2012年12月04日
2012年JDA秋季大会で使用したブリーフ（2ACその3）
JDAで使用したブリーフの続きです。
今回は、「財政赤字」「自治体破綻」といったDAに対する2ACの反論です。
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「財政赤字」「自治体の破綻」に対して
＿＿（固有性）現状の方が、財政負担が大きく、効率化には不利。
『エネルギア地域経済レポート』2009年。「国の全国画一的な地域政策の基準にしたがい，地方公共団体がそれぞれ個別に社会資本整備を進めてきた結果，ニーズに合わない社会資本やその維持・運営に苦しむ地方公共団体がみられるようになってきた。また，中央集権による全国各地の均等的な発展は，一方で地方の個性的な発展の阻害とともに財政の肥大化を招き，債務を拡大させてしまった。」終わり。
中国電力�螢┘優襯�ア総合研究所、2009年11月、「道州制について」『エネルギア地域経済レポート』No.424、http://www.energia.co.jp/eneso/keizai/research/kaisetsu0911.pdf
＿＿（固有性）実は、現状の補助金、交付金のシステムが財政赤字の原因。
道州制.com、オギノ、2007年。「現在の日本政府にとって、補助金・交付金を各地方へ配分するという体制が大きな負担となり、財政赤字の原因となっているという事実があります。補助金・交付金はいったん国に集めてから地方へ渡すということだけでも経費がかかり、非効率です。さらに、補助金・交付金の国の基準は全国一律なので、各地域によってコストが異なったとしても、それに対応できずに非効率で無駄が生じています。」終わり。
荻野睦子（おぎのむつこ・道州制.com）『道州制で日はまた昇るか 地方分権から市民主権へ』現代人文社、2007年 (22)
＿＿（固有性）夕張市が破綻したのは、国の一律的政策が原因。
京都大学教授、岡田、2010年。「石炭については、日本には世界有数の埋蔵量がありましたが、一九八六年の前川レポートによって、国内炭鉱の政策的閉山が進められ、すべて輸入炭に切り替えられました。このとき、夕張の炭鉱も閉山され、夕張市経済は構造不況に陥っていきました。二〇〇二年／には国内最後の炭鉱も閉山し、炭鉱資本は海外に拠点を移し、商社と共に開発輸入をすすめることになります。夕張市の財政破綻の根本原因は、このような国際的な経済構造調整を優先した石炭産業スクラップ政策にあったといえます。しかも、石炭の輸入量は、日本は世界で一番多くなっているのです。ここでも、国内資源をないがしろにして、通商交渉のカードの一つとして石炭産業をつぶした結果、かえって原油価格や石炭輸入価格の高騰にあえぐというエネルギー政策の失敗と国家主権の欠如を指摘することができます。」終わり。
岡田知弘（おかだともひろ・京都大学大学院経済学研究科教授）『増補版 道州制で日本の未来はひらけるか』自治体研究社、2010年(24/25)
＿＿（深刻性）破綻しても復活できるし、むしろ住民の結束が強まるので、破綻はそれほど悪いことではない。
道州制.com、オギノ、2007年。「福岡県赤池町……15年前、財政再建団体第1号の町は見事に再建
［中略］すべてにおいて「お金がないなら、自分たちでどうすればいいか」を考えたのです。町長以下役場職員の姿勢は町民にも伝わり、町民も「自分でできることは自分で」と考えるようになりました。［中略］行政と町民が一体となり、予定より2年早く10年で再建を果たすことができました。」終わり。
荻野睦子（おぎのむつこ・道州制.com）『道州制で日はまた昇るか 地方分権から市民主権へ』現代人文社、2007年 (100)
＿＿（ターンアラウンド）道州制により、新たな財源が創出できるので、かえって赤字や破綻の可能性は減る。
日本経団連、2008年。「道州制を導入して行財政改革を進めることにより、新たな財源を生むことができる。日本経団連のシンクタンクである21世紀政策研究所の研究によれば、道州制の導入によって、九州７県で地方公務員の総人件費は2,727億円が、公共投資の効率化で6,218億円が削減され、合計8,945億円の財源が新たに生まれるとの試算結果が出ている。同様の試算を全国を対象として行うと、地方公務員の総人件費の削減により１兆5,130億円、公共投資の効率化により４兆3,353億円、合わせて５兆8,483億円（国民1人あたり45,772円、2008年10月時点の試算）の財源を生み出すことが可能になる。」終わり。
社団法人 日本経済団体連合会（経団連）「道州制の導入に向けた第２次提言」2008年11月18日、http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/081.pdf
＿＿（ターンアラウンド）道州制によって、むしろ支出削減になり、破綻のリスクは減る。
道州制.com、オギノ、2007年。「さらに日本固有の事情である財政赤字の改善のためにも、地方分権的改革が必要です。［中略］／地方の案件を、県を介して国まで上げて検討・判断し、また県を通じて回答を地方へ戻してくることが多いのでは、時間も人手もかかり、無駄が多すぎます。地方でできることは地方で進めていくという地方分権にしたほうが、効率的、すなわち歳出の削減につながるというわけです。」終わり。
荻野睦子（おぎのむつこ・道州制.com）『道州制で日はまた昇るか 地方分権から市民主権へ』現代人文社、2007年 (21/22)
※この他「格差」への反論も流用できないか検討すること。
