気象予報士Kasayanのお天気放談さんのサイトより
http://blog.livedoor.jp/kasayan77/archives/51534591.html
<転載開始>

-40℃以下の寒気を伴う寒冷渦がサハリン通過・・・ピークの後は?


 (1)北半球上空の気圧配置と寒気の様子


 まずは寒波の在庫チェック・・・北半球上空の気圧配置と寒気の動向(実況)から。
 6日(火)から6日間の天気図に着色してアニメ化しておきました。
北半球上空の寒気アニメ180212
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 今回の寒波の中心、-42℃以下の寒気を伴う寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)がサハリン方面へと東進中。

 また、冬季オリンピック開催中の朝鮮半島では、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)と-42℃以下の寒気を伴う上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が、日本に向けて南東進中。

 まさに寒波のピークを迎えようとしています。

※図をクリックすると天気図を除いた昨夜21時の寒気と地図のみの図が表示されます。
 画素数は放送にも使用可能レベル。完全にKasayan作成で著作権も放棄しています。
 寒波中はリンクを続けますので商用・放送を問わず自由にご利用ください(加工も可)。
 表示内容については原図(AUXN50)を確認し、自己責任でお願いしますね。

 (2)向こう一週間の気温傾向・・・バレンタイン後は北日本中心の寒波に?

 続いて向こう一週間の気温傾向(平年差)の最新データを確認。

週間気温グラフ180212

 昨日に引き続き、いったん気温が上昇する14日(水)~15日(木)以降は、北日本中心の低温傾向が予想されていて・・・
 東日本も北日本に引きずられ、低温傾向が続く可能性が高まってきました。

 一方、西日本は平年を上回る日が続く模様。
 ここ2週間ほど続いた西日本から寒気が流れ込む傾向が大きく転換することになりそうです。

 そこで、気になる向こう一週間の具体的な空模様・・・
 向こう一週間の顕著な空模様をザックリとまとめておきました。

GSM週間180212
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 徐々に春の兆しが見え始めるこれからの時期、一般的に 冬型⇒冬型緩む⇒気圧の谷通過(南岸低気圧・本州や日本海を通過する低気圧)⇒冬型の気圧配置 という天気変化のパターンを繰り返すことになる訳ですけど・・・

 向こう一週間では、15日(木)と、18日(月)に南岸低気圧(低圧部?)の通過。
 18日(日)には東~北日本中心の強い冬型の気圧配置が予想されています。

 厳しく長い寒波の季節から周期的な天気変化の季節へ・・・
 長期にわたる低温傾向が解消されるからと言って空模様が好天するわけではなさそうです。

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
  (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

今日の空模様・・・西高東低 冬型の気圧配置 降雪のピークへ


 それでは、ここから今日の空模様


 (1)予報のスタートライン・・・実況


 今朝の長野市・・・

菅平180212

 夜明け直前から雪が降り出し、1時間に2センチ前後のペースで積雪が増加中。
 
 気温は昨日15時から下がり続け、今朝7時過ぎに-4.6℃の底を打った後、ほぼ横ばいに推移しています。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況180212

 西高東低 冬型の気圧配置が完成。
 日本海上で等圧線が西側に湾曲し、気圧の谷が形成されていることがわかります。

 日本海では概ね西寄りの風が優勢。
 風の収束線に沿って雪雲の帯が形成され、西南西方向から山形県付近を指向していることがわかります。

 また、黄海と朝鮮半島西方海上で沸き上がった雪雲が九州北部や西部に流入。
 九州や四国でも降雪が活発化しています(積雪も)。

 衛星の水蒸気画像を見ると、大陸の寒気を運ぶ偏西風強風帯(水色の矢印)が日本付近で大きく南に蛇行。
 加えて、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)と強い寒気を伴った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が西~東日本を通過中。
 上空の気圧の谷が通過し終わった所から冬型の気圧配置の影響が本格化すると思われます。

 とすると・・・本格化する冬型は山雪型なのか?里雪型なのか?
 先週同様JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)は停滞するのか?停滞するとしたらどこなのか??
 気になることは沢山です。

プロファイラ180212

 ちなみに・・・これは午前6時のウィンドプロファイラの観測値(上空の風向・風速)。

 偏西風強風帯に沿って収束線の降雪帯が、西南西方向から山形県付近を指向中。
 いわゆる里雪型のパターンですけど、雪雲を押し流す風が地上から上空まで一様に強いため、本来降りにくい長野市・・・さらに岐阜県や長野県の南部でも降雪が強まっている状態です。


 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 では今日これからの空模様・・・気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしておきましょう。

GSM12日180212
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・基本的には、-40℃以下の寒気を伴う寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)がサハリン付近に停滞し・・・
 寒冷渦を中心に、停滞するおよそ三系統の偏西風強風帯(水色の矢印 番号付き)に沿って、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が、反時計回りに南東進して日本付近を通過。

 午前中に一波目の上空の気圧の谷が通過、夜にかけて朝鮮半島方面から二波目の上空の気圧の谷が接近し・・・
 接近・通過のタイミングで、雪雲が活発化し・・・
 偏西風強風帯に沿った収束線の降雪帯が顕在化することが予想されています。


 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それでは以上のチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ180212
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 Kasayan的に注目している活発な降雪帯は、北から順に①津軽海峡を抜ける西風の収束線の降雪帯・・・
 そして、②いわゆるJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)と呼ばれる北朝鮮の山岳地帯風下から新潟県下越~山形県付近に延びる収束線の降雪帯。
 また、③朝鮮半島の風下で西北西風と西風が収束し若狭湾付近を指向する収束線の降雪帯と・・・
 ④関門海峡を抜けて愛媛県に向かう収束線の降雪帯。
 さらに、⑤朝鮮半島南西端から九州南部に延びる収束線の降雪帯。

 中でも、②と③の影響が立春寒波並みにならないか?ということが気になるところ。
 また、④と5の降雪が雪の少ない地域にどの程度の影響をもたらすかということも気になります。

 いずれも大したことがなかった・・・で、終わればよいのですけれど・・・

 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
  (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html

 北半球公開180212 拡大GSM3コマ180212 拡大GSM180212   
(図をクリックすると注釈の書き込みのない図が拡大します)


(4Kタイムラプス動画:西から流入する雪雲を北アルプスがブロック。立ち上がる積雲・高積雲)
  KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集)https://www.youtube.com/user/kasayangw


<転載終了>