第26回ディベート甲子園全国大会中学の部 予選(ほぼ)全試合記録(その1)第26回ディベート甲子園全国大会中学の部 予選(ほぼ)全試合記録(その3)

2021年09月08日

第26回ディベート甲子園全国大会中学の部 予選(ほぼ)全試合記録(その2)

第26回ディベート甲子園中学の部予選記録の第二回です。

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■J1-5(M vs. O)

・コミュニケーション点:肯定側18点/否定側16点

・判定:肯定側

・メリットの評価:

 ある程度残ると考える。

 争点となったのは、現状の部活指導員で十分問題は解決するのではないか、という点だが「人数的に不十分」「地方には人材がいない」という1ARの反論が残ると考える。

・デメリットの評価:

 ある程度残ると考える。

 確かに、現状でも格差は存在する、という面はあると思われるが、肯定側反論がダウトにとどまっており、デメリットを完全に否定する理由は乏しいと感じた。

・結論:

 メリット・デメリット共にある程度残ると思われるものの、メリットの重要性での説明(国の責任として、過労死は極力防止しなければならない)に対して、デメリットのインパクトが若干曖昧に感じたため、メリットの方が重要と判断し、肯定側に投票。

・コメント:

 肯定側立論:悪くはないが、リスクがLinearであると主張するなら、過労死ラインの定義や説明はそれほどしなくても良いのでは、とも感じた。また、解決性は、部活指導員の話を入れるなら、現状部活指導員が足りていない、という話も立論にセットで入れるべきでは、と感じた。

 否定側質疑:不明点をきちんと確認しているところは良い。後半の質問(このプランでないと問題は解決しないのか?)は、この聞き方だとあまり良い答えは返ってこないと思われる。例えば「このプランで解決する範囲は?」とか「○○の要因(何か具体例)と比較して、プランはどの程度有効か?」といった聞き方の方が、望ましい方向に持っていけるのではないか。

 否定側立論:スピーチとしては、良い。金銭的格差、地域格差の二本立てとなっているが、地域格差については、その存在を明言した資料が無いように感じた(発生過程Aの資料は、単に総合型地域スポーツクラブの数が(全国的に)不十分、とだけ言っているように聞こえた)。

 肯定側質疑:質問の方向性は良いが、相手の回答の後に「では、この問題は重要ではない、という事ですね」といった、自分の側だけに都合の良い結論を押し付けようとするのはNG。このような言われ方をすれば、相手は反発するだけなので。

 否定側第一反駁:解決性に対する反論は、良い。途中から(おそらく質疑への対応と思われるが)、デメリットの再説明のようになってしまったのは、時間がもったいなかった。

 肯定側第一反駁:メリットは良く守られていた。デメリットへの反論がダウトのみなのは、危険ではないか。

 否定側第二反駁:深刻性の説明がうまくできていなかったことが悔やまれる。最後はインパクト勝負になる展開だったので、ここでメリットを上回るインパクトを打ち出したかった。

 肯定側第二反駁:伸ばすべきポイントがきちんと押さえられており、好ましいスピーチだった。

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■J1-6(P vs. R)

・コミュニケーション点:肯定側19点/否定側18点

・判定:肯定側

・メリットの評価:

 削られはするが、残ると考えた。

 外部指導員については、いくつかの地域では問題解決に寄与すると思われるが、全国的に展開するのは難しそう、という肯定側分析が残る。解決性については、飯田市の実例などから、状態が改善する教員が皆無、という訳ではなさそう。ただし、部活動がなくなったとしても、かなりの程度他業務が入る可能性はあり、肯定側の主張を額面通りには取れないと感じた。

・デメリットの評価:

 ある程度残ると考える。

 発生過程について、プラン後に部活動がなくなれば、親の収入によらず、子どもに何かさせよう、という機運が高まる、という肯定側分析は、それなりに信ぴょう性はあるものの、資料があるわけではなく、それだけでデメリットを完全になくすとは考えづらい。

・結論:

 メリット・デメリットとも残るが、デメリットのインパクトは「文化的格差」という点に収斂した。この「文化的格差」が何を意味し、どの程度社会に深刻な影響を及ぼすのか、が不明なまま試合が推移した(「子供の将来を規定する」という主張はあったが、将来のどのような面を規定するのか、そのインパクトは何か、が明確でなかったと感じた)。対して肯定側のインパクトについては、国民の健康と生活を守る、という国家としての役割がある程度強調されているように感じ、国として取るべきアクションとしては、まずは労働者としての教員の健康を守ること、と考え、肯定側に投票。

・コメント:

 肯定側立論:読み方については、ほぼ理想的スピーチだった。アンケート等の要約的な資料が比較的多く、その点については、ジャッジによって好みが分かれると思われる(個人的には、調査型のディベートであれば、資料を原文通り忠実に引用すべき、という感覚を持つので、あまり好ましくないと考える)。

 否定側質疑:あまり核心に触れられずに終わってしまった感がある。特に重要性2点目の資料は、もう少し崩しに行きたかったところ。例えば「公務災害を認められた教員に部活動顧問が多い、という相関関係は示されているが、その原因が部活動である、という因果関係までは名言していないのでは」といったところまで踏み込めると良かった。

 否定側立論:スピーチは特に問題ないが、現状分析で人格形成の話をしているのに、最終的な深刻性が文化格差に着地しているのは若干の違和感を持った。

 肯定側質疑:発生過程に対する質疑の意図が分かりづらいと感じた。まずは、現状の地域クラブ等の活動が、部活動が存在することを前提に、それに付け加える形で行われていることを明確にし、そのような状況でもなお、収入が低い家の子供ですら25%は学校外活動を行っている、という事を明確にするような質疑をできると良かった。

 否定側第一反駁:ほぼ理想的な構成・スピーチだった。ただ、せっかく質疑でプランが読まれていないことを確認したにも関わらず、冒頭「プランを見てください」というのは、質疑との連携が取れていない印象を与えてしまう。

 肯定側第一反駁:メリット・デメリットともよく守られていたと感じるが、デメリットは2NRが上手く伸ばしてきた場合には、かなり残ってしまうリスクがあったかもしれない。

 否定側第二反駁:否定側立論、第一反駁の議論に比較的忠実に議論を展開していて好感が持てるが、1ARの議論に対しての反論、という観点では若干物足りないと感じた。また、インパクトの比較は、相手の重要性をどうして上回るか、という観点がやや希薄に感じた。

 肯定側第二反駁:やるべきことは一通りできていたと思う。

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■J1-7(S vs. U)

・コミュニケーション点:肯定側19点/否定側18点

・判定:肯定側

・メリットの評価:

 ある程度は残ると考える。ガイドライン等の現状施策については、その効果は保証されていないように見える(1AR反論により)。外部指導員については、ある程度の問題解決にはつながりそうだが、すべてを解決するとは考えられない(2NRの議論はNewとは取らなかった(1ARのレスポンスに対する反論と解釈できるため)が、この議論は、外部指導員が配置されている、という事を示すだけで、十分な数が確保できているか、問題を解決できているか、には言及していないように見えた)。

・デメリットの評価:

 リンクはある程度残ると考える。スポーツ・文化・芸術に関しては「する」「見る」「支える」という要素があることは分かったが、肯定側の言う通り、これらすべてが部活動を介してでなければ実現できないか、は疑問を感じた。とはいえ、肯定側も特に資料があるわけでもないので、ある程度は発生を認めるべきと考えた。

・結論:

 メリット・デメリットとも残るが、デメリットのインパクトが政策決定にあたり、どのように評価するべきなのかが理解できなかった(為末氏の言っていることは分かるが、スポーツや芸術が人にとって具体的にどう必要なのか、それが日本の政策として(肯定側の主張する教員の働き方の犠牲を黙認してまで)どのように正当化されるのか、が説明できないと感じ、肯定側に投票。

・コメント:

 肯定側立論:多く出てくる数値が極めて明確にフローに取れた。証拠資料の引用の仕方も簡潔で、良質な情報が密度高く盛り込まれていると感じた。

 否定側質疑:確認事項については、良い。一部(本来反駁で行うべき)自分の意見の主張になってしまっていて、質疑としては不適切な部分があった(「多くの教員は、長時間労働をしていても元気ですよね」といったところ)ので、改善要。

 否定側立論:文化的な側面に注目したのは興味深いが、発生過程はやはりもう少し説明が必要では、と感じた(例えば、否定側の主張する側面のうち、「見る」「支える」の部分だけなら、プロスポーツを視聴するだけでも可能ではないか、という疑問を感じてしまうので、そうした疑問に対する答えを用意しておきたい)。深刻性についても、スポーツ文化が衰えることにより、日本の国家としてどのような損失があるのか、の説明が具体的にできると良かった。

 肯定側質疑:内容的には悪くないが、一部やや強引な質疑があった。例えば、「オリンピックに出場するアスリートは、部活動出身でなく、クラブチーム出身が多いのでは?」という質問をするなら、何らかの根拠を持っておきたいところ(聞き方としては、例えばサッカーの五輪チームメンバーの出身クラブ・部活の割合などを持っていたら、「オリンピックのサッカー日本代表のメンバーで部活動出身の人の名前を挙げられますか?」などと質問をしてみる、といった方法が考えられる)。

 否定側第一反駁:議論の構成としては、フローが取りやすく、良い。内容については、もう少しバリエーションが欲しい(内因性に関する攻撃に終始してしまったので、解決性や重要性に対する攻撃も取り混ぜたいところ)。

 肯定側第一反駁:メリットの守りは必要十分で、良かった。デメリットについては、若干手薄になってしまった感がある。資料が出せないとしても、スポーツ・芸術活動に親しむきっかけになり得る部活動以外のイベント例(プロスポーツ視聴や、学校の授業など)を示したり、深刻性と重要性の比較を1AR段階から出す、といったことはできたと思う。

 否定側第二反駁:せっかく1NRが多くの反論を出しているので、メリットの議論をもっと幅広く伸ばせると良かった。デメリットの伸ばしは良いが、結局メリットを上回るのか、という部分の説明がもう少し欲しかった。

 肯定側第二反駁:デメリットのリンク部分の説明はよくできていた。最終的なメリットとの比較部分があまり印象に残らなかった感があるので、そこは工夫の必要があるかもしれない。

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■J1-8(V vs. X)

・コミュニケーション点:肯定側-点/否定側-点

・判定:-

・メリットの評価:

 

・デメリットの評価:

 

・結論:

 

・コメント:

 システムトラブルのため、YouTubeライブでの配信無し。

…次回へ続きます。



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