マスコミに載らない海外記事さんのサイトより
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/post-3b7f.html
<転載開始>

2018年7月3日
Paul Craig Roberts

 明日、2018年7月4日は、13のイギリス植民地が独立を宣言した日として選ばれている242回目の記念日だ。歴史学者によれば、実際、独立が宣言された日は、第2次大陸会議で決議された1776年7月2日だ。他の歴史学者は、独立宣言は、8月2日まで実際には署名されなかったと結論づけている。

 植民地で暮らしていた多くの人々にとって、この出来事は歴史書に書かれている様な輝かしいものではなかった。分離には大いに反対があり、“イギリス支持者”は殺害され、没収され、カナダへの亡命を強いられた。歴史学者の中に、この出来事は、自由と自由と自治という、偉大で高貴な企てではなく、金儲けと権力を得る好機を見ていた野心的な連中によるごまかしとして説明する向きもある。

 大半のアメリカ人にとって、今日7月4日は、花火やピクニックや“我々の自由のために戦った”人々と、彼らの後、それを戦争で守った人々を讃える愛国的演説の時期だ。こうしたものは心地の良い演説だが、大半は、ほとんど意味をなさない。アメリカの戦争の多くは帝国の戦争で、スペイン人やメキシコ人や先住部族から土地を奪うものだった。アメリカは、第一次世界大戦には何の国家的関心もなく、第二次世界大戦にもほとんど関心はなかった。ドイツ や日本がアメリカを侵略する可能性は皆無だった。ヒトラーがソ連を侵略する失敗をおかすと、第二次世界大戦のヨーロッパ部分は赤軍が決着をつけた。日本が毛とスターリンに持ちこたえる可能性は皆無だった。アメリカの参加は、いずれの結果にとっても、極めて重要な部分ではなかった。

 7月4日に演説する誰も、これは語らず、21世紀に、ワシントンが、丸ごと、あるいは一部を破壊した7カ国か8カ国や、選挙で選ばれた中南米の様々な改革派政権のアメリカによる打倒に誰かが触れる可能性もまずない。7月4日は、アメリカ人が、その中で暮らしている『マトリックス』を強化するための公演だ。

 7月4日が巡ってくる毎に、アメリカ海兵隊のスメドリー・バトラー将軍の言葉を読み返す。バトラー将軍は、史上最も多く勲章を授与されたアメリカ将官だ。退役するまでに、彼は16個の勲章を受けたが、うち5つは勇敢さに対してだった。彼は名誉勲章を二度受章した19人の一人だ。海兵隊ブレベット勲章と名誉勲章を受章したわずか三人の一人で、ブレベット勲章と二個の名誉勲章を、全て別の行動で受章した唯一の人物だ。

 バトラーは当時彼が服務していたアメリカ海兵隊にあるあらゆる将校階級、少尉から少将までつとめた。彼はこう述べている。“その期間中、大半の時間、大企業やウオール街や銀行家の高級ボディーガードとして過ごした。要するに、私はいかがわしい商売、資本家のための暴力団員だった。”

 バトラーは『マトリックス』から脱出しようとしていたし、“現在、より多くの軍人が、自分たちは、資本を所有するエリート連中に、公的助成金を得ている資本家暴力団として利用されていることを自覚する”ように願うと述べている。

 バトラーは、こう書いている。

 “戦争はいかがわしい商売だ。過去、常にそうだった。

 “戦争は、たぶん最も古く、何よりも最も儲かり、確実に最も悪質なことだ。国際的な規模の唯一のものだ。そして、儲けがドルで、損失が命で、勘定される唯一のものだ。

 “いかがわしい商売とは、大半の人々にとって、そうとは見えないものと言えるだろう。内部の少数者しか実態を知らない。ごくわずかな人々の利益のために、大勢の人が犠牲を払って行われるのだ。戦争で、ごく少数の人だけが膨大な利益を得る。

 “儲けるのは極少数で、大多数は代償を支払う。だが、それを止める方法がある。軍縮会議で、戦争を終わらせることはできない。ジュネーブでの和平交渉で、戦争を廃絶することはできない。善意ながら実際的でない集団が、決議で一掃することもできない。戦争は、戦争によるもうけを無くすことでのみ効果的に廃絶できるのだ。

 “このいかがわしい商売を粉砕する唯一の方法は、国中の男性が徴兵される前に、資本や産業や労働力を徴集することだ。政府が国の若い男性を徴兵する一カ月前に、資本と産業と労働力を徴集すべきだ。アメリカの兵器工場や、アメリカの弾薬製造業者や、アメリカの造船業者や、アメリカの航空機製造会社や、戦時に利益をもたらす他のあらゆるものの製造業者の役員も社長も有力幹部も銀行家や投機家も、塹壕の若者が得る給与、月給30ドルで徴兵されるべきだ。” https://ratical.org/ratville/CAH/warisaracket.pdf

 1935年11月、コモン・センス誌に、バトラーはこう書いている。

 “33年と4カ月、軍務で過ごしたが、その期間中. . . 1914年には、メキシコ、特にタンピコを、アメリカ石油権益にとって安全にするのを手助けした。ナショナル・シティー・バンクの連中が収入を集めるのに、ハイチとキューバを、まともな場所にするのを手助けした。ウオール街の利益のために、半ダースの中米の共和国を略奪するのを手助けした。1902年-1912年には、ブラウン・ブラザーズのインターナショナル・バンキング・ハウスのために、ニカラグアを浄化するのを手助けした。1916年には、アメリカ砂糖権益のために、ドミニカ共和国に私は光をもたらした。1903年には、アメリカのフルーツ企業のために、ホンジュラスを良くする手助けをした。1927年には、中国で、スタンダード石油が妨害されずに事業を行えるよう手助けした。振り返って見ると、アル・カポネにいくつかヒントをあげられたように思う。彼は、三つの地域で、彼のいかがわしい商売を展開すればよかったのだ。私は三つの大陸で活動した。”

 57年前、アイゼンハワー大統領がアメリカ人に警告した軍安保複合体は、アメリカ政府内に制度化された連中の権力と儲けを守るため、アメリカの戦争を肯定的に描き出すのに、7月4日を巧みに利用している。全く対照的に、退役前、バトラー将軍は全く違う見方をしていた。ワシントンは決して“自由と民主主義”のために戦ったことはなく、権力と利益のためだけに戦っている。バトラーは言った。“我々が戦うべきものは二つしかない。一つは我々の家の防衛、そして、もう一つは権利章典だ。”

 現在、銃規制ロビーと軍隊化した警察が、自宅を守るために戦うのを非常に困難にしており、対テロ戦争が権利章典を破壊した。もし二度目のアメリカ革命があり得る気なら、我々は再度試みることができるかも知れない。

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/07/03/tomorrow-is-matrix-reinforcement-day/

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ロバーツ氏、アメリカ社会を、映画『マトリックス』になぞらえる記事をいくつも書いておられる。たとえば下記。

彼氏による2015年の記事
7月4日 軍国主義の慶賀を拒否する

彼氏による2015年の記事
7月4日アメリカ独立記念日にギリシャの事等を熟考

また別人による記事も、

国旗はしまおう-7月4日にハワード・ジンを追悼する

属国では、敗戦を、終戦と言い換え、責任を曖昧にする作戦が完成しているいい勝負。

スメドリー・バトラーの「戦争はいかがわしい商売だ」翻訳は下記で読める。

時代を超えた戦争の教訓 今こそ読むべき スメドリー・バトラー将軍『戦争はいかがわしい商売だ』完全日本語訳 Smedley Butler, WAR IS A RACKET: Japanese Translation

IWJでも読める。

米国海兵隊の英雄スメドリー・バトラー将軍の「告発」~「戦争はいかがわしい商売だ」前編(吉田健正著『戦争はペテンだ バトラー将軍にみる沖縄と日米地位協定』より) 2015.2.14

米国海兵隊の英雄スメドリー・バトラー将軍の「告発」 ~「戦争はいかがわしい商売だ」後編(吉田健正著『戦争はペテンだ バトラー将軍にみる沖縄と日米地位協定』より) 2015.2.16