている。

携帯電話というツールは以前からもあった。ここでネットの掲示板に焦点を絞って考えてみたい。ネットの掲示板特に「2ちゃんねる」を見てみると分かりやすいのだが掲示板で気に入らない相手がいると、その個人情報を手に入れて書き込む、ということがなされている。個人情報を書き込まれたヒトは一気に立場が苦しくなり最後にはその掲示板から姿を消さざるを得なくなる。

これとデスノートの世界は非常に似ている。デスノートは相手の本当の顔と名前を追い求めるのが主たる目的であり、その匿名性が剥がされた瞬間に死ぬ。

ネット社会の晒される恐怖とデスノートの世界の殺される恐怖は方向を同じくしているのである。

ネットで2ちゃんねるなどの存在を知っていたり、そのネット社会での晒される恐怖をテレビなどから少しでも聞いたり見たりしたことが大多数の人があるはずである。その現実世界でのバックグラウンドがデスノートを感覚的なトコロで理解するのに重要な役割を果たしている。相手の顔が見れれば名前と寿命が分かる”死神の目を持つ”ミサはさしづめ究極のハッカーというところか。現実世界でのIPアドレスや住所などを調べ上げてしまうことに重ね合わせることができる。

エルとライトの闘い(ニアなどもエルの意志を継ぐ者としてエルの分身と考える)はネットの掲示板の叩きあいを空間的に拡大したものと言える。匿名性を維持しながら闘っているところにその理由を求めることができる。

これを感覚的に読者は了解しながら読んでいるのだろうと察せられる。

http://blog.with2.net/link.php?115357←ブログランキングに投票してください!(クリックするだけです!)



generaldebrigade at 08:05コメント(14)トラックバック(2) 

トラックバックURL

トラックバック一覧

1. 多彩であれ,それでもやることは絞れ そして追求めよ本当の自分自身を  [ The Blog of CEO Mizutani (19) G-welkin L.L.C. ]   2005年10月28日 01:19
 「将来何に成りたい?」  「・・・・・.」    これが当たり前の世の中になってきました.親父が大工さんだから俺も大工というのも無いし,高校は何にでも成れる可能性を残し,「普通科」が人気です.  また現代は,例えば同じ大工さんでも多彩になり,分業化....
2. デスノート  [ ヨハネの黙示録 ]   2005年11月12日 02:15
デスノートは単行本を買って読んでます。 最近のジャンプは低年齢化を狙ってるっぽいですが、 デスノートは大人が読んでもおもしろいですよね。 今はニア、メロと第二章に突入してますが、 自分としてはLの時のほうが面白かった気がします。 Lのキャラも好きでし

コメント一覧

1. Posted by keichin   2005年10月26日 20:11
5 はじめまして!!ランキングブログずっと見ていて目に留まったのでリンク下さい☆社会のことマンガのことについて書かれていてとても面白いです。私の大学の先輩にちょっと似てるかも…というような気もして親近感を勝手にもってます。すみません…もしよければ私のブログにも遊びに来てくださいね
2. Posted by とも   2005年10月26日 20:43
>keichinさん
相互リンクですか?
3. Posted by ダイスケ   2005年10月26日 21:16
5 いつもながら、面白い考察ですね(^^デスノートは面白いとは思っていましたが、インターネットの普及についてなど、この漫画が受け入れられやすい社会になっている・・・というところまでの発想はありませんでした。言われて見れば、本当にその通りだと思いますね・・・。
4. Posted by keichin   2005年10月26日 21:48
>ともさん
はい、是非相互リンクでお願いします!
5. Posted by とも   2005年10月26日 22:04
>keichinさん
どうぞ〜
こちらからリンクしときますね〜
宜しくお願いします!
6. Posted by にっく   2005年10月26日 23:21
はじめまして。

こんなふうにほんとに身の回りにあるネタについていろんな考察をしてるところがすごく気に入りました!!ぜひ相互リンクお願いします!
7. Posted by とも   2005年10月27日 03:14
>にっくさん
身の回りにあるものしかネタにすることとがないんですよね〜時間もないし・・・
相互リンク、こちらこそ宜しくです!
8. Posted by ドレ美   2005年10月27日 03:16
こんばんわ!はじめまして。
ともさんはBlogやっててネタに困ることはないんですか?
9. Posted by とも   2005年10月27日 03:19
>ドレ美さん
ん〜・・・。
ネタに困ることはないですね〜。
あまり書く時間がないことには少々困り気味ですがもうちっと一日の時間があれば毎日考察とかしたいのになぁ。
10. Posted by にっく   2005年10月27日 15:32
さっそくありがとうございました!
これからもちょくちょくきますので面白い記事書き続けてください!
11. Posted by とも   2005年10月27日 17:56
ロッテ強すぎ・・・・・
12. Posted by とも   2005年10月28日 09:42
>にっくさん
これからもマイペースで戯言を書いていきたいと思います♪
面白いかどうかは分かりませんが・・・
13. Posted by とーる   2005年10月30日 22:43
ともさんどもです、とーるです
新ブログURLここに乗っけときますね
http://blog.livedoor.jp/slopestone/
俺の方はリンクさせてもらいました、よろしくです。
思うに、デスノートの魅力は「キラの支配する新世界は今の世界とどちらがより望ましいものなのか?」「平和の為の殺人は許されるのか?」という裏テーマだと思います。
キラがいれば犯罪が減る。そういう意味では平和に近づくわけです。キラは罪のない人を殺さないわけですから。
しかし、誰もキラには逆らえない。
そんな世界が果たして真の平和といえるのか。
また、キラは人を殺しています。相手が誰だろうと基本的に殺人は許されない、というのが共通認識としてあります。
この二つのウラテーマの答えを求めて、デスノートを読む人ってのも実は多いのではないでしょうか。
14. Posted by とも   2005年10月30日 23:16
>とーるさん
ん〜・・・
ぼくはテーマに関しては単なるエンターテイメントだと思いました。
こちら(読者)にあらゆる話の選択肢を提示し推理させた上で、「一番ないだろう」という方向へ話を進めていくことを主眼に置いて、至上命題にしている気がするので。
読むテーマはヒトそれぞれですね

コメントする

名前
URL
 
  絵文字
 
 
livedoor プロフィール
訪問者数

    Profile
    とも
    B型 蠍座 6年

    メンター:麻生太郎・羽生善治・野村克也・イチロー・古田敦也・松本人志・島田紳助・小林よしのり・斉藤孝・村山聖・津田恒美・宮本恒靖・宮崎哲弥・Gackt・飯野賢治・上原ひろみ・中田英寿・荒井裕樹・オシム・etc…

    メール:wowwowwow1107@yahoo.co.jp
    気軽にコメント。
    記事検索
    Categories
    • ライブドアブログ