本山よろず屋本舗さんのサイトより
http://homepage2.nifty.com/motoyama/index.htm
金融戦争の発火点はアメリカから日本に変更されたのでしょうね。
そのために年金をアメリカに貢いで延命させていたのでしょうか!?
<転載開始>
 年明け早々から株価(日経系金)の乱高下が止まりません。
 年初から3000円まで下がったかと思えば、1日でいきなり900円も上がったりして、異常なボラティリティ(変動幅)が続いています。
 先週末の29日は、日銀の黒田総裁がマイナス金利の導入を発表し、株は大きく上昇した後に一転して下落に転じ、さらに上昇するという目まぐるしい1日でした。こうした展開が続いているので、株をやっている人は気が気でないだろうと同情したくなります。

 私は以前から、世界的な金融大変動がそう遠くない将来にやってくると言っていました。
 ですから今回のこうした株価の大きな動きが、金融大変動の予兆だと見做していると思われるかもしれません。結論から先に言うと、(株価の暴落が世界的な金融大変動にきっかけになることは否定しませんが)、現在ではまだ起こっていないと考えています。
 では何が引き金になると考えているかといえば、それは金利(特に長期金利)の高騰です。
 それゆえ私は、株価と同時に、強い関心を持って金利の動向に注目しています。

 なぜ金利なのかですが、それを今回の記事のテーマにしたいと思います。

 私は以前から、金融大変動起こったら、世界はどのようになっていくのか考えていました。
 それに対する重要な示唆を与えてくれたのが、吉田繁治さんのメルマガと一連の著作です。今回は吉田繁治さんの『膨張する金融資産のパラドックス』(ビジネス社)から引用して紹介させていただきます。

 そもそもこれから起こるであろう金融危機の本質は何かです。
 なぜ危機が起こるのか。
 どこに危機があるのかです。

 その答えを探すには、2008年9月のリーマンブラザーズの倒産から始まるリーマンショックから見なければならないと考えています。
 当時のFRB議長であったグリ-ンスパン氏は、リーマンショックを「100年に1度危機」と表現しました。
 しかし吉田繁治さんは、この「100年に1度危機」という表現は間違っているといいます。
 その理由ですが、グリ-ンスパン氏は1929年のNYダウ大暴落から始まった世界大恐慌を想定したのだろうが、当時は21世紀型の金融であるデリバティブは存在していなかったからだといいます。
 ・・・<『膨張する金融資産のパラドックス』、p78~p80から抜粋開始>・・・

 [ファンドマネジャーの心理的なパニックから生まれたデリバティブの崩壊]

 2008年のデリバティブ証券の全面崩壊は、担当マネジャーのパニック心理が引き起こしたものです。原因は、額面価格はあっても原資産に対するどんな権利(または義務)が組み込まれているのか、買っていた人が判断できなかったことです。中身がわからない証券を、”お手盛り”の格付けで、顧客に信用させたのは格付け機関でした。その罪は大きい。
 リーマン・ブラザーズはMBS(不動産ローン担保証券)の下落と、保証を引き受けていたCDS(債務保証保険)の高騰で約2週間で資金不足になり、つぶれました。
 政府がリーマンをつぶした理由は、他への影響が比較的、小さかったからです。影響が大きかった世界最大の保険会社AIGと商業銀行バンク・オブ・アメリカは救済しています。
 政府とFRBが支援資金を提供しなかったら、米国の大手銀行はすべてが連鎖してつぶれたでしょう。預金取付けが起こり、銀行は閉鎖になる信用恐慌から実体経済も1929~33年のような恐慌に至っていたでしょう。
 米国のみならず世界の金融機関は相互に、深い貸し借りで結ばれています。A銀行が破産して負債の決済ができないと、A銀行に短期資金を貸しているB銀行も倒産します。
 金融機関は、借主の利払いの遅延や債務不履行で倒産することはありません。金融ムラの同僚である銀行の支払い不能とコールローンの引揚げから連鎖倒産します。金融機関の連鎖倒産によって起こる信用恐慌とは、金融機関の自己資本をはるかに超える損失によって、流通するマネー量が急減することです。

 [誤っていたグリーンスパンの想定]

 元FRB議長のグリーンスパンは前述のように「100年に1度の危機」と言いました。彼が想定していたのは、1929年10月の株価暴落からの世界恐慌でした。
 グリーンスパンの想定は誤っていました。リーマン危機は29年にはなかったデリバティブ証券(2014年末は流通価値$20.8兆:2496兆円)が原因となったもので、金融機関にとって1000兆円以上の損失が瞬間に出た危機であり、21世紀型の金融危機だったからです。
 原因の本質は所得に対する金融資産・負債の過剰です。金融資産の過剰は、必ずどこかで借り手(世帯、企業、政府)の負債の過剰を生みます。リーマン危機のときは、FRBの資金供給$4兆(480兆円)によって、金融機関にある金融資産は守られました。
 つまりリーマン危機のときの金融資産と負債の過剰は、現在に持ち越され、続いています。金融資産が企業と世帯の合計所得であるGDPの増加より高い率で増え続けた場合、いずれ100%の確率で崩落します。金融資産・負債の増え方が名目GDPの増加率より大きく高い状態が続く国では、金融危機は”必然化”しています。
 所得に対し過剰な金融資産は過剰な負債です。利払いと返済ができず不良化する金融危機は100%の確率で起こるのです。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 金融危機の本質は、所得に対し過剰な負債です。
 リーマン危機のときは、これが表面化したといえます。しかしFRBは480兆円(1ドル120円)の紙幣を増刷して金融機関に投入し、危機に蓋(ふた)をすることに成功しました。
 大事なことは、危機は一時的には治まった形でしかなく、先送りされたということです。
 個人でいえば、自転車操業でなんとか資金繰りをしているという状態です。しかしそうしている限りは、借金は減ることはなく、徐々に膨れ上がっていくだけです。
 FRBはリーマンは潰したけれども、AIGやファニーメイ、フレディマックは公的資金を投入して救いました。これは民間の危機(負債)を公的なFRBが引き受けたことになります。つまり危機(負債)が、民間から政府に移されたということです。
 もし米国の名目GDPの成長率が、負債の増加率を超えていれば、危機は解消に向かうはずです。
 しかし現実は、逆となっています。
 だとすると、金融危機が起こるのは必然となります。


 ・・・<『膨張する金融資産のパラドックス』、p226~p228から抜粋開始>・・・

 [前回からほば10年後に再来する金融危機]

 2008年のリーマン危機後のように金融危機の後の経済が低い成長になるのは、危機を生んだ原因である「金融資産・負債」の大きさが、FRBのマネー増発により維持されているからです。リーマン危機のケースでは、推計1000兆円の蓋をされたバッドローンがブラックホールのように回復の足を引っ張り続けるからです。
 そしてほぼ10年で、”次の金融危機”に向かいます。ただしこの10年には、危機の促進と遅延の対策が打たれるので、8~12年の幅があります。
 1929年の米国発の大恐慌は銀行の危機、つまり発生した不良債権額に対して中央銀行のマネー供給が十分でなかったために起こっています。この教訓から株や債券の下落で銀行が危機になると、中央銀行によって負債性の通貨が増発されます。当面の危機は防がれます。しかしその後は、現在の日米欧のような低金利と低い経済成長になります。
 現在は、延長された危機です。現在の日米欧は、危機が先送りされた中にあります。
 中央銀行のマネー増発機能を使って先送りされている危機は、再び[金融資産=負債]が膨らみ続ける中でバブルを起こし、晴天が突然の嵐になったように起こります。

 ・・・(中略)・・・

 2008年のリーマン危機は、21紀の米国の第一次金融危機でした。その後の先進国における物価上昇を含む名目GDPの成長は、せいぜい2~3%でしかない。一方で[金融資産=負債]は年率6%くらいで増え続けています。10年で1.8倍に膨らみます。一方で利払いと返済の原資になる所得額つまり名目GDPは、10年で1.2倍から1.3倍にしかならない。
 この2つの動きから名目GDPに対する[金融資産=負債]は、10年後には、危機前の1.4倍から1.5倍に膨らみます。金融資産が名目GDPの5年分だったとすれば、10年後には7年分から7.5年分です。
 この債務比率の面で、名目GDPの6.8倍の金融資産=負債(2015年3月)がある日本が先頭を切っています。
 まず政府が、2.5%や3%という低い金利も払えなくなる。このとき政府は国債を増発し、中央銀行は利下げと量的緩和という通貨増発をします。その数年後に、物価の期待上昇率が上がり始めると期待金利が上がり、国債のデフォルトの危機に向かいます。
 10年後が危機にならない場合、ゼロ金利の中で[金融資産=負債]の増加が大きすぎるという矛盾は続くので、11年目あるいは12年目が危機になります。
 [金融資産=負債」が2.3倍になる15年目以内には、ほぼ100%の確率で金融危機、通貨危機、財政危機に向かうのです。
 金融危機、通貨危機、財政危機は同根です。危機は、物価上昇を含む名目GDPに対して金融資産が大きくなり過ぎたときに起こります。金融負債も大きくなり過ぎているからです。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 政府が紙幣を増刷して、金融危機を先延ばしする自転車操業が続けられるかどうかは、以下の不等式に掛かっています。

 (名目GDPの成長率)>(財政赤字の増加率)

 この不等式が成り立っている限り、危機は発生しません。
 政府が発行する国債が債務不履行(不渡り)になることはないからです。国債を買う人々が、利払いが滞ることもなく、満期になったら償還してくれると安心できるからです。
しかし先進国における名目GDPの成長は、せいぜい2~3%で、負債は6%で増え続けているといいます。
 つまり現実は、

 (名目GDPの成長率:2~3%)<(財政赤字の増加率:6%)

 になっているということです。
 これにより、金融危機が起こるのは避けられなくなります。

 そこで気になるのは、金融危機はいつ起こるのかです。
 その時期を知るための予兆はないかです。
 吉田さんによると、リーマン危機の予兆は1年前から起こっていたといいます。


 ・・・<『膨張する金融資産のパラドックス』、p350~p354から抜粋開始>・・・

 [1年前から見られたリーマン危機の先行現象]

 2008年9月のリーマン危機のときは最初、フランスの大手銀行BNPパリバのサブプライムローン関連の証券に買い手がつかないという「パリバショック」が起こりました。これが端緒でした。リーマン危機の1年前の07年8月でした。
 米国の住宅価格の下落が始まったのは、その1年前の06年からでした。日銀が量的緩和を停止し、ヘッジファンドがゼロ金利の円を借りてMBS(不動産ローン担保証券)を買っていたキャリートレードが急減した06年7月からだったのです。07年末からは、米国の中小住宅ローン会社の倒産(100社以上)が始まっていました。同時に、全米5位の大手投資銀行で、住宅ローン債券が多かったベアー・スターンズの経営が急速に悪化し、08年5月にJPモルガン・チェースに救済合併されています。
 危機の2カ月前の08年7月には、政府系住宅証券会社のファニーメイ、フレディマックが相次いで政府資金$2000億(24兆円)投入されて、国有化されています。そして9月15日がリーマン危機で、米国株の暴落でした。1年前から、株価の暴落とドル下落のサインは出ていたのです。
 大きく、しかも広範囲な危機のときは当初、損害が金融機関によって隠されます。損害額は小さいと宣伝されるのです。これは金融危機や財政危機につながるバブル崩壊に共通しています。日本への影響でも当時の経済財政政策担当の与謝野馨大臣は「蚊ほどの影響もない」と国会で答弁しています。
 リーマンの倒産前も特徴的でした。当時のCEOは倒産の2週間前に、4半期決算で最高の利益を上げ、財務基盤は盤石と発表していました。デリバティブ証券の損害が表面化していなかったからです。清算日まで利益や損失は、確定しません。そして金融ムラの店頭取引の相手が承諾すれば、損失が露わになる清算日のロール・オーバー延長も続けることができるからです。

 [隠される損失に惑わされるな]

 消滅したリーマン・ブラザーズを含み、金融機関は大きな損が露呈するまで「財務は健全」と言い続ける本性を持っています。財務とは資金繰りです。自行の損害は大きいとCEOが漏らせば、噂は驚く速さで広がり、取付けが起こって、銀行間ローンの借り換えも停止されるからです。
 金融機関は預金や銀行間ローンで低利の短期資金を借り、高い金利の長期の債券やローンに投資しています。1年以内の社債であるコマーシャル・ペーパー短期ローン短期債券で調達した資金を、長期のローンと債券に変えて、長短の金利差から利ザヤを取る「満期変換」が金融業の本質です。
 預金は払う金利が低い短期資金です。長期貸付は金利の高い長期資金です。金利の低い短期資金でマネーを集め、長期ローンや債券に変換して利ざやを利益にするのが銀行です。
 危機を公表すれば、リスクを感じた預金者から預金が引き出されるので、はっきり露呈するまで隠し続けます。これは粉飾というより、長短の資金の満期変換という金融事業の仕組みから来る本性です。
 公的な監督当局が「A銀行は危機」と漏らせば、即日に取付けが起こるので、ストレステストで見つかった大きな含み損も隠されます。自己資本を壊さない範囲の損だけを外部に出すのです。2012年の南欧債の危機のとき、実際にユーロであったことです。

 [デリバティブは金利上昇時に巨大なリスクになる]

 デリバティブでは相手が承諾すれば、清算の満期を延ばすロールオーバーができ、損失の先送りができます。
 そして多くはリーマン危機以降も、当局の配慮から時価会計の適用をのがれています。含み損があっても、所有者が見積もる粉飾の理論価格でいい。デリバティブの多くは権利や義務であり、清算日までオフ・バランス?(バランス・シートに載せないこと)にできるので関係者にもわからない。専門紙のメディアも書かないことです。大きな金融危機ほど、メディアの報道は遅れます。金融資産を守るためには、バブル崩壊の兆候となる現象を見過ごさないようにしなければならない。
 次回の金融危機はリーマン危機の後に、金融機関の不良債権が移転している国債バブルの崩壊です。これは3カ月前からの長期金利の異常な上昇でわかります。この異常さとは、中央銀行が利下げのために国債を買っても金利が反応せずに上がることです。
 米国と欧州の大手銀行の自己資本比率(自己資本/B/Sの資産・負債)はレポ取引でのレバレッジが大きいため、3~5%台ととても低い。一例を挙げるとドイツ最大のドイツ銀行は総資産・負債が1.95兆ユーロ(259兆円)ですが、自己資本はわずか779億ユーロ(10兆円)であり、株価評価を入れても、自己資本比率は3.8%です(14年12月:Yahoo Finance)。
 たとえば金利がドイツ銀行のポジションをはずれて1%上がった場合、240兆円の国債、債券、株、融資等の資産が5%下落して、含み損で債務超過になる弱さです。ドイツは国としては財政が黒字で財務が健全なのに、国際的な業務を行っている銀行部門は脆弱なのです。
 世界でもっとも生産台数が多いフォルクスワーゲンの排気ガスの偽装が明らかになっていますが、ドイツの銀行も低い自己資本比率という問題を抱えています。ドイツは国家の財政は健全ですが、民間企業部門には問題があります。
 米欧の銀行に多いデリバティブの本質は、利益も損も数倍から30倍に大きくするレバレッジの仕組みにあります。このため自行の金利予想が1%外れると、金利スワップ(想定元本6京650兆円)で[6京650兆円×1%=606兆円]の予期していない支払い義務が生じます。上がった金利の支払い義務を負う銀行が、瞬間に吹っ飛ぶ規模の決済額です。
 一般には知られていない金利スワップ(固定金利と変動金利を交換)はデリバティブ総残高(7京5610兆円)の80%を占めています。これが世界の金融に仕掛けられた時限爆弾になっているという現実を、本書の読者は知っておいてください。本書が国債の金利上昇の危険を、繰り返し述べている理由がここにあるのです。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 現在株価が乱高下していますが、仮に大暴落したとします。
 NYダウが6000ドルになったり、日経平均が1万円割れを起こしたとします。
 そうなると世界経済に大変な悪影響があることは間違いありませんが、そうだとしても金融システムが崩壊したわけではありません。
 大暴落した株価であっても株式市場が機能している限り、取り引きそのものは行われ続けるからです。

 私が予想している世界的な金融大変動とは、現在の金融システムそのものが崩壊するということです。多くの金融機関が倒産すると思います。それゆえ市場も一時的にしろ、マヒ状態になると考えています。

 吉田さんによれば、その予兆は「3カ月前からの長期金利の異常な上昇」でわかるといいます。
 なぜ長期金利の異常な上昇が起こるのか。
 それは、人々が国債の利払いと償還がちゃんと行われるか疑問を持つからです。国債の買い手が極端に減り、中央銀行が国債を買っても金利の上昇が止められなくなります。
 人々が国債に寄せる信用とは何か。
 それは、繰り返しますが、名目GDPの成長率が財政赤字の増加率を上回っているかどうかです。

 最後に日本のケースを見ています。
 以下が日本の不等式です。

 (名目GDPの成長率:0%)<(財政赤字の増加率:3.3%)

 日本政府の債務は1209兆円と、GDPの234%に達してしまいました。
 吉田さんによるとこのレベルでは、長期金利が3%台になると政府は債務不履行に陥り、予算を組めなくなってしまうといいます。
 債務不履行とは、国家破産のことです。
 現在日本政府が自転車操業を続けていられるのは、異常な低金利のおかげです。
 この異常な低金利をもって、日本国債の信用の現れだという人がいます。それは本質を見誤った考えだと私は思います。
 膨大に膨れ上がった債務ゆえに、今の異常な低金利でないと国は予算が組めないのです。それゆえ国はあらゆる手を使って低金利を維持しようと必死なのです。
 つまり人々が日本国債を信用しているから低金利なのではありません。国の政策によって、無理やり低金利を維持しているのです。しかしながら、そうした自転車操業が未来永劫続くはずがありません。

 人々が国債に対して疑問を抱いたとき・・・、それが予兆だと言えます。


(2016年1月31日)

<転載終了>