本山よろず屋本舗さんのサイトより
http://motoyama.world.coocan.jp/
<転載開始>
 これまでアーディ・S・クラーク女史の『スターピープルはあなたのそばにいる』から2話を紹介してきました。
 今回は、第3弾です。

 ライオンやトドは、強いオスが複数のメスを従えたハーレムを形成します。
 人間社会は(例外もありますが)基本的に一夫一婦制なので、ハーレムを羨ましいと感じたことのある男性は多いかもしれません。
 しかし、全くの男性だけの社会や、全くの女性だけの社会だったらどうでしょうか。
 私は男ですが、男性だけの社会など想像してもぞっとします。泣いて頼まれても、そんな社会で暮らしたいとは思いません。
 私は特に女性好きというタイプではないのですが、男しかいない社会には潤いがなさそうで、味気なさそうに感じてしまうのです。
 それに反して、女性の中には、全くの女性だけの社会に抵抗がない人もいるのかもしれません。
 これまでの長い歴史の中で、男性優位が続き、長らく女性が虐げられてきたと感じている女性であれば、そうした社会に理解を示すというのはあるのかもしれません。

 今回紹介する話は、ETの助けをかりて女性だけの社会に住むことを決断した女性の話です。
 私はETの話が好きで、色々本を読んできましたが、こうした話にこれまで出会ったことがありません。
 珍しいケースなので、紹介させていただくことにしました。
 『スターピープルはあなたのそばにいる(上)』(アーディ・S・クラーク著、明窓出版)から抜粋します。

 ・・・<『スターピープルはあなたのそばにいる(上)』、p251~p269から抜粋開始>・・・

 第16章 私の娘の正体

 1987年、アブダクション研究家のバッド・ホプキンズは、被誘拐者から採取されるのは遺伝物質だけではなく、女性の場合は妊娠させられ、懐胎の3、4週間後に胎児が摘出されていると唱えています。さらにホプキンズは、被誘拐者から生まれた”通常の”赤ん坊すらも、異星人によって遺伝子操作が施されている可能性を指摘しています。
 この章では、なかなか子宝に恵まれなかった女性が、UFOに遭遇後に子供を宿していることに気づいたという事例をご紹介します。

 メアリーは米国南西部の保留地で育ちました。22歳で州立大学を卒業した彼女は、アリゾナ州フェニックスにあるインディアン社会プログラムで事務職に就くことにしました。そこでのキャリアが20年を迎えた頃に私は彼女と出会いました。女性のインディアン指導者の名誉を称える昼食会の席で、彼女と私は隣同士になったのです。私は自身の学術書『シスターズ・イン・ザ・ブラッド』についての講演者として、その会に招聘されていました。2人でデザートを待っている時、向かいの席の年配客が話しかけてきて、私がまだUFO遭遇体験を取材しているかと尋ね、私はうなずきました。
 「講演の後に私のところへ来てください。会わせたい人がいるんです」その言葉に私は再びうなずきました。その時メアリーが私のほうに体を寄せてきて囁きました--
 「もし時間がおありでしたら、私もUFOとの遭遇体験があるんですけど、たぶん信じてはいただけないような話なんです」昼食会の席でこのように続けて打ち明けられることになるとは予想していませんでしたが、よろこんで2人から後ほど詳しい話を聞くことにしました。

 翌日、正午の数分前にメアリーのいる事務所を訪ねました。彼女は自らの体験を伝えるために、私を昼食に招いてくれていました。秘書に案内されて小さな会議室まで来ると、そのドアが開いてメアリーが迎えてくれました。
 「勝手に昼食をオーダーさせてもらいました。今日は来ていただけて嬉しいです」
 私が席に着くと、彼女は入口にいた秘書に歩みより、これから2時間のあいだは自分にかかってきた全ての電話を取り次がないように指示し、ドアをロックしました。メアリーは魅力的な40代半ばの女性でした。ウェーブのかかった黒髪は染色により赤茶色に輝いていました。彼女は着ていたブレザーを脱ぎ、椅子の背もたれに丁寧に掛けてから、席に着きました。ややふっくらとしていながらも、そのプロポーションが心地よさそうでした。彼女は14歳の娘をもつ未亡人でした。夫は娘のチェリーが誕生する半年前に交通事故で他界してしまっていました。それ以来、メアリーの人生は仕事と娘のために捧げられてきました。

 「あなたのお話は以前から伺っていたんです」メアリーはコーラの缶に手を伸ばしながら言いました。「私の体験をお話したかったんですけど、ずっと機会がなくて。私と似たような体験をした人の話をお聞きになっているかどうか、知りたかったんです。もし私が第三者の立場で、これからあなたにお話する体験談を聞いたら、信じたりはしないだろうと思いますけど、誓っていえます。本当のことなんです。彼らはまだ娘のチェリーが幼児だった頃から、ずっと私をいいように利用してきたんです」
 「心配しないでいいですよ。奇妙な体験はいろいろ聞いていますから」
 メアリーはうなずいて、私に好きなサンドイッチを選ぶように促しました。

 「最初の遭遇があったのは20年前のことです。いま私と娘は町の郊外に住んでいます。亡夫がフェニックス市外の小さな田舎の造成地に家を建ててくれていたんです。見栄を張ったところなど何もない、ただ3人が暮らしていくために建てた家です。夫は赤ん坊が生まれる前にマイホームを持ちたがっていました。酔っぱらい運転の車にはねられて夫が死んだ後、私の友人や親族は、私たちが別の町に引っ越すか、少なくともフェニックスの共同住宅に移ったほうがいいと言いましたが、私は我が家が好きでした。夫が私とチェリーのために建ててくれた家を手放したくなかったんです。私は実母のパールに、私たちと同居を始めるように説得しました。彼女は独り身でしたから、淋しく暮らす必要などありませんでした。
 「あなたのご主人は素晴らしい人ですね。ただ、あなたが私をここへ招いた理由を話してもらえますか?」
 「車で帰宅途中のある晩のことでした。冬だったのですでに日は落ちていました。私は途中で買い物を済ませてから、娘を迎えにモンテソリスクールに寄りました。娘はまだ2歳でしたが、週3回のプログラムに参加させてもらえていたんです。それ以外の日は、私の母が娘の面倒を見てくれていました。車での家路で、ハイウェイの前方近くに、じっと空中にとどまっている光を目にしました。地面に近い位置にありましたが、私はそれを空軍基地に離発着する飛行機だろうと思いました。しかし近づいていった時、それが飛行機ではないことに気づきました。目の前の光は動いていなかったんです」
 「それであなたはどうしたんですか?」
 「何かしらの理由で光が動いていないのだろうと思って、私はそのまま光のほうへ車を走らせていました。自分がUFOに出くわすことになろうとは夢にも思っていませんでした」
 「いつUFOだと気づいたんですか?」私は尋ねました。
 「車で接近していた時、まばゆく輝いていた光が急に消えてしまい、同時に私の車のヘッドライトも消えてしまいました。それからダッシュボードの明かりも薄れていって、エンジンが止まってしまいました。幸いなことに、ヘッドライトが消えた時点で、私は車を路肩に寄せていました。私は車から降り、チャイルドシートのベルトを外してチェリーを抱きかかえ、徒歩で帰ることにしました。もう自宅までわずか1キロ半ほどのところまできていたからです。夜空に雲はなく、月明かりが照っていましたので、自分に大丈夫だと言い聞かせていました」
 「でも、その時点であなたはUFOの存在に気づいていたんですか?」
 「いいえ、私はただ一連の不運が続いているんだと思っていただけです。もう新しい車に買い替えなくてはいけない時期をとうに過ぎていたので、似たようなトラブルが以前から起こっていたんです」
 「それでどうしたんですか?」
 「ハイウェイを歩いていくのではなく、近隣の人が所有する野原を横切っていこうと思いました。そうすることで移動距離を4分の1ほど短縮できると考えたからです。抱っこしたまま1キロ半の道のりを歩くにはチェリーは少し重すぎました。そして野原の半分ほどまでやってきた時、先ほどの光が私たちの上空にやってきました。この時になって、それが飛行機でもヘリコプターでもないことがはっきりと分かりました。その光は私たちの周辺をサーチライトのように照らし回り、私たちにスポットが当たった瞬間にライトの動きが止まりました」彼女はそこで間を入れて、サンドイッチを一口食べました。
 「次の瞬間に私はもう宇宙船の中にいました。一体どうやって乗ったのか私には分かりません」
 「チェリーちゃんのほうは?」
 「彼女も一緒でしたが、彼らはチェリーは私のものではないって言ったんです」
 「誰があなたにそう言ったんですか?」
 「分かりません。彼らはチェリーは自分たちのものだと言ったんです。私は自分の頭の中に響いていたその声に向かって、あらん限りの大声で叫んでいたのを覚えています」
 「彼らの姿は見ましたか?」私は尋ねました。
 「ちらっと一瞬だけで、あとはなにも」
 「それからどうなったんですか?」
 「彼らは私を地上に戻しました。実際には、気づいたら私は自宅の前に立っていて、腕にはチェリーを抱いていました」彼女は再び間を入れてコーラを一口飲み、テーブルを手で押して椅子を後ろに下げました。彼女は目を潤ませていました。
 「それから、信じられないでしょうけれど、私の車も敷地内の私道に停めてありました」そう言うと彼女は椅子から立ち上がり、私がしゃべるのを制するように、両手の平を私のほうへ差し出しました。「ありえないことだっていうのはわかっています。でも本当なんです。あのとき私は、心の痛みに耐えられなくなって、玄関前の階段に座り込んで泣いていました。チェリーが私を慰めようとしてくれましたが、顔を上げた時、私道にある私の車が再び目に入り、彼らの持っている力の強大さを思い知らされました」彼女はデスクのほうへ歩み寄って、ティッシュペーパーを手にとって両目をぬぐいました。「ごめんなさいね」彼女は言いました。「あの晩のことを考えると、ちょっと感傷的になってしまうんです」
 「私に何かできることはあるかしら?」そう問いかけた私に彼女は首を振りました。
 「大丈夫です。ちょっと感傷的になっているだけですから。話の続きを聞いていただければ、分かってもらえると思います」
 「その最初の遭遇の後、彼らにまた会ったんですか?」
 「何度もです。次に会ったのはチェリーが4歳の時でした。最初と同じ状況でした。でもこの時は、私は野原を歩いて渡ろうとはせずに、ハイウェイにとどまっていました。そして彼らは私たちを宇宙船内に連れていきました。彼らはチェリーを私の腕から奪い、またあの時と同じぞっとする声が頭に響き渡り、チェリーは私のものではないと言いました。そしてそれ以降、私たち2人は、エンジンがかかったままの車の中に戻されるようになりました。私は自分が正気を失いつつあるのを感じ始めていました」
 「彼らはそれ以外に何かあなたに言っていましたか?」
 「はい。チェリーが6歳の時です。最初のうちはきっかり2年ごとにやってきていたんですが、その後は毎年のことになりました」
 「彼女が6歳になってからは、彼らのコミュニケーションの取り方が変わったんですか?」
 「はい。その時から変わっていました。彼らは私たちを部屋の中に連れて行き、これまでずっと私に言い続けてきたことをまた繰り返して言いました……チェリーは私の娘ではないと。そして彼らは、私はチェリーが地球で誕生するための手段を提供しただけだと説明しました。そして私が医師たちから、子供を授かるのは無理だとずっと言われていたことを思い出させました」
 「それは本当だったんですか?」
 「はい。夫のディーンと私は、7年ものあいだ子供を授かろうと努めていましたが、まったく成果はありませんでした。私が妊娠したのは彼が事故死する2、3カ月前でした。あの異星人たちは……あなたがスターピープル等の名称で呼んでいる存在は……私が子供を切望していたことを知っていたために、私にそれを授けたのだと言いました。しかし私が手元においておけるのは彼女が子供でいる間だけで、大人になったら彼らのもとへ来ることになっていると言ったんです」
 「大人になるというのはいつのことなのか、彼らはあなたに言いましたか?」
 「17歳になった時です。娘はいま14歳です。私が娘と一緒にいられるのはあと3年間だけで、そのあと娘はいなくなってしまうんです。私は自分がどうしたらいいのか分かりません。ここから出ていけば、彼らから身を隠せるとあなたは思いますか? ニューメキシコ州かオクラホマ州はどうだろうかと私は考えてきました。そこにはインディアンが大勢いますから。たぶん砂漠だったら身を潜められるかもしれません」そこで彼女は口をつぐみました。そして体を震わせ始め、泣き崩れてしまいました。
 「あの子がいなくなったら私はどうしたらいいのか分かりません」彼女はチェリーのいない人生を想像して、涙にむせびながら言いました。

 2、3分が経過した後、メアリーは涙をぬぐいました。
 「ごめんなさい。あなたとお話しなきゃいけなかったわ。これまでにこのインディアンの世界で、誰か私と似たような体験をあなたに打ち明けた人はいましたか?」
 「ひとりもいませんでした。少しでも似ている体験すら私は聞いたことはありません」
 「私は自分の子供を失ってしまうことが本当に恐ろしいんです」彼女は言いました。
 「メアリー、あなたは心理学者に相談してみる必要があると私は思います。たぶんそうすることで、こういった出来事を乗り越えていくための手助けが得られるでしょう」
 「つまり、あなたは私の話を信じていないっていうことですね!」
 「ちがうわ、メアリー。そうじゃなくて、私は……」
 「やっぱり何も言うべきじゃなかったんです。彼らから警告されていましたし」
 「警告されていたって、どういう意味かしら?」
 「たとえ誰かに話したとしても、信じてはもらえないだろうって」
 「メアリー、あなたの話を私が信じてないっていうことではなくて、この間題に対処するために、力になれる人がいるって思ったんです。あなたには友だちが必要だから……」
 「あなたに私の友だちになってほしかったんです」
 「私はあなたの友だちよ。そして私にできることなら何でも力になりますよ」


 その後、4カ月にわたって、私は毎週メアリーと電話で話をしました。彼女の話の主旨はずっと同じものでしたが、より詳細を語ってくれることも時折ありました。再び南西部を訪れた際に、私はフェニックス郊外にあるメアリーの自宅に泊まりました。私を家の中に招き入れるやいなや、彼女はUFO搭乗者に関するさらなる情報を私に伝え始めました。
 「彼らは世界中から若い女性を集めているって私に言ったんです。その女性たちはチェリーと同じ年齢なんです」そう言いながら彼女はダイエットコーラを私に手渡しました。
 「なぜ?」
 「理由はまだ教えてもらっていません。私が知っているのは、その子たちは全員がシングルマザーに育てられてきたっていうことだけです。どの子も母親と祖母以外に親族が誰もいなくて、兄弟姉妹も、いとこも、父親もいないんです」
 「でもそれには必ず理由があるはずですよね」
 「それはまだ話してもらっていません」
 「それにしても、あなたはだいぶ落ち着いてきたようですね。状況を受け入れ始めているんですか?」
 「チェリーが私に何も心配する必要はないって言ったんです。彼らが彼女に対して、私はずっと彼女と一緒にいるだろうって言ったというんです。チェリーは彼らを信じています。彼女は彼らのもとで生きていくことを一種の冒険のように考えて楽しみにしているんです」
 「あなたは彼らを信じているんですか?」
 「分かりません。だから考えないようにしているんです」

 その半年後、またフェニックスに滞在していた私は、週末をメアリーの家で過ごしました。彼女の母親は保留地の友人を訪れており、チェリーは町に住む友だちの家に泊りがけで行っていました。
 「あなたにご報告することがあるんです」メアリーは言いました。「私の母が彼らと会っているって言っているんです」
 「それは、あなたの母親のパールさんが異星人に誘拐されているっていう意味ですか?」
 「そうです」
 「それはなぜ?」
 「私にはよく分かりません。彼らからは何も聞いていません。母がもし理由を知っているとすれば、母も私に話してくれてはいません。でも、母が以前より若々しく、健康になってきているっていうことは私にもはっきりと分かります」
 「どういうことかしら?」
 「説明するのは難しいんですけど、母の体の状態が良くなってきているのは確かなんです。あちこちのスーパーにも私と歩いて買い物に行けますし、母の主治医は高血圧と糖尿病の薬の処方をやめました」
 「お母さんは食生活を変えたんですか?」
 「母は菜食主義者になったんです。チェリーもです。私はそうはなれません。ローストビーフとハンバーガーがまだ好物ですから」
 「そういうことなら説明がつきますね」
 「そうでしょうね」メアリーは言いました。

 それから8カ月の間、私はメアリーに会っていませんでした。チェリーはもう16歳になっていました。私が翌週にフェニックスに行く予定であることをメアリーに告げた時、彼女は私の訪問を少し迷惑に思っていたように私は確かに感じましたが、私からは何も言いませんでした。しかし私が彼女の家の玄関口に姿を見せた時、彼女はニッコリ笑って私を迎えてくれました。なんと私と会っていないうちに、彼女は23キロも減量していたのです。彼女の変貌ぶりに驚嘆している私の前で、彼女は台所をティーンエイジャーのような軽やかな足取りで動きまわっていました。彼女はグラスに白ワインを注いで私に勧めてくれました。
 「ワインとお別れするのは淋しいわ」彼女は言いました。
 「どういう意味かしら?」私は台所のカウンター席に腰を下ろしながら尋ねました。
 「私も一緒に来ていいって彼らに言われたんです」彼女はワクワクした表情を見せて言いました。
 「いつ言われたんですか?」
 「4カ月前です。行くための準備を整えておくようにって言われました。つまりはダイエットです」
 彼女は立ち上がって、生まれ変わった体をお披露目するように、台所の床の上でクルクルと舞ってみせました。
 「肉は完全に断たなければいけなかったんです。野菜とフルーツだけです。あなたもぜひやってみるべきですよ」彼女は言いました。
 「肉を絶つのはどうして?」
 「私たちが行く世界には、肉食の習慣がないんです。フルーツと野菜だけ食べて生きていくんです」
 「彼らがあなたに語ったことそのままを教えてもらえますか?」
 「私がチェリーと一緒に来たければ喜んで迎えるので、もろもろの準備を整えておきなさいと言われたんです。私の母ですら招待されたんです」
 「メアリー、あなたは自分のしていることが分かっているかしら? 彼らから何を聞いたんですか?」
 「多くは聞いていません。でも、良かれと思って言ってくれたことなんです」
 「私には理解できません」
 「私たちがこの件について口外することを彼らは望んでいませんが、あなたには思い切って打ち明けたんです。私が行ってしまうまでは、この件については書かないでください。約束ですよ」
 「約束します」
 「彼らはこのように説明してくれました……『我々は自らのことを”種をまく者たち”と呼んでいる。我々は居住可能な惑星を探しながら宇宙を旅している。ひとたびそのような惑星を見つけ、そこに先住者がいなければ、我々はその星に入植を行う。我々はこれまで複数の惑星に地球の成人した人間を入植させてきたが、それらの試みがうまくいったことは一度もなかった。その要因は成人男性がしばしば暴力や報復や貪欲といった性質を示すことにあると判明したため、我々は彼らを別の惑星に移動させた』」
 「つまり彼らは、祖母以外に親族のいないあなたを選び、自分たちとの混血によってあなたに赤ん坊を妊娠させる手助けをし、3人を別の惑星に連れて行くことにした……これがあなたの言っていることですか、メアリー?」
 「正確には少し適います。チェリーは百パーセント人間です。彼女はディーンの娘であり、私の娘でもありますが、異星人のDNAもあるていど移植されているんです。彼らは、娘を望みながらも子宝に恵まれない夫婦の手助けをしたんですが、同時に人間の行動や習性に影響を及ぼすことが可能かどうかをみてみたかったんです。そして彼らは、男性よりも女性のほうがより影響を受けやすいという結果を得たんです」
 「もしディーンが生きていたらどうなっていたんでしょう? 彼も一緒に連れて行ってもらえたんでしょうか?」
 「そうは思いません。女性のみが入植されることになっています。男性がいなくても生殖できるように彼らが手助けしてくれます。私たちは戦争や憎しみのない社会、そして世界を築いていくんです」
 「もし男の子の赤ちゃんが生まれたら、その世界はどうなるんでしょうか?」私は尋ねました。
 「私も同じ質問を彼らにしました。彼らは、男の赤ん坊は決して生まれないようにすると言いました。これは実験なんです」
 「あなたはそういう世界で幸せになれると思いますか?」私は尋ねました。
 「ええ、そう思います。自分の周囲を見渡せば、苦しみや悲嘆や暴力の9割は男性が引き起こしていることが分かります。女性は男性を支えるために日々働いているんです。お金は男性が受け取って、お酒や薬物につぎ込んでいます。ですから答えはもちろんイエスです。私は男性のいない世界の実現に絶対に参画したいです。私の母も同じ気持ちです」
 「メアリー、私はこの件に関しては不安を覚えているの。あなたは本当に自分のしていることが分かっていますか? チェリーについてはどうなんですか? ここで友だちに囲まれて育っていき、大学に行って、それから結婚する人生を送らせてあげたいとあなたは思いませんか?」
 「チェリーは乗り気なんです。すでに彼女には、一緒に宇宙船に乗って別世界へ行くことになっている同性の友だちがいるんです。彼女は胸をときめかせています」
 「でもあなたは彼女の母親です」
 「そうです。だから一緒に行くんです。自分の子供を失うわけにはいきません。私には他に選択の余地はないんです」
 ほんの一瞬、私は彼女の声の奥に悲しい響きを感じた気がしましたが、すぐにそれはかき消され、私を玄関で迎えた時と同じような活気に溢れた笑顔が目の前にありました。
 「あなたに全てをお話するのはもう少し先にしたかったんですけど、まもなく私はここを去るんです」
 「家はどうするんですか?」
 「それについてはもう手配済みです。若いインディアンの女の子のための慈善活動に寄付したんです。2カ月後に引き渡されることになっています」
 「2カ月後? 2カ月後にあなたはここを去っていくんですか?」
 「よく分かりません。私たちは2カ月以内に準備を済ませておく必要があることが分かっているだけなんです。あ、それから、いいんですよ、私を見送りにくることはしなくて。あなたの考えていることが私には分かりますから」

 メアリーと私は2人だけで週末を過ごしました。彼女は自身の人生の第二の舞台に立つことを心待ちにしていて、新たな冒険に乗り出そうとしているその熱意に対して、私が口を出したり水を差したりできる理由は何一つありませんでした。週末が終わる頃には、私は彼女を引き留めるための努力をすべきかどうかも分からなくなっていました。それから2カ月の間、私はメアリーと連絡を取り続けていました。その後に、彼女の電話番号はもはや使われなくなっていました。
 あの週末以来、私はメアリーには会っていません。その6カ月後にフェニックスを訪れた際に彼女のオフィスを訪ねたところ、彼女のデスクには別の女性が座っていました。その女性にメアリーについて尋ねると、彼女は引っ越していったとのことで、郵便の転送先の住所も残していませんでした。それから何カ月もの間、私はメアリーのことがずっと頭から離れなくなっていました。電話が鳴るたびに、受話器の向こうから彼女の声が聞こえることを期待する自分がいましたが、彼女からの電話は二度とかかってきませんでした。私は彼女を知る人たちに、音信の有無を繰り返し尋ねてきました。パールの生まれ故郷の村に足を運ぶことすらしましたが、誰も彼女の姿を見ていませんでした。夜空の星を見上げる時、私はメアリーとチェリーとパールのことを想い、女性たちの住む世界に思いを馳せています。そのとき私は男性のいない世界を想像してみます。正直なところ、私は同胞の男性たちのことが好きで、尊敬していますので、彼らのいない人生で幸せを感じている自分を想像することができないのです。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 以前、神秘家のドランヴァロ・メルキゼデクさんの著書に、アトランティス人トート(男性)が、自身の身体から子供を出産したという話が載っていたのを読んだ記憶があります。
 ETの中には、男性女性の区別がなくなった両性具有の種もいるという話もあるので、そうしたこともありうるのかもしれません。
 そういえば神秘家ゲリー・ボーネルさんは、人類は変容期にあり、将来は両性具有になると言っていました。

 身体の進化の過程で性が無くなり、統一されていくというのであれば、納得できるものがあるのですが、実験として女性だけの社会に生きるというのは(私は)違和感を感じてしまいます。
 もちろんこれは私の勝手な感覚であり、自らの意思で実験に参加するのは本人の自由なので、批判するつもりはありません。
 そうした私の違和感とは別に、訳者である益子祐司氏の意見を紹介したいと思います。


 ・・・<『スターピープルはあなたのそばにいる(下)』、p272~p273から抜粋開始>・・・

 また、先述の第16章の”母子家庭の娘たちだけを選んで”女性のみが暮らす新たな惑星に入植させるというエイリアンの計画についても、私には腑に落ちない点があります。長いあいだ不妊で悩んでいた夫婦が子宝を授かるように助けて、その際に実験として自分たちの遺伝子の一部を与えて女の子を誕生させたエイリアンたちは、その誕生前に偶然に父親が飲酒運転の車にひかれて事故死して母子家庭となったので、その娘を他の惑星に連れて行くことにしたのでしょうか。言い換えれば、父親が存命であれば、娘をそのまま地球に住まわせたのでしょうか。たとえ地球で暮らしていても、エイリアンの遺伝子を持つ娘がどのような生き方をしていくのかを観察し、ときどき誘拐してチェックすることは可能ですので、実験としては成立したでしょう。けれども、もし父親が邪魔で、意図的に母子家庭になるようにしたとしたら恐ろしいことですが、彼らのマインドコントロールの技術をもってすれば、その演出は容易であったはずです。偶然ですが、アブダクション研究の第一人者であったハーバード大学のジョン・マック博士は自身の研究に関連した用事で英国を訪れた際に、飲酒運転の車にひかれて事故死しています。けれども、飲酒運転による死亡事故は国内外で頻繁に発生していますので、安易に陰謀に結びつけることはできないでしょう。ただ、自分たちの実験のためには手段を選ばないエイリアンならば、彼らが地球人に”新天地での生活”を提案する目的は、我々のためというよりも、確実に彼らの実験を遂行することにあるのでしょう。それは第36章において、少女を船内に優しく招いたエイリアンが、睡眠導入作用のある青い液体を飲み干させた強引さにも表れているように感じられます。しかし彼らからすれば、地球人が実験や食用の動物を扱うよりは痛みの少ない方法を取っているのかもしれません。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 結局のところ、地球を訪れているETも様々だということだと思います。
 人類が変容しようとしているので、それをサポートしようとするポジティブなETもいれば、人間の意思を無視して実験動物として扱うネガティブなETもいるようです。
 今回のケースは、人間の意思を尊重している点でネガティブとはいえないですが、目的は彼らの実験の為にあり、ポジティブとまでは言えない気がします。
 ETと関わる場合、そのETがどのような目的で地球に来たのかを知るということが、重要なのだと思います。


(2017年11月29日)


<転載終了>