全原発停止の日は 5月5日の「こどもの日」
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たんぽぽ舎 【TMM:No1400】 2012年3月26日(月) 地震と原発事故情報 より
2.この恐怖感が共有できれば原発再稼働など誰も望まない
もはや日本だけの問題では無い、原発破局事故
(たんぽぽ舎 山崎久隆)
全原発停止の日が決まる
本日、北海道泊原発3号機の定期検査入りが5月5日の「こどもの日」と発表
された。今年の「こどもの日」には、子どもたちへ電力会社から「脱原発」と
いう名のプレゼントが贈られることになったわけだ。
私の予想は5月6日だったので、1日ほど早くなった。要するに法定限度ぎり
ぎりまで稼働させるというわけだ。その間に巨大地震や津波に襲われないこと
を願うほかない。
3.26東電脱原発の日
本日3月26日は東電が脱原発を達成した日になった。東電が「この日」を選
んだわけは何なのだろう。
思えば1971年3月26日に、福島第一原発1号機が運転を開始している。それか
ら40年目の日に1号機は炉心崩壊を起こしていた。40周年を祝うはずだった福
島第一原発では、その日は死の恐怖に怯えて事故収束をする人たちの怒号が飛
び交っていた。
さらにそれから1年経ったわけだから、東電原発史は41年で破局事故を経て
終幕を迎えた。あとは17基の原発をどうやって安全に廃炉にしていくか、賠償
と共に重い課題を背負うことになった。
他の電力も破局事故は起きなかったとしても、廃炉に係る膨大な費用をどの
ようにまかなっていくかが課題になる。
一番の方法は発送電分離を全電力で行い。発電から消費までを独占している
現体制を解体することだ。
どこの電力会社も、キロワットあたりにかかる費用はべらぼうな額になって
しまっている。他の産業ではあり得ない地域独占体制が続き、総括原価方式に
より「巨額の利益を保証され」ているため、巨大な利権構造を生み、さらに国
策としての原子力開発をもほぼ独占してきたことから、国家以上に、秘密主義
が蔓延し、地域工作活動に電源三法交付金と電力の自己資金が湯水のごとく投
入されてきた。これが地域経済や人心をも破壊してきた。
しかし原発立地地域も、原発震災がたくさんの人々からかけがえのない故郷
を奪い、生産の場を破壊し、人を殺したことを目の当たりにした。さすがにも
う原発推進を自分の町でなどと思う人は激減した。
恐怖の連鎖
さらに想像力を無くしていなければ、たった一基の原発の炉心破壊による放
射能放出は、次々に「悪魔の連鎖」(枝野幸男元官房長官)を引き起こすこと
も分かった。
一基の原子炉災害では終わらない恐怖は、例えば若狭湾で炉心破壊による放
射能放出が起きれば同じ敷地内の原発が次々に炉心破壊を起こす、隣の原発、
そしてもんじゅも同じ災害を起こす可能性が極めて高いということを意味する。
これは、もはや日本だけの問題では無い。地球規模の災害を招くことを意味
する。
原発が全部止まってさえ、使用済燃料プール中の燃料が溶融しないようにし
なければならないし、再処理工場にある大量の燃料と高レベル廃液の問題も何
ら解決していない。
これらを含めて本当に核の恐怖から解放されるには、実にまだ何十年も掛か
るだろう。しかし始まらなければ終わらない。少なくても原発の全機停止が実
現したら、スタート地点には立ったと言うことになろう。
後は後退を許さないこと。つまり再稼働を一切認めないことが重要になる。
正念場はこれからだ。