東海アマブログさんのサイトより
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<転載開始>
 尾畠さんの周防大島での活躍について、今更述べる必要もないが、もしも、日本政府が、尾畠さんを美談仕立てにして道徳教育に利用しようとすると、非常に困った現象が起きるのだ。

 尾畠さんは、完全に「無私の人」である。蓄財も名誉も、贅沢も、自分が特権的な立場に立つことも、何一つ興味がなく、他人の幸せだけを喜び、それだけを生きがいにする人である。

 一方で、日本政府=安倍晋三政権の推進する道徳とは、何もかも金儲けの論理で日本社会を埋め尽くそうとしているわけで、「金にならないことはやらない」というのが、政権=自民党の基本姿勢である。

 例えば、過疎の地方で、公共バスがなければ生きていけないような老齢化した地域社会に対しても、採算性の立場だけを最優先し、老人から加齢を理由に免許証は取り上げるが、バス路線は廃止するというのが自民党の基本姿勢であって、金にならないサービスは、集落が崩壊しても絶対にしないのである。

 「金だけがすべて」という自民党の強烈な意思の前に、尾畠さんの人生が美談として登場したならば、いったい何が起きるのか?

 尾畠さんは、行方不明の子供を発見して親に引き渡しながら、風呂を勧められても断り、お茶さえも断り、雨が降っているから傘を持って行けとの親の奨めも断り、もちろん謝礼はびた一文受け取らず、救助の日の夕食は、ご飯に紫蘇ふりかけ、寝泊まりは軽自動車の車中だった。

 こんな恐ろしいほどの無私の人が道徳の教科書に登場したなら、それこそ自民党の推進する「金儲け主義で日本を埋め尽くす」方針が、完全に破綻してしまうのである。

 自民党も、日本政府も、まさか、こんなもの凄い私利私欲皆無の、善意だけで生きている人が存在するなど予想もしていなかっただろう。
 今頃、ヒマラヤのイエティか、ロッキーのビッグフットが人間社会に突然降りてきたくらいの驚愕をもって受け止めているのではないか?

 とりわけ、私に嫌がらせを続ける極右の悪意に満ちた連中は、「金で動かない人」を見せつけられた衝撃は恐怖に余りあるだろう。
 ただ「善意だけの人生」が存在することなど、まさに、これまでの人生観を根底から否定される恐怖だけなのではないか?

 この社会と人間関係が、金だけで動いていると思い切り勘違いしてる連中の、なんと多いことか。
 そんな尾畠春夫さんが、ドロドロに腐敗した自民党や文科省が作る「道徳」の教材になるなど、想像するだけで驚天動地である。

 利己主義だけが正義と信奉する自民党支持者に、尾畠さんは究極の爆弾を投下することになるだろう。
 天皇陛下のために命を捧げた肉弾三勇士を載せる代わりに尾畠さんが道徳の教材になったなら、日本社会は、根底から爆破されねばならない。

 天皇と日本国家のために命を捧げる人間を洗脳で作りたいのに、尾畠さんは「善意」だけの人生観を提示してみせるのだ。
 「無私」は、天皇や国の利益に捧げる無私ではない。強欲や利権からの無私なのである。

 自分は、どんなに辛い思いをしても耐え忍び、ただ他人の幸福、笑顔を見たくて、人生を捧げるのが尾畠さんであって、そんな人間ばかりになったら、資本主義社会も自民党権力も根底から崩壊してしまうのだ。
 本当に困った人が現れたものだ。

 ゆえに、尾畠さんは、我々の記憶に強烈に焼き付けられたのだが、道徳の教科書に載ることはなさそうだ。
 また、仮に、尾畠さんの善意を「国威発揚」に利用しようとするなら、彼を、天皇に引き合わせで顕彰させ、国粋主義の大会にでも連れていかねばならないことになる。

 だが、尾畠さんは、国が、どれほど皇居に連れて行きたがっても、おそらく天皇に会うこともあるまい。
 本心では、何が真実かを分かりすぎるくらい分かってる人であって、自分の行為が権威主義化されることは、それまでの人生の価値観を否定することになってしまうからだ。

 私は、尾畠さんのような、真の利他主義者が、実はたくさんいることを知っている。
 彼らは、自分の行為を宣伝することを嫌う。
 自分の親切心が満足すればいいのであって、表彰・顕彰されることは、実は自分を汚すことになると思う人が多いからだ。
 無私の利他行為というのは、それが何一つ評価されないことで完結するのである。

 尾畠さんも、それを分かりすぎるくらい分かっていながら、自分が取材や顕彰を拒絶すれば、迷惑が及ぶと心配して、無理矢理受けているのであろう。

 今後は、尾畠さんの行為が全国に放映され、人々を感動させたことで、彼を見習って利他主義に生きようと決意する人が増えるだろうと私は思う。
 実は、このことこそ、資本主義を根底から破壊する思想であって、金の論理だけを追求する政府関係者にとっても一番困ることだろうと思う。

 人々を「金の亡者」=奴隷に洗脳するつもりが、利己主義を軽蔑する利他主義が社会に蔓延したなら、日本国家にとっても資本主義にとっても、企業活動にとっても、巨大なマイナス=悪魔的事態であって、ボランティア思想は、社会の秩序を完全破壊し、利他主義の素晴らしき社会に変えてしまう凄まじいパワーを持っている。
 

<転載終了>