目標

たくさんの人に無料で使える数式処理ソフト Sage math で遊んでもらうこと。

目次

1. http://alpha.sagenb.org/ を使う (超簡単)

Windows に Sage math をインストールして使うのは結構大変です。しかしブラウザから http://alpha.sagenb.org/ にアクセスして Sage math を簡単に試してみることができます。

私は Google のボタンを押して、Google アカウント経由の Open ID で Sage profile を作成しました。次回のログイン時には Google ボタンを押すだけですみます。この説明でよくわからない人は "Sign up for a new Sage Notebook account" をクリックして使いたいユーザー名とパスワードを入力して登録しても構いません。

登録がすむと "Active Worksheets - Sage" の画面になります。あとは自由にいじってみて下さい。

最初は、左上隅の Sage のロゴの右下にある "Upload" をクリックして、"Or enter the URL of a file on the web." の欄に以下のワークシートの URL のどれかをコピー&ペーストして "Upload Worksheet" ボタンを押してみましょう。もしくは以下のワークシートを手元にダウンロードしてから、「ファイルを選択」ボタンを押してそれを選択してアップロードしても構いません。

Sage days in Japan (←ここも見ておいた方が良い) より

とにかく恐れずに色々遊んでみましょう。どうせ失敗してもワークシートのアップロードから全部やり直すことができます。ワークシートで遊び終わったら、"Action..." → "Save and quit worksheet" を選択する。

他の人達がどのようなワークシートを作って遊んでいるかを見たければ http://www.sagenb.org/pub/ を覗いてみて下さい。

sage/sageの紹介」と「Sage_introduction」も参考になります。

http://www.math.tohoku.ac.jp/~ishida/ から「2008 年度後半計算機数学 A」の内容をダウンロードできます(PDF)。 これを見ながら Sage で色々遊んでみると良いかもしれません。

線形代数に関する Sage ワークシートを ZIP でまとめたものおよびPDFファイルのまとめhttp://linear.ups.edu/sage-fcla.html からダウンロードできます(ただし英語)。英語が苦手でも数学がわかっていれば困らないと思います。ただしワークシートが細切れになっているので、Sage で線形代数を扱いたい場合には PDF ファイルを見た方が早いかもしれません。

他にも検索すれば Sage の使い方を学ぶために便利なワークシートを大量に見付けることができます。

Windows 7 に Sage math をインストールして使う (結構面倒)

これは結構大変です。

0. http://www.sagemath.org/ の様子を覗いてみる

Download のページは必ず覗くことになります。基本的にあちこちに書いてある指示をよく理解して従えば手元の Windows 7 マシンに Sage math をインストールして使うことができます。

実際には VirtualBox 内で Linux 動かして、その中で Sage サーバーを立ち上げることになります。だから、まず VirtualBox をインストールしなければいけません。

VirtualBox 内で Sage を動かす方法が http://wiki.sagemath.org/SageApplianceInstallationhttp://wiki.sagemath.org/SageAppliance に書いてあります。詳しい方法についてはこれらの文書を見てもらうことにして、以下では簡潔に説明します。

1. VirtualBox をインストールする。

https://www.virtualbox.org/wiki/Downloads から Windows 用のインストーラーをダウンロードして、VirtualBox をインストールする。

2. sage-5.0.ova をダウンロードする

これを書いている時点で Sage のバージョンは 5.0 なので sage-5.0.ova というファイル名になっています。バージョンが上がったら最新のものをダウンロードして下さい。 http://www.sagemath.org/download-windows.html 経由でダウンロードできます。サイズが 1667.90 MB と結構大きいので注意して下さい。

3. sage-5.0.ova を VirtualBox にインポートする

VirtualBox を起動して、ファイル→仮想アプライアンスのインポートと選択して、sage-5.0.ova を VirtualBox にインポートして下さい。

http://wiki.sagemath.org/SageApplianceInstallation#Open_VirtualBox の説明の通りに進めて下さい。説明の英語と手元で動いている VirtualBox の日本語表示の違いが気になるならば、 VirtualBox でファイル→環境設定→言語と選択して、English(内蔵)を選択しておけば良いでしょう。

仮想アプライアンスのインポートの途中で設定をいじる場面がありますが、最初は何もいじらずにデフォルトの設定のまま進んだ方が良いでしょう。後でいくらでも変更できます。

4. VirtualBox 内で Sage 5.0 を起動する

VirtualBox にインポートされた Sage 5.0 を選択して「起動」(緑の右矢印)のボタンを押します。すると Linux が VirtualBox 内で立ち上がります。しばらく待つと真っ黒で大きな窓が現われ、さらに待つとそこに http://alpha.sagenb.org/ で Sage を試したときに最初に現われたのと同じ画面が現われます。

「あとは同じように使って下さい」と言いたいところですが、日本の Windows ユーザーは日本語キーボードを使っているのに、VirtualBox 内で立ち上がった Linux は日本語キーボードの設定にはなっていません。その設定を変えることもできるのですが、面倒なので Windows 上でいつも使っているブラウザで VirtualBox 内で立ち上がっている Sage サーバーにアクセスした方が便利でしょう。

5. Windows 上のブラウザから VirtualBox 内の Sage サーバーにアクセスしてみる

私が一番はまったのはこの段階です。以下を順番に試してみると良いと思います。

(1) Windows 上のブラウザから http://localhost:8000 にアクセスしてみる。

これだけでブラウザに Active Worksheets の画面が現われたなら大成功です。運が良かったことに感謝しましょう。もしもブラウザに Not Found と言われたら次を試してみましょう。

(2) VirtualBox のポートフォワーディングの設定を変える。

まず、VirtualBox が立ち上げた Active Worksheets の窓を閉じて、VirtualBox 内の Sage 5.0 をシャットダウンします。そして、Sage 5.0 について「設定」ボタン→ネットワークと選択して、「割り当て」が NAT になっていることを確認して、「高度(D)」をクリックします。すると「ポートフォワーディング」のボタンが現われるのでそれを押します。するとホストIP 127.0.0.1、ホストポート 8000 の設定が見付かります。ホストポートを 8000 以外の数字(たとえば 8001) に変て、OKボタンを押します。これは、 WIndows のシステムが 8000 番のボートを使ってしまっている場合があるので、それとかち合わないようにするための設定です。他の設定は一切変えません。

再度「起動」ボタンで Sage 5.0 を起動して、Windows 上のいつも使っているブラウザから http://localhost:8001 などにアクセスしてみる。

おそらくこれで成功したはずです。次に説明する別の方法もあります。

(3) ネットワークの「割り当て」を「ブリッジ アダプタ」に変える。

上で、「設定」ボタン→ネットワークと選択したときに、「割り当て」がデフォルトの設定の NAT になっていることを確認できたはずです。その「割り当て」を「ブリッジ アダプタ」に変えます。するとあなたのパソコンが繋がっているのと同じネットワーク内から VirtualBox 内の Sage サーバーにアクセスできるようになります。ただし、以下の手続きが必要になります。

まず、Windows 7 のネットワークと共有センターを開きます。すると VirtualBox Host-Only Network が見付かるので、それをクリックして下さい。すると VirtualBox Host-Only Network の状態の窓が立ち上がるので、そのプロパティボタンを押して、もしも VirtualBox Bridged Networking Driver にチェックが入っていなければ、チェックを入れてOKボタンを押して下さい。

次に、VirtualBox 内の Sage のネットワークの「割り当て」を「ブリッジ アダプタ」に変えた後に、 Sage を起動します。Sage の Active Worksheets の窓が現われたら、右コントロールボタンを押しながらF1 (ファンクションキーの1) を押します。すると Linux のコンソール画面が現われます。元に戻したければ、右コントロールボタンを押しながらF2を押して下さい。右コントロール+F1で開いたコンソール画面で system login: root と Password: sage でログインして下さい。そして ifconfig と打ち込んでリターンキーを押す。すると eth0 の項目の中に inet addr: 192.168.11.10 のように書かれている部分が見付かるはずです。このアドレスにアクセスすれば VirtualBox 内の Sage サーバーに繋がります。

仮に eth0 inet addr: 198.168.11.10 ならば Windows 上で普段使っているブラウザから http://192.168.11.10:8000 にアクセスしてみて下さい。これで繋がれば成功です。同じネットワーク内の他の端末からも同様にアクセスできるはずです。ぼくは WiFi で繋がっているスマートフォンから自宅内の Sage サーバーに接続して遊べることを確認しました。ただし、スマートフォンからのアクセスだとグラフが表示されなくなります。数式処理や数値計算をする分には普通に使えます。

ただし、以上の設定はセキュリティを完全に無視していることには注意して下さい。その点が気になる人は http://wiki.sagemath.org/SageAppliance#Giving_Others_Access_to_the_Sage_Virtual_Machine の指示に従って下さい。

6. 設定をいじる

VirtualBox 内の Sage サーバーがもっとたくさんのメモリを使えるようにするためには、VirtualBox 内で動いている Sage サーバーをシャットダウンしてから、VirtualBox の「設定」ボタン→システムで行ないます。自分の好みに合わせて好きなように変えてみて下さい。失敗してもいくらでもやり直しできます。

VBoxHeadlessTray を利用して、VirtualBox 関係のうざい窓が表示されないようにすることもできます。

Sage の Combinat パッケージ (mailing list) を使いたい人は、右コントロール+F1として、system login: root と Password: sage でログインして、以下を順次実行しましょう:

# su sage
$ cd
$ cd sage
$ ./sage -combinat install
$ exit
# reboot

Combinat は組合せ論的な数学を扱うためのパッケージです。たとえばワークシート Basic Combinatorics intro.sws をアップロードして覗いてみれば雰囲気がわかると思います。

Combinatパッケージの中にはクラスター代数を扱うためのライブラリも入っています(A compendium on the cluster algebra and quiver package in sage)。詳しくは Sage and cluster algebra workshop を見て下さい。ただし、その研究会以後に仕様が変わっているので、直接ソースを覗いてみることが必要になります。たとえば http://wstein.org/home/wstein/www/home/combinat/sage/devel/sage-combinat/sage/combinat/cluster_algebra_quiver/ でソースを見ることができます。