再生可能エネルギー論題用資料集・議論構成例難民論題 デメリット例

2017年08月07日

難民論題 メリット例

[2017.08.12誤字等修正]

今年もJDA秋季大会論題投票の季節となりました。

今回の論題候補の中では、「難民認定基準の大幅緩和」論題が、完全に新規な論題となるので、担当者としてリサーチした結果を参考までにこちらに掲載しておきます。一応メリット・デメリットという形で簡易に並べ替えてはいますが、文脈を若干長めに取っていること、資料を並べただけの状態であることから、実際の試合で使用するレベルではないため、資料をセレクトしたり追加リサーチしたりして仕上げる必要はあると思います。

資料については、形式的にはこのまま使用しても差し支えない形にはしていますが、転記の際の誤字脱字誤変換や文脈の取り違えなどの可能性があるので、必ず原典を確認してからご使用ください。

今回はメリットとして「難民を救う」「日本の国際的地位向上」、デメリットとして「治安の悪化」「難民受け入れのコスト」を挙げましたが、この他にも、特に外国人労働者論題の議論などは流用できるものが多いと思います。また、今回は作りませんでしたが、難民の定義に関するトピカリティや、難民認定以外の難民対策をカウンタープランとして仕立てたり、といったこともできると思われ、工夫の余地は大きいと思います。

今回はメリット編です。

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プラン:

1 日本は難民受け入れ拡大のため、難民認定の基準を変更する。

 A 難民認定の理由として「内戦やテロ組織等、国家以外による迫害」も含めることとする

 B 「迫害」の定義として、明白な身体生命の危機を伴わないものであっても、広く人権侵害と認められるものについては、難民認定の理由として認めることとする

 C 難民認定の際難民側が立証責任を負うのではなく、政府側が難民に該当しないということの証明責任を負うものとする

2 難民と認定された者に対しては、語学研修や職業実習等の定住支援を行う

3 難民認定が却下された場合の再申請は1回までとする

4 その他必要な措置をとる

メリット1:難民を救う

内因性:

現状の日本の難民認定は非常に少ない。

難民とは

難民支援協会HP ( https://www.refugee.or.jp/refugee/

「「難民」と聞くと、自分とは違うどこか遠い存在と感じるかもしれませんが、実際はどうでしょうか? 難民とは、紛争や人権侵害などから自分の命を守るためにやむを得ず母国を追われ、逃げざるを得ない人たちのことです。」

難民・避難民の数は6,500万人を超える

難民支援協会HP ( https://www.refugee.or.jp/refugee/

「世界には、日本の人口の約半数に当たる6,530万人が故郷を追われています。シリアや南スーダンなど新たな危機の頻発や人道問題の長期化により、近年、難民となる人は増えています。たとえば、紛争勃発から6年目になるシリアは、国民の約25%である549万人が国外に逃れました。1978年に始まった紛争でイランに逃れたアフガニスタン難民の避難生活は、30年以上に及びます。」

国外に逃れた難民は2130万人

NHK解説委員室「深刻化する難民危機 世界と日本の役割」(時論公論)2016年6月21日 二村伸 解説委員( http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/247454.html

「まず、「世界難民の日」の20日に、UNHCR・国連難民高等弁務官事務所が発表した最新のデータです。迫害や紛争によって家を追われた人は、去年末時点で6530万人。1年で580万人増え、統計を取り始めてから最悪の数字となりました。このうち、国外に逃れた人、つまり難民は2130万人、国内にとどまり保護を求めている、国内避難民は、初めて4千万人を超えました。去年は1分間に24人が家を追われ、難民や国内避難民になった計算です。」

難民は増え続けている

NHK解説委員室「深刻化する難民危機 世界と日本の役割」(時論公論)2016年6月21日 二村伸 解説委員( http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/247454.html

「難民は3年間で40%も増えました。その原因はシリア難民が急増したことや、世界各地の紛争やテロがおさまらず、祖国に戻ることができない人が多いためです。イスラエル建国により故郷を追われたパレスチナ難民を除くと最も多いのがシリア難民の490万人。次いでアフガニスタンの270万人、ソマリアの110万人となっています。」

日本は難民認定が厳しい

難民支援協会HP ( https://www.refugee.or.jp/refugee/

「2016年は10,901人が難民申請を行い、認定されたのは28人でした。日本では、難民認定の実務を法務省入国管理局が担っているため、難民を「保護する(助ける)」というよりは、「管理する(取り締まる)」という視点が強いといえます。国際基準と比較すると、だれが「難民」かを決める認定基準や、公平性、透明性を確保した手続きの基準、難民の受け入れ体制などが不十分です。もうひとつの理由として、難民問題が日本社会で十分に知られていないこともあげられます。難民を治安悪化や社会のリスクとつなげるなど、難民受け入れに関する根拠のない誤解や偏見も、現状の厳しい受け入れ状況を後ろ支えしているかもしれません。」

日本の難民受け入れは少ない

Platnews 2016年2月20日「日本の難民受け入れ問題はどのような状況か?」( http://theplatnews.com/p=1255

「2011年以降、63人のシリア人が難民認定を申請しているが、認められたのは3人だけ。難民受け入れの代わりに、シリア、イラクの難民と国内避難民向けに約8.1億ドル(約969億円)を支援すると表明している。また、安倍首相が「難民より国内問題解決が先」と発言したことで、イギリスのGuardianは「人権団体は、ロシアやシンガポール、韓国と並び、日本は高所得の国なのに、第2次世界大戦以降で最悪の難民問題に手をさしのべることに失敗していると強調している」として「日本は昨年(2014年)、1億8160万ドルを国連の難民対策部門に支出し、アメリカに次いで2番目に多いが、シリアや他の難民受け入れは、その経済規模に見合っていない。日本で難民資格を申請している60人のシリア人のうち、認められたのは3人であり、約30人は人道上の理由で長期滞在が認められているだけだ」と指摘した。」

理由は、日本の難民認定基準が非常に厳しいため。

a) 日本は内戦を難民認定要件として認めていない

石川えり(いしかわえり・難民支援協会事務局長)「キーパーソンインタビュー 「日本の難民審査は厳しすぎる」難民支援協会の石川えりさん」『毎日新聞』2015年3月2日( https://mainichi.jp/articles/20150302/mog/00m/040/005000c

「ーーシリア難民が日本で認定されないのはどうしてですか。

石川さん 法務省は「政府から迫害を受けているのではなく内戦であるため、難民の定義に当てはまらない」と説明しています。しかし、同じ難民条約を批准している米、英、オーストラリア、カナダではシリア難民の認定率は9割を超えています。なぜここまでの差が出るのでしょうか。」

紛争難民は、難民条約の定義上、救済されない

滝澤三郎(たきざわさぶろう・東洋英和女学院大学大学院国際協力研究科客員教授)「東洋英和女学院大学大学院連続講座 日本の難民政策を問う 第5回 日本の難民政策:庇護から保護へ」2017年2月18日 『現代史研究』13号(2017年3月)東洋英和女学院大学現代史研究所

「1951年当時は東側共産諸国から西側事由諸国への逃亡が多く、イメージ的にはいわゆる「政治的亡命者」が難民の大半だった。しかし今日の難民発生の主な原因は「国内武力紛争」で、政府が特定の個人を狙い撃ちする「迫害」とは異なる。にもかかわらず「紛争状態」は迫害の理由として難民条約に明示的には掲げられていないため、紛争国から逃げてきたというだけでは難民として認められない。つまりそのような者は原則として救済されない。」(221)

b) 「迫害」の解釈の範囲が非常に狭い

認定NPO法人 難民支援協会「日本の難民認定はなぜ少ないか?−制度面の課題から」2017年6月9日( https://www.refugee.or.jp/jar/report/2017/06/09-0001.shtml

「迫害の範囲も、日本は限定的に解釈する傾向にあります。アメリカ、カナダ、欧州各国などの難民認定機関では、迫害を、命と身体の自由に限らず、重大な人権侵害を含むとしています。「重大な人権侵害」が、身体拘束をする、強制労働を強いる、までなのか、宗教の自由を認めない、教育や就職の機会を奪う、ことも含むのかという議論はここでは置いておきます。日本では、迫害を命と身体の自由に限定する傾向が強く、さらには身体の自由を奪われている例であっても、迫害として認めないこともあります。

例えば、ミャンマー(ビルマ)における迫害から逃れた少数民族ロヒンギャが、連日身体を拘束されて強制労働をさせられたことについて、「その期間も2,3日にとどまり、食事を取ることができない場合ばかりではない」ため、生存は脅かされないと、難民認定されませんでした。このような判断の根底にある希薄な人権意識もまた課題といえるでしょう。」

日本の難民認定は、政府から迫害されなければ認められない

認定NPO法人 難民支援協会「日本の難民認定はなぜ少ないか?−制度面の課題から」2017年6月9日( https://www.refugee.or.jp/jar/report/2017/06/09-0001.shtml

「「個別把握論」とは、政府から個人的に把握され、狙われていなければ難民ではないという日本独自の解釈であり、認定されるべき人の範囲を極端に狭めています。

*シリア出身・男性の事例

2012年来日。難民申請の結果は不認定。現在、裁判中。罪のない子どもが殺される光景を目の当たりにして、アサド政権に対抗するデモに参加。しかし、国は「デモの最中に攻撃されるといった危険性があることは否定できないにしても、それはそのようなデモに参加した人一般の問題であって、異議申立人に固有の危険性ではない」という理由で不認定とした。つまり、難民とは個別に危険にさらされる人であり、デモに参加するシリア人は皆危険にさらされるため、難民ではないという判定であった。

*アフリカ出身・女性の事例

2009年に来日。裁判を経て、2016年の秋に難民認定。当初、国は「指導的な立場でないから」という理由で不認定とした。野党の仲間といた時に襲われ、流産したことを記す病院の診断書まで取り寄せ、証拠として提出したが認められず。最終的に名古屋高裁で、一般党員も逮捕されたり、暴行されたりしているウガンダの人権状況を根拠に、「指導的な立場」でなくとも母国に帰れば命の危険があり「難民」であると判断され、勝訴した。これまでにない画期的な勝訴事例である。

現実は、政府が誰を抑圧・監視対象としているかを正確に認識することは極めて難しい上、迫害することが困難な指導的立場にある者は放っておかれ、むしろ一般メンバーに矛先が向くことは十分に考えられます。人権侵害は一個人ではなく集団に対してなされることもあるという点を踏まえた判断が必要でしょう。」

c) 立証責任が非常に厳しい

石川えり(いしかわえり・難民支援協会事務局長)「キーパーソンインタビュー 「日本の難民審査は厳しすぎる」難民支援協会の石川えりさん」『毎日新聞』2015年3月2日( https://mainichi.jp/articles/20150302/mog/00m/040/005000c

「ーー日本の難民審査の特徴は?

石川さん 欧米とまったく違うことの一つは立証責任です。簡単に言うと、日本では「難民であること」を証明する責任が本人にあるとされており、「難民だというのなら、証拠をすべてそろえて、日本語に訳して持ってきなさい」となります。提出書類が600枚に上ったこともあります。欧米では立証する責任を認定する側と本人とで実質的に分担すると聞きます。圧制下での拷問がどういうものだったかは、体験した本人にしか分からないので語ってもらうしかありません。しかし、拷問が行われていたという客観的な証拠は、米国務省のリポートや新聞記事などを用いれば、難民が自分で立証しなくても他者でも調べることができる。UNHCRも以前の難民白書において「日本政府の認定はあまりに厳しく、極めて高度な立証責任を課す」と指摘しています。また証明できても、深刻な人権侵害なのかという基準の適用も日本は厳しい。2?3日強制労働させられても「その程度であれば迫害にはならない」と判断されたケースもあり、生命身体の差し迫った危機が難民認定には必要と解釈されます。例えばイランは厳しいイスラム国家で、キリスト教の信者は戸外での布教等が禁じられおり、信仰を維持することが難しい場合もあります。イギリスや韓国ではこれは信仰の重大な制限で迫害という判決が出ていますが、日本だと「我慢すればいい」という程度になっています。」

重要性:

難民の生活は過酷

NHK解説委員室「深刻化する難民危機 世界と日本の役割」(時論公論)2016年6月21日 二村伸 解説委員( http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/247454.html

「シリアでは、戦闘により国連やNGOによる援助物資が届けられない地域も少なくありません。政府と反体制派の停戦合意後も戦火はやまず、今月8日には北部のアレッポで3つの病院が空爆の被害を受け、子どもを含む市民15人が犠牲になりました。国内にとどまっている避難民は660万人、子どもやお年寄りを含む多数の市民が国外に逃げたくても逃げられず危険な毎日を送っています。運よく国外に逃れることができても難民たちには過酷な生活が待っています。シリア周辺では、去年末時点でトルコに250万人、レバノンに110万人、ヨルダンに66万人の難民が滞在していますが、その8割以上がキャンプではなく都市や農村で生活し、倉庫や公園などのテントで寝泊まりしている人も少なくありません。そこでは仕事を見つけるのは容易でなく子どもの半数は学校に行けません。このためヨーロッパに向かう難民が去年殺到しました。」

難民の生活は悲惨

セイン・ナントゥ・クヌー(ミャンマー カレン民族の元難民)「カレン民族出身の難民としての経験から」『笹川平和財団「第三国定住:日本の難民受け入れを考える」─オーストラリアの知見を参考に─シンポジウム報告書』2011年11月4日( https://www.spf.org/publication/upload/20111104_SPF%E9%9B%A3%E6%B0%91%E8%B1%AA%E5%B7%9E%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%82%B8%E3%82%A6%E3%83%A0%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8.pdf

「難民は、安全でない暮らしを送り、家族も友達もなく孤独な人たち。宗教的、政治的な理由や差別により人権が否定されている。チャンスや自由、選択肢もない。自国に帰れば迫害される。誰も好き好んで難民になったわけではない。家を離れたい人がいるわけはない。誰でも、お金があろうとなかろうと、母国を離れたくはない。[中略]難民キャンプでの生活は非常に不衛生で不健康だった。将来が見えず、自分のアイデンティティも否定され、教育も雇用の機会もなく、自信も喪失していた。籠の中の鳥のようであった。どこかに行きたくてもそのチャンスが与えられなかった。住んでいるところもひどかったし、食事、水、衣服、薬すべてが不足していた。たくさんの難民が将来を憂慮し、心的外傷やうつ症状に苦しんでいた。」

アジアでも難民問題は深刻

NHK解説委員室「「難民危機 最新情勢」(キャッチ!ワールドアイ)」2017年6月22日二村伸 解説委員( http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/900/273806.html

「難民というとアフリカをイメージする人が多いと思いますが、アジアでも深刻な問題です。とくにミャンマーでは少数派のイスラム教徒のロヒンギャと呼ばれる人たちが迫害を受け、この5年間で16万人国外に逃れています。去年10月以降、」政府軍の弾圧によって数百人が死亡、多数が難民となって国外に脱出し、国連は専門家チームを派遣して調査に乗り出すことを決めましたが、スー・チー国家顧問は調査団の受入れを拒否し、人権侵害を放置する政府への批判が強まっています。日本としても民主化や経済成長の支援だけでなく、こうした問題についてもミャンマー政府にはっきりとものを言うべきだと思います。」

難民認定を受けられなければ、長期収容か強制送還となってしまう

RAFIQ(ラフィック・在日難民との共生ネットワーク)『日本の難民問題と入管問題の関係について』(『2007年「世界難民の日」記念シンポジウム'07』当日配布資料より抜粋)( http://rafiq.jp/pdf/nanmin_mondai.pdf

「一次認定で不認定、異議申出も却下された場合、それの取り消しを求める裁判を起こすことができますが、それでも却下された場合は、日本政府から難民としての保護を受けることができなくなり、国外退去を執行されます。「退去強制令」の対象になった外国人は、国外退去、またそれを望まない場合「収容」されることになります。この「収容」には期間は定められていないため、国外退去ができるまで無期限に収容できます。難民申請が却下され、退去強制令の対象になった庇護希望者は、祖国での迫害の恐怖を抱えているため、祖国への送還を拒みます。そのために無期限の収容を受けるケースが続出しています。また中には国費により、縄で縛られ無理矢理強制送還されたケースもあります。」

強制送還やその恐怖によって、難民が精神・肉体の健康を損なっている

RAFIQ(ラフィック・在日難民との共生ネットワーク)『日本の難民問題と入管問題の関係について』(『2007年「世界難民の日」記念シンポジウム'07』当日配布資料より抜粋)( http://rafiq.jp/pdf/nanmin_mondai.pdf

「難民の強制送還は、日本が批准する「難民条約」では禁止されています。実際、祖国への強制送還後に、再び迫害を受けたり、行方不明になるケースがあるのです。もちろん収容も世界基準で禁止されています。収容された庇護希望者は、「戻れば迫害を受ける可能性がある祖国へ、いつ送還されるかわからない」という恐怖と、家族や友人から引き離された孤独の中で、次第に精神と肉体の健康を失い、時には精神に異常を来たし、また自殺にまで追い込まれていくこともあります。」

紛争から避難してきている難民申請者を帰国させるのは危険

石川えり(いしかわえり・難民支援協会事務局長)「キーパーソンインタビュー 「日本の難民審査は厳しすぎる」難民支援協会の石川えりさん」『毎日新聞』2015年3月2日( https://mainichi.jp/articles/20150302/mog/00m/040/005000c

「もし当人を帰国させたら国境で「お前は政権派か反体制派か」と問いただされ、非常に危険です。私たちが支援したあるシリア難民も、アサド政権への反対デモに参加したため逮捕されそうになり国外脱出しました。最初は親戚のいるヨーロッパを目指しましたが、かなわずに、最終的には日本での申請にいたりました。他には留学や仕事で来日中に帰れなくなった方などが難民申請をされているようです。」

長期収容は悲惨

RAFIQ(ラフィック・在日難民との共生ネットワーク)『日本の難民問題と入管問題の関係について』(『2007年「世界難民の日」記念シンポジウム'07』当日配布資料より抜粋)( http://rafiq.jp/pdf/nanmin_mondai.pdf

「現在、150 人を越える難民申請者や不認定になった難民が、外国人収容所に無期限収容されています。ある者は、壁に頭をぶっつけ血だらけなり、またある者は用便を居室に撒き散らすなど精神の破綻を来たしています。私たち日本人が、このような目を覆いたくなるような悲惨で、過酷な現実と向き合うことなくして日本の難民受入問題は解決しません。なぜなら日本の難民受入政策を変えるのは、私たち日本人自身であるからです。」

解決性:

難民認定されることによって、難民は日本国民と同じ待遇を受けることができる

入国管理局HP( http://www.immi-moj.go.jp/tetuduki/nanmin/nanmin.html

「難民の認定を受けた外国人は,原則として締約国の国民あるいは一般外国人と同じように待遇され,我が国においては国民年金,児童扶養手当,福祉手当などの受給資格が得られることとなっており,日本国民と同じ待遇を受けることができます。」

このことにより、強制送還や収容などの恐れから解放され、難民が平穏な生活を送ることが可能になる。

年間200〜300人の難民受け入れは受容可能

滝澤三郎(たきざわさぶろう・東洋英和女学院大学大学院国際協力研究科客員教授)「東洋英和女学院大学大学院連続講座 日本の難民政策を問う 第5回 日本の難民政策:庇護から保護へ」2017年2月18日 『現代史研究』13号(2017年3月)東洋英和女学院大学現代史研究所

「能動的な保護の強化に際しては、日本の国際的地位にふさわしい「数値目標」を立てることが必要だろう。数値目標のない国際公共政策はありえない。日本は難民認定に加え、人道的配慮(補完的保護)、再定住を合わせて少なくとも年間200人から300人の難民を受け入れる積極策に転じるべきだろう。すでに外国人労働者(移民)が毎年数万人ずつ増加し、外国人人口が200万人を超す日本には、その規模の難民受け入れ能力はあるし、社会的にも受容されよう。」(223)

メリット2:日本の国際的地位向上

内因性:

日本の難民受け入れ率が非常に低いため、国際的な批判を浴びている

君塚宏(きみづかひろし・法務省入国管理局審判課長)「東洋英和女学院大学大学院連続講座 日本の難民政策を問う 第3回 日本における難民受入れの「ゆえん」について」2016年12月10日 『現代史研究』13号(2017年3月)東洋英和女学院大学現代史研究所

「昨今において欧州諸国が難民問題で大変な苦悩を強いられている中で、日本は相も変わらず難民の受入れに消極かつ冷淡であるとして、「難民に冷たい日本」「難民鎖国」などというあだ名を付けられて国内外のメディアから批判されてきたところです。」(195)

日本が難民受け入れを抑制することで「底辺への競争」が発生するかもしれない

滝澤三郎(たきざわさぶろう・東洋英和女学院大学大学院国際協力研究科客員教授)「東洋英和女学院大学大学院連続講座 日本の難民政策を問う 第5回 日本の難民政策:庇護から保護へ」2017年2月18日 『現代史研究』13号(2017年3月)東洋英和女学院大学現代史研究所

「年間20〜30人の庇護は世界の難民総数からすると「大海の一滴」で、日本の庇護制度はほとんど意味を持たない。厳しい難民認定制度を維持することは、結果的に難民の自国への接近を抑止する。全ての国がそのような消極的な対応をするなら、「底辺への競争」が発生し、難民の救済体制は崩壊する。日本はこの点で国際社会の悪しき例となっている。「難民鎖国」批判の本質はそこにある。」(227)

重要性:

日本の国際的地位の重要性

[適当な資料を探す]

日本が難民を入れないコストは、入れるコストよりも高い

滝澤三郎(たきざわさぶろう・東洋英和女学院大学大学院国際協力研究科客員教授)「東洋英和女学院大学大学院連続講座 日本の難民政策を問う 第5回 日本の難民政策:庇護から保護へ」2017年2月18日 『現代史研究』13号(2017年3月)東洋英和女学院大学現代史研究所

「次に認定数を増やす必要がある。トランプ大統領のもとアメリカなどが難民に門戸を閉ざしつつある中で、日本にとっては「難民鎖国」から/の名誉挽回の好機でもあり、「認定数を増やす」という姿勢が求められる。20〜30人台の認定は「大海の一滴」でほとんど意味を持たない。むしろそれは難民の「日本素通り」を引き起こし、欧米メディアが振りまく「難民鎖国」論を通して日本の国際社会でのイメージを悪くしている。「人間の安全保障」を外交の柱としている日本の「難民を入れないことのコスト」は「難民を入れることのコスト」よりも高い。」(230/231)

解決性:

100人くらいの受け入れで難民鎖国批判は防げる

滝澤三郎(たきざわさぶろう・東洋英和女学院大学大学院国際協力研究科客員教授)「東洋英和女学院大学大学院連続講座 日本の難民政策を問う 第5回 日本の難民政策:庇護から保護へ」2017年2月18日 『現代史研究』13号(2017年3月)東洋英和女学院大学現代史研究所

「認定数に目標値を設定するという考えには異論もあるが、認定数を年間100人ぐらいまで増やすというのに問題はなかろう。先にみた認定のための6条件を完全に満たさなくとも、いくつかに当てはまる場合には難民認定するなどの弾力的な運用も可能だろう。日本に来るのは少数だが「紛争難民」をも条約難民と認めることが望ましい。または、難民条約の定義には当てはまらないが帰国すれば危険に直面する人々を難民に準じて扱う「補完的保護」という仕組を正式に導入すれば、法的地位を伴った保護数はかなり増えるだろう。それは「難民鎖国」批判を緩和することにつながる。」(231)

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ケース反論用資料

世界的には難民受け入れは縮小の方向

Platnews 2016年2月20日「日本の難民受け入れ問題はどのような状況か?」( http://theplatnews.com/p=1255

「元々移民によって建国されたアメリカでは、オバマ大統領が2015年11月16日、G20サミット後に記者会見し、「必死に安全を求めている難民を歓迎する」と述べ、難民受け入れを続ける考えを示した。しかし国内では、特に共和党の州の知事が、「自分の州ではシリア難民を受け入れない」と表明。また、共和党の大統領候補であるドナルド・トランプ氏、マルコ・ルビオ上院議員、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事なども受け入れには否定的な意見を表明した。ドイツでも、難民に関して比較的寛容な対応がとられていた。昨年11月13日のパリ同時多発テロ事件以降も、企業が先を争って新たな労働力として確保しようとしていた。しかし、大晦日、ケルンで起きた女性に対する襲撃や窃盗事件では、容疑者に少なくとも22人の難民申請者が含まれており、以降、難民受け入れには反対するデモも起きている。それを受けてメルケル首相は難民による犯罪の罰則強化を検討したが、抗議者からは首相辞任を求める声も上がっている(関連記事:メルケル首相「多文化主義は完全に失敗」ー今この発言に注目すべき理由)。」

日本に来る難民申請者は偽装難民であることが多い

Platnews 2016年2月20日「日本の難民受け入れ問題はどのような状況か?」( http://theplatnews.com/p=1255

「現状では、難民受け入れが少なすぎるとの批判がある一方、治安の悪化など問題視する声も強い。また、日本に来る「難民」は出稼ぎで来る場合が多く、虚偽内容を申告する場合も多い。審査期間は長く、一連の審査に要する期間は平均約3年。難民認定される人に限っては、6年弱の時間がかかっている。審査結果を待つ間に日本で結婚し、母国の家族を呼び、定住化してしまうケースも多い。そのため、同じ理由で来る人を拒否するなど、審査の効率を上げるために、法務省による運用の見直しや法改正が指摘されている。」

日本はそもそも難民が流入しづらい国なので、受入れ規模の大小を論じても意味がない

君塚宏(きみづかひろし・法務省入国管理局審判課長)「東洋英和女学院大学大学院連続講座 日本の難民政策を問う 第3回 日本における難民受入れの「ゆえん」について」2016年12月10日 『現代史研究』13号(2017年3月)東洋英和女学院大学現代史研究所

「ドイツを始めとする欧州諸国はソ連の影響下にあった旧共産圏諸国での政治的迫害、それに宗教・民族対立が原因となった中近東諸国での紛争・内乱、一部のアフリカ諸国での専制政治や統治破綻という、種々の難民を大量に生じさせている国々から地理的に近く、ルートによっては相当な危険を伴うものの陸路と海路による移動が可能です。その一方で、我が国の周辺諸国では最近において大量の難民を生じさせる要因を抱えた国は少なく(ただし、将来もそうであり続けるという保証はありません。)、また、四方を海で囲まれているために移動手段は航空機が中心であり、日本に向かうためには渡航手続として旅券、査証を取得し航空券を購入するという、まさしく周到な準備が必要となります。これらから、欧州と日本では(難民の定義に関する混同以前の問題として)難民の流入に関する諸要件がまるっきり異なっており、規模の大小を単純比較することについてあまり大きな意味を持たないと思います。」(199)

日本で難民認定されても、不安定な暮らしが待っている

滝澤三郎(たきざわさぶろう・東洋英和女学院大学大学院国際協力研究科客員教授)「東洋英和女学院大学大学院連続講座 日本の難民政策を問う 第5回 日本の難民政策:庇護から保護へ」2017年2月18日 『現代史研究』13号(2017年3月)東洋英和女学院大学現代史研究所

「日本に受け入れられた難民には、1980年代から受け入れられた約11,000人のインドシナ難民、日本が1981年に加入した難民条約に基いて難民認定された約700名の「条約難民」、2010年から開始された難民第三国定住事業によって来日した約110名のミャンマー難民、の三つのタイプがある。日本で定住状況について、各種の調査から浮かび上がってくる難民の姿は、一部の例外を除き、不安定で低賃金の職場で働き、社会経済的には下層に属し、永住資格や国籍取得も難しいため法的地位が確立せず、多くが年金などについての不安を持ちつつ暮らしているというものだ。大半が日本に保護されたことに感謝しているもの/のなかには日本に来たことを後悔する者もいる。そのような状態が知られることで、難民の間での「日本人気」が低下し、難民の「日本素通り」を引き起こす。」(231/232)

難民の庇護以外にも有効な政策はある

滝澤三郎(たきざわさぶろう・東洋英和女学院大学大学院国際協力研究科客員教授)「東洋英和女学院大学大学院連続講座 日本の難民政策を問う 第5回 日本の難民政策:庇護から保護へ」2017年2月18日 『現代史研究』13号(2017年3月)東洋英和女学院大学現代史研究所

「日本では難民をめぐる議論が「難民認定問題」つまり「庇護」問題に矮小化されているが、実は日本の「庇護」による貢献の実質的な意味は小さい。他方で、難民キャンプなどで長期間滞留している人々のうち女性や子供など弱い立場にある難民を救い出す「再定住」や、シリアなど紛争国で苦しむ国内避難民への人道支援や周辺国への財政支援で日本が貢献できる余地は極めて大きい。」(223)

日本はヨーロッパのスケープゴートにされている

D・アトキンソン(小西美術工藝社社長)「日本は難民にあまりに無防備」『Will』2016年3月号

「EU全体の移民データも抑えておきましょう。『Eurostat 2010』によると、EU人口の九・四%が移民でした。ドイツは二〇〇五年の法律の改定により、アメリカに次ぐ世界第二位の移民大国(移民の数、約一千万人)になりました。ただし、EUの九・四%のうち三分の一程度はEU内での移民で、EU外からの移民は六・三%。つまりEU全体では、そこまで外からの移民を受け入れているわけではないのです。「日本は冷たい国」云々と攻められますが、「実は先進国はそれほど難民を受け入れていない」という事実を隠すため、海外メディアは日本をスケープゴートにしているのではないでしょうか。実際、シリアの難民はすでに四百万人を超えていますが、ヨーロッパに難民認定を申請しているのは、いまのところ二十七万人です。国連によると、難民の八割以上は母国の近隣諸国に移住すると見られています。シリアの問題に関して、西洋は自分たちの責任を認めるべきで、あまり責任がない日本が難民を受け入れる理由はないでしょう。」(214)

日本に難民申請してくる者は、難民性の低い単なる出稼ぎ目的の者が多い

墓田桂(はかたけい・成蹊大学教授)「理想だけでは語れない難民問題 日本はなぜ慎重であるべきなのか」『Voice』2017年4月号

「現在の難民認定制度は事実上の移民制度となっている。申請をすれば在留資格(名目は「特定活動」)と就労資格(申請の六カ月後)が得られる仕組みである。異議審査では一次審査で漏れた難民性の低い、あるいは低いと見なされた申請者が審査を求めてくる。申請者の多くが異議申し立てを日本での在留延長の手段と捉えているようだった。現に制度上、それが可能なのである。面談した限りでは、申請者は概してサバイバル能力が高かった。「移民」としての資質は申し分ない。彼らも生き残りを懸けている。参与員には保秘義務があるので多くは語れないが、支障のない範囲で言及するなら、アフリカの某国からの申請者に多く見られたのは、「伝統的なチーフを継承することになったが辞退した。毒殺される危険があるので保護してほしい」という主張だった。興味深いことに、この物語にはいくつかのバリエーションが存在した。難民性の低い申請者が多く押し寄せるのだから、最終的な難民認定率が低くなるのは当然の結果である。偽装難民の問題を直視せずに、認定率の数値だけで難民行政の現状を議論してもあまり意味がない。」(143)

制度上は難民認定申請を繰り返し、日本に永住することも可能

浅川 聖(あさかわたかし・横浜国立大学国際社会科学研究科博士課程 前期修了)「日本の「内」への難民政策の特徴 : 難民認定申請者に対する「管理」と「保護」を中心に」『横浜国際経済法学』21(3)、2013年3月、横浜国立大学( https://ynu.repo.nii.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=repository_action_common_download&item_id=3404&item_no=1&attribute_id=20&file_no=1&page_id=13&block_id=21

「尚、異議申立てが退けられた後、行政手続は終了となるが、6ヶ月以内ならば司法審査という形で、行政決定に対する訴訟を提起する道も残されている。また、日本は、難民認定申請のプロセスが異議申立て「理由なし決定」が下された後も、難民認定申請を無制限に新たに行うことができる。つまり、難民認定申請→難民不認定処分→異議申立て→理由なし決定→難民認定2回目申請、と図1の認定サイクルを永遠に継続させることも制度上は可能である。」

デメリット編に続く



geniocrat at 06:05│Comments(0)JDA | 資料集

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