芳ちゃんのブログさんのサイトより
http://yocchan31.blogspot.jp/2017/10/blog-post_7.html
<転載開始>
核戦争をめぐる歴史や米国の政策ならびに現在の識者の見解に関して私はこのブログでいくつかの投稿をして来た。それらを纏めてみると、下記のような具合だ。

2017819日:渚にて、2017年 - 核戦争を招きよせる

2017517日:先制核攻撃という米国の神話

2017221日:米国の指導層は核戦争を選択したのだろうか

20161010日:ロシアに対する「からかい」が核戦争を誘発する危険

2016519日:広島・長崎への原爆投下はどうして戦争犯罪ではないのか

201633日:米国の核兵器製造計画によって犠牲となった夥しい数の労働者や一般市民たち

201475日:核戦争による人類の絶滅

2014621日:「米国の核戦力の優位性」は単なる誤謬に過ぎない


20121110日:日本に対する米国の原発支援は「原爆の製造」に好都合だったから

201298日:日本へ原爆を落とす必要はあったのか


米国の好戦的なネオコンや軍産複合体の代弁者たちが提言する中ロに対する先制核攻撃に関しては、私の個人的な考えでは、2014621日に投稿した『「米国の核戦力の優位性」は単なる誤謬に過ぎない 』、ならびに、2017517日付けの「先制核攻撃という米国の神話」の二編がわれわれ素人も理解しておきたい、もっとも基本的な情報であると思う。

 

これらを読んでみると、先制核攻撃を口にする彼らの言葉は恐ろしく空虚に響く。内容が現実とは大きく離れ、世論を誘導して中ロ両国を仮想敵国としてでっち上げるための大嘘でしかないからである。皆さんはどうお思いであろうか?

 

9/11同時多発テロ以降、米国ならびにその同盟国が推進して来た対テロ戦争は連邦政府の借金が急激に膨張する中でさえも、軍事予算の削減を防ぐ手段として軍産複合体によって巧妙に活用され、その角度からさまざまな戦術や戦略が対テロ戦争という美名の下に提言され、議論され、メディアがそれを喧伝し、米国の外交政策として採用され、実行されて来た。こうして、軍産複合体は膨大な軍事予算を確保し、そのような状況を何年も続けようとして来たのである。軍需産業とその関連企業が最大の恩恵に浴して来た。アフガニスタンからイラクへ、そして、リビアへと続き、シリア紛争へと続いた。イエメン紛争も例外ではない。

 

しかしながら、シリア紛争ではシリア政府を支援するロシア、イラン、レバノンのヒズボラ派(これらの勢力に加えて、最近はトルコや中国もシリアの和平を目指した支援の動きを活発化している)による成果が顕著となり、米軍の出番は限定され始めた。今や、米軍はシリアからの不名誉な撤退を余儀なくされるかも知れない。

とは言え、ひとつの大きな懸念が残る。米国の戦争計画者の間ではシリアでの失敗と絡んで当然のようにロシアに対する巻き返しの動きが出て来ることだろう。すでにその兆しが見えているが、シリア政府を支援するロシアやイランに対する敵対意識は募る一方だ。そこには、さらに中国に対する敵意も加わって来る。こうして、シリア紛争という戦場だけを見る限りでは和平が成立するかも知れないが、もっと大きな地球規模での動きを観察すると、戦場はシリアから離れて、ロシア・イラン・中国というより大きな戦場へと移るのかも知れない。何にも増して、軍産複合体にとってはより大きな利益が約束されるのだ。


覇権を誇示したい米国による力ずくの戦争の危険性が、今や、いや増しに高まっている。これは第三次世界大戦へと発展するかも知れないのだ。

 

そのような危険性を予見し、警鐘を鳴らそうとしている多くの識者の中にポール・クレイグ・ロバーツがいる。このブログでは彼のさまざまな論評を取り上げて来たので、本ブログが引用した記事の著者として彼の名前をご記憶の方も多いのではないかと思う。

 

彼の記事の中に「ワシントン政府はロシアと中国に対する核戦争を計画」と題したものがある [1] 。本日はこれを仮訳して、読者の皆さんと共有したいと思う。

 

<引用開始>

核戦争の脅威について話しを聞くなんて誰もが好むわけではない。核戦争なんてまったく無意味なことであるからそんな事態は起こる筈がないと言って、核戦争を否定することに逃げ込む人もたくさんいることだろう。しかしながら、不幸な事には、人類には無意味なことを行って来た長い歴史があるのだ。

私は最近の何年かに行った投稿で米国政府の軍事ドクトリンに関する文書やそれらの改訂に関してある指摘をして来た。それらの文書はワシントン政府がロシアと中国に対して核による先制攻撃を準備していることを示唆しているのである。最近になって、ワシントン政府がロシアとプーチン大統領を悪魔視していることやロシアの行いや意図に関して絶え間なく嘘をついていること、ならびに、どのような課題に関してもワシントン政府はロシアとの協力を拒んでいるといった諸々の事実はロシア政府にある結論を導き出させた。ワシントン政府はロシアを攻撃するために西側の市民を洗脳しようとしているのである。中国もまったく同じ結論に至っているだろうことは明白である。

ワシントン政府がこれらふたつの核大国に対して核先制攻撃を準備しているということを彼らに知らしめることは全人類にとって非常に危険なことである。これ以上に向こう見ずで無責任な行為は想像することさえも出来ない。ところが、それこそがワシントン政府が行っていることなのである。 

ロシア参謀本部で作戦担当の副長官を務めるヴィクトル・ポズニヒール中将は、全世界に対する覇権を模索している米国は対弾道ミサイル防衛システムを稼働しており、これを駆使することによって米国の先制攻撃に応えて発射されるロシアからのミサイルは防衛することが可能であるとワシントン政府は考える、と結論付けている。http://www.fort-russ.com/2017/04/us-forces-preparing-sudden-nuclear.html

注意深く検討をした結果、ロシア人が到達した結論はこうだ。ワシントン政府はロシアを破壊し、ロシアの報復能力を不能にすること以外には何の機能も持ってはいないことに投資をし、それらを統合しようとしている。ひと言で言うと、ワシントン政府は核戦争の準備をしているのである。https://www.rt.com/news/386276-us-missile-shield-russia-strike/

私が前に説明しているように、この狂気じみた筋書きの背景にある論理は、米国による先制攻撃が実施された暁には、ロシアは手酷く破壊されてしまって、ワシントンからの二回目の攻撃を恐れる余りにロシアは報復攻撃を行えないであろうというものだ。また、ワシントン政府は工作員を使って出来る限り多くのロシア政府の要人を暗殺し、指導者を失ったロシア政府を混乱に陥れることも計画している。 

何とまあ、米国・イスラエルの狂気じみたネオコン連中は世界の覇権を確立するためにはこのようなことさえをも実行しようとしているのだ。

何と言うことだ。ワシントン政府は自分たちの攻撃は思い通りに展開するものとし、ロシアと中国の軍事力は壊滅し、報復攻撃は何も起こらないだろうという前提に基づいて、地球上の生命を壊滅することさえをも意に介さない。彼らはそれ程に犯罪的で、狂気じみている。

ワシントン政府が権力欲の虜となり、挙げ句の果てにすべての生命をこのようなリスクに曝してしまうことに関しては、米国や欧州の一般大衆は激怒するであろうと皆は期待するかも知れない。しかし、反戦運動の兆しなんてこれっぽっちもない。西側の左翼はアイデンティティー政治に陥ってしまった。そこでは、主たる脅威は女性嫌いで、人種差別主義者で、同性愛者であるとされる異性愛者の白人男性からやって来るだけである。西側の左翼はもはや反戦意識を持ってはいない。トランスジェンダーの権利が当人が選ぶトイレの話に落ちてしまったように、左翼は、確かに、まったく取るにも足りないような存在になってしまった。西側の左翼の不能振りは徹底して進行しており、左翼なんてもう存在してはいないかのようである。

それでは、希望はもう持てないのだろうか?ロシアと中国が単に座して、米国による先制核攻撃を待つなんてことは出来そうもない。

恐らく、ワシントン政府は先制核攻撃を意図しているわけではなく、ワシントンが推進する準備がこの紛争においては米国に膨大な優位性をもたらし、その結果ロシアと中国がワシントンの覇権に従うことに同意させようとしているのであろう。しかし、ワシントンの意図に関するこの解釈はリスクをより小さくするというわけではない。ロシアと中国はいったいどうしてワシントンが戦争準備を完了するまで待ってくれ、中ロ両国を従属国とさせる米国の準備作業が完了するまで待ってくれると言えるのであろうか?

米国の軍事・治安複合体はトランプが唱えた米ロ関係の正常化路線を明確に損ない、NATOやヨーロッパにおけるワシントンの従属国からはロシアに対する敵意が垂れ流し状態となったままだ。米国民の大多数はロシアは米国の最大の脅威であるとするプロパガンダを受け入れたようである。この説明をコントロールするプロパガンダを駆使して、ワシントンの攻撃的な行動は脅威に対する自衛であるとの説明が流され、地球上の生命を絶滅させるためのものではないと言う。 

地球上の生命がその終焉に迫っている可能性は高い。その責任は何と言っても米国民にある。彼らの成功は、他国が犯した間違いによって、自分たちは例外的であり、自分たちには特権が与えられているのだと思うようになった。米国人は例外的であり、特権が与えられているとするネオコンの主張には地球上の全生命に対する過酷な脅威が内在しているということには気付かずに、米国の自己満足した一般大衆にとってはそのような尊大さがもたらす結末には何の思いも及ばない。この尊大さこそが彼らだけではなく、全世界をも熱核戦争による虐殺へと導いているのである。

米国の例外主義を主張するネオコンの考えはヒットラーがドイツ人のために唱えた主張と瓜ふたつである。もしも米国人が不可欠であるとすれば、米国人以外の者は不可欠ではなく、ある米国の政治家が言うように「爆撃を行って、石器時代に戻してしまう」、あるいは、ワシントンがロシアや中国に対して意図しているように核攻撃を行っても良いのだ。米国の例外主義の主張はロシアや中国にとっては受け入れられない。こうして、ワシントンで西側を支配している狂気じみて馬鹿馬鹿しい怪物らは今地球上の生命に終焉をもたらそうとしているのである。

それに対する抵抗はこれっぽちも見当たらない。愚かな英国人、愚かなドイツ人、愚かなフランス人、イタリア人、カナダ人、オーストラリア人、ベルギー人、ギリシャ人、ポルトガル人、スペイン人、日本人らが狂気の元であるワシントンの背後に再結集しているのだ。

そして、米国人も明らかにそう振舞っている。この社会全体の愚かさは想像を絶する程だ。

著者のプロフィール: ポール・クレイグ・ロバーツ博士は財務省で経済政策を担当する次官補を務め、ウオールストリートジャーナルの副編集者を歴任。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニュース・サービス、および、クリエーターズ・シンジケートのコラムニストを務めた。彼のインターネット・コラムは世界中から関心を集めている。ロバーツ博士の最近の著書としてはThe Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHow America Was Lost、および、The Neoconservative Threat to World Order

注: この記事に表明されている見解はあくまでも著者のものであって、必ずしもInformation Clearing Houseの意見を反映するものではありません。

<引用終了>


これで、全文の仮訳は終了した。

この著者は単刀直入だ。非常に明快である。その点がことさらに際立っている。私見ながら、米国の対外政策を理解しようとする時彼の見解は必読であると思う。

下記の指摘は非常に印象的だ。

私は最近の何年かに行った投稿で米国政府の軍事ドクトリンに関する文書やそれらの改訂に関してある指摘をして来た。それらの文書はワシントン政府がロシアと中国に対して核による先制攻撃を準備していることを示唆しているのである。最近になって、ワシントン政府がロシアとプーチン大統領を悪魔視していることやロシアの行いや意図に関して絶え間なく嘘をついていること、ならびに、どのような課題に関してもワシントン政府はロシアとの協力を拒んでいるといった諸々の事実はロシア政府にある結論を導き出させた。ワシントン政府はロシアを攻撃するために西側の市民を洗脳しようとしているのである。中国もまったく同じ結論に至っているだろうことは明白である。

ワシントン政府がこれらふたつの核大国に対して核先制攻撃を準備しているということを彼らに知らしめることは全人類にとって非常に危険なことである。これ以上に向こう見ずで無責任な行為は想像することさえも出来ない。ところが、それこそがワシントン政府が行っていることなのである。

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恐らく、ワシントン政府は先制核攻撃を意図しているわけではなく、ワシントンが推進する準備がこの紛争においては米国に膨大な優位性をもたらし、その結果ロシアと中国がワシントンの覇権に従うことに同意させようとしているのであろう。しかし、ワシントンの意図に関するこの解釈はリスクをより小さくするというわけではない。ロシアと中国はいったいどうしてワシントンが戦争準備を完了するまで待ってくれ、中ロ両国を従属国とさせる米国の準備作業が完了するまで待ってくれると言えるのであろうか?


戦争計画者による一見非の打ち所がない見事な対中ロ戦争計画ではあっても、それはあくまでも人間が考えた案である。人間が考えることの不完全さや人間社会の愚かさが見事に指摘されている。そして、アメリカ例外主義が如何に愚劣で、危険極まりないものであるかも浮き彫りされている。一般大衆が、この場合には全人類、全生命が被ることになるであろう核戦争という未曽有の不確実性が常についてまわるのである。




参照:

1Washington Plans to Nuke Russia and China: By Paul Craig Roberts, Information Clearing House, Apr/28/2017

<転載終了>