2012年02月21日

2011JDA秋季大会決勝トランスクリプト(11)

2011JDA秋季大会決勝トランスクリプトの続きです。

  • -----------------------------

■否定側第二反駁

まず、原発事故が、そんなに危険なのですか。福島第1原発の事故でも、別に誰も死んだわけではないですし、被曝といってもそのリスクが本当にどうなのかっていうのを確実に言った人はだれもいないわけです。で、問題になってくるのは、例えば補償費であるですとか、除染の費用、そういった、お金の問題ですよね。そういったお金の問題を考えるのであれば、むしろ火力発電を今から増設なんかしたり、火力発電の稼働率を上げたりして、お金が失われてしまうことのほうが重要なんじゃないですか、というのが否定側の立場です。

さらに、火力発電所は、むしろ、人の命っていう観点で考えれば、より危険な話である、ということを、私たちは証明しています。

じゃ、デメリットを見ていきます。

まず、リンクのところについて。高効率のものは5年〜10年かかるけれども、普通のは数ヶ月でできる、ということを言っていますけれども、普通、って何ですか?普通って代替できるんですか。普通って、本当にちゃんと作ろうとするんですか。そういうことを何も言っていないですよね。で、自然な流れとして、やっぱり今の火力発電を何とか稼働率を上げて、持ちこたえようとするのが、自然な流れだと思います。

そういうことをしようとした場合に、私たちの次の資料で言っている通り、稼働率を上げれば壊れてしまう、故障が起こる、そして不安視されている、そういった議論については一切認められています。

じゃあ、それがどういう結果をもたらすかというと、そういった不安が生じるだけで、企業というのは移転してしまう可能性が高いということ。で、彼らが言っていたのは、移転コストがあるから、簡単には移転しない、ということを言っていました。まあ、確かに簡単じゃないのかもしれません。でもやるでしょう。不安なんですから。そういった可能性についてはまったく排除されていません。

そして、原発のほうがリスクが高いということを言っていました。

まず1点目として、別にこれは、事故のリスクが…事故がもし起こったら止まる、ということを言っているだけで、現状であれば、しかも、火力でバックアップしているから、現状は原子力プラス火力というバックアップがある状態です。

で、2点目として、プランを取ったら火力しかなくなってしまうわけですから、バックアップがない、不安、移転する、そういったリンクだと思います。

3点目として、もし原子力が壊れるような事故が起これば、火力発電所も壊れてしまいます。

Asahi.com、2011年。

「東日本大震災の津波で、福島県と茨城県の大規模火力発電所が、現時点で復旧の見通しが立たないほど壊れていることが分かったためだ。」引用終了。

したがって、結局同じです。火力発電だって壊れてしまうんですから、同じことです。

その次、インパクトについて。

燃料が高騰するということ、そのコストが3兆円、年間でかかってしまうこと、これについては認められています。

そして、彼らは廃炉費用であるとか、バックエンドのコストを考慮すれば云々、ということを言っていますけれども、これは、結局プランでも乗ってくるコストです。プランだって廃炉しなければいけないんです。むしろプランの方が、より短期間に多くの原子炉を廃炉にしなければいけないわけですから、余計にお金がかかるわけです。さらに言うならば、福島の補償費だって、結局今でもかかってくるわけです。プランを取ったってかかってくるんですよ。もう起こってしまった事故ですから。だからこの点については、何も比較の材料になりません。したがって、残る議論は私たちの議論、この、3兆円、年間余計にかかる、という議論だけです。それが、年間20万人にも及ぶ失業に至ってしまうということ、これについては完全に認められています。

メリットを見ていきます。

最初に重要性を見ていきます。火力発電の方が危険である、ということについて、彼らが言っていたのは結局、大気汚染が少ないということだけでした。それだけじゃありません。大気汚染の前に、燃料の採掘のためのコスト、それによる火災、事故、そういったことによって、例えば石炭火力であれば161人、石油だったら36人、天然ガスだったら4人、テラワットあたり、死んでいるわけです。それが、原子力発電であれば、0.04人になる。こういった、1000倍であるとか、10000倍、そういった差を埋め合わせるほどの議論が、肯定側からあったかというと、全くないと思います。

そして、原発が重要な地場産業であるという点、これについても認められています。

したがって、もし原発がなくなってしまえば、そういったことによるコスト、これが膨大なものになると思います。

ECRPの計算が非常におかしい、ということについても認められていると思います。

最後、AP1000の話。

まず、彼らが言っているのは、結局マークIの話だけですよね。福島第1原発が事故を起こしました、それは確かにそうかも知れません。しかしそれは、マークIだけの話で、実際に女川も、東通も、きちんと止まっています。これは、紙一重だった、ということを言っていますけれども、特に電源がなくなったからといって、爆発したかどうかというのは分からないわけですから、AP1000を取ることによって、受動安全を取ることによって、十分回避できるリスクだと思います。

  • -----------------------------

「福島原発の事故で誰も死んだわけではない」という議論を出した時に、ジャッジの一部が苦笑していたので、厳しいかなあ、と思いながらスピーチしていました。本当ならDAを両方伸ばすべきところでしたが、案の定DA2までは手が回らずに終わりました(もともとDA2で勝ちに行く戦略ではなかったので、それでも良かったのですが…)。



geniocrat at 04:44│Comments(0)TrackBack(0)JDA | トランスクリプト

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字