気象予報士Kasayanのお天気放談さんのサイトより
http://blog.livedoor.jp/kasayan77/archives/51181424.html
<転載開始>
 

真冬の寒気を伴う寒冷渦、10日(日)過ぎまで停滞・・・周期的に寒気南下!

 今日は新潟県境に位置する信濃町、野尻湖畔からのブログ更新。

 いつもの「北半球上空の気圧配置と寒気」のCGを作成できないので・・・
 5日(火)から(少なくとも)一週間ほど続くと予想される全国的な低温と大雪の原因、「寒冷渦」(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)の、向こう一週間の動向からチェックしていきたいと思います。

 (1)向こう一週間の寒冷渦の動向


高層6コマ171203
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 左側の図は、地上の空模様の骨格にあたる上空約5500mの気圧配置と真冬の寒気の中心の位置。
 右側の図は、地形の影響を受けにくい上空約1500mの気温の様子。
 降水が平地で雪になる目安=-6℃以下の寒気に色塗りをしてあります。
 10日(日)にかけて、日本の北に寒冷渦(低マーク)がずーっと停滞。
 寒気の屋上タンク?が居座って、偏西風の強風帯(水色の矢印)の南下に伴い、周期的に上空の寒気のコアが南下することがわかります。

 これに伴い、上空約1500m -6℃以下の寒気も周期的に南下。
 5日(火)~6日(水)、そして9日(土)~10日(日)にかけて寒気南下のピークを迎えることがわかります。
 (北半球上空の寒気の様子は、タイミングを見て追記したいと思います)

10時40分追記
 27日(月)21時~昨夜21時の、北半球上空の気圧配置と寒気の動向をアニメ化しておきました。
北半球寒気アニメ171203
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)


 (2)向こう一週間の気温傾向と、週末の空模様


 では寒冷渦が停滞する向こう一週間の気温の傾向(平年差)をチェックしておきましょう。

週間気温グラフ171203

 5日(火)~6日(水)、そして9日(土)~10日(日)、2回の寒気の南下に伴う気温の低下が予想されています。

 昨日の記事でもご紹介しましたが、2回目の寒気の南下は2日間連続の予想。
 程度は別として、次の週末に寒くなることはほぼ間違いなさそうです。

 ということで、気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、10日(日)の空模様を再チェックしておきました。

GSM10日171203
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 こちらも2日連続、冬型の気圧配置と真冬の寒気の南下が予想されています。
 ただ、北日本の等圧線の間隔は少し広がったかも?

 まだまだ具体的な空模様を語るには不確定な予想ですけど・・・
 雪国にお住まいの方は、除雪や外仕事の計画を立てる上で考慮すべき状況になりそうです。

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
  (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

今日の空模様・・・北と西は下り坂も、西~東日本はまずまずの空模様


 それでは、ここから今日の空模様


 (1)予報のスタートライン・・・実況


 今朝の野尻湖畔・・・

野尻湖畔171203

 窓にはびっしりと露がつき、ベランダは薄い氷でパリパリ。
 木の幹の北側には雪が張り付き凍っています。

 完全に葉が落ちて隙間だらけになった木々を通して、黒姫山のスキー場がよく見えます。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況171203

 東西に細長い高気圧が西~東日本を覆い・・・
 北日本の気圧の谷(黄色の点線:等圧線の高気圧側への湾曲域)、南西諸島の気圧の谷、関東沿岸の気圧の谷、それぞれの雪雲や雨雲の南下・北上を阻止しているようです。

 このため、東北以北の日本海側では雪、九州南部~四国南西岸で雨が降っているようですが、西~東日本は比較的広範囲で晴れている所が多いようです(推計気象分布参照)。

 衛星のい水蒸気画像を見ると、偏西風の蛇行は浅く、比較的東西方向に流れている模様。
 偏西風の浅い蛇行域(赤の点線:上空の浅い気圧の谷)が通過するタイミングで、雪雲や雨雲が活発化すると思われますが、大崩れにはならないように思われます。


 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 では今日これからの空模様・・・気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしておきましょう。

GSM3日171203
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・偏西風は夜にかけても比較的ストレートな西南西風。
 -30℃以下の冬の寒気の位置もほとんど変わらないようです。

 そして北日本では、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が、弱まりながら断続的に通過。
 大崩れはないものの、上空の浅い気圧の谷が通過するタイミングで天気が崩れ、大気の状態が不安定になると思われます。

 また西~東日本でもストレートな西南西偏西風に乗って上空の小さく浅い気圧の谷が断続的に北東進。
 午前中は東日本~小笠原付近、夜にかけて西日本~南西諸島付近を、集団で?通過していく傾向が読み取れます。

 で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・気圧の谷(低圧部:黄色の点線)に伴う収束線の降水帯が、断続的に北日本へと南東進。
 日本海側を中心に周期的に時雨れて、ゆっくりとした寒気の南下に伴って降雪エリアも南下すると思われます。

 また、西~東日本と太平洋上を通過する上空の小さく浅い気圧の谷に対応して、太平洋上の気圧の谷で降水域が活発化。
 夜には低気圧まで発生し、南西諸島は雨の降りやすい大気の不安定な状態が続くと思われます。

相当温位171203
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 これは気温に水蒸気の様子も加味した相当温位図という特殊な天気図。

 暖湿気(暖かく湿った空気=雨の原料)の流入エリアは九州の南部付近まで。
 強い暖湿気は沖縄・奄美付近に流れ込むことが分かります。

 南西諸島は大気の状態が不安定。
 太平洋上の雨雲は、かかるとしても九州南部~四国南岸付近までということになりそうです。


 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それでは最後、以上のチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。 

全国流線アニメ171203
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 北と南で雪や雨が降り、西~東日本付近はまずまず天気。

 冬の寒気を伴う上空の気圧の谷の通過に対応して、北日本では日中に雨(雪)雲の帯が一本上陸。
 夜にかけてもう一本の上陸が予想されています。

 さらに明朝には能登半島沖に低気圧が発生。
 低気圧周辺では上空への寒気の流入、地上への(相対的な)暖気の流入が予想され、大気の状態が不安定になることが予想されます。

 明日朝にかけては北日本中心の雨や雪の降り方に注意したいところです。


 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
  (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html

拡大支援図171203拡大GSM10日171203拡大GSM171203拡大相当温位171203 
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)


(4Kタイムラプス動画:2日、月明りの野尻湖畔から斑尾山。 日本海からの層積雲と層雲)
  KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集)https://www.youtube.com/user/kasayangw


<転載終了>