稼働中3基
【東京電力:柏崎刈羽6号 2012年3月末までに 定検入】
【関西電力:高浜3号 2012年2月20日 定検入】
【北海道電力:泊3号 2012年4月末までに 定検入】
■拡散予測先に米軍へ 住民公表9日遅れ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012011702000021.html
東京新聞 2012年1月17日 朝刊
文部科学省の渡辺格科学技術・学術政策局次長は十六日、福島第一原発から放射性物質がどう拡散するか緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による試算結果を、事故直後の昨年三月十四日、外務省を通じて米軍に提供していたことを明らかにした。
試算結果が公表されたのは、米軍への提供より九日も遅い三月二十三日のことだった。公表が遅れたため、住民の避難が遅れ、放射性物質が拡散する方面に避難した人もおり、無用の被ばくを招いたと批判されてきた。その一方で、米国側には早い段階で連絡していたことになる。
十六日に開かれた国会の事故調査委員会で、委員からの質問に答える形で、渡辺氏が明らかにした。
渡辺氏は「(事故対応を)米軍に支援してもらうためだった。公表という認識ではなかった。(住民ら国内への公表は)原子力災害対策本部で検討しており遅くなった」と釈明した。
■SPEEDI情報 米軍に提供
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120117/t10015315481000.html
(NHK) 1月17日 0時7分
東京電力福島第一原子力発電所の事故原因を究明する国会の「事故調査委員会」は、初めての本格的な質疑を行い、参考人として招致された文部省の担当者が、放射性物質の拡散を予測する「SPEEDI」と呼ばれるシステムによる予測データを、事故の直後に、アメリカ軍に提供していたことを明らかにしました。
国会の事故調査委員会は、16日、政府の事故調査・検証委員会の畑村委員長や東京電力の事故調査委員会の委員長を務める山崎副社長らを参考人として招致し、公開で初めての本格的な質疑を行いました。この中で、文部科学省科学技術・学術政策局の渡辺次長は、放射性物質の拡散を予測する「SPEEDI」と呼ばれるシステムで、事故の直後に行った予測のデータについて、外務省を通じて直ちにアメリカ軍に提供していたことを明らかにしました。SPEEDIのデータは、文部科学省が「実態を正確に反映していない予測データの公表は、無用の混乱を招きかねない」として、一部を除き、事故の発生から2か月近く公表しませんでしたが、アメリカ軍に提供した理由について、渡辺次長は「緊急事態に対応してもらう機関に、情報提供する一環として連絡した」と説明しました。また、質疑では、事故調査委員会の石橋委員が「平成19年の新潟県中越沖地震の経験がありながら、東京電力は、地震と津波に対して、対応が甘かったのではないか」と指摘したのに対し、東京電力の山崎副社長は「事業者として、忠実に対策を取ってきたと思っているが、考えているような前提をすべて覆すようなことが起きた。もう少し考えなければならないということがあるならば、考えていきたい」と述べました。質疑を終えて記者会見した事故調査委員会の黒川委員長は、原発事故の対応にあたった菅前総理大臣や枝野経済産業大臣の参考人招致について、「検討事項に入っている」と述べました。事故調査委員会は、30日に次回の質疑を行うことにしています。
東京電力福島第1原発事故直後の昨年3月14日、放射性物質の拡散状況を予測する緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による試算結果を、文部科学省が外務省を通じて米軍に提供していたことが16日、分かった。
SPEEDIを運用する原子力安全委員会が拡散の試算結果を公表したのは3月23日。公表の遅れによって住民避難に生かせず、無用な被ばくを招いたと批判されているが、事故後の早い段階で米軍や米政府には試算内容が伝わっていた。
伊方原発きょう全基停止 四国の電力不足せず |
2012年01月13日09時30分 |
供給力は確保 四国の原発すべて停止―。福島第1原発事故後、各原発と同様に再稼働要件が整わないことなどから起きた事態だが、四国では何が起きるのだろう? 予想から言うと、「特段のことは起こらない」。四電によると、休止中だった火力の再開、売電の停止などで、「綱渡り」(千葉昭社長)とはしながらも、冬の供給力は確保したという。 長崎から購入 「四国の電気の4割を占める」。原発のPRでよく聞かれるが、これは発電量ベースの話。設備容量で見れば、原発の割合は「2割余り」に下がる。 四電が使える設備の容量は総計で857万9千キロワット。原発が止まっても冬が越せるのは、容量の余力があるからだ。 内訳を見よう。火力57%を筆頭に原子力23%、水力17%、自然エネルギー1・5%で、全体の8割は四電自社設備が占める。 残る2割は、高知県が持つ水力発電や、発電設備を持つ住友共同電力(愛媛県)など、自治体、企業などから買う電力だ。 数ある契約先のうち、購入量が多いのは徳島県阿南市の電源開発(Jパワー)石炭火力。購入理由は自社で作るより安いためで、購入量は常時30万キロワット程度とみられる。 長崎県の松浦市、西海市のJパワー石炭火力からも購入。量は50万キロワット程度だろうか。四国で使われる電気に、電線を伝ってきた〝長崎産〟が含まれるとは少々驚きだ。 大都市圏に販売 「設備の余力」つまり「電力余り」を生んだ理由の一つが、1980年代以降、全国で続いた原発の増設。 四電の場合、77年の伊方1号を皮切りに80、90年代に2、3号と増やした。 増設の〝熱源〟は、電気事業法が定めた料金制度「総括原価方式」。資産に一定の報酬率(四電は3%)を掛けた金額を電気料金に転嫁できるので、発電所を造って資産を増やすほど、電力会社は利益が膨らむ。 一方、四国外の大都市圏に売る「売電」は、電力余りの副産物かもしれない。 詳細は「民間同士の契約」を理由に明かされていないが、業界内では「融通」と呼ばれ、増設とセットのように継続してきた。 四電の説明では、これまで常時30万~50万キロワットを販売。相手先は主に関電とみられる。 地方から大都市圏に送電される構図は、量の多寡はあれ、福島第1原発が東京の電気消費を賄ってきた歴史ともダブる。 夏は節電必至? 問題は全基停止が今夏以降も続いた場合。夏のピーク需要を570万キロワットとして、推測を交え概算しよう。 四国全体の設備容量857万9千キロワット。ここから伊方1~3号(202万2千キロワット)、休止中の阿南火力1号(12・5万キロワット)、夏に定期検査をする可能性がある坂出火力2号(35万キロワット)を引き、さらに天候に左右される水力発電の減少分を2~3割とみると、計算が立つのは550万キロワット程度か。数字上、ピーク時に一定の節電をすれば乗り切れる計算になる。 ただし、3基停止に伴う火力の燃料費増で、1日3億~4億円の負担が生じると四電は説明。停止が続けば、電気料金が上がる可能性がある。 初の3基停止。原発、電気のリアルな姿がおぼろげに見える。 四電によると、停止は13日午後11時50分ごろの見通し。 【写真】長崎県松浦市にある電源開発・石炭火力発電所の貯炭場。四国にも電気を供給 |