社会科学者の随想さんのサイトより
http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/1064864999.html
<転載開始>
 【このヤマト国に森友学園理事長ような人物が存在できているのは,まさしく安倍晋三日本国総理大臣や麻生太郎同副総理大臣などが,この国の頂点にいるからである】

 【安倍晋三君はいまや,「かつてのお仲間」を国会に参考人に読んで訊いたら「なにをいいだすか分からない」ので,とても怖くて呼べない。篭池泰典理事長はすでに自分のことを「切り捨てられるシッポ」なのかと表現している】

 【極右政権の「身から出たさび」が森友学園の小学校新設設置の問題であり,関連して名称の出ていた「安倍晋三記念小学校」は,もしかしたら「安倍政権崩壊記念小学校」になりそうである。ただし設置申請は不認可に終るみこみであるが……】

 【本日,3月10日は東京下町大空襲の「記念日」であるが,「安倍晋三記念小学校」という名称にかかわる政治問題のためにかすんでいる。そして明日,11日は東日本大震災から満6年目となる】

 【「断わり」 本日の記述も長文である。内容上,重複・反復もあるが,事件の本質を理解するには,同じ内容でも繰りかえして読めば,頭によく入りそうだといいわけしておく】


 ① まえおき
 先月〔2017年2月〕下旬から,日本社会の話題をさらっている森友学園の小学校新設申請(当初の校名は「安倍晋三記念小学校」だったが,いまでは「稲穂の國記念小學院」)は,風前の灯火である。この極端に右翼に振れきったような初等教育機関の設立をもくろんでいた計画は,不首尾に終わりそうな情勢になりつつある。国会に参考人として森友学園理事長篭池泰典を呼べという声は,本日〔3月10日〕になると世論の一致した意向になっている。けれども,安倍晋三政権はまだ応じる姿勢はみせていない。

 そこまで安倍晋三君がその招致の件を嫌がるということは,篭池泰典理事長が国会に来て意見をいいはじめたら,もしかしたら「アベの首が吹っ飛ぶような発言」をすると恐れているせいである。当初は「安倍晋三記念小学校」という名称を,その新設予定であった学校名に用意していたくらいである。それがいまではどうかとみれば,安倍晋三はいまでは「手のひらを返した」かのように,「オレ(安倍晋三)はアイツ(篭池泰典)とは全然親しくもなんでもないのだ」という調子で,国会衆議院予算委員会においてなされた関連の質疑では,ムキになって反論していた。
『朝日新聞』2017年3月10日朝刊森友学園風刺絵

 ②「校舎建築費,虚偽申告か 森友学園,小学校不認可へ」(『朝日新聞』2017年3月10日朝刊1面)

 学校法人「森友学園」(大阪市)が新設をめざす小学校「瑞穂(みづほ)の國(くに)記念小學院(しょうがくいん)」(大阪府豊中市)の設置認可をめぐり,開校予定地で現地調査(実地検査)をした府教育庁は〔3月〕9日,学園側が初めて建築費の根拠となる領収書を提示したことを明らかにした。総額が15億5520万円だと示すもので,これまで学園側が府私学審議会に提出していた建築費7億5600万円とする契約書と食い違いが明らかになった。(▼2面=現地調査を「妨害」,39面=籠池氏独演会)

  ※ 国,土地買い戻し検討 ※

 〔大阪〕府教育庁は,財務状況をよくみせようと建築費を過少に申告するため虚偽の書類を提出したとみており,小学校設置を「不認可」とする方針。国は,学園が小学校開設の認可がえられなければ土地を買い戻す検討を始めた。財務省幹部は「小学校設置の認可適当が出たので土地を売却した。不認可になれば,当然買い戻しを検討する」と語った。

 府教育庁によると,小学校の建築費について,学園側は府私学審議会向けに提出した資料のなかで,7億5600万円とする契約書を提出。一方,小学校の施工業者は府建築振興課に対し,建築費は15億『日本経済新聞』2017年3月10日朝刊2面森友学園画像5520万円とする契約書を提出している。
 出所)右側画像資料は『日本経済新聞』2017年3月10日朝刊2面より。

 府教育庁がこの日の調査で,学園の籠池泰典理事長らに金額の差について確認したところ,建築費の前払い金の領収書をみせられ,総額では施工業者が府建築振興課に提出した契約書に記載された15億5520万円に近い数字になったという。一方,籠池氏は調査後,取材陣に「(正しい金額は)7億5600万円だ」と説明した。建築費が15億5520万円だと示す領収書との矛盾についての説明はなかった。

 府教育庁は調査で,2時間程度をかけて入学予定者数や教員の雇用契約書,教員の指導態勢,カリキュラムなどについても確認する予定だった。だが,調査中に学園が運営する幼稚園の副園長で籠池氏の妻が,無断で職員の写真を撮るなどしたため,20分弱で中止になったという。
篭池泰典・籠池諄子夫妻画像
 出所)篭池泰典・籠池諄子夫妻,https://twitter.com/takeshihanasu/status/837865176875458560/photo/1?ref_src=twsrc%5Etfw

 府の松井一郎知事は9日夕,「出てきた書類全部違うわけなので,(認可は)ちょっと無理」と述べた。 籠池氏は敷地内で取材陣に対し,「私学審議会の『認可妥当』という結論が出たため国有地を定期借地し,その後買収した」などと説明。「この学校を開設させて欲しい」と訴えた。
 補注)ここに登場した大阪府知事松井一郎は,いままで「一貫して奇妙な立場」にいた様子である。直接,森友学園の小学校新設申請を審査(審議)する立場にある地方自治体首長であったが,いうこと・なすことがみな「他人事」の口調だったからである。

 いまごろになってそれも,森友学園の小学校新設申請にかかわる不正が明確になってきた段階において,このように不認可の方向性を語るのは不可解でもある。松井一郎も篭池泰典ももともとは,大阪府の「日本会議」参加者として,なにか通じあうものがあって,それこそ「ツー・カーの仲」「アウンの呼吸」が介在していなかったとはいえまい。


 松井一郎は府知事として事件の初めから被害者側の立場であるかのように対応してきたが,そもそも2014年12月に審議未了で不認可にした森友学園の小学校新設申請業務を,その後において異例の措置をほどこし,つまり翌年1月には追ってすぐに,臨時の審議委員会を開催させては,その不認可を「申請認可」に変更していた。それにしても,この変更をさせた立場に関してみれば,最終段階で最高の責任を負っていた関与者が,松井一郎府知事である。

 〔記事に戻る→〕 自民,民進両党は〔3月〕9日,参院国会対策委員長会談を開催。民進の榛葉賀津也参院国対委員長が「大きな疑義がある」として,籠池氏らの参考人招致をあらためて要求した。しかし,自民の松山政司参院国対委員長は断わり,国会で籠池氏本人から事情を聴くことについて消極的な姿勢をあらためて示した。

 --それはそうである。森友学園理事長篭池泰典をうっかり国会に参考人として呼んだりすることにしたら,とくに今日までの経緯を踏まえていえば,そうなったらなったで,篭池泰典理事長はなにをいい出すか分からない。自民党(安倍晋三)側はすでに,篭池理事長がそういう人物だとみなしており,配偶者(共同の経営者である妻)も含めて,国会に招致することを危険視している。

 ③「森友,疑惑増すばかり 現地調査「妨害」で中止に」(『朝日新聞』2017年3月10日2面「時時刻刻」)

 学校法人「森友学園」が〔2017年〕4月開校をめざす小学校に対し,大阪府教育庁が不認可とする見通しとなった。産廃土の処理,建築費をめぐる複数の契約書……。疑念の解明に向けた教育庁による〔3月〕9日の調査も,学園側の「妨害」で中止された。事態が混迷を深めるなか,国会は籠池泰典理事長らの参考人招致をめぐって綱引きが続いている。(▼1面参照〔本記述では ① )

 1)理事長妻,職員を詰問・撮影
 「正常な調査ができないと判断した」。この日,「瑞穂(みづほ)の國(くに)記念小學院(しょうがくいん)」(大阪府豊中市)の現地調査を中止したのち,記者会見した吉本 馨(かおる)・府教育庁私学課長は,表情をこわばらせていった。

 吉本課長によると,今月初めに学園側と私学課員が面談したさい,課員の写真や名前が,事実ではない文言とともに第三者のブログに掲載された。この日も,課員が建築事業費の契約書が3通りある問題について籠池理事長に説明を求めたところ,学園が運営する幼稚園の副園長でもある理事長の妻が「マスコミに資料を出しているのはお前だろう」と課員に詰めよった。

 さらに理事長の妻は課員に携帯電話のカメラを向けて撮影を始めた。課員が「やめてください」と求めても応じてもらえず,課員5人は20分ほどで調査をやめたという。吉本課長は「検査妨害があった」として,学園側に抗議文を送ったことを明らかにした。そもそも,学校用地となる国有地の取引経緯は異例ずくめだった。財務省は,定期借地契約から売買契約に切り替え,10年間の分割払いを認めた例は過去にないと国会で答弁。公表が原則の売却価格も伏せられていた。

 売却時に鑑定価格9億5600万円からごみ撤去費8億1900万円を引いた根拠も不透明のまま。財務省近畿財務局が「開校が遅れる恐れ」を理由に,実績がない国土交通省大阪航空局に積算を依頼した経緯もあいまいだ。そのごみも,敷地内に大部分が残されている可能性が高い。

 工事業者は朝日新聞の取材に対し,地下3メートルまでの産廃土について,近畿財務局の担当者から「『場内処分』を求められた」と証言。基礎工事で出た産廃土についても,別の業者が「半分は校庭に埋め戻した」と明かした。学園側は「仮置き」と反論しているが,府側は健康面への悪影響を懸念している。

 小学校の設置認可の条件になっている財務の健全性や,教員の確保などの運営態勢についても,さまざまな疑念が浮かんでいる。

 一方,学園の運営する幼稚園に子どもを通わせる保護者らが9日,府教育庁を訪れ,小学校の設置認可を要望した。女性保護者は「(小学校の)目の前に自宅を購入した人もいる。ぜひ認可を」,小学校に娘を通わせる予定だという男性保護者は「設置が許可されないことがあったら,どうしてこの小学校にいけないのか,子どもの前で説明していただきたい」とそれぞれ教育庁に申し入れた。

 府教育庁は今後,府私学審議会の議論を経て,小学校の設置認可問題について正式に結論を出す予定だ。

 2)国買い戻す場合,校舎の存廃課題 小学校不認可方針で
 小学校の設置が「不認可」となった場合,土地や建物の行方は国の判断にゆだねられることになる。森友学園との売買契約では,土地は3月31日までに小学校用地として利用しなければならない,とされている。このため,ある財務省幹部は「大阪府が学校設置の不認可を出したら,土地を売った前提が崩れてしまう」と,買い戻しを検討することを認める。大阪府教育庁が正式に不認可と決めた場合,国有財産の扱いを話しあう「国有財産近畿地方審議会」で対応を検討する考えだ。

 政府関係者も,「学校にならないなら国会から『買い戻せ』と追及されるのは確実。買い戻すしかない」。そのうえで,「国にとっては売った値段と同じ値段で買い戻せる。買い戻したらこの問題は終わり」と話す。

 一方,不認可の決定が一時的な措置で,近い将来開校できるみこみが高い場合は,買い戻しにくいとみる関係者もいる。不認可の決定理由が不十分なら訴訟になるリスクもある。財務省は,私学審の議論や決定内容を分析したうえで最終判断する考えだ。

 買い戻す場合には,ほぼ完成している校舎の存廃も課題となる。売買契約書では,国が買い戻すときには森友学園に土地を「原状」の更地に戻す義務がある。ただし,「原状に回復させることが適当でないと国が認めたときは,現状のまま返還することができる」ともされている。

 別の財務省幹部は,買い戻すなら「更地で戻してもらうのが原則」と語る。一方,国が校舎を引き取ることを前提に,「校舎には補助金が入っており,解体せずに別の用途で使うことも考えられる」と話す関係者もいる。また,地中には大量のごみが残っているとされている。その処分をどうするかという問題も残る。

 3)国会招致,動かぬ与党 野党追及「真相究明を邪魔」
 「籠池理事長が積極的に発言しているにもかかわらず,なぜ真相究明を自民党は邪魔するのか」。民進党の山井和則国会対策委員長は9日,自民党の竹下亘国対委員長と国会内で会談。籠池氏が府教育庁による現地調査の際に記者団の取材に応じたのに,与党が籠池氏らの参考人招致を拒むのは,理屈が立たないと批判した。

 新〔2017〕年度予算案の審議が続く国会で,野党は衆参の本会議や常任委員会で問題の追及を続けてきた。自民の鴻池祥肇(こうのいけ・よしただ)元防災担当相の事務所の国有地売却への関与や売却の異例ずくめの枠組は一定程度判明した。

 だが,なぜ,どのような経緯で異例の手続が重ねられたのかは不透明だ。政府側が「記録は廃棄したが担当者に個別確認はしていない」など,事実解明に対して消極姿勢を貫き,「適正な手続だ」「不当な働きかけはない」と同じ答弁を繰り返して防戦するなか,堂々めぐりの質疑も目立ちはじめている。

 この日の衆院本会議では,民進の菊田真紀子氏が「連日のように新たな問題が浮上している。この期に及んでも『手続は適正だった』というのか」と迫ったが,麻生太郎財務相は「適正な手続,価格で処分されたもので問題はない」と述べ,従来の答弁の枠を出なかった。
 補注)あらためて指摘するまでもなく麻生太郎は,副首相兼財務相である。つづいて引用する次段における記事に注意したい。

 野党は,籠池氏や当時の財務省理財局長ら,6人の参考人招致を事態の打開策と位置づける。「交渉記録を破棄したので違法性の有無は関係者を呼び直接問いただすしかない」(共産党の志位和夫委員長)。一方の与党は「なにをいい出すか分からない」(自民幹部)籠池氏を招致すれば,政府答弁の矛盾が露呈しかねないとの懸念から,「民間人の招致は慎重であるべきだ」(竹下氏)との理由を盾に逃げ切りを図る。

 与野党の綱引きが続くなか,参院予算委員会で民進が提案した現地視察は,16日の実施で自民,民進両党が大筋合意した。だが,現地での籠池氏との面会については,自民側が難色を示している。

 4)地中のごみ処理「籠池氏が要求」 財務省室長が証言
 地下に新たなごみがみつかったと森友学園側が訴えていた昨〔2016〕年3月半ば,財務省本省で籠池氏と面会した同省理財局の田村嘉啓・国有財産審理室長が9日,民進党の聞きとりに対し,当時のやりとりを明らかにした。籠池氏に「学校建設に影響が出ると困るので至急なんとかしてほしい」といわれ,「ルールがあるから,現場でしっかり話してほしい」と答えたという。

 田村室長によると前日に自席の電話が鳴り,学園の副理事長から面会を求められた。籠池氏とは初対面。部下と一緒に30分程度話した。誰かから会うように指示を受けたかと民進党側から問われると,「指示はまったく受けていません」と否定した。面会後の3月24日,学園側は国に土地購入を申し入れ,3カ月後の6月20日,土地の鑑定価格9億5600万円からごみ撤去費約8億円を差し引いた価格で売買契約が成立した。
 補注)どうやら,ここで話題になっている「学校予定地の地下のゴミ」が “魔法のランプ” の機能を発揮していたようである。そういう印象を与えている。国有地払い下げとしては〈異例中の異例の安さ〉で当該の用地が譲渡されているが,このあたりの事情・経過が,つまり,なぜその大安売りでの払い下げ価格になったのかが不詳であり,闇のなかの話である。

 ここらあたりを本格的に突っつくことになれば,その理由・経緯が判明するかもしれず,だからこそ,自民党(公明党も同列)は絶対に,篭池泰典理事長を国会参考人として招致することを拒んでいる。まさに,この理事長「なにをいいだすか」分からない人物であることは,これまでにおける「彼の演技ぶり」からも察することができる。

 下手をすると『安倍晋三首相辞職記念小学校』を生み出しかねない,いいかえれば,もしかするとそのように「国民の歴史的な記憶に残す」ような発言さえしかねない人物が,篭池泰典理事長である。自民党はだから「国会に彼を呼ばないことにしている」のだというところが,ホンネではないのか?

 ③「〈社説〉教育勅語肯定 稲田大臣の資質を問う」(『朝日新聞』2017年3月10日朝刊)

 この社説を引用する前提としては,こういう事実を指摘しておく。稲田朋美防衛相は,安倍晋三自身が気に入って国会議員にさせた人物である。つまり,両名における国家思想・政治イデオロギーは同一である。もっとも,防衛相になってからのこの稲田の行動は,自衛隊員からヒンシュクを買うような演技(パフォーマンス)が多く,その行動様式は中学生レベルのネトウヨ女子程度である。
 
   --稲田防衛相に閣僚としての資質があるのか。重大な疑義を抱かざるをえない発言である。稲田氏は〔3月〕8日の参院予算委員会で,戦前の教育勅語についてつぎのように語った。「日本が道義国家をめざすというその精神はいまもとり戻すべきだと考えている」「教育勅語の精神である道義国家をめざすべきであること,そして親孝行だとか友達を大切にするとか,そういう核の部分はいまも大切なものとして維持をしているところだ」。
 補注)この稲田朋美防衛相の「教育勅語」感(「観」ではない水準・程度のもの)は,教育勅語を換骨奪胎させた完璧に誤解釈である。「核の部分」が「親孝行だとか友達を大切にする」ことにあるという講釈は,デタラメもいいところである。そこで「道義国家」といわれている核心の本当の意味は〔本ブログ内では昨日(3月9日)にくわしく議論・批判しているが〕,「国民(臣民)は天皇のために戦地にいって,自分の命を惜しむことなく,死ねる人間になれ」と命令している。こういう文章の意味が稲田にはよく理解できていないとでもいうのか。( ↓  画面 クリックで 拡大・可)
教育勅語文章画像
出所)http://miyagi-jinjacho.or.jp/kyouiku.html

  「常ニ國憲ヲ重ジ國法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ是ノ如キハ獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン」ということは,天皇のためであればいさぎよく自分の命を捧げて,この国のために役に立てといったふうに,ひたすら軍国主義イデオロギーだけを高揚させている段落・文節である。

 そもそもこの教育勅語がなんのために臣民に向けて下賜されていたのか,明治時代にまでさかのぼってよく「反省してみる余地」があるにもかかわらず,その後において旧日本「大帝国」が敗戦に終着した「歴史の含蓄」をまったく理解しようとしていないのが,稲田朋美という政治家その仲間たちなのである。もちろん安倍晋三君も同じ部類の人物であり,しかも親分格である。

 だが,いまではこの教育勅語は,明治天皇のひ孫である天皇明仁ですら,真っ向から否定する国家思想である。ところが,森友学園が設置申請をしていた,当初の名称「安倍晋三記念小学校」,現在の名称「瑞穂の國記念小學院」においては,テレビや動画サイトでもすでに十分紹介されているところであるが,すなわちすでに経営している塚本幼稚園の教育のなかで「教育勅語を園児に暗唱させている」ような政治路線の教育を,小学校でも連続させてやると宣言している。

 その幼稚園における教育の様子をみせつけられた日本の国民・市民・住民・庶民は,これはまるで北朝鮮の子どもたちが受けさせられている洗脳教育体制とまったく同じではないかと観察している。すなわち,日朝間において国家の政治思想は根本から異なってはいても,戦前・戦中の日本における国家全体主義:皇統観念・神国思想と同一の初等教育を強いる方法は,現在における北朝鮮のそれとまったく同じそれだと感じざるをえないでいる。

 もう一度復唱する。篭池泰典理事長が経営する学校法人森友学園は,小学校新設申請にさいしては「安倍晋三記念小学校」という名称を,当初は準備していた。そして,安倍のお気に入りの防衛相が「教育勅語」を称賛する発言をしている。このあたりにおいて確実に観取できるのは,旧時代における「教育勅語の政治精神」がそれらの人的関連のなかを輪状に通貫している事実である。自民党が篭池を国会に参考人として招致したくないのは,結局,もっぱら安倍晋三の意向である。

 〔社説に戻る→〕 天皇を頂点とする国家をめざし,軍国主義教育の根拠となったのが教育勅語だ。明治天皇直々の言葉として発布され,国民は「臣民」とされた。親孝行をし,夫婦仲良く。そんな徳目が並ぶが,その核心は「万一危急の大事が起こったならば,大儀に基づいて勇気をふるい一身を捧げて皇室国家の為(ため)につくせ」(戦前の文部省訳)という点にある。

 いざという時には天皇に命を捧げよ。それこそが教育勅語の「核」にほかならない。稲田氏のいう「道義国家」がなになのかは分からない。ただ,教育勅語を「全体として」(稲田氏)肯定する発言は,国民主権,平和主義,基本的人権の尊重という憲法の理念と相いれない。
 補注)稲田朋美防衛相による教育勅語「解釈」は,要するに「入れポン出しポン」流のご都合主義のものである。いいかえれば,有機的に全体として解釈すべきこの勅語の一部分だけをとり出しては「いいところもある」といったあと,つぎにはこれを逆転させて,その全体にまで強引に結合させる解釈である。

 いわば典型的にすり替えの論理であり,論理学的に分析するまでもなく完全に破綻している「教育勅語の形式的な解釈」である。どうということはなく,ただ「戦前回帰」を志向したいために,論理が不備である屁理屈を披露している。理屈として通そうとする説明の意欲じたいが,もともと決定的に不足している。


 〔社説に戻る→〕 教育勅語は終戦後の1948年,衆院で排除の,参院で失効確認の決議がされた。衆院決議は勅語の理念は「明らかに基本的人権を損ない,且(か)つ国際信義に対して疑点を残す」とした。当時から,「いいことも書いてある」などとする擁護論もあった。これに対し,決議案の趣旨説明に立った議員は「勅語という枠のなかにある以上,勅語そのものがもつ根本原理を,われわれは認めることができない」といい切っている。

 当時の文相も「教育勅語は明治憲法を思想的背景としており,その基調において新憲法の精神に合致しないのは明らか」と本会議で答弁した。こうした議論を踏まえることなく,勅語を称揚する姿勢は閣僚にふさわしいとは思えない。まして稲田氏は自衛隊を指揮監督する立場の防衛相である。軍国主義の肯定につながる発言は国内外に疑念を招く。

 安倍政権では,教育勅語を擁護する発言が続く。2014年に当時の下村博文・文科相は,勅語が示す徳目について「しごくまっとう。いまでも十分通用する」などと語った。こうした主張は政権全体のものなのか。安倍首相は明確な説明をすべきだ。(社説引用終わり)

 --この下村博文も教育勅語に関する解釈を,あたかもまっとうな中身があるかのようにみなす立場で発言している。安倍晋三自民党に属する議員たちの大多数は,教育勅語がすばらしい国家理念と教育指針を含む「明治天皇が臣民に下賜した文書」と思いこんでいるはずである。

 いまの “安倍晋三とこの人物が率いる「極右主体の自民党」” 政権は,「戦後レジームを否定し,それからの脱却」というものを,必死になって追求している。だが,その目標が全然思うようには実現できていないし,これからも絶望的である立場に置かれている。安倍政権のもとでも従前であって,在日米軍基地にいまもなお首根っこを抑えこまれているこの国の実情において,せいぜいできることといえば,彼らなりに「戦前への回帰」を教育勅語を復活させて「活かそうとする」手順ぐらい残されていない。しかし,だからこそ,時代錯誤そのものだと批判されるほかなく,強く指弾されてもいるのである。

 要は,平成の天皇も,自分のひいおじいちゃんが天皇をやっていたときに臣民に与えていた教育勅語は,もう認めませんといっていたはずである。ところが,この教育勅語をである,21世紀の時代にもなっているにもかかわらず,それも大昔のご先祖様が残した古証文かそれとも借用証書かはしらぬが,明治帝政時代の〈歴史的な遺物〉が至上・至高だと思いこめるせいで,そしてさらには問答無用に,それも公権力を悪用する方途で,他者=国民たち全員に強要しつつある。だが,そのような時代感覚と政治理念は,完全に時代錯誤である。

 率直にいえば,あの『日本会議風の政治思想(?)』によって,脳細胞が完全に冒され,徹底的にイカれている(とことんまで「イッテいる」)そうした自民党国会議員たちの時代錯誤は,もはや重症だという一線を越えている。いいかえれば,彼らのそうした時代遅れの古風な政治意識は,封建遺制という糠味噌のなかに依然漬かったままなのである。

 ④「〈社説〉理事長らの国会招致が必要だ」(『日本経済新聞』2017年3月10日朝刊2面「社説」)
 
 大阪府豊中市の国有地が学校法人「森友学園」に評価額より大幅に安く売却された問題で,野党が関係者の国会招致を求めている。連日の審議でも疑問がすべて解消したとはいえない。与党は取引の経緯や政治家の関与の解明に向けて招致に同意すべきだ。

 民進,共産,自由,社民の野党4党は,学園の籠池泰典理事長,当時の財務省理財局長ら6人の参考人招致を要求した。日本維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)も招致が必要だと発言している。一方,与党は「民間人であり慎重な対応が必要だ。違法性は確認されていない」と拒んでいる。
 補注)大阪府知事松井一郎も国会に招致しろといわれているが,このとおりである。松井府知事の言動にはいろいろあやしい点が残されたままである。いいかえれば,森友学園の小学校新設申請に関しては,むしろ裏舞台では促進役を果たしてきたのではないかという疑いがもたれて当然・必然でもある。

 この松井府知事に対しても,あれこれ関連する事項が適切に質問され,さらに追及されたら,おそらくこの知事は窮地に追いこまれるような回答をせざるをえなくなる〔はずである〕。また自民党は自民党で,今回のこの森友学園の小学校新設申請にかかわる事件の真相が明らかになれば,安倍晋三政権など空中分解する危険性をはらむ点は,よく承知している様子がうかがえる。


 森友学園は小学校の建設用地として9千平方メートル近い国有地を1億3400万円で購入した。不動産鑑定士の評価額は9億5600万円で,地中のごみ撤去費用として8億円強を減額した。国有地の売却は高い透明性と公平性が求められる。学園と近畿財務局の交渉記録は残っておらず,政府のこれまでの説明では不十分だ。
 補注)「地中のごみ撤去費用として8億円強を減額」というマジックは,いったい誰がどのように発案し,準備していたのか? 今回の問題で「不当な利益供与」が森友学園の小学校新設申請に絡んでなされていたのではないかという疑いが,まだなにも晴れていない。むしろ,なにか重大な問題がまだ隠されているにちがいないと感じる。これはこれまでの経過を観察しての推理である。

 まずしりたいのは売却価格を大きく下げる根拠となったごみ撤去費用の算定方法の妥当性だ。国民の大切な財産を,外部の見積もりなしで売却した判断は正しかったのか。学園が国や大阪府に提出した書類で校舎の建築費用が食い違っている問題も明らかになった。

 学園から働きかけを受けた政治家は,自民党の鴻池祥肇参院議員や大阪維新の会の府議のほかに本当にいないのか。学園は「安倍晋三記念小学校」の名称で寄付を募り,首相の昭恵夫人を「名誉校長」として紹介していた。さまざまな疑惑の真相を究明するのは国会の重要な役割である。

 政府は〔3月〕8日,学園が運営する幼稚園で昭恵夫人が2015年に講演したさいに同行した政府職員に関して,「私的活動」との国会答弁を「公務だった」と訂正した。首相夫人の行動は公私を問わず注目を集める。権力を利用しようと近づいてくる個人や団体も多く,言動が責任を伴うことへの自覚がどれだけあったのか疑問が残る。(社説引用終わり)

 --いまの安倍晋三政権はいちおう民主主義の選挙体制のなかから登場してきたが,選挙制度の影響もあって4割の有権者の支持しかないにもかかわらず,自民党〔と公明党の〕政権与党が3分の2近くも国会の議席を占めている。野党でも準与党のような政党もある。
★ 会派名及び会派別所属議員数,
2016年10月26日現在 ★
= 各会派の所属議員数の( )内数は女性議員 =

   会派名        会派略称    所属議員数
 自由民主党・無所属の会   自民     294(25)
 民進党・無所属クラブ    民進       96( 9)
 公明党           公明       35( 3)
 日本共産党         共産       21( 6)
 日本維新の会        維新       15( 0)
 自由党           自由       2( 0)
 社会民主党・市民連合    社民       2( 0)
 無所属           無          10( 1)
 欠員                     0
     計                 475(44)
  註記)http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/kaiha_m.htm 参照。
 ⑤「自民・船田氏『特別な力学働いたと…』森友問題に言及」(『朝日新聞』2017年3月10日4面)
   
   学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題をめぐり,学校経営者として教育に関わる船田 元・衆院議員(自民)は9日,朝日新聞の取材に対し,森友学園の幼稚園教育について「ある意味で洗脳だ」と批判した。売却の不透明さも指摘し,籠池(かごいけ)泰典理事長の参考人招致について「国会で参考人を呼ぶことも一つの手段」と述べた。

 「森友の幼稚園教育『ある意味洗脳』」だという船田元氏の発言要旨は,つぎのとおりである。
    船田氏は,栃木県内で幼稚園や高校などを運営する学校法人「作新学院」(栃木県)の学院長。6日付のブログで,大学設置認可や国有地売却をめぐる自身の苦労話を紹介したうえで,「特別の力学が働いたと思わざるをえない」と指摘。森友学園の幼稚園の教育内容を「きわめて異常」と批判していた。
 補注)「森友学園の幼稚園の教育内容を『きわめて異常』と批判」する場合,まずこの森友学園ですでに実施されているごときその異常な教育内容のなかにも,間違いなく控えているはずの「政治思想要因」を抽出しておき,つぎにこれを教育機関ではない政治集団(政党組織)の領域における「当該の問題」と照合させる必要がある。そうすれば,完全に瓜二つであると判る両者のうち,自民党の「日本会議国会議員懇談会」(超党派の議員によって構成される議員連盟の会)もまた,まったく同じに批判される。
 船田氏は取材に対し,国有地売却について「ことがうまく進みすぎているなという印象がきわめて強い」と語り,「本当に安倍晋三首相側,役所側に不正がないとすれば,積極的にみずから情報公開すべきだ」として,政府側に説明を求めた。

 疑惑解明に向けては「学校法人側が記者会見を開いて証拠を示すことが第一」としたうえで,参考人招致についても「会見でも疑惑が晴れないとすれば,つぎの手段としてはあるかもしれない」と述べた。安倍首相は会計検査院の調査に問題解明を委ねる考えを示しているが,船田氏は「なんらかの結論を1カ月も2カ月も出さないとすれば,隠れみのにしたと思われても仕方ない」と言及した。

 また,幼稚園児が運動会で「安倍首相がんばれ」などと選手宣誓していたことについて,「一方的な政治的価値を,判断がつかない子供たちに植えつけるということは,ある意味で洗脳だ」と批判した。(記事引用終わり)

 --自民党議員は国会議員であって,幼稚園や小学校で教育を受ける児童・生徒などではないゆえ,次元を大きく異ならせる問題を独自に抱えてはいるものの,政権与党における「一方的な政治的価値を」,こちらでは「判断がつかない」わけではない国民「たちに植えつけるということは,ある意味で洗脳だ」と,前段の文句を応用させて説明に当てることもできそうである。

 安倍晋三政権が現実的におこなってきているその洗脳の内容が「戦前回帰」であり,「戦後レジームからの脱却」である。だが,その政治目標が戦後民主主義の基本精神を全面的に否定するところからして大問題であった。つまり,安倍晋三の政治手法である専制的な独裁志向の立場が,回りまわって(それほどなんども回ってはいない様子に映るのだが),今回における森友学園の小学校新設申請問題を発生させ,政権の根幹を揺るがすような話題にもなっている。

 ⑥「籠池氏,自説の独演会 一連の問題『仕組まれた』」(『日本経済新聞』2017年3月10日朝刊39面「社会」

 工事車両や重機の音に混じって,大きな声が響き渡った。学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却や小学校の設置認可をめぐる問題で〔3月〕9日,学園の籠池(かごいけ)泰典理事長が報道陣の取材に応じ,学校の認可を強く求め,国会の質疑やメディアへの批判を展開。ただ,小学校の建築費などの疑問については明確に答えなかった。
『日本経済新聞』2017年3月10日朝刊43面森友学園理事長画像
 籠池氏は午後2時20分ごろ,学園が建設を進める大阪府豊中市の「瑞穂(みづほ)の國(くに)記念小學院(しょうがくいん)」予定地に黒っぽいスーツ姿で現われた。現地調査のため,すでに府教育庁職員が到着していた。「静かに。国民の皆様にお伝えします」。籠池氏は集まった100人以上の報道陣を前に声を張り上げた。背後に未完成の校舎がある。「20年来,どのように小学校を作っていけばいいのか,いつも考えてきた。しかし,いま,非常に悩んでおります」。そう切り出し,一連の問題を語りはじめた。

 まずは,府私学審議会が2015年1月に学校の工事の契約状況を報告することなどを条件に「認可適当」と答申したことに矛先を向け,「認可妥当(適当)がなければ,建物も建てていなかった」と主張。国会の予算委員会で学園の国有地取得などをめぐる質疑が続いていることにも「ほかの重要な国論についていうことがないのか」と批判した。一連の問題について「仕組まれてきたと思う」とみずからの考えを語り,「どうぞ学校を開設させていただきたい」と訴えた。
 補注)この「仕組まれたと思う」点が具体的になにを指すのか,まだ分かりにくいけれども,ここまで今回の事件が進展させられているのであれば,国家・地方自治体が森友学園の小学校新設申請を認可した経緯については,関係してきた関係官庁,そして個人的に関与してきたはずの政治家たちが「ぶっちゃけた話をしなくていいのか」と主張しているように,聞こえないわけでもない。

 その後,調査に来た教育庁職員が待つプレハブ施設内に入ったが,30分ほど後に再び報道陣の前へ。学園側が今〔2017〕年2月の私学審に,愛知県の中等教育学校と「推薦入学枠の提供で合意」と報告したことについて,「われわれのコンサルタントがちょっとミスをした。現在進行形ですから。正式決定と書いたのは本当に申し訳ない」と釈明した。
 補注)このいいわけもおもしろい。コンサル会社は素人を教え指導してくれる専門会社である。これが「ミスをちょっとした」というのは,とうてい申しひらきにならないいいぶんである。奇妙の一言につきる。

 国に「23億8464万円」,府私学審に「7億5600万円」など学園側がいくつもの小学校建築費を示したことについて報道陣に問われると,正しいのは「7億5千万」と説明。しかし,理由は「ちょっとまだ」などと言葉を濁した。動画サイト「ユーチューブ」にも一時,籠池氏が語る動画が掲載された。

 籠池氏は,国有地取得について「なんら疑義はない。どなたにも口利きをしてもらったことはない」と主張。小学校が不認可の場合,「大変なことになる。大阪府に賠償請求をしないといかんようになる」と語り,そうならないよう「きちっと答えてます」と話した。政治家との関係にも言及した。籠池氏について「しらない」「10年前にしか会っていない」と話す国会議員がいるとして,「そんなことない」「よく存じ上げている方もいますね」と指摘。「しっぽ切りはやめてほしい」と述べた。実名は明らかにしなかった。
 補注)篭池泰典理事長は「自分がしっぽ」だと形容しているが,それで「その本体」のほう,より「大きな胴体部分」はいったい「どこの誰」を意味するのか? 政府・自民党側がこの理事長の国会招致を嫌がる理由は明快である。なお,この答えは後段の ⑨ で説明される。

 1)事実と異なるメディア批判
 籠池氏はメディアの取材には「いきすぎですよ」などと指摘した。だが,事実と異なる点も多い。そのなかで朝日新聞について「会見もしないのに,『いついつ会見します』と書いた朝日新聞。とんでもない話だと思いますよ。あれから,このような騒動が起こった」と発言。「小学校の説明会のとき,朝日放送だったか,朝日テレビだったか,眼鏡にカメラを入れこんで,しかも保護者と思わせるような態度で侵入してきた」とも述べた。

 朝日新聞は2月11日付朝刊で小学校建設地をめぐるごみ撤去の費用について報じたさい,籠池氏が前日の朝日新聞の取材に「13日にあらためて取材に応じる」と答えたと書いた。実際に籠池氏は同月13日,代理人弁護士と取材に応じた。籠池氏が会見を開く予定があると本紙が報じた事実はない。朝日放送(大阪市)の広報部は「当社の取材方法について籠池氏が指摘したような事実はありません」,テレビ朝日(東京)の広報部は「その取材にはいっておりません」とするコメントを9日に出した。

 2)「どこが悪い」主張の教育勅語 「総動員体制」への影響指摘
 また,籠池氏は9日,報道陣に対し,「教育勅語」についても持論を展開した。「なにかことがあったとき,自分の身を捨ててでも人のためにがんばなさい。そういう教育勅語のどこが悪い。まったく悪くない」。

 籠池氏が理事長を務める学校法人「森友学園」が運営する幼稚園で,園児が「教育勅語」を暗唱していたことが分かっている。稲田朋美防衛相も8日の参院予算委員会で「日本が道義国家をめざすという,その精神はいまもとり戻すべきだと考えている」と答弁した。( ↓  画面 クリックで 拡大・可)
『朝日新聞』2017年3月10日朝刊39面森友学園画像
出所)これは『朝日新聞』2017年3月20日朝刊39面より。

 教育勅語は明治天皇が1890〔明治23〕年,教育の根本理念を示すものとして授けた「教え」だ。中には,夫婦が仲良くする,父母に孝行する,友達を大事にする,といった一般的な道徳を表わす項目もある。しかし,教育勅語の本質は別のところにある。

 君主に従い,奉仕する人民という意味で,国民を「臣民」と記している。さらに,臣民は国家の一大事には,勇気をふるって身を捧げ,「皇室国家」(戦前の文部省訳)のために尽くすとも書かれている。籠池氏の発言は,この部分を念頭に置いたものと受け止められる可能性もある。

 また,教育勅語は国家神道と一体化し,神格化された勅語の謄本(写し)の前では,臣民は頭を垂れることとされた。「神」である天皇のもとで,国民を統合する役割があったというのが定説だ。全体主義が浸透し,戦争中の総動員体制につながったとも指摘される。

 このため,太平洋戦争後の1948年,衆院は「根本理念が主権在君並びに神話的国体観に基づいている」と指摘。基本的人権を損ない,国際的にも疑問を残すものだとして,「排除」を決議した。参院も同日,「失効確認」を決議した。

 籠池氏は9日,「偏向したことをみなさんが考えすぎるから,日本社会はだんだんおかしくなってくる」と教育勅語の正当性を強調。稲田氏は8日の参院委で「教育勅語じたいがまったく誤っているというのは私は違うと思う」と述べる一方,教育勅語の根幹部分の是非については直接,触れなかった。

 ⑦「籠池氏『校舎の中 みてない』 府側『理事長妻が妨害』 森友学園 小学校現地調査で応酬」(『日本経済新聞』2017年3月10日朝刊43面「社会2」)

 学校法人「森友学園」(大阪市)が4月開校をめざす小学校をめぐり,大阪府が〔3月〕9日に実施した現地調査。立ち会った籠池泰典理事長は報道陣に持論を展開する半面,校舎建築費の疑惑に関する詳しい説明はなかった。小学校認可の前提となる現地調査は「理事長の妻が妨害」(府の担当者)し,わずか20分で打ち切りに。不認可が決定的となった。

 「この学校を開設させてほしい。それだけです」。現地に到着した籠池氏は報道陣に声を張り上げた。「国のため,社会のためにいい人材を育てようとするのを阻止する人がいる」とも述べ,国会などでの疑惑の追及に不満をあらわにした。現地調査の終了後,改めて取材に応じた籠池氏は「府の担当者は(校舎の)なかをみずに帰った。書類は原本ではないとの理由で中身をみてくれなかった。なんなんですか」と不満を爆発させた。

 校舎建築費が府や国などへの報告で食い違うことに関しては,正しいのは府に報告した「7億5千万円だ」と説明。ただ,根拠を問われると「その件は,また府庁の方に中身を確認してもらう」と歯切れが悪くなった。一方,府私学課の担当者は現地調査後に記者会見し,「理事長の妻の妨害で正常な調査ができなかった」と憤った。

 担当者によると,調査の開始直後は府職員5人に籠池氏が1人で応対していたが,途中から妻が姿を現した。妻は職員を指さしながら「(マスコミに)情報流出したのはあなたでしょ」と話し,携帯電話で職員の顔を撮りはじめた。籠池氏は「やめとけ」と制止したが,撮影を続けたため調査を打ち切った。

 過去に府側が夫妻と面会したさいには,妻が無断で撮影した職員の写真がインターネット上に掲載されたという。府は9日,妻が同席する場合には現地調査しないとの通知を学園側に送った。

  『日本経済新聞』のほうではさらに, “2面「総合1」” に,「『森友小』を不認可へ 府が現地調査 建築費,疑惑強まる 籠池理事長『虚偽はない』」という見出しの記事が掲載されている。こちらは引用しても重複するので紹介せず,作成されている図表のみ,前段において借りておいた。

 ⑧ 結  論-森友学園理事長篭池泰典を国会に参考人として招致せよ-

 篭池泰典理事長を,今回の事件に関連して国会は招致し,参考人として事情をくわしく聴けばよいのである。そうすればおそらく,安倍晋三政権が崩壊する可能性が大である事実や真相が出てくるかもしれない。このへんに,この国会招致を自民党が承知しない事由がある。

 それでなくとも,「第2の森友学園事件」と目されている,岡山理科大学などを運営する学校法人加計学園加計孝太郎理事長=岡山市)が2018年4月,国家戦略特区の今治市に開学する「獣医学部」建設用地(今治新都市第2地区の高等教育施設用地36億7500万円)を無償で取得したという「疑惑の解明」が待ちかまえている。

 加計孝太郎理事長は安倍晋三の親友(オトモダチ)である。

 --山住正己『教育勅語』(朝日新聞社,1980年3月)は,いまから37年前に公刊されていた書物であるが,最後のほうでこう書いていた。
    国会で排除・失効決議がおこなわれてから30年以上を経て,今日なお各分野の思想的立場にある人たちが教育勅語尊重の発言をつづけているのは驚くべきことである(256頁)。
 1980年3月からこの2017年3月までにおいて,その驚くべきことが,もっと驚くべき事態をもたらしつつある。「その全体像を横に置き,文言だけを意訳も交えて評価することには違和感を禁じえない」註記)という点は,すでに本ブログは指摘・強調してきた。
 註記)大島三緒「〈日曜に考える:中外時評〉教育勅語は遠く近く-道徳教科化が覚ます記憶」『日本経済新聞』2014年5月25日朝刊。 

 ⑨ 追  論「森友問題の原点 安倍・松井・籠池を結びつけた団体の正体」(『日刊ゲンダイ』2017年3月10日)-止めになる議論というか,最初から判りきっていた「者たちの構図」-

 森友学園事件の背景には,安倍首相を中心とする異様な翼賛と癒着の構造がある。その源流をたどると, “おかしなオッサンの思いつき” で済ませられない深刻な問題だということが分かる。事件の下地は,何年も前から用意されていた。やはり,どういいわけしたところで,これは安倍首相自身の疑獄だ。

 1)「伝説の2・26会談」で意気投合
 森友学園の籠池理事長は,安倍首相を「偉人」と称え,問題の土地に新設予定の「瑞穂の國記念小學院」も,当初は「安倍晋三記念小学校」の名称になる予定だった。だから,名誉校長には昭恵夫人が就いていた。そして,財政面も教育内容も問題だらけの学園にスピード認可を与えた大阪府知事は,安倍首相との親密さでしられる日本維新の会の松井代表である。安倍首相-松井知事-籠池氏,この3人を結びつけたのが,「日本教育再生機構大阪」だ。
篭池泰典画像3
出所)https://twitter.com/search?q=%23篭池泰典
一部の傾聴に値する指摘とハチャメチャな意見
とが雑多に区別なく混濁している発言である。


 「1回目の総理大臣を辞めたあと,失意の安倍さんを大阪に招いたのが維新の遠藤敬・現国対委員長だったんですわ。当時,会長をやっとった『日本教育再生機構大阪』のシンポジウムに呼んだんです。2012年2月26日のシンポジウムで安倍さんと対談したのが松井知事で,シンポ後の居酒屋会談でも教育再生について熱心に話しあい,すっかり意気投合した。僕らのあいだでは,いまも“歴史を変えた伝説の2・26会談”いうて語りつがれてます。その後も会合を重ね,2012年の自民党総裁選に負けたら,安倍さんが党を割って維新と合流する構想までもちあがっていた。維新の側は代表の座を空けて待っとったんですわ」(維新関係者)。

 日本教育再生機構は,愛国心教育を徹底し,歴史修正主義的な育鵬社の教科書を使うことを主張する団体だ。理事長は八木秀次麗沢大教授。安倍政権を支える「日本会議」のメンバーで,安倍首相の教育政策のブレーンだ。諮問機関の「教育再生実行会議」でも委員を務めている。八木氏自身も籠池理事長と交流があり,森友学園が運営する塚本幼稚園で講演をおこなったこともある。

  機構は各地に支部があり,安倍首相と松井知事を結びつけた大阪支部には籠池理事長も出入りしていた。教育勅語を園児に暗唱させる塚本幼稚園は教育再生機構にとって “モデル校” のような存在なのだ。

 2)日本会議と二人三脚
 教育再生機構の共催で今〔3〕月19日に行われる「シンポジウム in 芦屋」のチラシを見ると,パネリストのなかに「籠池町浪(かごいけ・ちなみ/瑞穂の國記念小學院開校準備室長)」の名前がある。さすがに今回の出演はとりやめになったというが,名字と肩書をみれば分かるように,籠池理事長の娘だ。塚本幼稚園の教頭も務めている。

 『教育再生機構と日本会議 ⇔ 森友学園 ⇔ 維新の会 ⇔ 安倍政権』は一本線でつながる。というより,ほとんど一体化していると。「日本会議と二人三脚で進めてきた安倍首相の教育改革がめざす将来像が,森友学園が新設予定だった  “安倍晋三記念小学校”  だということです。維新もその方針に共鳴してきた。

 全国に先駆けて『国旗国歌条例』を制定した大阪には,安倍首相と共通する意思,思想も浸透している。もし問題が発覚しなければ,小学校は4月に開校し,やがては中学校もできたかもしれない。安倍首相が教育改革でやろうとしていることを,教育再生機構と森友学園はひと足先に大阪で具現化しようとし,それを応援した人たちがいる。土地取引や認可の過程で,たとえ直接的な働きかけをしていなくても,安倍首相の問題に違いありません」(政治学者・五十嵐仁氏)。

 結論。この政権だから,起きるべくして起きた事件なのだ。
 註記)https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/201072/1
    https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/201072/2
    https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/201072/3



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