社会科学者の随想さんのサイトより
http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/1064704717.html
<転載開始>
【政治家として疑惑が追及されると,自分を犯罪者あつかいするとむくれるだけの,この安倍晋三の資質そのものが問題】

 【森友学園問題には日本会議が絡んでいるが,安倍晋三は自民党内では,日本会議の名誉顧問である】

 【幼児(園児)に教育勅語を暗唱させる明治帝政時代流の時代錯誤は,その勅語の中心に居た天皇(明治大帝)の子孫が,すでに以前から嫌っている】

 【日本経済新聞は,この問題を社会面でしかとりあげていないが,これは政治問題ではないと位置づけたいこの新聞社の「安倍晋三〔政権?〕への色目遣い」であり,嫌らしいこと,このうえない報道姿勢である】


 ①「森友学園側,自民議員と面会 鴻池氏,包み『突き返した』」(『朝日新聞』2017年3月2日朝刊1面冒頭に配置の記事)

 学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題をめぐり,自民党参院議員の鴻池祥肇(こうのいけ・よしただ)元防災担当相が〔3月〕1日,記者会見した。学園が土地交渉をしていた2014年4月ごろ,議員会館事務所を訪ねてきた同学園の籠池泰典理事長夫妻から「紙に入った物」を差し出され,「これでお願いします」といわれたことを明らかにした。(▼4面=参院委で追及,39面=「再三依頼」指摘)
鴻池祥肇画像
 鴻池氏は受けとらなかったと説明。「一瞬で金だとわかった」と話したが,中身が現金かどうかはたしかめなかったという。報道陣に「(趣旨は)土地取得の件についてか」と問われると,「しらない。きっとそうだろう」と述べた。
 出所)右側画像は,http://moogry.com/index.php?req=鴻池祥肇

 鴻池氏によると,籠池理事長とは,知人から学園での講演を頼まれたのがきっかけでしりあった。その後,籠池理事長は神戸市の鴻池事務所に出入りするようになったが,直接会ったのは3回ほどで,そのうち1回が議員会館への訪問という。土地取得に絡んだ財務省や国土交通省への働きかけについては否定し,「30年やってきた政治家に対して金で動かそうという根性が気にくわない」と述べた。

 〔2017年3月〕1日の参院予算委員会では,共産党の小池 晃議員が「自民党国会議員の事務所の面談記録を入手した」と明らかにし,議員事務所が土地取引で相談を受けていたと主張。安倍晋三首相は取引に関して「不当な働きかけはなかったと聞いている」と述べた。関係者によると,小池氏が指摘した議員は鴻池氏。一方,鴻池氏は会見で「面談記録」について「しらない」と述べた。

 鴻池氏が代表を務める「自民党兵庫県参議院選挙区第二支部」の政治資金収支報告書によると,「塚本幼稚園幼児教育学園」(大阪市)から2014年1月3日と2015年1月5日に,それぞれ10万円の寄付を受けていた。学園の代表者の欄にはいずれも,森友学園の籠池理事長の名前が記されていた。鴻池氏は献金を受けていたことを最近までしらなかったといい,返金する意向という。
 補注)鴻池祥肇が国会議員として篭池泰典側から寄付(献金)を受けていた事実を無意味化するためにも,このように過去に記録されていた両者の関係を否定的に処理する意向を,鴻池は示したものと解釈しておく。

 森友学園の籠池理事長は,2月13日に朝日新聞記者に国有地購入の経過などについて説明して以降,朝日新聞の取材に応じていない。
 
 「事実ならば認可厳しい」(大阪府幹部)。 森友学園が〔2017年〕4月に開設を予定する小学校の設置認可について府幹部は,「金品を渡そうとしたのが事実であれば,認可するのはきわめて厳しくなった」と話した。同小学校の認可については,府私学審議会で審議しているが,財政面や教育内容で不安視されていた。

 ②「森友学園への国有地売却,参院委で追及」(『朝日新聞』2017年3月2日朝刊4面「総合」)

 学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却をめぐって,学園側と近畿財務局の交渉に自民党国会議員の事務所が関与した疑いが〔3月〕1日の参院予算委員会で明るみに出た。「内閣総理大臣夫人」として,新設予定の小学校の名誉校長に就いていた妻昭恵氏の活動に関する安倍晋三首相の道義的責任も論点になった。(▼1面参照)

 1)共産「不可解な交渉,調べたら分かる」,首相反論「悪魔の証明だ」

 共産党の小池 晃氏は「自民党国会議員の事務所の面談記録」を入手したと説明し,記録をもとに売却経緯の不透明さを指摘した。

 ★ 佐川宣寿・財務省理財局長  いま委員がお読みになった資料は承知していない。2016年6月の売買契約の締結をもって事案は終了しており,詳細な面会の記録等は残っていない。
 補注)官僚側が自分たちの立場にとってまずい資料・記録は「隠す・調べない」という要領でもって,「しらない・関係はない」というのが常套の姿勢である。資料・記録が出てきたらきたらで,また別のいいわけが工夫されることになる。

 ☆ 小池氏  2014年12月に大阪府私立学校審議会で小学校開設に疑問の声が出て継続審議になったが,翌〔2015〕年1月27日の臨時審議会で条件付き認可適当となった。1月9日に財務省と学園側が交渉していれば,認可にも重大な影響を与えた可能性がある。調べてください。
 補注)「疑いがもたれる」といういい方で推理するならば,そこには「国と府によるなんらかの連係プレー」がなかったとはいえない。なにかがあったからこそ,そのように臨時審議会がわざわざ開催されていたと勘ぐるほうが(通常は年に2~3回の開催しかないのがその審議会である),より正常な神経にもとづく疑いのもち方である。

 ★ 佐川局長  面会記録は残っていない。

 ☆ 小池氏  2016年3月に地下埋設物がみつかった直後に籠池氏が財務省を訪問して,籠池氏の要望どおりになっている。財務省として明らかにする責任がある。

 ★ 佐川局長  途中経過の面会のやりとりなど(の記録)は残っていない。

 ☆ 小池氏  これが適正な処理なのか。

 ★ 麻生太郎財務相  適正に執行されている。

 ☆ 小池氏  あなたの財産じゃないんですよ。売却に至る前から不可解な交渉が続いている。自民党は調べたら分かる。首相として責任を果たしてください。

 ★ 首相  ないものを証明するのは「悪魔の証明」だ。事務所の名前も出さずに調べようがないじゃないですか。
 補注)後段でくわしく説明し,批判もするところとなるが,安倍晋三の「反論・反撃」においては,いままでも好んで使用される「得意技」がこの「悪魔の証明」である。だが,その説得力で問題があった。
悪魔の証明関係画像
出所)http://健康法.jp/archives/12452

 ☆ 小池氏  資料を破棄しているのはそっちだ。証明するのは役所の責任だ。

 ★ 佐川局長  なんの資料かまったく承知していないので,コメントは困難だ。

 ☆ 小池氏  籠池氏や当時の理財局長らを国会招致するしかない。自民党総裁として賛成してください。

 ★ 首相  証人喚問等々は議会運営のことだ。私が口を出すのはおかしいと主張しているのは皆さんだ。委員会でご判断いただきたい。
 補注)この首相は以前,自分の立場を「立法府の長」だと,それも中学生が公民で学習する初歩知識を,なんども間違えて叫んでいたことがあった。総理大臣にもなっている政治家が,このような初歩の事項に関する基本的な理解について,きわめて気軽に間違えた発言をしていた。このような間違いは,この安倍晋三という政治家の資質に問題があり過ぎる事実を教示している。

 2)昭恵夫人の影響めぐり応酬,「まさに広告塔」「犯罪者扱い」

 野党側は,名誉校長だった首相の妻昭恵氏の影響力を例示し,同学園の「広告塔」と表現した。首相は反発した。

 ☆ 小池氏  首相夫人は籠池氏といつからしりあいで何度会っているのか。

 ★ 首相  いつか分かりませんよ。妻は私人なんです。妻をまるで犯罪者扱いするのは不愉快ですよ。
 補注)この発言は支離滅裂,森友学園ホームページに出ていた安倍晋三の妻昭恵のあいさつ文は,その肩書きに「名誉校長 安倍昭恵 先生 内閣総理大臣安倍晋三夫人」と明記していた。「妻が私人」だという反論は,なんら有効性がない。「妻をまるで犯罪者扱いする」という反発も的外れ。だから,安倍晋三のこの批判は論理以前に破綻している「ド屁理屈」である。

 ☆ 小池氏  犯罪者扱いなんてしていない。言葉を撤回して下さい。

 ★ 首相  そういう印象を受けた。尋問調におっしゃるから。
 補注)この発言も興味深い。仮に,逆の関係でこのようなやりとりがあったようなとき,安倍晋三が国会内で発射してきた言語の内容は,それはもうひどいものばかりであった。

 ☆ 小池氏  私人ですか? 「内閣総理大臣夫人」でパンフレットにも出ている。

 ★ 首相  先方がどういう肩書を使うかまで責任をもてない。
 補注)この総理大臣,自分の女房をアンダーコントロールできていないだけでなく,森友学園に勝手をやらせておいて,しかもこれを黙認(?)・放置(!)しておいていながら,この発言(反論)である。昭恵夫人が森友学園ホームページにどのように登場(利用)されていたか,まったくしらなかったという理屈は信じがたい。

 その事実の存在に対してこのように無責任に発言する安倍晋三の反論は,だから支離滅裂だというほかない。この総理大臣は,国会・委員会などでの質疑応答においても,自分が不利な形勢になるときは必らずといってほど,極点に切れまくった答弁をする。それは,はたしない口調でもって,しかも意味不詳の単語を乱発するときもある。

 ☆ 小池氏 肩書が困るなら「止めてください」というべきだが,そのまま講演をしている。明らかに公人としての活動だ。

 ★ 首相  土地の売買にかかわりがあったら答える義務があるが,そうでない場合は妻のいちいちに答える義務はない。
 補注)「総理大臣の妻である立場」での安倍昭恵の活動になっているのだから,その夫の総理大臣の地位とかかわりがないとはいえない。大にありである。この安倍晋三の答えは遁辞。
 
 ☆ 小池氏  昭恵氏は学校案内の巻頭にも「籠池先生の教育に対する熱き思いに感銘を受けてこの度名誉校長に就任させていただきました」と載せられてきた。国有地払い下げにまったく影響がなかったといいえるのか。

 ★ 首相  「安倍昭恵幼稚園」と書いてあれば,理財局が「恐れ入りました」と(価格を)安くするんですか。そんなことありえない。印象操作だ。
 補注)この印象操作だという反論も意味がとりかねる答えである。まさに問題となっている焦点のひとつが,ここで小池 晃が指摘しているものであった。安倍晋三は「自分は政治や行政というものをなにも分かっていない人間です」と,みずから告白しているつもりでないのであれば,このようなみえすいた弁明はできないはずである。

 ☆ 小池氏  この幼稚園の教育方針が大問題になっている。夫人の講演を聴いた保護者の感想が「日本一の幼稚園とおっしゃって下さり感謝。この幼稚園のすごさを実感した」と紹介されている。まさに広告塔だ。道義的な責任を免れない。

 ★ 首相  教育方針について私は申し上げる立場にない。(幼稚園の)認可の責任は大阪府にある。私学の教育内容について意見を申し上げる立場にない。
 補注)これも指摘された論点(問題点)に答えていない。

 ここでは最後に,森友学園の理事長篭池泰典が日本会議の大阪支部の役員であり,安倍晋三が自民党における日本会議の特別顧問であることだけは付記しておく。
森友学園篭池泰典と安倍晋三の関係
出所)これは2017年2月17日,
http://hitujigasuki.seesaa.net/article/447291111.html

 ③「〈声〉危険で悲しい教育勅語の暗唱」(『朝日新聞』2017年3月2日朝刊)

 牧師の小野一郎(大分県,90歳)は,つぎのような投書をしていた。
    異常なほどの安価で国有地払い下げを受けた大阪市の森友学園が経営する幼稚園で,園児に「教育勅語」を暗唱させているという。戦争経験世代として,問題があると感じている。私は1933年に小学校に入学した。すぐ教育勅語を暗唱させられ,教室でも運動場でも,友だちと一緒にそらんじられるよう努力した。

 直立不動の姿勢で暗唱の試験をさせられることもあった。高学年になると,今度は「軍人勅諭」を暗唱させられた。あらためて教育勅語の内容を考えると,ひとつひとつには人間として大切な教えもある。だが,それらを貫くのは,神格化された天皇の臣民として務めを果たし,天皇のため命を捨てる覚悟を刷りこもうという考え方だ。

 それを強制した指導者たちは国家の危機を強調し,この国を徹底した軍国主義国家に仕立て上げた。しかし,その結果,無謀な戦争に突き進み,最後は徹底的に打撃を受けた末に敗戦。そして占領統治された。

 いま,真摯にその過去を反省しないまま,再び昔歩いた道にあこがれる人たちがいる。それは誠に危険で悲しいことだ。戦中世代の私が子どもたちに暗唱してほしいのは,憲法の前文であり,日本の進むべき道もそこにあると確信している。
 --この声欄への投書主は,教育勅語の基本的な性格を,それも実際に幼児期において暗唱されられた立場から批判している。明治帝政時代の教育『勅語にかかわる根本思想』の間違いは,敗戦を契機に昭和天皇も認めていたし,いまの平成天皇ももちろん同じである。明治帝政主義が失敗した根幹原因には「教育勅語プラス軍人勅諭」の国家精神があった。

 1945年9月9日,昭和天皇が当時,奥日光にいた皇太子のもと届けるようにと,穂積重遠東宮大夫に託した手紙の前半には,つぎのように書かれていた。天皇一族にとっては都合のよい「歴史解釈」だけが,一方的に含まれている内容であるが,ともかく本日の話題に関連させて引用する価値がある。
  手紙をありがたう しつかりとした精神をもつて 元気で居ることを聞いて 喜んで居ます。

     国家は多事であるが 私は丈夫で居るから安心してください 今度のやうな決心をしなければならない事情を早く話せばよかつたけれど 先生とあまりにちがつたことをいふことになるので ひかへて居つたことを ゆるしてくれ 敗因について一言いはしてくれ

     我が国人が あまりの皇国を信じ過ぎて 英米をあなどつたことである

     我が軍人は 精神に重きをおきすぎて 科学を忘れたことである     
明仁12歳の画像
出所)12歳(敗戦の年で)の明仁画像,
http://ameblo.jp/nabechalin/entry-11918255200.html 
 この手紙のなかで裕仁(父親)は,自分のほうからは皇太子(息子)が教わっている「先生〔がいうこと〕とあまりにちがつたことをいふことになる」といっていると断わっていた。しかもその核心は,教育勅語「など」のことだと受けとっても大きな間違いにならない。

 いささか苦しい事情説明であった。というのは,その「など」のなかには,昭和天皇自身にとってみれば「神格化された自分の立場」が含まれていたからであり,さらには,この事実に関するなんらかのいいわけが必要だったからである。事後,昭和天皇も平成天皇も,とくにアメリカ合衆国の存在をあなどるような態度はけっして示さないようになっていた。

 敗戦後は,安保条約をもって対米従属国になっていたのが日本の立場である。この両国関係をよりいっそう安定的に維持・発展させうるために必要とされ反省された点は,教育勅語や軍人勅諭の全面的な否定にも連関していた。現在の安保関連条約下でもなお,沖縄県が米軍基地だらけの島である事情は,昭和天皇がみずからアメリカに対して推奨してきた「敗戦後史における米日間の軍事同盟史」のあり方を,正直に物語っている。 

 ④「『学園側が再三依頼』指摘 共産,『自民議員事務所の記録』示す 国有地売却問題」(『朝日新聞』2017年3月2日朝刊39面「社会」)

   学校法人「森友学園」への国有地売却問題で,共産党の小池 晃議員は〔3月〕1日の参院予算委員会で,売却交渉に関し,学園側が自民党国会議員の事務所に働きかけを依頼していたことを示すとする「面談記録」を入手したと述べ,記録を読み上げた。安倍晋三首相は「不当な働きかけはなかったと聞いている」と述べたが,政治家の関与の有無が論点に浮上した。(▼1面参照)

 小池氏は委員会でこの議員の名前を明らかにしなかったが,関係者によると,鴻池祥肇(こうのいけ・よしただ)元防災担当相。小池氏の質問によると,面談記録には2013年8月から2016年3月まで『朝日新聞』2017年3月2日朝刊森友学園問題画像の記述がある。

 小池氏が明らかにした内容によると,土地の契約に際し,籠池泰典理事長はこの議員事務所を再三訪問。土地購入にさいし,近畿財務局との交渉状況を報告。議員側に対し,「政治力で早く結論がえられるようにお願いしたい」「土地価格の評価額を低くしてもらいたい」などと,同財務局や国土交通省大阪航空局への働きかけを依頼していた。

 2015年1月の記述では,「土地評価額10億。10年間の定期借地として賃料年4%約4千万円の提示有り。高すぎる(2から2.3%を想定)。なんとか働きかけして欲しい」となっているという。実際に2015年5月に契約が結ばれたさいには,賃料は年間2730万円になっていたという。

 安倍首相は「どういう文書か,本当のことか分からない」と疑問を投げかけた。財務省の佐川宣寿理財局長は「近畿財務局と森友学園とのあいだでは,さまざまなそのときどきでのやりとりはあった」と話した。面会記録は破棄したとした。

 1)「開校時期迫り」航空局が算定
 国土交通省は〔3月〕1日,土地鑑定価格からごみ処理費用の約8億円を差し引いた積算を行った同省大阪航空局について,売却のための積算は初めてだったことを明らかにした。参院予算委員会で,民進党の藤末健三氏の質問に佐藤善信・本省航空局長が答弁した。

 国交省は「普段から公共工事でごみ処理費用の積算はしている。技術系の職員にとって難しい作業ではない」(幹部)と説明。予算委では佐藤航空局長が「開校の予定時期が迫っているなか,第三者に依頼をしていると時間を要することから(近畿)財務局から依頼があった」と説明した。

 2)「包み『金なのかコンニャクなのかしらん』 鴻池議員,急遽会見」
 「森友学園の件で,あらぬ疑いをかけられているのではないかと思って,きちんと話をしておかないといけないと思った」。東京・麹町の参議院議員宿舎で〔3月〕1日午後7時半ごろ,急遽開かれた鴻池祥肇議員の記者会見。鴻池議員はこう切り出し,籠池理事長としりあった経緯などを話し始めた。

 鴻池議員は,知人を通じて学園の講演に出るように頼まれ,当初は子どもたちの姿をみて「態度がすばらしいと思った。私の思想に合うと思った」という。
 補注)このあたりの発言は「教育勅語」はいいものだという評価を,その歴史的な本質とは無関係にするときのものと酷似している。礼儀作法をきちんさせる教育は悪いことではないが,そこに明治帝政時代の天皇崇拝をもぐりこませる教育直後の基本構造は,21世紀のいまどきに似つかわしくない点はいうまでもない。

 それでも,安倍晋三流にいえば「戦後レジームからの脱却」によって,そうした過去に回帰することが必要だと強調されている。率直にいって「バカも休み休みいえ」といわねばならないのは,敗戦後の日本は米軍基地を抱えている状態のまま,戦前・戦中時代に戻りたいといっている発想は,まさしく時代錯誤:状況誤断の好例見本であるからである。いったい,いまの日本における政治(内政・外交)の現実模様を正視して発言しているかと詰問されて当然である。


 会見で鴻池議員の口調が強くなったのは,3年前に籠池理事長夫妻が議員会館を訪れたさいの様子を説明したとき。理事長の妻が泣きながら「紙に入ったモノ」を差し出した様子を再現した。ただ,「無礼者」「政治家の顔を銭ではたくのは教育者とは違う。帰れ」といって突き返したと,身ぶり手ぶりで説明した。

 面会時間は2,3分。紙に入った物の厚さを指先で示し,「金なのかコンニャクなのかはしらん。(中身は)たしかめていない」などと話した。会見では,現在の森友学園への心境を聞かれ,「あんなの教育者にしたらいかん。幼稚園もよくない。(小学校は)認可せん方がいい」といい放った。

 一方,1日の参院予算委員会で,小池議員が示した紙については「どんな紙なのかしらない」と話した。ただ,事務所では面会記録を全部保管しているという。

 3)「〈+d〉デジタル版に〔鴻池祥肇の〕会見詳細から一部を引用」(この記事は冒頭から3分の1ほどだけ紹介する)

 森友学園の件であらぬ疑いがマスコミの皆さんにあるのではないかと思い,きちんと話をしないといけない。どんな関係かといえば,何年前か忘れたが,「講演に来て」といわれていった。父兄の前で,その時の子供たちの態度が素晴らしいと思った。私の思想と合うと思った。

 それから(籠池氏には)会っていないが,神戸事務所に出入りするようになった。鴻池の事務所は金融,不動産,大嫌いで,29年,30年やったことがない。しかし,なんかそういうことで依頼に来た。「うちは不動産屋違うぞ」と,報告あったからね。「不動産屋と違いますからね」といって断わったみたい。

 でも,「どうしても会いたい」と言って,3年前の4月,委員会をちょっと失礼して,質問していない一委員でしたから,(議員)会館事務所に戻って会った。夫婦で来ていたように思う。籠池さんと奥さんと。そのとき,財務省か大蔵省かようわからんが,「お願いの儀がある」というようなことをちらっと聞いた。同時に紙に入ったものを「これでお願いします」といった。おばはんのほうが。

 一瞬で「金だ」とわかった。だからそれをとって,「無礼者」といった。「男の面を銭ではたく,政治家の面を銭ではたくのは教育者違う。帰れ」といって私は委員会室に戻った。それが,カネか,コンニャクだったか,天ぷらか,ういろうか,知らん。確かめてへんのだから。しかし現実として,私が手にもって投げ返した。

 その後,出入り禁止やん,当然。ところが,報告やなんかで1,2回(籠池氏は)いったみたいやね。神戸の事務所に。僕は思いましたよ。「クソっ」と思って,すぐに投げ返した。歩きながら,人生でこんな汚物を投げられたようなことは初めてだけれども,反省しよう,と。それは俺に貫禄と徳がなかったのだと。「こいつならカネで動くかもしれない」と思われたということが,腹が立ったけど,これが俺が徳がない。ずっと黙っておったが,この問題や。

 野党のある男が関係しているようなことをいった。初めてパンフレットをみて,募金要項かよく分からんが,ここに毎日問題になっている(安倍晋三)総理夫人の写真がある。理事長予定者の写真,平沼(赳夫)さんの写真もある。あの人は寝たままで可哀想や。面倒だから好きなようにさせてやれ,といった。そらみたら,総理夫人の隣に俺が映っている。「けしからん」「なに考えているのか」ということで弁護士をすぐに呼んで,「あれをとり消せ。謝罪せよ」「いかなることで了解をえて,載せたのか」ということを内容証明(郵便)ですでに着いている。着いて7日経って,返事せよといったが,来ない。
篭池泰典と安倍昭恵画像
出所)安倍昭恵と篭池泰典,
http://ameblo.jp/usinawaretatoki/entry-12172592177.html
 この画像を借りたブログは2016年6月のものである。
 次段のごとき記述になっていたので,紹介しておく。

ある幼稚園での教育風景をみていただきましょう。す
ごく気色悪い,まるで北朝鮮のような風景にわが目を
疑いますが,紛れもなく日本の幼稚園なんですね。こ
の幼稚園には,愛人問題で失職した自民党の鴻池祥肇
元大臣,中山なりあき元大臣,先日逮捕された田母神
元航空幕僚長,櫻井よしこ氏,東京五輪賄賂問題で追
求されながら逃げ切ったJOC竹田恒明の息子,竹田
恒泰など,とんでもない連中が出入りしています。そ
して,こうした愛国園児たちに囲まれ微笑んでいる女
性,これこそが元電通社員にして幼稚園の名誉校長,
   そしてわが国の首相夫人でもある安倍昭恵氏なのです。


 (共産党の)小池(晃・書記局長)の質問など関係ない。俺は政治家として,男の生きざまをあいつに泥を塗られた。そういうことだけだ。だから安倍さんも奥さんも気の毒だ。乗せられたんだ。今回の件は,「野党がんばれ」や。学校を作らせたらいかん。あそこの学校の要項をみたら,日本人としての礼節を尊び,愛国心を育む,と。生意気いうな,と。25,30年も政治家をやって,男らしく生きてきた政治家に,カネで動かそうという根性が気に食わん。もういっぺん蹴飛ばしたる。
 註記)http://digital.asahi.com/articles/ASK317JMSK31UTFK01H.html

 --以上,関西弁で熱弁風の語り口である。ついでに,安倍晋三夫妻にも助け船を出すような調子も披露している。しかし,仮に安倍夫婦が巻きこまれていたとしても,その結果責任は回避できない。そのように釘を刺しておく余地があることは,いうまでもあるまい。一般論的な解釈では,政治家もカネで,それもその厚薄の具合によってその動きが決まることもしばしばみられてきた現象である。

 ⑤「自民・鴻池氏に陳情 森友学園理事長,国有地取得巡り」(『日本経済新聞』2017年3月2日朝刊39面「社会2」)

 日本経済新聞は,いま世間を騒がせている森友学園・篭池泰典関連の問題,以前の名称でいうと「安倍晋三記念小学校」(で新設を申請中)の問題に関する記事は,朝日新聞のように大々的には報道せず,社会面で〈第2の記事〉に位置づけている。安倍晋三に気を使った紙面作りだとみなしておいて,大きな誤りにはなるまい。以下に引用する。
 
 自民党の鴻池祥肇参院議員は〔3月〕1日夜,学校法人「森友学園」(大阪市淀川区)が大阪府豊中市の国有地を評価額より大幅に安く取得した問題をめぐり,森友学園の籠池泰典理事長と面会した事実を明らかにした。籠池氏夫妻と2014年4月に議員会館内にある自身の事務所で面会して陳情を受けたという。そのさい,籠池氏の夫人が自身に現金を手渡そうとしていたとのみかたも示した。
 補注)この表現「現金を手渡そうとしていたとのみかた」という形容はおかしい。その中身は直接確認できていないが,ほぼ間違いなく現金でしかないという判断でよかった話題である。それを「みかた」という言葉を当てて表現するのは奇妙である。鴻池祥肇は,記者会見のなかで「中身はみていないが,現金ではないか思った」「そう受けとったと発言(説明)している」と書けばいいところを,わざわざ「みかた」(つまり鴻池の)という奇怪にも感じる表現(用語)を宛てて,始末している。

 鴻池氏によると,籠池氏の夫人は「紙に入ったもの」を差し出し,「これでお願いします」と訴えた。鴻池氏は「無礼者。政治家の面を銭ではたくようなのは教育者と違う」といって突き返した。中身については確認しなかったという。これとは別に鴻池氏は籠池氏側から2014~15年の2年間で合計20万円の献金を受けたが,返還する意向を示した。
 補注)この政治献金は,正式の手続(政治資金規正法)にのっとって処理されていれば,なにも問題のないお金である。だが,鴻池はこのさい返還すると宣言している。

 森友学園に関する問題をめぐり,共産党の小池 晃書記局長は〔3月〕1日の参院予算委員会の質問で,国と籠池氏らのやりとり記録を「自民党国会議員事務所から入手した」ともち出した。籠池氏と国の出先機関とのやりとりが記録され,近畿財務局から「前向きにやっていく」との回答をえたなどとしている。
2017年3月1日国会参議院小池と安倍質疑応答画像
出所)http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/569.html

 安倍晋三首相は小池氏に対し「どんな文書かもわからない。本当のものか立証する責任はそっちにある」と強調。政治家が関与したのではないかとの問いには「(財務省の)理財局長に聞いたら不当な働きかけはなかった」と述べた。財務省の佐川宣寿理財局長は面会記録について「不当な働きかけはいっさいなかった」と語った。

 国有地売却にあたり評価額からごみ撤去費用を差し引いた点について,石井啓一国土交通相は処理費が割高な産業廃棄物を基準に地中のごみ撤去費を算定し,売却額を減額したのは妥当だと強調した。「廃プラスチックや廃材,土砂が混在していた。一般の工事でも一般廃棄物としての処理は通常想定されない」と述べた。国土交通省の佐藤善信航空局長は,ごみ撤去費用を算定した大阪航空局について「撤去費用を算定したことはないが,見積もる能力を有する技術系の職員もいた」と説明した。民進党の藤末健三氏への答弁。(日経記事の引用終わり)

 --今回,社会的に大きな関心を惹起させている森友学園・小学校新設問題については,この許認可の権限を有する大阪府が関連してもおり,府知事の松井一郎(大阪府知事,日本維新の会代表,大阪維新の会代表)の対応も注目されている。

 この問題に関しては前段でも触れたように日本会議という宗教的な政治団体の関連が無視できない。森友学園理事長篭池泰典は日本会議大阪支部の役員(代表・運営委員)であり,そして,安倍晋三は自民党内における日本会議名誉顧問である。
 補注)本ブログ内においても,日本会議に言及する記述があった。

 くわえて,安倍昭恵が新設申請中であった同学院の小学校の名誉校長になったり,安倍晋三は今回事件がまだそれほど大騒ぎになる前は,自分の考えに共鳴しているのが篭池泰典であると,それもうれしそうに語っていた(前掲に関連の画像資料あり)。これは,国会委員会での発言であった。

 安倍晋三の政治は,日本会議の政治理念どおりに進行中であると豪語する関係者もいるくらいであるから,今回問題になった篭池泰典が巻き起こしている教育機関の問題は,けっして一私立学校法人の問題に留まらない奥行き(策謀的な暗闇の部分)をもっているはずである。

 ⑥ 安倍晋三の「ないものを証明するのは『悪魔の証明』だ」という反論・反撃の仕方は,もともと説得力がない非「論理学」

 安倍晋三は,今回の問題に関して国会委員会のなかで,質問者に対しては「悪魔の証明」の必要性を強調して迫り,みずからの反論を補強しているつもりであった。だが,TPPに関する嘘,つまりTPPに自民党は絶対に反対だといっていたにもかかわらず, 2016年12月9日に,TPP(環太平洋経済連携協定)関連法案は,野党の反対を押し切り賛成多数で,可決・成立させていた。本ブログ内では安倍が政治家としてどのくらい多くの嘘をつきつづけてきたかを,一覧にして記述したこともある 註記)。
 註記)本ブログ,2017年1月23日「困った君2名,ドナルド・トランプと安倍晋三による迷采配ぶりの政治と経済が,いまや満開の状態である」参照。

 嘘つき政治家と指弾されてもなんら反論できないこの安倍晋三が「悪魔の証明」(できない証明)を要求するようでは,ほかの全員(日本国民・庶民)は「片腹が痛くても永久に直せないまま」に放置されつづけほかないが,それにしても「冗談も休み休みいえ」といいたくなる。

 ところで「悪魔の証明」とは,つぎのような意味である。ただし,このたびにおける安倍晋三のいいぶんに添って,この「悪魔の証明」という論理学的風の概念をもちだすことに対しては,あまりにも「幼稚かつ傲慢な屁理屈」にしかなっていないことも断わっておく。すなわち,適用不能である場合のその提示(安倍側の反論)であった。そのことはもう少しくわしく,きちんと説明しておきたい。

 a)「悪魔の証明」とは,「ある事実・現象が『まったくない:なかった』」というような,それを証明することが非常に困難な命題を証明することである。たとえば「アイルランドに蛇はいる」ということを証明するとしたら,アイルランドで蛇を一匹捕まえて来ればよいが,「アイルランドに蛇はいない」ということの証明は,アイルランド全土を探査しなくてはならないので非常に困難,事実上不可能であるというような場合,これを悪魔の証明という。

 新約聖書にあるサタンが「イエスを試した逸話」から来ている。ある論争にさいして,そもそも挙証が困難な命題の証明を相手に迫ることも,ひとつのディベートのテクニックではあるが,それを悪魔の証明だと相手側が指摘することは,挙証責任を転嫁するさいの決めぜりふである,ということには必らずしもならない。

 b)「注意点」 「『まったくない』ことを証明するのは不可能に近い」のであって,「『まったくない』のは確実である」という意味ではない。また,「ある一連の事実が『すべて本当にあった』」ことを証明することも,いいかえれば「その一連の事実に『嘘はまったくない』」ことを証明することであり,同様に不可能に近い。

 さらにいえば,「ある事実・現象のあり・なしを『100%』確定するのは不可能に近い」ということである。犯罪を犯した証拠はないが,犯罪を犯していないという証拠もないので無罪ではない,などという事例には適用できない。
 補注)安倍晋三君の示した「今回における国会委員会での議論:応答」(反発としての抗弁)は,こうした論理学的な内容にまで関連する微妙な仕組を,まともに深く考えてのものとは思われない。すなわち,「悪魔の証明」として問題にすべき論点以前の「政治汚職の問題」が議論されていたに過ぎないからである。

 それでも,いかにも “したり顔” をしながらこの「悪魔の証明」という概念をもちだしては,議論を攪乱させているつもりであった。だが,あまりにも幼稚な論法,つまり,この概念を適用するのがはたして適切か否かを考える以前のところで,それじたいに関して疑問を含む説法を駆使してみた「安倍君の粗雑さ」だけは感心できる。いったい誰が彼にこの「悪魔の証明」論を教えたのかしりたいところである。ともかくつぎの c)  がさらに適切な解説を与えている。

 c)「科学関連議論への補足」 ここ数年,疑似科学や似非科学の議論で「悪魔の証明」という用語を多用する人がいるが,これも要注意である。「悪魔の証明」という比喩は,たしかに法律分野ではある程度認知されているが,科学・数学分野では20世紀はじめの有名な大論争を経て,いまではより厳密な用語を使った精緻な議論が可能となっている。科学の専門家を自称しながら,科学議論であえてこの分野違いで不適切な用語(「悪魔の証明」)をもち出す人がいたら,それは厳密な議論による追求を避けてなにかを誤魔化そうとしているソフィストの類(あるいはその影響下にある人)かもしれない。
 註記)http://d.hatena.ne.jp/keyword/悪魔の証明 参照。

 この段落に書かれているとおりである。政治家である安倍晋三君の場合であっても,自分のかかわる問題が追求された国会委員会において,故意に「分野違いで不適切な用語(「悪魔の証明」)をもち出し,問題の議論・対話をただまぜっかえすだけの応答になっていた。つまり,今回における安倍晋三君の「それ」は,事実じたいやその経過事情などに関する「厳密な議論による追求を避けて,なにかを誤魔化そうとしている」事例を提供している。
    それにしても,安倍首相の答弁はあまりにもひどい。久しぶりにその答弁を聞いたが,こんな論理破綻で,嘘ばかりの答弁を繰り返していたとはしらなかった。それだけでも辞任ものだ。
 註記)「役者がそろった安倍首相夫妻と森友学園の一大疑惑事件」『天木直人の BLoG』2017-03-02,http://kenpo9.com/archives/1044
『東京新聞』2017年2月28日朝刊安倍晋三変わる発言 そもそも,国会の議論の場において「悪魔の証明」をウンヌン(安倍晋三流にはデンデン)することじたいが,形式論理的にも状況適合的にも目的合理的にもそぐわしくない話法になっている。
 出所)左側画像は『東京新聞』2017年2月28日朝刊。

 もっとも安倍晋三君との場合では,論理も▼▲もへったくれもない会話しか成立しえないゆえ,言語道断的にこの「悪魔の証明」を口にしていたが,それも得意げにであった点については,どこかにいるに違いない悪魔がきっと,安倍晋三は「オレ様の真似をできるつもりで下手▼▲な屁理屈(詭弁にもなりえない)をいうな」と,怒っているのではないか。

 【追 記:1】「ありえない国有地激安取引は,安倍首相と麻生財務相という政権の重鎮コンビが連携して仕掛けた可能性も浮上してきた」。
 註記)「安倍首相が小池晃に証拠を突きつけられ逆ギレ! 森友学園理事長が口利き依頼したのは麻生財務相の側近だった」『LETERA-本と雑誌の知を再発見-』2017年3月1日,http://lite-ra.com/2017/03/post-2955_3.html

 【追 記:2】「とくに普段は財布のひもを締めるのが仕事とやっきになる財務省の大盤振る舞いには首を傾げざるをえません」。
 註記)早稲田塾講師・坂東太郎の時事用語「『森友学園』問題を論点ごとに整理する」『 THE PAGE 』2017/3/2(木) 16:45配信。


<転載終了>