本山よろずや本舗さんのサイトより
http://homepage2.nifty.com/motoyama/index.htm
<転載開始>
 今回は、11月7日の記事「金融のウソ」の続編です。
 前回同様『もしや! 「恐慌」に備えて「今」やっておくべきこと』(アスカ)から抜粋して紹介させていただきます。
 日本の財政破綻が起こる理由とその時期、そして具体的にどのようなことが起こるか、そして対処はどうすればよいかといったことを紹介したいと思います。

 私の印象では、この本の3人の著者らは、吉田繁治さんを情報源としているのではないかと思えます。というのも私は現在、吉田繁治さん本やメルマガで経済・金融の勉強をしているのですが、3人の著者らの意見がほとんど吉田繁治さんの主張と同じだからです。たぶんこれは間違っていないと思います。
 私は、そろそろ世界の金融で大きな動きがでてくるのではないかと考えています。早ければ来年の春頃から日本国債の金利が動き始めるのではないかと予想しています(といってもいきなり金利が2%を超えるというわけではなく、あくまでも予兆です)。そんな折、そろそろ吉田繁治さんの主張を紹介しようと思っていたので、渡りに船となりました。

 まずそもそも、なぜ日本は財政破綻するのかという話です。

 ・・・<『もしや! 「恐慌」に備えて「今」やっておくべきこと』、p164~p175から抜粋開始>・・・

 ◆日本は政治で破綻する

 世界は不動産バブルや行き過ぎたデリバティブ、CDSなどで財政破綻するのですが、日本は単純に政治によって破綻します。

 今、日本の国債はどうなっているのかを説明します。1989年ころから国債発行は増え続けて、当時の3倍にまで膨れ上がっています。今や日本は元本どころか数%の金利すら支払えないほど借金が増えてしまいました。
 一般的に新聞やニュースなどで取り上げられるのが、国債の増発つまり新規発行です。新規発行というのは単純に税金で足りない部分です。この国債の新規発行は1年に50兆円程度です。税収が約40兆円ですから、今の日本を運営するには税収の2倍以上のお金が必要という事になります。

 普通に知られているのはここまでですが、よく考えてみてください。今まで発行してきた国債、日本が保有している国債はずっとそのままなのでしょうか。そうではありません。発行済みの国債は毎月、償還つまりお金で返さなければなりません。
 満期がくる国債は毎年110兆円程度です。つまり毎年、合計で160兆円分の国債を誰かに買ってもらわなければならないのです。今までは満期が来た国債を各金融機関や保険会社が借り換えをしてくれていました。ですから、政府としては新規の50兆円を買ってくれるところを探すだけで良かったのです。

 ところが、GDPが伸びない事と高齢化によって借り換えがすんなりできなくなってきました。頼みの綱の郵便貯金とJAはすでに、国債は買いではなく「売り」の状況です。高齢化でお金を預金する人よりもお金を引き出す人のほうが多くなってしまったからです。
 頼みの綱のお金をたくさん持っている日本の3大メガバンクは、買い手ではなく長期国債、短期国債の売り手になっています。そろそろ「ヤバイ」というのがわかっているからでしょう。今は地方銀行や、保険会社が国債を買い支えていますが、そろそろ限界のようです。
 もう誰も買ってくれないので、今は日銀が買っています。本来的な意味でいえば、日銀が買った時点で日本はすでにデフォルトしているとも言えます。

 この国債が売れ残った時に、日本の破綻は秒読みに入ります。国債を金融機関や保険会社が買えなかった場合には、金利を高くして売る事になります。
 しかし、金利を上げるという事は、国が支払う利息も大きくなります。もし4%になった場合には、金利の支払いだけで日本の税収40兆円は全て吹き飛びます。今度はこの足りなくなった税収分も国債で賄わなければなりません。
 ですから今度は、足りない税収40兆円を追加し、償還分も含めて毎年200兆円の国債を売らなければなりません。金融機関や保険会社もこういう事態になった場合、もう追加で国債を買うとは思えません。国債はまた売れ残ります。これがどんどん雪だるま式に増えていき、最終的な国家破産になります。

 ◆日本の財政破綻を救うにはいくらのお金が必要なのか

 今、日本国民が払っている税金は一人あたり年間30万円くらいです。そして、毎年足りない税金は50兆円、国民一人あたり年間40万円くらいです。ですから、日本という国を運営するには、税金はひとり70万円くらいかかるという事です。
 また、年金の支払いに必要なお金も計算しなければなりません。年金の支払いは年間50兆円くらいですから、さらにひとり40万円が必要という事になります。
 これらを合計すると日本で生活するために必要なお金は、老人や赤ちゃんも含めて、ひとり110万円となります。つまり4人家族なら毎年440万円を支払えない世帯の人は、そもそも日本に住む資格がありません。

 また、440万円支払っても日本の借金が減るわけではありません。単に現状維持するために必要なお金が440万円なのです。現状維持するだけで、これほどのお金が必要なのは異常な事です。
 とはいえ、私たち日本人が選んだ政治家が使ってしまった1000兆円です。この責任は私たちにあります。この1000兆円を返済するには、国民一人あたり約800万円です。4人家族で3200万円ほど支払えば日本は借金地獄から逃れられます。

 重要な話なのですが、借金は必ず誰かが支払わなければならないのです。私たちはどういう形であれ1000兆円を支払う事になります。
 バブルの後、銀行金利が下がりました。これは本来なら国民がもらえるお金です。しかし銀行を救うため国策で金利を下げ、下がった分は銀行の儲けになり銀行は立ち直りました。この銀行の金利分も実は国家への支払い、税金と同じなのです。お金は税金として支払うだけではないのです。
 またインフレで支払う事もできます。たとえば400%のインフレになれば、現在の貯金は1/4と同じ意味になります。財政破綻後はこういう形で日本国民は借金を返済する事になります。

 ◆お金が足りないなら紙幣を印刷すればいい?

 お金が足りないなら、お札(紙幣)を印刷すればいいと言う人がいます。
 あまり金融に詳しくない人が言っているなら、まだしょうがないなと思うのですが、評論家の人だったりするから不思議です。本気で言っているのでしょうか。

 確かに短期的にはお札を印刷する事によって資金ショートを避けられますが、それをずっと続けるわけにはいきません。
 また、お札を印刷する事で全てが解決するならば、今回の件だけに関わらず、国民の税金をゼロにして毎年、国家予算分の紙幣を印刷すれば良い事になります。世界中でこれを行えば、誰も税金を支払わなくていい世界が訪れます。税務署もいらなくなりますから人件費の削減にもなります。
 景気を良くするのも簡単です。遊び人の会社の社長に、このお金を使って遊んで下さいとお札を刷って渡すだけで、景気は良くなります。
 何かおかしいと思いませんか。「お金」というものは「信用」の裏付けがあるから通用するのです。ギリシャやスペインの問題もお札を刷って解決するならば、既に解決済みになっていてもおかしくありませんよね。

 また円安にするためにお札を印刷すればいいと言う人もいます。
 お札を印刷すると貨幣価値が下がりますから、確かに「最終的には」円安になります。円安になると日本のように海外からの輸入が多い国は物価高、インフレになります。インフレになるという事は超低金利の日本国債を持っている人にとっては逆ぎやになります。ですから、国債は金利を上げないと売れなくなります。国債の金利が上がるとどうなるかは前述した通りです。

 ソ連が崩壊した主な原因は、民族間の問題もありますが、経済的な問題、つまり赤字財政を解消するために、ルーブル札を大量に刷って埋めた事が大きいと思います。
 結果としてハイパーインフレが起こり、1年間で物価が70倍になりました。600円のランチが4万2000円です。これではさすがに国民も怒ります。お札を刷るという事は水増しなんです。だからルーブルは大幅に安くなりました。

 先ほど、お札を印刷すると「最終的には」円安になりますと書きました。なぜ最終的にはと書いたかというと、日銀はお札を印刷し、国債を買います。
 しかし、市中にお金は出回らないため景気は変わりませんし、円安にもなりません。そこで、さらにお札を刷り続けます。そしてある時点で突然、ダムが決壊するように大幅な円安になります。そして、急激なインフレが襲ってきます。これが一番恐いシナリオです。

 世界はつながっていると書きましたが、これは、お札を刷るという行為も同様です。
 全ての事は連鎖していくのです。
 お金が足りず国債を発行する→お札を刷って国債を買う→貨幣価値が下がりインフレになる→円安になる→インフレになるから国債の金利が上がる→金利も払えない状態になる→お金が足りず、さらにたくさんの国債を発行する。
 これがいつまでも続きます。金融を考えるうえでこういう連鎖をイメージする事が必要です。

 ◆円安にするため、日本は積極的に円高に介入するべき?

 アメリカ、FRBのバーナンキ議長は、2014年まで「ゼロ金利と量的緩和を続ける」と言っています。どういう意味かというと、「金利はゼロにしてお札を刷り続けます」という事です。
 つまり日本が何をしても、しばらく円高が続きます。またアメリカの財政はますます悪化しています。いよいよ第3次量的媛和(QE3。3回目のお札の印刷)が行われ、さらに円高ドル安は進みます。多分、1ドル70円を割り込むでしょう。

 そこで、日本ではまた「円高介入」なんていう言葉が出てくると思います。
 円高介入とはアメリカの国債を買う事です。一度買ってしまったアメリカ国債は二度と売らせてもらえないと先ほど書きました。だから、円高介入という税金をドブに捨てる行為はもう止めて欲しいです。日本の税金がアメリカが新しく刷ったドルと交換される。つまり、日本人が働いた「お金」が、アメリカの印刷機からでてきた「紙」と交換されるだけなのです。
 ですから、日本がドル買いして円高介入しても、火事の時に水鉄砲で火を消しているようなものです。相手は紙を刷っているだけですから。
 結局、円高介入しても、しばらくするとまた為替が下がり、日本はまた大損です。
 円高が進むとアメリカに協調介入してくれとまたお願いすると思いますが、アメリカが助けてくれるはずもありません。アメリカはドル安になればなるほど海外から調達した借金がどんどん減っていきます(ドル建てのため)から大喜び。日本に味方するわけもありません。アメリカのドルは、これからもじわじわ下がり続けます。経常収支が赤字の国ですから毎年、継続的に下がっていくでしょう。
 1ドル360円の固定相場の頃から考えてみるともう1/4、1/5に下がっています。
 また、円高だから日本は助かっているという一面もあります。むしろ、円安になったら財政破綻が早まると思います。海外のファンドが日本国債を円高メリットで購入してくれているからです。ドルもダメ、ユーロもダメ。ならば円を買おうという事かもしれません。日本は円高なので為替で稼げます。もし1兆円分の日本国債を買って10%の円高になれば利益は1000億円です。
 2012年の財務大臣はひどい金融オンチで困りました。CDSが何なのかも知らない。野党に質問されても意味がわからず、官僚にどういう事か意味を聞いています。国民の代表が集まって国の方向性を決める国会で、こういう馬鹿げた質問するほうも問題ですが、基礎の金融の知識すら持っていない大臣にも困ります。こういう人が国家の金融政策の指示をするのですから本当に恐い話です。
 こんな人に金融を任せたら、国民のお金はいくらあっても足りません。結局2011年の「円売り・ドル買い介入」で8兆円も損をしました。大臣はさらに「その後も円安になったら断固たる措置」を取ると得意げに言っています。気づいてもいないみたいです。誰か彼を止めてください。国民のお金をドブに捨てる前に少しは勉強していただきたいと思います。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 では次に、大いに気になる日本が財政破綻する時期です。


 ・・・<『もしや! 「恐慌」に備えて「今」やっておくべきこと』、p160~p164から抜粋開始>・・・

 ◆日本の財政破綻はいつくるのか

 日本の財政破綻はいつくるのかという事をよく聞かれます。
 財政破綻はやってきますが、正確な時期はなんとも言えません。あくまで「勘」ですが、消費税の増税後しばらくしてでしょうか。政府もいろいろな手を使って延命を図ると思いますので、もう少し伸びるかもしれません。ただ地震とナマズの関係ではありませんが、財政破綻前には予兆があります。

 税金から推測すると

 政府の打開策である消費税を考えてみます。
 まず言える事は、消費税では日本のトータルでの税収はアップしません。
 1997年に当時の橋本内閣が消費税を3%から5%へ引き上げました。しかしもくろみははずれ、トータルで税収はアップしませんでした。消費税分の税金は増えましたが、所得税や法人税の落ち込みがそれ以上になり、結果的に税収が下がったのです。
 もう決まってしまったので今更とやかく言う気はありませんが、GDPが下がっている時に増税するのは間違いなのです。消費税の増税前の駆け込み購入により増税前には瞬間的な特需が生まれます。そして、消費税10%になったとたん国内消費は一気に冷え込みます。この時期が非常に危険です。
 野田総理は国民が社会福祉に対して、「将来不安を抱いているから消費が増えない」「消費税を10%に上げると、将来の社会保障に安心して消費は増える」「これが、日本経済のためになる」と言っています。
 地獄の閻魔様に舌を抜かれそうな答弁です。
 消費が増えるから経済が成長するわけではありません。経済が成長するから消費が増えるのです。ましてや、税金で消費が増えるなんていう事はまったくありません。

 政治から推測すると

 日本の財政破綻は、世界の政治にも左右されます。特に大きなものは戦争です。そろそろアメリカが戟争を引き起こす時期なので、これにも左右されます。戦争はアメリカの景気を良くする効果はありますが、財政面では赤字が膨らむだけなのでアメリカとしても決して得な選択ではありません。また、日本としても支援しなければなりません。小泉内閣の時には30兆円という巨額な支援をしました。今の日本の税収、40兆円で計算すると、税金の3/4を拠出する事になります。今の日本で30兆円の拠出は財政破綻のスタートになるでしょう。

 国債から推測すると

 財政破綻の時期に関しては、他国の財政破綻状態や予兆で「そろそろくる」という気配をつかめると思います。他国の状況で言えば、イタリアのデフォルト後、フランスかイギリスの前後くらいでしょうか。
 一番確実なのが、日本の国債金利が2%を超えたらそろそろ、3%になったら半年以内、4%になったら3ヵ月以内という感じです。日本がまだ財政破産しないのは、国債が低金利だからです。元本を返済しなくても、金利だけ支払っていればとりあえず問題ありません。先ほどのゾンビ証券と同じです。しかし国債が売れず、既存国債の金利すら支払えなくなったらおわり、つまり財政破綻となります。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 まとめると、まず危険な時期として消費税が10%に増税され、増税前の駆け込み需要が終って消費が一気に冷え込んだとき。次にアメリカが戦争を起こして、日本に多額の戦争分担金を要求してきたとき(湾岸戦争のときのように、期限付きの増税が行われる可能性があります)。そして一番確実な指標が、国債金利が2%を超えたときです。3%になったら半年以内、4%になったら3ヵ月以内というのは、指針になります。
 では、財政破綻が起こると、どんなことが起こるかです。


 ・・・<『もしや! 「恐慌」に備えて「今」やっておくべきこと』、p175~p184から抜粋開始>・・・

 ◆財政破綻が起こると日本ではまずどんな事が起こるか

 私も含めて日本人は、今までのほほんと生きていたわけですから、「本日、財政が破綻しました」なんていうニュースが流れると、明日からどうしようという動揺が広がり、パニック状態になるかもしれません。
 財政破綻と言っても突然、生活ががらりと変わるわけではありませんが、心理的なショックで突発的な行動をとる人が多くなると思います。
 ですから破綻当初は、東日本大震災の時と同じような事が起こるのではないでしょうか。スーパーに物がなくなる。ガソリンがなくなる。銀行からお金を引き出す人が増える。ただその後しばらくすると、国民はみんなこの状態になれて平常に戻るでしょう。

 またインフレにしても突然、物価が上がるわけではありません。ですから、落ち着いて行動する事が必要です。今、世界中でお札を刷りまくっている割に、すごいインフレにはなっていませんよね。特に日本では円高とデフレのおかげでほとんど実感はないと思います。
 たとえば、100万円借金している人に100万円あげても、この人は使うお金がありません。借金に吸収されてしまいますよね。
 このようにお金が外に出回らないためなかなかインフレにはなりません。ただ海外から輸入している物に関しては、急速な円安になりますから価格上昇は早いでしょう。日本国内は一年ほど経ったあたりから毎月じりじりと物価が上がりはじめると思います。
 こういう話をするとすぐに「10倍以上のインフレ、ハイパーインフレがくる。大変だ」と騒ぐ人もいますが、日本は、ハイパーインフレにはならないと思います。日本は負債が多い反面、資産も多いです(とはいえ売れない物も多いですが)。国債にしても外国と違い、海外資金にあまり頼っていません。ですからハイパーインフレになる可能性は低いでしょう。為替も1ドル200円くらいの円安あたりで止まるのではないかと思います。ただ、財政破綻しないようにムリして長期間ガンバリ続けるとその分、インフレが強まり危険な状態、悪性インフレになる可能性もあります。
 財政破綻した北海道の夕張では、消防や病院などの緊急施設を除き、市の職員が3年間で半減、給与は30%がカットされました。これがひとつのモデルパターンですね。国の場合には、公務員が半減とはならないでしょうが、1/3か1/4はカットされるでしょう。日本の公務員は表向き、他国と比べてそんなに多くはありませんが、国の関連機関に勤めている人が多い事と給与が高いため、公務員の給与支払額は年間40兆円(※)といわれています。日本の税収とほぼ同じです。
 (※)内閣官房行政改革推進事務局(2011年6月22日廃止。行政改革推進本部へ移行) の発表では40兆円。しかし財務省が発表している報告では、国家公務員を含む国が負担する人件費は7.5兆円。地方公務員給与22兆円(退職金手当、年金他含まず)。となっている。どちらが正しいのかは不明。

 ◆財政破綻するのはいつか?

 前にも書きましたが、財政破綻しましたというニュースが流れる事はありません。ですから、破綻したかどうかは自分の「肌」で感じて行動すべきだと思います。

 まず簡単に言うと、国債が売れないという事がイコール財政破綻です。
 国は毎年、予算を立てていますが、財政破綻すると予算通りに実行する事ができなくなります。先ほども書きましたが、国債は新規発行以外にも、過去の分の満期がやってきます。金額はだいたい毎月10兆円弱です。国債はずっと増発し続けていますから、満期になる国債の金額はだんだん増えていきます。この満期になる時に国債が売れないとそろそろおわり、つまりデフォルトが近いと言えます。当初は日銀が買い支えるでしょうが、いつかは限界がきます。

 では、国債が売れない場合にはどうなるかというと、単純に国がお金を支払ってくれない事になります。年金や公務員の給与、公共事業のお金が期日になっても振り込まれてこないという事です。会社の倒産も同じですよね。
 とはいえ、実際に給与などが支払えない事は、国債が売れなかった時点で予測がつきます。国債が売れ残った時、「札割れ」と言うのですが、国としてはなんとか国債が売らなければならない。ゆえに将来の事はさておいて、金利を上げてでも売ろうとします。資金繰りに窮した企業が高金利で借金をするのと同じです。
 国債の金利が4%になったら金利の支払いだけで財政破綻になってしまいますから、金利が3%を超えた時が財政破綻の秒読みに突入と思ってください。
 いずれにせよ、国は負けを認めませんからいつが破綻した日かというのはナンセンスな話かもしれません。ギリシャやスペインでさえ破綻を認めていません。

 ◆預金封鎖は起こるのか?

 預金封鎖されると言う人もいます。ですが、私はこういう事は起こらないと思います。
 かつての、預金封鎖はその後に予定されていた財産税の布石のために行われました。1946年に行われた預金封鎖や、財産税の徴収はGHQの指導下で行われたようです。
 ですから、天皇や皇族からも徴収しました。しかし、今の日本で天皇の財産を差し押さえできる根性のある人はいないですよね。
 また、預金封鎖しなくても、その後のインフレで国民の財産は大幅に減りますから、実際には同じ事です。むしろ、お金をおろそうとして銀行に人が殺到する事のほうが問題です。

 ◆デフレ経済脱却のためインフレターゲットを設定すべきか

 もし、デフレ経済から日本が脱却しインフレになってしまったら日本はスグに破産してしまいます。インフレは単に国家破綻を早めるだけです。
 たとえば、インフレが3%になると、日本の借金1000兆円は1%の金利を引くと2%目減りする事になります。2%は20兆円です。ところが、国債を買う人から考えると1%の金利しかない国債を買うとインフレになった分を差し引いて毎年2%損をする事になります。つまりマイナスです。
 買えば買うほど損をする国債を買う人はいません。誰も国債を買わなくなりますから日本は早期にキャッシュアウト、財政破綻してしまいます。

 極端な話ですが、物価が5倍程度のインフレになれば、負債も1/5になりますからインフレターゲットもあながち間違いでもありません。
 また、インフレターゲットを目指しても国債の金利を上げなければ良いという人がいます。これはひどい勘違いなのですが、国債も株式と同じなんです。株も額面、たとえば500円と株券に書いてあるのは便宜的なものです。株の価格は証券取引所で決まりますよね。国債も同じなんです。国債の価格や金利は、国や銀行ではなく、金融市場で決まるのです。だから、国債を内々で売っている場合には価格や金利をコントロールできるかもしれませんが、国債が売れなくて市場に出てしまった場合には、国債の金利を政府が決める、なんていう事はできないのです。

 問題提起として、なぜデフレはダメなのでしょうか。何か財政破綻の原因がデフレの責任にされているような気がします。
 インフレになればどうにかなる、というのはまったくの幻想です。
 デフレとは今お金を持っている人は何もしなくてもお金が増える事です。お金を持っていない人にとっても物価が安くなります。このデフレの何が悪いのか。国内の商品価格の低下はデフレのせいではなく価格競争のためです。問題なのはデフレではなく、企業数の減少と高齢化による経済の低迷なのです。

 ◆財政破綻まで、日本はどういう経緯をたどるか

 財政破綻まで、日本はどういう経緯をたどっていくかをシミュレーションしてみます。
 最初に起こるのは国債が売れ残り、札割れします。そのため、お札をたくさん刷ります。お札を刷るという事は水増しですから、世界的な信用が低くなり、円安に向かいます。その後も何回かお札を刷ります。それでもまだお金が足りない。この時に国債金利が上がります。金利を上げないと売れないからです。これが財政破綻のスタートです。
 日本の動向をじっと見守っていた世界中のヘッジファンドが、一気に円国債の売り越し、証拠金の数倍のレバレッジでの空売り、30倍以上のレバレッジで先物売り、とにかく日本の国債を売りまくります。日本は必死に買い支えます。力比べです。日本国債が安くなれば彼らの勝ちです。勝てば巨万の富が生まれます。彼らも負けたら破産ですから必死です。国内ではインフレが進みます。毎月数%ずつインフレが進み、最終的には物価は4倍程度でしょうか。為替相場は1ドル200円程度まで安くなります。

 日本の国債はみんな日本人、日本の企業が持っているという神話は、数年前までの話ですと前述しました。今は、日本の短期国債を外人もだいぶ買っています。多分、タイミングを見ているんだと思います。
 もし、私がヘッジファンドならどうするかというと、まず日本の国債にそーっとCDSをかけます。売りを仕掛ける前ならCDSの利率は低いです。これは日本がデフォルトした時にお金をもらうためです。
 そして、日本の国債が札割れというシグナルが出たら何十倍もレバレッジをかけて先物売り空売りを浴びせます。他のヘッジファンドも私が勝てると思ったら追従してくるでしょう。日本のメガバンクも売りに回るかもしれません。日銀もお札をバンバン刷って応戦します。しかし、30倍のレバレッジなら10兆円で300兆円の売りです。さすがに300兆円は印刷できない。
 私は日本を財政破綻させたおかげで巨万の富が入ってきます。金融は相手が消滅しない限り、誰かの損は誰かの得です。日本は国だから消滅はしません。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 では、日本の財政破綻に備えて、どんな準備をしておくかです。


 ・・・<『もしや! 「恐慌」に備えて「今」やっておくべきこと』、p184~p191から抜粋開始>・・・

 ◆財政破綻の前にやっておく事

 財政破綻の前にやっておいたほうがよいのは、お金の価値が大幅に下がる前に「物」を買っておく事です。インフレとは物の価値が上がり、お金の価値が下がる事です。お金をいかに物に変えておくかが重要です。

 ミニマムな話からしますと、欲しい物は全部買っておきます。海外旅行へも行っておきましょう。円高メリットで良い買い物ができると思います。
 財政破綻時の混乱で一時的にインフレになりますから、缶詰と米をたくさん買っておいたほうが良いでしょう。冗談で言っているのではありません。心理的な問題で、しばらくの間、供給が滞り物価は高騰します。スーパーからは商品が消えます。ガソリンなども同様です。なくなりそうな物を先に買っておいてネットオークションで売る人たちも出てくるかもしれません。

 さて、ここから先はあくまで私見です。今まで起こった事のない規模での世界恐慌です。何が起こるか正直検討もつきません。ですから、当たるも八卦当たらぬも八卦とお考え下さい。あくまで自己判断でお願いします。

 ・国内不動産
 不動産は微妙です。日本は人口が減っていますから、昔のように不動産が値上がりする事はあまりないと思います。ただ円安になった時に、外国企業が日本の土地を買いあさるという事があれば値上がりするかもしれません。
 もし、買うならば都内の一等地で「交通の便が良い場所」や人口が増えている地域、沖縄などはありかもしれません。とはいえ、売れない場合には自分が住んでも良いと思う場所にしておいたほうが無難だと思います。

 ・海外不動産
 海外不動産は円高のうちに買っておけば、円安になった時にメリットが大きいと思います。ただ、今回の世界恐慌はどの国が助かるという種類の物ではありませんから、だいぶリスクは大きいと思います。特に、ユーロやアメリカはまだ不動産の価格が下がり切っていませんので注意が必要です。

 ・外貨や金
 ユーロもダメ、ドルもダメ、円もダメという事になったらスイスフランでしょうか。貨幣でなければ金の現物でしょうか。ちなみに、金ならば金貨が良いと思います。いわゆる金の延べ棒は換金率が高いのですが、鑑定に時間がかかるのですぐに現金化できません。また、現金化した後にもインフレが進みますから換金率での手数料の差はすぐに吹き飛んでしまいます。

 ・外国製品
 商売をやっている人なら、円高のうちに外国製品をたくさん買っておいて財政破たん後に日本国内で販売するというのは良いかもしれません。かなりの円安になりますから海外の製品は今の何倍にもなるはずです。多少安くして販売しても儲かると思います。ただ、厳密に財政破綻がいつになるかはわかりませんので、長期間保管しても価値が落ちない物にしておかないと陳腐化してしまいます。

 ・
 乱高下しますからチャンスと言えばチャンスですが、かなりリスクは高くなります。私なら上がる株でなく下がる株を探します。

 ・預金
 現在の預金を多くの銀行に分散します。一日の銀行引き出し制限が行われた場合に困るからです。投資のチャンスを逃してしまうかもしれません。

 ・住宅ローン
 第一章では破綻後に固定金利も変動金利になると書きましたがこれは、あくまで予測ですので確定的ではありません。
 現在はどの銀行も最低金利ですから、固定金利にしておいたほうが安全です。

 政府はもう何もしないで欲しい

 バブル崩壊後に景気を良くするために政府は様々な景気刺激策を行いました。
 しかし、これらの景気刺激策のほとんどが不発におわりました。政府は、誰も欲しくないモノや施設、道路を景気刺激策という名の元にたくさん作ってきました。そして、そのほとんどが赤字や破綻です。結果、国民はお金を失うのです。彼らでは税金をいくら使っても景気は良くならないのです。そして、これからもダメでしょう。
 政府や行政は経営というものをわかっていません。ですから、民間が行う事に比べ非常に非効率であり、非収益的です。
 一番問題なのは、彼らの失敗は税金で賄われる事です。もちろん、責任は誰も取りません。日本の財政破綻には、彼らが失敗した景気刺激策で使ったお金も含まれています。

 グラフは日本の名目GDP(実質GDPだと政府の景気刺激策が見えにくくなるため)をグラフにしたものです。







 1997年からは下降していますよね。つまり、政府の景気刺激策は無意味だったという事です。
 ですから国民の税金を景気刺激策という名前で「遊ぶ」のはもう止めて欲しいと思います。規制や保証、介入などとにかくやることなすことお租末なものばかりです。
市場がいびつになり自由競争や自然な経済発展の妨げになるだけです。
 なぜこういう事をやりたがるのかと言うと、政治家のポーズという事もありますが、根底に政府や行政のほうが国民より頭がよい、我々は民のためにしてやっているのだという驕りと勘違いからきています。政府はもう何もしないで欲しい。行政は言われた事だけやって欲しい。よくわからないならば、景気や金融に関してはそっとしておいて欲しいと心の底から思います。

 きちんとした政治家を選ぼう

 世界恐慌にまで発展してしまうのは、私も含めて、日本人、世界の人の大きな問題です。
 たとえば、監督になって地元でサッカーチームを作る事になったとします。新聞で募集をかけたところサッカーをやった事がない人たちが100人集まりました。貴方は、この中から11人を選ばなければなりません。さて、どういう人を選びますか? 多分走らせてみて足の速い人とか、ボールを蹴らせてみて遠くまで飛ぶ人を選びますよね。サッカーをやった事がない人ばかりなら判断のしようがありません。
 政治家を選ぶというのも同じです。私たちは政治をやった事がない人を勘で選んで投票しています。
 日本の国を良くする政治家を選ばなければならないのに、地元に道路を作ってくれる人とか笑顔がすてきな人、元気のある人を選んできました。美し過ぎる政治家の人もいました。
 私たちは政治家を頭の良さとか知識の豊富さでは選ばなかった。世界でも同じ事が起こっています。自分が気に入った人、得させてくれる人を選んでしまっています。

 今更言ってもしょうがありませんが、今回の財政破綻を期にして政治家の選び方を変えなければならないと思います。
 政治家を責めるのは簡単ですが、こういう人を選んでしまった私たちの責任も大きいのです。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 衆議院が解散され、東京都知事選とともに12月16日が投票日となりました。
 この本の著者は、「政治家を責めるのは簡単ですが、こういう人を選んでしまった私たちの責任も大きいのです」と言いますが、その通りだと思います。今度こそ、国民の生活のために働いてくれる政治家を選びたいものです。

 最後に、財政破綻はけっして暗いものではなく、逆にチャンス到来ともいえるという話を紹介します。


 ・・・<『もしや! 「恐慌」に備えて「今」やっておくべきこと』、p213~p214から抜粋開始>・・・

 ◆チャンス到来~あとがきに代えて~

 財政破綻と言うと、ある種の暗さがあります。
 しかし、逆に考えればチャンスとも言えます。
 お金持ちとはどういう人でしょうか。今10万円しか持っていない人でも貧しい国に行けばお金持ちです。つまりお金持ちとは、単にお金をたくさん持っている人ではなく、周りの人よりお金を持っている人という事です。
 ですから今、お金をたくさん持っている人はなんとかして資産を守る事ができれば、周りの人がお金をなくしてしまった財政破綻後にチャンスがやってきます。株価は地の底に落ちるでしょう。もし、その時にお金を持っていれば大きな投資をする事ができます。

 恐慌はチャンスなのです。アメリカのウォール街で言われている格言に「資産家は恐慌時に生まれる」という言葉があるそうです。三菱、住友、三井、安田など財閥が力をつけたのは1929年のアメリカ発の大恐慌、いわゆるブラック・マンデーがスタートです。
 また、戦中戦後に、富裕層から土地を安値で買い集め一時代を築いた西武グループの堤康次郎や東急グループの五島慶大の例もあります。ジョセフ・ケネディやロックフェラーが資産家になれたのも、恐慌をうまく利用したからだと言われています。周りの人がお金を持っていない時にお金を持っているというのが儲けるチャンスなのです。ですから、まず時がくるまで資産を目減りさせない事が大切です。
 また、お金持ちではない人はそもそも今回の財政破綻での被害はあまりないでしょう。お金持ちとの差はぐっと縮まります。今回の財政破綻で大逆転する事ができるかもしれません。
 中小企業の経営者ならば、今まで勝負にならなかった大きな企業と対等に戦う事ができるかもしれません。

 そう考えると今回の財政破綻や世界恐慌にわくわくしてきませんか。貴方の判断で、貴方の人生が大きく変わるチャンスなのです。
 本書がなぜ他の破綻や恐慌の本と異なり、金融の基本的な話ばかりしてきたかというと、貴方にこれからやってくるチャンスをつかんでもらいたかったからです。

 さぁ、破綻で夢をつかみましょう!

 ・・・<抜粋終了>・・・


 日本の財政破綻が破滅的なイメージを持つのは、つくられた幻想ともいえます。
 私のような貧乏人は、元々失うものがないので被害はありません。むしろ金持ちが金を失うので、差が縮まるともいえます。国民に財政破綻が破滅的というイメージを持ってほしいのは、現在権力を持っている人たちです。彼らは、財政破綻が起きると権力を失ってしまいます(それゆえ少しでも財政破綻を先延ばししようと画策するでしょう)。

 財政破綻を期に、なにかに投資するというのも案外面白いかもしれません。



(2012年11月21日)
<転載終了>