難民論題 メリット例#DCS_2020決勝戦の判定理由

2017年08月07日

難民論題 デメリット例

[2017.08.12誤字等修正]

前回に引き続き、難民論題のデメリット例です。

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デメリット1:治安の悪化

固有性:

現状日本では難民認定の数が非常に少ない=肯定側議論を流用

難民認定基準を厳しくすれば、難民流入圧力を抑制できる

墓田桂(はかたけい・成蹊大学教授)「理想だけでは語れない難民問題 日本はなぜ慎重であるべきなのか」『Voice』2017年4月号

「認定条件の厳しさを指摘する意見もある。たしかに諸外国に比べれば厳格に映る部分はある。しかし、それゆえに「難民に厳しい国」を世界に示せるならば、日本で難民申請をする動機を抑制することにもつながる。結果的に難民申請者の流入圧力や、流入がもたらす諸々の問題を抑止していると見ることもできる。」(143)

リンク:

一度受け入れると、日本に10万人規模の難民が押し寄せる

TOCANA 2017年2月4日「【シリア難民受け入れ】150人のはずが300人に…安倍がEU圧力に完敗!関係者「今後10万人にふえる」」( http://tocana.jp/2017/02/post_12229_entry_2.html

「「今回の難民受け入れによって、今後の日本社会に大きな変化がもたらされる可能性は否定できません。シリア難民のほかにも、世界各国には膨大な数の難民がいて、どんどん増え続けています。経済力に応じて、日本ももっと難民を受け入れろという国際的圧力が強まっていくことは火を見るよりも明らかです。それらを全て受け入れることになれば、恐らく日本には10万人規模の難民が押し寄せてくるでしょう」(政府関係者)」

一度難民受け入れの姿勢を見せると際限なく難民が増加する

北野幸伯(きたのよしのり・国際関係アナリスト)「難民を受け入れなければ三等国か」『新潮45』35(9) 2016年9月

「二つ目の問題は、「やさしくすれば、難民が増えつづける」というジレンマだ。ドイツに入った難民が、衣食住を保障され、さらに毎月2000ユーロの手当を支給されたとしよう。そのことを知った中東、北アフリカの人々は、「私もドイツに行って楽で豊かな暮らしがしたい」と思い、実際に行動を起こすだろう。その結果、100万人だった難民は、200万人、300万人、1000万人と増えていく。「永遠に増えつづける難民」という展望が、元からEUに済む人々を恐れさせる。」(45)

難民を受け入れれば、予想を超えて難民が殺到し、人々の善意は限界を迎える

墓田桂(はかたけい・成蹊大学教授)「理想だけでは語れない難民問題 日本はなぜ慎重であるべきなのか」『Voice』2017年4月号

「EUの対応は苦悩に満ちている。難民問題を解決しようと積極的な姿勢を見せたものの、それを上回る勢いで密航者が到達し続ける。理想を裏切る形でさまざまな事件が発生する。人びとの善意は限界を迎えてしまう。」(142)

難民は下層社会を構成してしまう

三浦瑠麗(みうらるり・国際政治学者)「欧州の難民政策は正しいか 多様性の尊重は同化政策の先にしか存在しない」『Voice』2016年3月号

「多くの先進国には、難民や移民などのマイノリティー/社会への法適用に関するダブル・スタンダートが存在します。あるときは、マジョリティーの市民に対するよりも厳しい法適用が行われます。米国における黒人社会への法適用はこのようなケースでしょう。他方で、マイノリティー社会に配慮し、あるいはマイノリティー社会と関わることのトラブルをあらかじめ予想して法適用が消極化し、事実上の治外法権が生じてしまっている場合が多く存在します。当たり前の犯罪が、当たり前に処罰されない空間が生まれているのです。これまでに欧州に流入してきた移民や難民の一部には、下層社会やギャングを構成する層が存在します。ケルン暴行事件の容疑者はモロッコ系が多かったといわれていますが、かれらの多くはシリア難民が流入する以前から存在していた貧困層であり、社会における地位が不安定であるからこそ犯罪の温床ともなりやすい存在です。」(78/79)

同化政策に失敗すると、社会の中に疎外された集団を作り出し、衝突が起こってしまう

三浦瑠麗(みうらるり・国際政治学者)「欧州の難民政策は正しいか 多様性の尊重は同化政策の先にしか存在しない」『Voice』2016年3月号

「マイノリティー社会への法適用が問題となるのは、同化政策に失敗してきたからです。今日の問題の多くは、労働力不足という経済的な問題の解として移民を大量に受け入れておきながら社会の中に包摂せず、中途半端な存在として放置してしまったことに原因があります。結果的に、社会の多数と根本的な価値観を共有しない、疎外された集団を作り出してしまいました。/欧州の多くの国では移民の二世・三世までを含めると人口の二割ほどを占めるに至っており、文化的・経済的な衝突が避けられなくなっているのです。」(79/80)

難民の中にテロリストが紛れ込んでしまう

墓田桂(はかたけい・成蹊大学教授)「理想だけでは語れない難民問題 日本はなぜ慎重であるべきなのか」『Voice』2017年4月号

「「難民はテロリストである」といった極論に与するつもりはない。難民の多くは私たちと同じ普通の人間である。ただ、留意しなければならないのは、難民、あるいは移民のなかから社会に脅威をもたらす人物が現れてしまう事実である。テロとも相まって、欧州の政治状況は不安定になっている。不安定化の要因の一つに難民・移民問題があることは否定できない。一六年六月に行われたイギリスの欧州連合(EU)離脱の国民投票も然りである。ドイツの一極支配やEUの官僚主義に加えて難民・移民問題が争点となった。」(140)

墓田桂(はかたけい・成蹊大学教授)「理想だけでは語れない難民問題 日本はなぜ慎重であるべきなのか」『Voice』2017年4月号

「解決が難しく、一面的な正義が通用しないのが難民問題である。安易に唱えられることが多いが、難民の受け入れは付随する種々の問題を招き入れることでもある。いくつか挙げてみたい。まずは治安の悪化である。繰り返すが、「難民=テロリスト」ではない。社会に危険を及ぼす人物が難民の中に混入してしまうことが問題なのである。EUでは密航者や難民申請者のなかに「イスラム国」と接点をもつ者や戦争犯罪者が紛れ込んでいた事例がある(筆者自身、アフリカの難民定住地で元戦闘員の難民に遭遇したことがある)。また、難民キャンプの軍事化や「難民戦士」の問題は古くから指摘されてきた。テロリストや戦闘員のレベルでなくとも、一般犯罪が一定の割合で発生するのも事実である。状況によっては暴徒も生まれる。」(144)

深刻性:

難民がテロや犯罪を起こす

墓田桂(はかたけい・成蹊大学教授)「理想だけでは語れない難民問題 日本はなぜ慎重であるべきなのか」『Voice』2017年4月号

「二〇一六年十二月十九日、ドイツの首都ベルリンで起きたテロ事件は世界を震撼させた。教会前のクリスマス市に大型トラックが突入し、一二人の犠牲者を出した。トラックが凶器となったのは同年七月十四日にフランスニースで起きたテロと同じ構図である。犯人はチュニジア出身の男だった。難民申請が却下され、本国に送還されないままドイツに滞在していた。ドイツでは、このほかにも難民や移民による凶悪な事件が発生している。難民保護に人道主義の夢を託した市民たちは裏切られた思いだろう。」(139)

難民による治安の悪化・テロ

北野幸伯(きたのよしのり・国際関係アナリスト)「難民を受け入れなければ三等国か」『新潮45』35(9) 2016年9月

「三つ目、これが最大の問題。それは「難民を受け入れて治安が極度に悪化したこと」だ。この問題は、さらに二つにわけることができる。一つは、「難民が罪を犯す」こと。「難民」と聞くと、われわれは、「小さな子供」「お年寄り」「乳飲み子を抱える母/親」などを連想する。ところが、欧州に来ている難民のかなりの割合が「若い男性」なのだ。そして、彼らはしばしば犯罪行為に走る。もっともショッキングだったのは、ドイツで2015年12月31日に起きた、超大規模強盗、性犯罪事件だ。「ある都市で、一日『1000件』の『強盗』『性犯罪』が起こった。といっても、日本人は信じられないだろう。だから「証拠記事」をはりつけておく。<独、15年大みそかの性犯罪は全国規模16州中12州で発生 AFP=時事1月24日(日)10時52分配信【AFP=時事】ドイツの警察は、2015年12月31日に同国西部の都市ケルンで大規模に発生した性犯罪や強盗事件と同様の事件が、ドイツの全16州のうち12州で発生していたと発表した。現地メディアが23日伝えた。><最大の影響を受けたのはケルンがあるノルトライン・ウェストファーレン州で、約1000件の被害届が提出され、次いでハンブルク州の約200件が続いた。>この事件、2016年4月時点で153人の容疑者が特定され、うち149人が外国籍。68人が「難民申請者」である。同事件で、欧州人の難民への同情心は大いに減り、逆に「難民を追い出せ」と主張するいわゆる「民族主義的政治勢力」の人気が高まっていった。「難民受け入れ」で治安が悪化するもう一つの理由は、「難民の中に『ISメンバー』がまぎれこんでいること」である。米国を中心とする有志連合やロシアの空爆で、シリア、イラクのISは壊滅的打撃を受けている。「領土」を失った彼らは、難民に紛れ込み、続々と欧州に向かっているという。EU諸国では難民を大量に受け入れた結果、毎週のようにどこかでテロが起こっている。」(45/46)

北野幸伯(きたのよしのり・国際関係アナリスト)「難民を受け入れなければ三等国か」『新潮45』35(9) 2016年9月

「筆者の住むモスクワは、欧州に近い。欧州の街は美しく、人々は温和で、礼儀正しく、そしてつい最近まで治安が良かった。それで、ロシア人は、自国のリゾートであるソチにいくよりも、欧州のギリシャ、キプロス、スペインなどで休暇を過ごすことを好む。そして、文化を堪能したければ、フランスやイタリアに行く。しかし、欧州は、なんと変わってしまったことだろう。毎週のように大きなテロが起こり、大抵はISがらみである。そして、難民による犯罪も多い。今では、自国もそれほど安全とはいえないロシア人ですら、「欧州は怖いから行きたくない」といいはじめている。「日本も欧州を見習い、難民をもっと受け入れるべきだ」と主張する日本人は、欧州で何が起こっているか知らないのだろうか?」(46)

善意がテロに利用される

墓田桂(はかたけい・成蹊大学教授)「理想だけでは語れない難民問題 日本はなぜ慎重であるべきなのか」『Voice』2017年4月号

「一五年九月、事態は大きく展開する。トルコの海岸に横たわるシリア人の幼児の溺死遺体に欧州は動かされた。一六万人の難民申請者をEU加盟国で分担することも決まった。道徳観の強いドイツ、そして欧州委員会が牽引力となった。そうしたなか、同年十一月、フランスのパリで自爆と銃の乱射によるテロ事件が発生する。犠牲者は一三〇人。犯人のうち少なくとも二人は密航ルートを使ってギリシャに入り、パリまでやって来た。欧州で人びとの善意が高まっていたそのとき、テロの計画は進んでいた。幼児の溺死事件を機にEUは迅速に対応したが、苦悩を背負うことになる。一六万人の分担策はEU加盟国を分断させた。反難民・反移民感情が高まり、反EU勢力と化して既存の政治秩序を揺るがしている。」(141)

中長期的な貧困層誕生や治安悪化

墓田桂(はかたけい・成蹊大学教授)「理想だけでは語れない難民問題 日本はなぜ慎重であるべきなのか」『Voice』2017年4月号

「さらに、難民や移民との関係で問題となるのが社会の景色が変わることである。多文化主義は美しい理念として時に無邪気に語られる。だが、多文化主義は自国の文化と社会が変容を強いられることを意味しかねない。つまりは「庇(ひさし)を貸して母屋を取られる」のである。中長期的には貧困層が生まれたり、「並立(パラレル)社会」が現れたりすることもある。テロを含めた治安悪化は、移民・難民の二世たちが不満分子となった場合にも起こりうる。ベルギーの首都ブリュッセルにあるモレンベーク地区が有名だが、ひとたび並立社会ができてしまうと解体することは難しく、社会問題の温床となってしまう。人の移動の影響は長いスパンで見なければならない。」(146)

その他、治安やテロそのものの深刻性、日本国民を優先すべき、といった議論など

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デメリット2:難民受け入れのコスト

固有性:

現状日本は難民をほとんど受け入れていない=ケース議論を流用

リンク:

難民受け入れにはコストがかかる

滝澤三郎(たきざわさぶろう・東洋英和女学院大学大学院国際協力研究科客員教授)「東洋英和女学院大学大学院連続講座 日本の難民政策を問う 第5回 日本の難民政策:庇護から保護へ」2017年2月18日 『現代史研究』13号(2017年3月)東洋英和女学院大学現代史研究所

「大量の難民流入は受け入れに伴う多大な経済的・社会的・政治的コストと、各国の負担分担の不公平を引き起こす。年間数十万人に上る庇護申請者の審査だけでも時間と費用がかかるし、難民と認定した場合には、彼らが経済的・社会的に自立できるようにする言語教育や就労支援などの定住支援が必要となる。貧しい途上国では、国際援助がなければ十分な定住支援は不可能だ。難民条約は、受け入れられた難民に対して原則として自国民又は永住外国人と同等の就労や教育、社会保障を与えることを加盟国にもとめているから社会保障費も増え、豊かな先進国にとっても負担は大きい。OECD加盟先進国は、難民受け入れの初年度の費用として2015年には約120億ドル(1兆4400億円)、平均でODAの9.1%に上り1人あたりの費用は年間1万ドル(120万円前後)になる。」(222)

滝澤三郎(たきざわさぶろう・東洋英和女学院大学大学院国際協力研究科客員教授)「東洋英和女学院大学大学院連続講座 日本の難民政策を問う 第5回 日本の難民政策:庇護から保護へ」2017年2月18日 『現代史研究』13号(2017年3月)東洋英和女学院大学現代史研究所

「社会的コストとしては、人種や宗教が違う数十万人の難民、「異質な人々」の流入に伴う社会的摩擦や緊張がある。近年頻発する国際テロ事件は移民・難民のイメージを急激に悪化させ、社会の不安感を増大させた。政治的には、難民と移民の排斥を訴える右翼政党が伸張し、自国民の安全を第一にする傾向が強まっている。難民を含む人権擁護に熱心/だったEU諸国でも、難民は「国家の安全保障」への脅威であるとする言説が強まる中で、難民受け入れに対する支持は減っている。先進国は「移民を難民として保護してしまう国家の安全保障上のリスク」を「難民を移民として排斥してしまう人間の安全保障上のリスク」よりも重視するようになった。」(222/223)

難民が増加するに従って、問題が大きくなる

北野幸伯(きたのよしのり・国際関係アナリスト)「難民を受け入れなければ三等国か」『新潮45』35(9) 2016年9月

「2015年、内戦状態にあったシリア、イラク、リビア、アフガニスタンなどから、大量の難民が欧州に向かった。既述のように、その数は100万人といわれる。しかし、ドイツは「2015年、100万人の難民がわが国に来た」と発表しているので、欧州全土に来た実際の難民数は、もっと多いはずだ。当初は、「かわいそうだ」と同情的だった欧州人だが、その後次第に冷淡になっていった。なぜだろうか?難民の数が増加するにつれ、さまざまな問題が起こってきたのだ。」(45)

北野幸伯(きたのよしのり・国際関係アナリスト)「難民を受け入れなければ三等国か」『新潮45』35(9) 2016年9月

「一つ目は、「コストの問題」である。例えば、ドイツを例に考えてみよう。難民には、食べるものも、着るものも、住む場所もない。では誰が、それを提供するのか?もちろん、ドイツ政府だろう。では、誰がドイツ政府に金を出すのか?ドイツ国民である。では、ドイツ国民は、見ず知らずの難民のために毎月毎月お金を支払うほど寛大なのだろうか?ドイツ人が皆聖人のような人ならいいが、実際はそうではない。「自分たちのことで精一杯なのに、知らない人のために、毎月多額の金は寄付できない」ということだ。」(45)

EUが難民問題で苦境に立たされている

墓田桂(はかたけい・成蹊大学教授)「理想だけでは語れない難民問題 日本はなぜ慎重であるべきなのか」『Voice』2017年4月号

「世界的な規模で展開している難民問題だが、先進国圏ではEUの苦難が際立っている。欧州に活路を見出そうと中東やアフリカから難民・移民が地中海を船で渡っている。難民を含めた多様な背景の移動者が流れ込む「混在移動」の典型である。概して密航船の衛生状況は悪く、船の転覆は後を絶たない。密航者の苦境に胸を痛めない者はいないだろう。EUでの難民申請者は一五年だけで一二八万人に登った。EUの人口は約五億人だから、比率でいえば一%にも満たない。だが、流入してくるのは文化的、宗教的背景の異なる人たちである。お金を落として帰ってくれる/旅行者とは異なり、難民は社会の負担となりかねない。やはり重たい数である。」(140/141)

難民を労働力として期待するのはお門違い

墓田桂(はかたけい・成蹊大学教授)「理想だけでは語れない難民問題 日本はなぜ慎重であるべきなのか」『Voice』2017年4月号

「難民が労働力になることを期待する向きもある。これについては、経済が好調なドイツでも一五年以降に来た難民の雇用率は一三%に留まるという統計がある(一六年十一月十六日付ロイター)。無理もない結果だろう。ドイツ語の習得は簡単ではない。そもそも同じアジアの人間でも、アフガニスタンの下層の少年とインドの工科大学を卒業した者では資質が異なる。移民ならば相応のルートで適切な人材を調達すべきだった。」(145)

深刻性:

コスト計算、日本国民を優先すべき、等の議論を入れる

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肯定側議論用資料集

N/UQ 日本ではすでに多くの外国人が働いている

Newsweek日本版 2017年1月27日「日本の外国人労働者、初の100万人超え 技能実習・留学生が増加」( http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/01/100-16.php

「厚生労働省が27日発表した外国人雇用の届出状況によると、2016年10月末時点で日本で働く外国人は108万3769人となり、初めて100万人を超えた。前年同期比19.4%増加し、4年連続で過去最高を更新した。技能実習生が同25.4%と大幅に増え、21万1108人だった。留学生は同25.0%増の20万9657人。専門的・技術的分野のいわゆる高度人材も20%超の増加となった。国別では、中国が最も多く34万4658人(全体の31.8%)、次いでベトナム17万2018人(同15.9%)、フィリピン12万7518人(同11.8%)だった。前年比伸び率が最も高かったのはベトナム(56.4%増)、次いでネパール(35.1%増)。この数値は、昨年10月末時点で事業主から届け出のあった数を集計した。届け出は2007年から事業主に対し義務化されている。」

日本は地理的障壁が高いので、それほど多くの紛争難民は流入しない

滝澤三郎(たきざわさぶろう・東洋英和女学院大学大学院国際協力研究科客員教授)「東洋英和女学院大学大学院連続講座 日本の難民政策を問う 第5回 日本の難民政策:庇護から保護へ」2017年2月18日 『現代史研究』13号(2017年3月)東洋英和女学院大学現代史研究所

「日本の難民受け入れはなぜこれほどまで少ないのだろうか?第一の理由は、多くの難民が発生する中東やアフリカの紛争国家から日本が地理的に離れていることだ。来日手段は航空機以外にはなく、航空券代も高額だ。一家五人で来れば年収の何倍にもなる費用がかかる。難民にとって日本の「地理的障壁」はきわめて高い。」(225)

日本は問題になるほどの大量の難民受け入れは期待されていない(適正量の難民の受け入れは可能)

三浦瑠麗(みうらるり・国際政治学者)「欧州の難民政策は正しいか 多様性の尊重は同化政策の先にしか存在しない」『Voice』2016年3月号

「日本は難民問題について、どのように対応すべきか。その際に重要となるのが物事を数字で捉えるということです。日本の社会政策をめぐる議論において、とかく抜け落ちがちなのが、この数字をめぐる感覚であり、難民問題のように人びとが感情的になりやすい問題ではとくにその傾向が強いからです。日本にはドイツのように一〇〇万人規模の難民を受け入れる能力も意思もないでしょう。そんなことは、国際社会から求められてもいないし、過去の受け入れ実績からも合理的に期待できるレベルではない。」(82)

難民こそテロの犠牲者

小尾尚子(おびなおこ・UNHCR駐日事務所副代表)「今日の難民問題、日本ができること」『部落解放』(736) 2017年2月増刊 部落解放・人権入門2017、解放出版社編

「日本と難民問題ですが、難民を素直に読むと「難しい人」です。元々は避難の難から取られた言葉だと思いますが、字面から見ると少し近寄りがたいと感じる、という話をよく耳にします。特にヨーロッパのテロの後は、難民のなかにテロリストは混ざってないかという質問がずいぶん増えました。しかし、まず私たちが第一に念頭に置かなければならないのは、難民こそテロの第一の犠牲者であるということです。祖国でおきたテロのために家を追われ、国を離れざるを得なくなった人々なのです。また、難民条約は、そういったテロ行為などに関わっている人を、「国際保護の必要のない人」として、/除外する規定を設けています。きちんとした審査が行われることにより、そうした人が難民を偽るということも防ぐことができる仕組みがあるのです。」(66/67)

「外国人差別ウォッチ・ネットワーク」ブックレット編集班「外国人包囲網」現代人文社Genjinブックレット、2004年

「外国人犯罪が増加しているという点については、たしかに短いスパンで見ると増加している。しかし、実数は日本人よりも圧倒的に少なく、また来日外国人の犯罪以上に、日本人の犯罪が増加していることがわかる。また、刑法犯と特別法犯の両方の推移を見ると、外国人の犯罪とされるなかに、多くの特別法犯が含まれていることがわかる。しかし、この特別法犯の大半は、「出入国管理法違反」、すなわち不法滞在(オーバーステイ等)である。不法滞在者については、ある程度の人口がつねに存在しており、そのときどきの政策に従って、厳しく取り締まったり、緩めたりしている。つまり、実際の人員が増加したか減少したかというよりも、どのような政策がとられているかによって、数字が大きく変動するのが明らかである。出入国管理法違反の増加は、むしろ「厳しい取締り政策がとられている」ことの裏返しである。このような性質上、とりあえず他の犯罪とは区別して考えておくべきである。」(12)

「外国人差別ウォッチ・ネットワーク」ブックレット編集班「外国人包囲網」現代人文社Genjinブックレット、2004年

「よく「不法滞在者(非正規滞在者)は犯罪の温床である」という言い方が当局からなされている。[中略]具体的な数字から検討してみよう。2003年の日本全体の刑法犯検挙人員は379,602人であるが、そのうち非正規滞在の外国人は1,502人で、0.4%に過ぎない(図2)。また、来日外国人の検挙人員8,725人のうちでも17%を占めるに過ぎない。このように犯罪検挙人員全体から見れば、非正規滞在者の占める比重は微々たるもので、とても「犯罪の温床」と呼べるような代物ではないことがわかる。」(12-13)

坂中英徳(さかなかひでのり・一般社団法人 移民政策研究所所長)『人口崩壊と移民革命』日本加除出版、2012年

「移民関連の改革は大がかりなものになるだろう。しかし、それによって日本人の生活の良質な部分が害されることにはならない。たとえば、政府は移民の日本語学習を奨励する。そうすれば移民と日本人の融和が進み、移民の子供は流暢に日本語を操れるようになる。外国人は怖いというイメージを抱く人がいるかもしれないが、専門技術を有する移民を受け入れ、移民とその家族が社会と経済の発展の恩恵に浴すれば、移民は公共の安全を脅かすものにはならない。」(4)

日本でのテロの危険性は低い

My News Japan 2009年(http://www.mynewsjapan.com/reports/1126

「イスタンブールにやってきて意外だったのは、テロの警戒度が異様に高いことだった。ショッピングセンターやホテルなど、不特定多数の人が大勢集まる施設の入り口には必ず、空港でおなじみの金属探知機(センサー)が設置され、そこを通らなければ入れない。地下鉄の入り口でも警備会社の人がいて、バックなど不審なものを見つけてはセンサーをあてている。私のバックパックも、いちいちセンサーをあてられて面倒だ[中略]その点、日本はとんでもなく平和だ。「ほぼ単一民族」「海に囲まれた島国」という民族的、地政学的なラッキーな出自は、実はものすごいアドバンテージである。目には見えない「平和の配当」を常時、享受していることになる。ホテルの入り口でも荷物をセンサーに通し、自分も通る。右側の壁には青い目玉「ナザーレ・ボンチュウ」(魔除け)が張ってある。アイヌ民族が「北海道はもともと俺達のものだ」と民族自決を言い出してクルド人のように武装蜂起したり、無差別テロを起こす可能性も、ほとんどない。私は右翼でも保守主義でもないが、やはり「ほぼ単一民族」というのは、せっかくの日本の強みなのだから、活かすべきだ。トルコはクルド人移民に寛容だった結果、PKKを生み出す一因となった。移民が何割にもなった場合のコスト増大リスクがどれほど大きいか、よく考えたほうがよい。日本は「ほぼ単」であることで効率がよく、競争力の源泉になっていると思う。日本でテロをやろうと思ったら、新幹線などノーチェックだから特に簡単だし、東京駅や渋谷、新宿など多数の人が集まる場所で、やる気満々な犯罪者のテロ実行を防ぐのは不可能だ。ひとたび起こったら、その警備にかかるコストは計り知れない。だから、そもそもテロの動機が生まれない状態にしておくことが重要だ。日本では水と安全はタダだ、とよく言われてきた。確かにトルコでも飲み水は有料で、街中ならどこでも簡単に手に入るが、ペットボトル500CC1本で、0.5リラ(31円)が相場だ。公園で蛇口をひねれば飲める水がタダで出てくる日本はすばらしい。日本にいると空気のように「あって当たり前」になってしまっているが、海外に出ると、こうした日本の優れた点について、改めて実感するのである。日本の強みは、残さなければいけない。」

『選択』2005年10月号(31(10))「「イスラムテロ」は日本で起こるか――「可能性極めて薄い」とするその理由」

「おそらくロンドンがイスラム系テロリストの標的になる危険性は、今後も、東京が狙われる危険性の数百倍、数千倍の確率であり続けるだろう。その理由は二つある。その第一は、イスラム教徒の欧米に対する強い敵対意識、嫌悪感だ。それは歴史的なものであり、また9.11事件以来の米・英によるイスラムへの敵対行動によってさらに先鋭化している。一方、日本はイスラム教徒の意識下では今も東洋人であり、敵意の対象となっていない。第二に、テロを実施するとなるとその作戦を実行に移す「セル(細胞)」を組織化する必要があるが、日本ではこれが非常にやりにくい。一方、イギリスを例にとれば数百万人のイスラム・コミュニティが存在している上に、毎日、空港、港湾、はたまた鉄道駅を経由して、ベールを被った婦人や、あごひげを生やしたイスラム教徒の男が頻繁かつ大量に出入りしている。テロ細胞は、このようなコミュニティーを隠れ蓑とし、ある日突然、牙を剥く。」(13)

『選択』2005年10月号(31(10))「「イスラムテロ」は日本で起こるか――「可能性極めて薄い」とするその理由」

「この点、日本人は、米国の対テロ戦争を支持し、イラクに「派兵」している政権を戴いているという限りにおいて、責任があるということになる。だが、数世紀にまたがる憎悪の記憶を背景とする、欧米人への敵愾心と、戦略的な考慮の結果としての選択は質的に明らかな違いがある。あえて日本で自爆したいと志願するイスラム戦士はいないのだ。」(14)

『選択』2005年10月号(31(10))「「イスラムテロ」は日本で起こるか――「可能性極めて薄い」とするその理由」

「日常生活において、「私はムハンマドといいます」と名乗っても、日本社会で露骨な差別、攻撃に遭うことはない。この当たり前のようなことが多くの国、とくに欧州、アメリカでは当たり前でない。日本の3K(きつい、危険、汚い)職場に働くイランやパキスタン系のムスリムの間に「テロ細胞」ができるのではないかとの見方に至っては、的外れも甚だしい。日本は(不法就労を取り締まる当局が目を光らせているにせよ)労働の対価が差別なくきちんと支払われる、イスラムの理想に近い社会なのである。」(15)

『選択』2005年10月号(31(10))「「イスラムテロ」は日本で起こるか――「可能性極めて薄い」とするその理由」

「9.11事件の首謀者であったことを自認したハーリド・シェイク・モハンマドをして、「組織作りのために訪日したが、断念せざるを得なかった」と言わせた、目に見えない日本の障壁は、このような日本社会の均質性、悪い表現では島国根性にあると言ってよいだろう。」(15)



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