日本の個人マネーがインド市場に向かっている。インドの株式や債券で運用する投資信託の残高は
10月末時点で1兆7000億円を超えたとみられ、過去最高になった。2016年9月末に比べると2倍強に
膨らんだ。特に株式投信が人気を集めている。
インド株式相場は17年、上昇に弾みがつき、3日には過去最高値になった。三菱アセット・ブレインズに
よればインド投信の残高は2月に08年5月以来、8年9カ月ぶりに1兆円の大台に乗せ、その後も
流入ペースが加速している。
インド関連投信は新興国投資がブームだった07年12月に1兆4205億円まで増えた。08年9月の
金融危機やインド経済の低迷で減少傾向が続いたが、14年就任のモディ首相の経済改革で再び成長期待が
高まっている。
好調な市場環境を背景に、野村アセットマネジメントの「野村インド株投資」の基準価額は16年末で
約2万円だったが、現在は2万7000円を超え、残高は2.7倍の約5300億円に膨らんだ。9月末の組み
入れ上位銘柄にはHDFC銀行やマルチ・スズキなどが名を連ねる。楽天証券経済研究所の篠田尚子
ファンドアナリストは「経済改革や人口増加で、持続的な成長が見込みやすい数少ない国」とみる。