逝きし世の面影さんのサイトより
https://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/f9d023db93c759275d2b7a3bd27d337a
<転載開始>
2018年06月17日 | 政治
「思惑」働いたのでは=青木理. 2018年6月13日  毎日新聞大阪夕刊

 <理(り)の眼>
すでに82歳となった袴田巌さんには厳しすぎる決定でしょう。東京高裁は11日、再審開始を認めた静岡地裁の決定を取り消しました。弟の再審に努力してきた姉の秀子さんにも、巌さんにも取材でお目にかかりましたが、2人の心中を思うとやりきれない気分になります。
静岡県で一家4人が殺害される事件が起きたのは1966年。今年52歳の僕が生まれた年ですから、すっかり中年になった僕の人生に近い期間、巌さんは獄につながれていたことになります。
しかも事件捜査は当初から数々の疑問が提起されていました。
「決定的証拠」とされた犯行時の衣類は、なぜ事件発生から1年以上たって見つかったのか。みそだるの中にあった衣類がさほど変色していないのはなぜか。巌さんが着るには小さすぎないか。
いまなお警察・検察が証拠を全面開示しないのはなぜか……。疑念を挙げれば小さな本欄では書ききれぬほど。にもかかわらず、再審のハードルのあまりの高さ。
そもそも再審は「針の穴にラクダを通すほど」難しいと指摘されてきました。それでも近年、いくつかの重大事件で再審が実現しました。足利事件や布川事件、東電女性社員殺害事件などで冤罪(えんざい)被害者が辛うじて救われたのです。
これらに共通するのは、確定した刑が無期懲役だったという点です。一方、袴田事件は死刑。戦後日本の刑事司法を振り返れば、80年代に4件の死刑事件で再審無罪が言い渡されたものの、以後は扉が固く閉ざされてきました。
背後にあるのは死刑という刑罰の特殊性ではないでしょうか。
国家の名の下に命を奪い去る死刑制度を固守しているのは、先進民主国では日本と米国の一部州のみ。世界では廃止の潮流が圧倒的で、日本の死刑は密行性も際立ち、国際的に批判されてきました。
なのにいま、死刑事件で冤罪を認めれば、裁判や検察への信頼が大きく揺らぐ
世界の潮流に背く死刑制度への批判も高まりかねない。ましてオウム真理教事件の確定死刑囚への刑執行がささやかれる中、刑事司法や死刑制度への懐疑が広がるのは避けたい……。
そんな思惑が決定の背後にあったのではないかと僕は疑います。司法取引制度の導入をめぐって前回も書いたように、この国の刑事司法はあまりに多くの問題を抱えたままです。(ジャーナリスト)

『社説 袴田事件で再審取り消し 鑑定評価の仕組み検討を』 2018年6月15日 毎日新聞

科学的とされる鑑定結果でも、その評価は難しい。
1966年に起きた「袴田事件」で、死刑が確定した袴田巌元被告の再審決定を東京高裁が取り消した。
焦点になったのは、犯人のものとされる着衣に付いていた血痕のDNA型鑑定だ。再審を決めた静岡地裁は「袴田元被告のものと一致しない」との弁護側鑑定の信用性を認めたが、高裁は信用性を否定した。
鑑定の評価がなぜ正反対になったのか。
高裁では、検察側が申請した鑑定人が、弁護側鑑定の手法を検証した。その中で、DNAの抽出に当たり、試薬を使った独自の方法を取ったことを「不適切だ」とする報告書をまとめた。他にも批判的な法医学者の意見書が出て、高裁はそうした意見をくんだ形だ。
静岡地裁の決定から4年がたつ。専門家が別の専門家を否定する科学論争のためにいたずらに時間が経過した感は否めない。鑑定を科学的に突き詰めて事実解明することは重要だが、最先端の科学でも場合によってはあいまいな部分は残る。そこをどう考えるかだ。
弁護側、検察側双方の鑑定人が意見をぶつけ合うだけでは限界がある。
今回は極めて古い試料でのDNA型鑑定の信頼性が問われた。そのような難しい事案の場合、裁判所の主導下で、第三者的な立場の専門家を集め、鑑定や検証を担ってもらう仕組みが築けないだろうか。
もちろん、鑑定結果が全てではない。その上で全証拠を総合して結論を出すのは司法の責任だ。
事件発生から半世紀がたつのに、なぜ再審の決着がつかないのか。
主な原因は、再審段階での証拠開示が検察の判断に委ねられていることだ。袴田事件で検察が衣類発見時の写真などを開示したのは第2次再審請求後の2010年だった。再審での証拠開示のルール作りが必要だ。
この事件では1審段階で45通の自白調書のうち44通が証拠採用されなかった
捜査は自白偏重だった。
「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則は再審でも例外ではない。弁護側は週明けにも最高裁に特別抗告する。最高裁は鑑定結果を含め十分かつ迅速な審理をし、その上で検察の立証が合理性を欠くならば再審の扉を開くべきだ。



『袴田事件再審開始の根拠とされた“本田鑑定”と「STAP細胞」との共通性』2018年06月15日 ハフポスト郷原信郎

社会的に「冤罪事件の象徴」のように受け止めらた袴田事件に関して、再審開始を取消す決定が出たことについて、検察側コメントと同趣旨の「適切・妥当な決定」との意見を述べることに、内心複雑なものがあることは事実だ。
高裁決定は、本田鑑定の手法の科学的根拠の希薄さ、非合理性を厳しく指摘しているが、それを読む限り、本田鑑定が「科学的鑑定」とは到底言い難いものであることは明白だ。
「STAP細胞」問題との類似性
袴田事件で静岡地裁の再審開始決定が出たのとちょうど同時期、社会の注目を集めていたのが「STAP細胞」であった。
2014年1月末、理研の小保方晴子がSTAP細胞を世界的な学術雑誌ネイチャーに発表し、生物学の常識をくつがえす大発見とされ「リケジョの星」などと世の中に大々的に報じられた。
が、4月1日理研がSTAP細胞に関して画像の切り貼り(改竄)。研究の裏付けとなる実験ノートは3年で2冊に日付記載無いなど不正を公表。
袴田事件で静岡地裁の再審開始決定が出されたのが2014年3月27日、その5日後理研が不正を公表した。
本田氏のDNA鑑定「細胞選択的抽出法」は、「50年前に衣類に付着した血痕から、DNAが抽出できた」が、それが科学的手法として確立されれば、大昔の事件についてもDNA鑑定で犯人性の有無について決定的な証拠を得ることを可能にする。刑事司法に大きなインパクトを与える画期的なものだが、「STAP細胞発見」疑惑の小保方氏は実験の疑問に答えることができず、STAP細胞も「再現できず」で終わったことで、科学的には「STAP細胞生成」の事実は否定されるに至った。
閉鎖的かつ独善的な検察組織が「正義」を独占する日本の刑事司法、「人質司法」の悪弊、一たび、有罪判決が確定すれば、検察や警察の管理下にある証拠開示について明確なルールもなく、再審の扉は重く、地裁で再審開始決定が出ても、多くが、即時抗告で覆されてしまう。そのような、冤罪を生みかねない、冤罪の救済が困難な日本の刑事司法の現状は、改めていかねばならない。閉鎖的かつ独善的な検察組織が「正義」を独占する日本の刑事司法、「人質司法」の悪弊、一たび、有罪判決が確定すれば、検察や警察の管理下にある証拠開示について明確なルールもなく、再審の扉は重く、地裁で再審開始決定が出ても、多くが、即時抗告で覆されてしまう。そのような、冤罪を生みかねない、冤罪の救済が困難な日本の刑事司法の現状は、改めていかねばならない。
死刑・勾留の執行停止を取消さなかったことへの疑問今回の高裁決定を支持する立場からも、「中途半端」として批判されているのが、地裁の再審開始決定を取り消しながら、死刑執行と勾留については執行停止を取り消さかったことである。
なぜ、このような判断が行われたのか。
(2018年6月14日「郷原信郎が斬る」より抜粋)

『裁判で99・9%有罪になる(検察側が勝つ)優良証拠主義』
★注、
日本の裁判制度において、最大の問題点である優良証拠主義を有耶無耶に誤魔化す郷原信郎弁護士ですが、まさに三百代言そのもの。
あの(権威に極端に弱い日本人全般を嘲笑した)お笑いネイチャー騒動の小保方春子を引き合いに出して、拷問と証拠の偽装まで行った警察検察の権力犯罪である悪しき冤罪の代表例の袴田事件を例えるなど筋が悪すぎる。いくら口先で長々と論じても、日本の裁判制度で一番の問題点である優良証拠主義を誤魔化す態度は不真面目すぎるでしょう。(その意味では毎日社説氏も青木理も同罪なのだが、)
世界一安全、平和なガラパゴス島である我が日本国の裁判制度では、検察側が全ての証拠類の開示の権利を独占している(有罪の心象の証拠しか開示しない)ので裁判が始ったら被告側は必ず有罪にしかならない仕組みだった。
優秀なプロが『怪しい』間違いなく『犯人だ』と睨んだ場合は9割以上が本物の犯罪者なのだが、何しろ客観的証拠では無くて第六感が根拠なので時々は大外れして袴田事件のような無罪の人が死刑になる。(多分、人相が悪いとか態度が悪いとか些細な理由で冤罪が生まれた)



『科学の「間違い」こそが進歩の原動力だった。  (^_^;) 』

あえて『逆張り』を行って科学界とか権威に極めて弱い世間一般を笑いものにした車椅子の天才物理学者ホーキング博士の場合は称賛されているのに、ほぼ同じことをした理研の小保方春子博士の方はマスコミから袋叩きにあっている不思議。(科学上の間違いなどは日常茶判事で、常に起きている『普通のこと』ですよ)
科学進歩にとって『間違い』の存在を認める大事さを失念しているのである。もしも『絶対に正しい科学』なるものが存在するとすれば、それは新興カルト宗教(科学教)ですよ。
子供たちに教える義務教育の理科の教科書では『間違い』は大問題であり、小さい部分でも『誤』は決してあってはいけないのである。多分、これと科学一般とを混同(勘違い)したのでしょう。(今の科学的真理の誤りを見つけるのが科学者の仕事であり、正しい科学を教えるのが教師の役目。この両者は似ているようでまったく別々)
小保方さんを『科学の間違いは許さない』と全員で激しくバッシングした極めて道徳的な日本のマスコミですが、実は『科学の進歩』とは、今までの科学の『間違いを認める』との意味なのですから、『科学進歩は許さない』と言っているのと五十歩百歩。これ以上に非科学的な態度は無いのである。

『むべなるかな』

『逆張り』でも何故か成功した天才ホーキングは例外だからで、普通は必ず失敗する。
しかし、小保方さんを『科学的間違いを許さない』と激しくバッシングしたマスコミとか有識者ですが、『むべなるかな。』としか説明のしようがない顛末である。  (^_^;) 
これは、ある意味では 何んとも致し方ない成り行きだったのである。日本人的に横並びで世間一般に合わせるのが、一番間違いが少ないと経験的にしっていた、・・・
(日本人に強い集団同調性バイアスですが、通常はプラス方向に働く)


韓国の平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック開催に関連した文在寅(ムン・ジェイン)大統領と安倍晋三日本首相による日韓首脳会談

『DNAの鑑定でネイチャーと大論争して大恥をかいた日本政府』
★注、
マレーシアでの歴史的な米朝会談開催の前後から、すべての物事が大きく動き出しているのですから怖ろしい。
今回世界的権威の科学誌ネイチャーの論文を出して自説を権威付けしようとした三百代言の郷原信郎弁護士ですが、ひょっとすると14年前にネイチャー誌と『1200度で焼却した骨からのDNA鑑定』の真贋論争で大論争した大負けした安倍晋三首相を皮肉っているのかも知れない。
 
『横田めぐみさんのDNA鑑定、(安倍晋三ら)日本版ネオコンが偽造』 2008年03月03日 | 東アジア共同体

米国の外交筋は、日本の『ネオコン』に当たる極右勢力が遺骨のDNA鑑定に関わって、情報を操作したと見ている。
日本政府は2004年12月9日にめぐみさんの遺骨を科学警察研究所に分析させたが失敗。そこで日本政府はDNA鑑定の経験が浅い帝京大学医学部法医学教室に鑑定を依頼し、『めぐみさんの遺骨ではない』とマスコミに発表。
DNA鑑定の最高権威として知られる米国国立標準技術研究所のジョン・バトラー博士は最近、インタビューに対し「1200度で焼却された遺骨をDNA鑑定するのはほぼ不可能だ」と語った。世界的なDNA鑑定の専門家の多くが、北朝鮮が提供した遺骨のDNA鑑定を行ったという日本政府の主張を疑いの目で見ている。

『DNA鑑定疑惑』
日本国民の反北朝鮮感情が拡大するきっかけとなった、横田めぐみさんの遺骨をめぐる真偽問題について、当時発表されたDNA鑑定の方式に問題があったのではないかという話も出ている。
米国のある外交筋は、日本の「ネオコン」に当たる極右勢力が遺骨のDNA鑑定に何らかの形で関わっているとともに、情報を操作したのではないかと見ている。
日本政府は2004年末、北朝鮮が横田めぐみさんの遺骨だとして提供した焼却済みの遺骨についてDNA鑑定を行い、めぐみさんの遺骨ではなかったとの公式発表を行った。
これを受け、当然日本国民は激怒し、日本政府はその後押しもあって北朝鮮に対する経済制裁など、強硬政策を打ち出し始めた。
だが世界の科学者たちの間では、焼却された遺骨に対するDNA鑑定は理論上不可能だというのが常識だという。

『日本政府VS科学誌ネイチャー』
イギリスの科学専門誌「ネイチャー」も2005年2月に日本政府が行ったDNA鑑定の方式について、公式に問題を提起したことがある。
日本政府は2004年12月9日にめぐみさんの遺骨の一部を警察庁傘下の科学警察研究所に分析させたが、この時のDNA鑑定は失敗に終わった。
そこで日本政府はDNA鑑定の経験が浅い帝京大学医学部法医学教室に鑑定を依頼した。
そしてこの研究チームはめぐみさんの遺骨ではないとの発表を行った。
しかしその後ネイチャーによるインタビューの中で、鑑定に携わった同大学の吉井講師から「別人の遺骨とは断言はできない」という発言が飛び出した。
日本政府が報道に対する反論を行うなど問題が拡大したため、ネイチャーは吉井講師に対し再度インタビューを試みた。
ところが日本政府は吉田講師を警視庁科学捜査研究所長に登用するとともに、メディアの取材は警察庁長の承認を得なければ認められないとし、事実上の取材封鎖を行った。

『疑われる日本政府』
DNA鑑定の最高権威として知られる米国国立標準技術研究所のジョン・バトラー博士は最近、記者の電話インタビューに対し「1200度で焼却された遺骨をDNA鑑定するのはほぼ不可能だ」と語った。
世界的なDNA鑑定の専門家の多くが、北朝鮮が提供した遺骨のDNA鑑定を行ったという日本政府の主張を疑いの目で見ているのが現状だ。
日本通で知られるある教授は、最近就任した福田首相が先の遺骨のDNA鑑定問題をはじめとする「日本版ネオコン」をめぐる敏感な問題を解消しようと努力しているが、なかなか思うようにはいかないようだと説明した。

『報道機関の奇妙な姿勢』
問題は、めぐみさんの遺骨に関する日本政府の発表が疑惑に満ちたものであるということが、日本国民にはあまり知られていないということだ。
もはや拉致日本人はいないという金正日(キム・ジョンイル)総書記の発言に、日本国民が敏感な反応を示しているのも、こうした状況と無関係とは言えない。
何の罪もない一般市民を拉致した北朝鮮が非難されるべきなのは言うまでもない。だが仮に日本政府が情報の歪曲(わいきょく)に関与したり、そうした事実を知りながらも拉致問題を政治的に利用したりしているのであれば、それは重大な問題だ。
今や日本は自らが招いた疑惑を収拾するため、DNA鑑定をめぐる真実を明らかにすべきだ。
そうすることが日本人拉致問題の解決や、ひいては北朝鮮核問題の解決にも役立つことだろう。
(一部抜粋)
☆めぐみさんの遺骨問題、今度は日本が答える番 2007・10・17朝鮮日報

<転載終了>