心に青雲さんのサイトより
http://kokoroniseiun.seesaa.net/article/441831855.html
<転載開始>
《1》
 これは毎日新聞9月6日付夕刊のトップ記事である。
     *     *

《台風 風速15%増 東アジア上陸37年分調査 海面水温が上昇》
 2013年までの過去37年間で、日本を含む東アジアの国々に上陸する台風のピーク時の風速が15%増したことが分かったと、米カリフォルニア大サンディエゴ校などのチームが5日付の英科学誌ネイチャージオサイエンス電子版に発表した。

 沿岸で海面水温の上昇が観測されており、台風に供給されるエネルギー源が増え、発達しやすくなったとみられる。
 今後も地球温暖化に伴って海面水温は高くなると予測されており、チームは「日本や中国、台湾、韓国を直撃する台風はさらに激しさを増すかもしれない」と警告している。

 チームは、米軍合同台風警報センターと日本の気象庁のデータを使い、1977年以降に発生した台風の進路や強さを分析した。
 この結果、フィリピン東方で発生した後、北方向に移動した台風のうち、75%が中国や日本などに上陸したことが分かった。台風ごとのピーク時の風速は77年から13年の間に年平均で15%増加した。米国の基準で最も強い「カテゴリー5」や2番目の「カテゴリー4」に分類される非常に強い台風の数も4倍近くに増えた。
 一方、東アジア沿岸の海面水温は10年当たり0・3度前後のペースで上昇した。
  (引用おわり)

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 わかったようでわからない記事だ。
 毎日新聞の科学部の記者は、アメリカ人の言うことだから確かだろうと、ただ鵜呑みにしている。アメリカの科学者ほど信用ならない連中はない。だいいち月面着陸なんか出来ないのに、いまだにやったことにしている。
 それに、アホだから地球は温暖化していると牢固に思いこんでいるから、「もしかしたら政治的発表か?」と疑いもしない。この問題は本稿の3回目4回目に論述する。

 今回と明日は科学の視点から考えたい。
 台風のピーク時の風速が、37年間に15%上昇したとは、いかなることか。そもそも日本だけではなく、支那その他の国がとったデータが正しいのか? データを信じるとすればだが…。もし支那人なんかに計測させたら真面目にデータをとって研究しようなどとは思うまい。人様の研究を盗むことしか考えないのだから。

 気象観測機器があっても、仕事はいい加減だろうし、その機器が金目のものなら勝手に持ち帰ってしまうのが日本以外の東アジアの国々、支那人や朝鮮人なのだから、データが当てになるのか、と問うべきである。まあ今回は信用できそうな、米軍と日本のデータをもとにしたと言っているようだが、米兵なんかあてになるの?

 ピーク時の風速はいったいどうやって測ったのか。
 ピーク時と言っても、風は早くなったり強くなったり、刻一刻変化のただ中にある。ややこしい言い方になるが、風速20メートルが10分続いた場合と、風速18メートルが30分続いた場合とでは、どっちがどうなの? それでも瞬間最大風速(?)だけを基準にして、「以てこれこそが科学でござい」と言えるのか?

 アメリカの研究者のおバカなところは、弁証法的な考えがまったくできていないことだ。ピーク時だけ比べました、とは呆れてものも言えない。みなさんはこの「ピーク時」が理解できましたか? ピーク時という「言葉」はあるが、その実態はなんなの? 像が描けます?
 まだある。わずか37年間の統計なのである。気候は周期的に変動することがある。何がいいたいかと言えば、この37年間は海水温度が上昇しているかもしれなくとも、また下降する可能性はあるということである。

 同じような例としていえば、遠くの星を見て、その距離が地球から離れていくように観測でき、正確に測れたとして、せいぜいこの50年くらいしかデータはないはずだ。宇宙の動きが、たった50年や100年で何か結論づけられるのか? 星が遠ざかっているとしても、どの星も楕円運動をしているのだから、何百年か何千年かしたらまた近づいてくると考えるべきなのだ。

 ところが地球から遠ざかっている星を発見すると、「すわ、これぞ宇宙が膨張している証拠」と騒ぎたてるのだから、間抜けである。

 一番、気象研究者がわかっていないのは、台風は地球上で発生する出来事であることだ。そんなの分かっているに決まっている、と言わないでほしい。地球上の現象であるとは、地球が生物に覆われ、生物といわば一体化した論理構造を持っている実在だ、ということである。

 平たく言えば、台風だって生命現象の一環なのだとわかっていなければならないのだ。地球では物理現象と生命現象の二重構造になっている。火星や金星なら生命体がないから、物理現象だけの一重構造だ。
 したがって、台風の予想進路をとってみても、地球の物理現象だけで見てはいけない。これまでは、それでも通用して、だいたい予想はできているのだけれども…。生命体との関係を踏まえて、二重構造で進路は予想しなければ不十分なのである。実例は明日述べる。

 そも、なぜ熱帯の海上に台風は発生し、大きく渦を巻きながら移動するものなのか、である。気象研究者たちは、海水温が高くて、海流が流れていて、コリオリの力が働いて、偏西風に乗り、高気圧は避けて…と、いうなれば純気象現象というか、地球物理学の観点からしか見ていない。

 しかも地球物理の観点でしか見ないのに、磁場の問題は無視だ。磁場は渦巻き状に発生する。宇宙全体が磁場であるから、天体は渦巻き運動をしている。それをなんらかの理由で乱すときに、一番強いところに磁場が「現れる」のだ。それご覧ナ、台風も渦を巻くではないか。こうした観点からも台風は究明されるべきであろう。
 だから「弁証法がない」、と言わざるを得ない。
 磁場に関しては、10月15日ごろにもう少し踏み込んで書きたい。

 台風が起きる、大海がある、大気がある、雨が降る、風が吹く、海流が生じる、これらは地球の勝手な、生物を置き去りにした運動なのではなくて、生命体と相互規定的かつ相互浸透的なつながりを続けている関係性で存在する。地震もしかりである。

 実際、台風は陸地では植物や動物にぶつかって弱まるではないか。それを物理的にしか見なくて、台風の本質が解明できようか。
 それをまったく忘れているのに、やれ地球温暖化などと騒ぐときだけ、人間が地球を汚しているなどと騒ぐのだ。

 アメリカ研究者のおかしなところはまだある。
 風速はどこで、どんな条件でそれぞれ測ったのか、が考慮の外になっている。まあ海上で測ったのではなかろうから、陸上で測ったのなら、陸上には山頂もあり、街中もあり、谷間もあり、平地もあり、である。観測器の設置場所がどんな場所かによって、風速も風力も変化するのである。

 風は陸上の物にぶつかりながら、すり抜けながら吹いている。それによって、減速したり加速したりするのだ。海の側で測った場合と、ずっと内陸で測った場合は、きっと違うのである。 
 だから風速は、風洞実験みたいな訳にはいかない。それなのに、アメリカのアホどもは、東アジアではみんな同じ条件のはずだと決めつけている。


台風の謎と地球温暖化(2/4)


《2》
 前回、「台風は生命現象の一環だ」と書いておいたので、それを今回はいわば実例で説いてみたい。
 以下は、私の空手道場の弟子に向けて講義をしたものである。当時は今年の台風10号と12号しか来ていなかったので、この2つの台風の進路を説いたが、その後9月7~8日ごろに来た台風13号と直近の18号についても付け加えておいた。
 
 ■   ■

 台風の進路(軌跡)について話しておきたい。
 まだ記憶に新しいと思うので、10号と12号の進んだ軌跡を思い出してほしい。
 まず12号は、九州の南方から近づき、鹿児島県の西(薩摩半島)に接近した。この段階で気象庁の予報は、鹿児島県か熊本県に上陸し、四国に再上陸して関西方面に行くと「予報円」を書いていた。
 しかし、私はきっと九州西岸に沿って海上を北上すると予測した。

 次に鹿児島県の真西に来ると、気象庁は熊本に上陸の恐れ、と発表した。私は熊本県には上陸しないで北上すると見立てた。だが、台風の進路前方には、長崎半島と五島列島がある。おそらくここにぶつかって台風は進路を変え、北東方向に進むと見た。

 その先は、山口県はかすめるかもしれないが、気象庁の予測のように中国地方を進むとは考えられなかった。日本海に抜けて(対馬には向かわず)温帯低気圧に変わるはずだった。
 この「台風上陸」と言っているのは、あくまで中心(目)のことで、気象庁も目を「上陸」するかどうかの判断にしているようだ。

 これはどういう根拠で言っているのかわからない。目が陸地にかかるかどうかよりも、実態としては強風圏や大雨圏はとっくに「上陸」して、各地に被害をもたらしているのに、「いまさら上陸」はないだろうと思う。 
 昔は人工衛星から撮った台風の写真がなかったから、わからなかっただろうが、今は鮮明な写真が撮れる。雨雲の様子がくっきりとわかっているのだから、今もって「目」にこだわって「上陸」とするのは誠に変ではないか。

 台風12号の進路に戻すと、12号は偏西風などに影響されて東寄りに進路は変えさせられようとはしたのだが、台風は海の上をいくのが本来の性質だから、陸地にあがるのを嫌がる。それで熊本県あたりでは東に向きを変えて上陸しそうでいながら、陸に上がりたくないから渋々北上したわけである。

 ところが沿岸を進んだため、長崎半島にまっすぐぶつかることになり、急角度では西か東へ曲がれないので、上陸せざるを得なかったのである。

 南鄕学派では、台風は海を撹拌させて上層と下層の海水を入れ替え、クリーンにするために発生し、移動するのだと説いている。ただこの話を聞いたのはかなり以前なので、現在はもっと解明が進んでいるかと思う。
 夏にとりわけ台風が発生するのは、生物がさかんに活動して海が汚れるから、クリーンにするためである。海水温が高いから台風が発生すると気象研究者はいうが、生物との関係が蔑ろにされている。

 だから台風は本来は陸地を目指してはいない。陸に侵入する角度(入射角)が90度に近いと、台風にブレーキもハンドルもないので、陸地に突っ込むしかない。入射角が浅いと台風は陸地を避ける。

 今回の12号のように、鹿児島と熊本の西岸を進むと、いきなり急角度で進路を変えて上陸はできないので、高度上空の風(偏西風など)は「おい東に行けよ」と押してはくるが、「嫌だ」とばかりに陸には進まなかった。

 次に東北地方と北海道に災害をもたらした台風10号も、沖縄付近の海上から北東へ進んで、伊豆諸島あたりに来た時、気象庁は関東直撃か、という予報を出したが、これもまずあり得ないと私は予測した。台風は海を行くのが原則だから、福島から宮城にかけての東岸海上を北上していくだろうと見た。太平洋上に高気圧がドンと居座って、台風10号は北東方向へは進めなかったのだろう。どこかで気象庁の予報どおりに東北地方に上陸して秋田か青森付近の日本海へ抜けるはずだった。

 10号はもし、仙台湾に侵入すると、台風自身(目)が湾に囲まれて逃げ場をなくすから、そこで一気に上陸して山形方面へ進む可能性はあった。それだと東北全域で被害がでるかと心配したが、10号は幸い、仙台湾には近づかず(陸地を嫌って)海の上を北上した。もしかして牡鹿半島と金華山に目がブチ当たるとそこから西に進路を変えるかもと思ったが、台風がそこをやはり回避したので、さらに北上していった。

 でも北上はしたが、釜石、宮古あたりの三陸海岸はあたかも台風の進路をさえぎるように東に張り出しているから、やっと10号は気仙沼あたりで上陸したのだった。私は、仙台湾を無事通過したら、次は釜石あたりから上陸か? と見ていたので、ほぼ予想どおりとなった。

 三つ目に台風13号は、沖縄の南方海上で誕生してから、九州や四国はかすめることなく北東へ進み、気象庁は9月7日から8日にかけて静岡県あたりから斜めに上陸して関東、そして東北地方へ陸地を進んでいくと予測していた。
 私は8日に新幹線で新潟に赴く予定だったので気をもんだが、一番に考えたのは、13号の進路は、すでに10号が進んだ海域だったことである。

 10号は妙な動きをした台風で、静岡県の南方付近で発生してから南西に向い、沖縄南方でUターンして北東に戻って来て、さきほど述べたように三陸地方を北上したものだった。
 つまり10号は南西に行くときと北東に戻ってきたときは、まったく同じコースは辿らなかった。初めは北側、戻りは南側を進んだ。
 このため、この海域は相当海水はクリーンになったはずなのである。

 13号はその10号がクリーンにした海域をまた辿りはじめたのだ。だから、私は途中で弱まって温帯低気圧に変わるだろうと予想した。
 変な譬えだが、自動掃除機「ルンバ」という商品があるが、あれはセンサーで汚れを見つけながら移動してゴミを取るらしいが、一度通って掃除したところには行かないのではないか。
 台風も「ルンバ」みたいなもので、同じ海域は通らないようだ。

 ただ、台風本体より前方にできる前線付近で大雨が降る可能性はあると見た。そのとおりに、13号は関東や東北の一部で大雨被害はもたらしたが、8日午前3時ころに温帯低気圧に変わった。
 こうなると「目」は消えるから「上陸」もなしだった。

 18号はついこの数日だったから、みなさん記憶に新しいだろう。沖縄を北上したのち、気象庁の予報は九州西部から上陸して日本列島を縦断するかのごとき予報を出していたが、そんなはずがなかった。私は九州と朝鮮の間の海を通って日本海に入って、日本の沿岸を上陸せずに北西に移動していき、弱まりながら北陸あたりで上陸となると思った。
 18号が玄界灘を通過するときに、やや朝鮮半島の南端に近づいたが、やはり陸地を嫌ってあちらには上陸しなかった。だいたい予想した通りになった。

 台風は巨大な雨雲をともなっているから主に台風の前と右側では陸地にも大雨を降らせる。そもそも雨は、陸上の生物がつくった汚れを洗い流し、クリーンにするために降るのだから、台風がもたらす大雨は海だけでなく陸地にも大変ありがたいものなのである。地球の歴史=生命の歴史でいえば、両生類と陸上植物が現れるまでは生物はすべて海の中にいたのだ。その海中にいる生物が出す汚れをきれいに掃除するために台風はできたのだから、歴史的に見ても陸をクリーンするのは二次的な役割なのである。

 私は台風は生命現象の一環であると知っていたので、気象庁の言う地球物理的な要素だけで判断することなく、生命との関わりで見たので、より詳しい予測ができたのだった。

 私たちは雨上がりに空気がきれいになって清々しい気分になると思うが、きっと海中の魚やエビ、タコなども、台風一過のあとは、「おお、水がきれいになって気分がいいぞ」と思っているのだろう。
 実際、台風通過直後の海では魚やイカがよく釣れる現象が起きる。クロダイ、スズキ、イカは良く釣れるが、濁りを嫌う魚やタコはしばらくダメだとか。

 しかし川などの淡水魚は、台風直後は水が濁り食わなくなり釣れない。おそらく淡水魚は陸のものだから、海のものである台風とはじかには関係が及ばないのかもしれない。

 あるサイト(http://umituri.net/?p=693)で検索すると、こういう話があった。
 「以前漁師さんと話をしていたときに聞いた話。漁師さんの中には、定期的な台風のような嵐が来るのを待ち望んでいる人もいると聞く。これはなぜかというと、夏など高温期には海水がよどみやすく、内湾では海底にヘドロが溜まったりして生物の多くが死滅してしまうこともあるそう。ここで台風が来てくれると海底のよどんだ水を入れ替えてくれるので、再びゴカイ等の虫や貝・甲殻類などの小動物が集まり、魚も集まってくるということ。」

 ほら、こんなに台風は海の生物と関係が深い。台風の目的が海の掃除であることがわかるだろう。



<転載終了>