原発損害とこれからの生活を考えるblog

by原発事故被害者支援司法書士団 team of shihosyoshi to support compensation for nuclear accident victims         

原発被害者の失ったものは何か?
様々なものが失われました。
失われたものを取り戻すために、何をすべきなのでしょうか。

南相馬市避難指示解除―避難者それぞれの選択― Part1(2)

元司法書士佐藤さんの選択(1)

元司法書士佐藤さんの選択(1)
相馬野馬追は、相馬小高神社を含む3つの神社の祭礼行事だ。元司法書士佐藤さんはその小高神社の前で事務所を営んでいた。事務所は自宅と兼用で、家族と共に震災前まで居住していた。
東日本大震災およびその直後の東電第一原発事故により佐藤さんの生活は激変した。避難生活を余儀なくされ、その後、どの避難者も辿った過酷な避難生活を過ごした後、やっとのことで仮設住宅に入居する。佐藤さんは一人で仮設住宅に住むことを選択、家族は川口市へ避難した。一家が離れ離れに避難生活を送ることは福島ではまれなことではない。
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仮設住宅
現在、佐藤さんは、南相馬市鹿島区の仮設住宅に住んでいる。
仮設住宅には、南相馬市の津波被害者及び原発被害者が入居している。猫および犬を飼うことが可能なためペットと共に暮らす入居者が多い。鹿島、および原町区の避難者は津波被害者、小高区の避難者は津波及び原発被害者だ。
佐藤さんは、仮設住宅での生活に次のような感想を持っている。「入居者の生活を観察していると男女で意識の差があるように見受けられる。概して、男性は現在の境遇・状況を受け入れることに消極的であり、本当はここに住む住民ではないとの思いが強いひとが多いように感じられる。一方、女性は意外と現在の環境に適合しているように思われる。自宅には、ほぼ毎日通っている人が多い。」
自動車などに対するいたずらや賠償金に対するやっかみなどの被害がしばしばある。」

佐藤さんは司法書士は廃業したが、相談に来る人には相談に乗っている。
「入居者は元司法書士の佐藤という名で相談に来る。遠隔地の名古屋などに相談に出かけたこともある。」「相談に来る人は解決能力のある人が多いように見受けられる。自分で相談をしに来る事ができる人のみ相談に来る印象だ。問題は、相談に来ることさえもできず、決断もできない人たちをどうするか、どう支援するかという課題にいかに対処するかということだ。」
「そうした人たちの支援をしたいというのも家族と別れて仮設住宅に入居した動機の一つ。」と語る。
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現在、復興住宅建設の加速や住宅損害賠償金の支払いがされた等の事情の変化により、仮設住宅から復興住宅へ、あるいは帰還を諦めて新たな地で住居を構える等、仮設住宅入居者の移動が進んでいる。
このまま今の動向が続けば、次に来るのは、入居者が減少に伴う仮設住宅の統合という方向に進まざるをえない将来が見えてくる。仮設住宅に残る入居者の多くは高齢者だ。もし、そうした状況が生まれかねないとすれば、仮設住宅の生活の中で、せっかく作り上げられた本人と周りのつながりも無視されることになり、その結果、仮設住宅に残ったままの高齢者の孤立化が進むことになるのではと危ぐされる。孤立化が進むことで、かつての阪神淡路大震災の際に起きた高齢者の悲劇が再び起こる事態になることだけは避けたい。
「神戸の二の舞いになってはならない。」と佐藤さんは語気を強めた。
                   (いしかわ)  

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南相馬市避難指示解除―避難者それぞれの選択― Part1(1)

南相馬市避難指示解除―避難者それぞれの選択― Part1(1)

 福島県南相馬市に出されていた避難指示が7月12日、解除された。
解除対象地は、原町区と小高区の避難指示解除準備区域及び居住制限区域で、解除の対象者は、計3487世帯1万807人。1万人を超える規模過去に避難指示を解除された地域では最大規模だ。
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平成18年に相馬郡小高町、原町市および相馬郡鹿島町と合併した南相馬市は、阿武隈高地を西に、東を太平洋に面する気候温暖な地である。「相馬野馬追(のまおい)」は全国的にも名高い。
本年の相馬野馬追は、7月23日から3日間行われた。24日は、相馬野馬追の本祭りが原町区の雲雀ヶ原祭場地で行われ、甲冑競馬や騎馬武者が旗を奪い合う神旗争奪戦などの神事を、全国各地から訪れた大勢の観光客が楽しんだ。
避難指示が解除された小高区では、6年ぶりに祭りから戻る「帰り馬」をかがり火で迎える「火の祭」が復活した。
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華やかな相馬野馬追に先立つこと一ヶ月、避難指示直前の6月中旬、我々は南相馬市小高区を訪問した。街への立入りは制限されていたが、帰還・復興に向かっての活動は既に始まっていた。少数ではあるが事業を再開した商店もある。改修工事の現場も街のそこここに見受けられた。
 街は今、復興に向けて動き出そうとしている。しかし、復興の先にあるものは、まったく経験したことのない世界だ。待ち受けている将来に対する想像力が必要な世界だ
 我々は、先般、それぞれの方法で将来を見据えて活動されている小高区の住民4人の方にお話を伺う機会を得た。以下は、それを元にしたリポートである。
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南相馬市南端から東電第一原発まで、およそ10km。第一原発の煙突を望むことが出来る距離だ。

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津波被害地は、一面雑草に覆われている。

                   (いしかわ)  

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仮設・借上げ住宅、一部地区住民平成29年3月末で供与期間を終了(注意点)

仮設・借上げ住宅、一部地区住民平成29年3月末で供与期間を終了(注意点)
 自主避難区域の、仮設・借上住宅の提供は来年3月31日で終了になりますが、注意点をいくつか挙げておきます。
(注意点 1
借上住宅では、大家が退去を求めたときは、必ず平成29年3月31日までに退去しなくてはなりません。同額の賃料を居住者が払うと申し入れても、大家は退去を求めることが可能です。 
そこに居続けるためには、大家と居住者が、新たに賃貸契約を結ばなくてはなりません。もし大家から家賃の値上げを求められた場合、これを呑まなければ退去せざる得なくなるでしょう。
福島県のホームページも、平成28年4月のときの再契約の場合の説明ですが、「貸主様が期間満了..により契約を終了する意向を示した場合は、契約満了日に退去していただく必要があります。」としています。
(注意点 2 
福島県以外の県市町村の公営住宅等も同様で退去が前提です。ある県では、再入居には一般の市民との公平から、同じように新たに抽選に参加して下さい、と言われているところもあるそうです。福島県は、各県・市町村に優先入居の要望をしているようですが、これに応じるかは各県市町村の考え方次第にならざるを得ないと、福島県の担当者は言っています。
避難している人を、避難解除によって一気に一般市民と同様の取り扱いとすることは、果たして妥当なのでしょうか。もう少し配慮があるべきです。


以下参考として福島県のホームページから。傍線は筆者。

福島県借上げ住宅再契約書等のご案内(平成28年4月1日~平成29年3月31日)
 掲載日:2015年10月9日更新
graphic1 福島県借上げ住宅再契約について
福島県借上げ住宅の現在の契約は、契約が終了しても更新されない定期建物賃貸借契約となりますので、供与(契約)期間を延長するためには、貸主様、福島県、市町村及び入居者様の4者の間で、現在の契約の供与期間の終わりの日の翌日を始期とする1年間の新たな契約を締結する必要があります。そのため、県内における契約継続(再契約)に関する事務手続きについては以下のとおりとしますので御理解、御協力をお願いします。

※ 貸主・貸主代理様に再契約のご案内を差しあげております。仲介業者等に作成を依頼されるか、または貸主・貸主代理様で作成をお願いします。
2 再契約の対象について
現在、県が応急仮設住宅として借り上げている民間賃貸住宅約15,700戸分の契約が対象となります。

※ 
ただし、貸主様が期間満了(平成28年3月31日まで)により契約を終了する意向を示した場合は、契約満了日までに現物件から退去していただく必要があります。
   なお、その場合は入居者様宛に通知をお送りします。

                   (さくらい)  

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仮設・借上げ住宅、一部地区住民平成29年3月末で供与期間を終了。

仮設・借上げ住宅、一部地区住民平成29年3月末で供与期間を終了

仮設・借上げ住宅が一部地区住民につき、平成29年3月末で供与期間を終了します。
*福島県のホームページ「仮設・借上げ住宅の供与期間の延長について」から引用
*注:延長とありますが、2の「 ※その他の市町村・区域については、平成29年3月末で供与期間を終了します。」が重要です。

打ち切りになる、その他の市町村・区域は、次の市町村です。
福島市,会津若松市、郡山市、いわき市、白河市、須賀川市、喜多方市、相馬市、二本松市、田村市、伊達市、本宮市、桑折町、国見町、大玉村、鏡石町、天栄村、下郷町、南会津町、北塩原村、西会津町、磐梯町、猪苗代町、会津坂下町、湯川村、会津美里町、金山町、西郷村、泉崎村、中島村、矢吹町、棚倉町、矢祭町、塙町、鮫川村、石川町、玉川村、平田村、浅川町、古殿町、三春町、小野町、広野町、新地町
また、南相馬市、川俣村、川内村のうち延長が認められた地区以外の地区も同様に終了します。
 6月3日の福島県「住まいに関する意向調査」結果によると、平成29年3月末で、仮設住宅・借上げ住宅の供与が終了する世帯は、合計12436世帯に及びます。
 調査に回答した世帯のうち、終了後の住宅が決まっている世帯は、県内避難者では41.1%(1484世帯)でそのうち90%が福島県内での生活を考えています。
 県外避難者は、21.9%(754世帯)でその50%が福島県内での生活を考えているとのことです。


 対象者は、平成29年3月末までに、今後どこに住むのか、仕事はどうするのか、どう暮らしていくのか、等の厳しい選択を迫られることになります。移転等の準備を考慮すると時間的にも残された時間はあまりありません。もう少し猶予ができなかったのかと思います。
                   (さくらい)  

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相馬市「東日本大震災 無料困りごと相談・法律相談会」

相馬市「東日本大震災 無料困りごと相談・法律相談会」
相馬市本
  相馬市は、東日本大震災のから間もない平成23年4月から、「東日本大震災 無料困りごと相談・法律相談会」を平日
に継続して開催してきている。
 相馬市の東日本大震災による被害は、死者458人、住宅被害は5584棟(内全壊1087、半壊以上941棟)に及ぶ。原発からは比較的距離があったものの、その被害は甚大であった。にもかかわらず、きわめて早い開催である。いや、被害が大きいからこそ早く相談できる場所をと考えたからであろう。
 相談会には、福島県弁護士会、相馬市四団体協議会(司法書士会、行政書士会、土地家屋調査士会、税理士会)、福島県社会保険労務士会が協力している。相談会は開設当初は地震で一部壊れた市役所の一室で行われていたが、現在は市のコミュニティセンターで開催されている。

 相談所の創設以来、実質的に中心となって相談会を支えてきたのが、同市で司法書士を営む加藤三郎氏である。氏自身も被害者であり、大震災の混乱の中、設営場所・相談員の手配等ご自身の仕事を後回しにして、活動されてきた。
 加藤氏は、震災の年平成23年9月3日群馬司法書士会での開催された講演の中でこう語っている(数字は当時の講演のものをそのまま記載する)。
   「相馬市の死者数は454名で、特に中村地区と磯部地区が多かった。死亡のほとんどは津波によるもので、溺死が368名。死亡者のうち60歳以上が281名であり、特に、逃げなかったり逃げられなかったりした高齢者が多かった。...全壊住宅は1025棟など住宅被害は3008棟で、そのほとんどは津波による。市道も、330路線で陥没などの被害。冠水した水田が1135ヘクタール、同畑85ヘクタール..使用不能となった漁船363隻。」「変わり果てた市内を泣きながら歩き、神戸の復興に関する本を読み、また町を歩きながら、相馬市でも神戸等で行われた復興のための取組みをやろうと決意した。」
 そこで、「市役所に相談所の設置をもちかけ、当初は断られたが、4月に市役所で常設相談会を運営することができるようになった」と語る。以後5年にわたり、相談所の運営に携わってこられた。

 同相談所の相談件数は平成23年4月から平成24年3月迄1174件、平成243年4月から平成25年3月迄541件、平成25年4月から平成26年3月迄481件、平成26年4月から平成27年3月迄553件、計2749件にのぼる。相談員の数は延べ2213人で、司法書士はその内1585人(全国の各会から参加している)になる。群馬からも延べ113名が参加した。
  平成28年6月 久しぶりに加藤氏に南相馬市でお会いした。氏の情熱は大震災から5年経過した現在でも衰えず、「相談所はこれからも相談がある限り続けていく」と熱く話す。現在の司法書士相談員は福島会から派遣されているという。
                   (さくらい)  

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最近の原発損害賠償に関する情報(2016年7月)

最近の原発損害賠償に関する情報(2016年7月)
裁判所に提訴されていた東電に対する損害賠償請求事件の判決・和解が相次いでいます。提訴されていた事件は、ADRでは認められてこなかった中間指針で定められた損害賠償基準を超える請求が中心です。
 最近の東電に対する損害賠償請求は、従来、ADRによる賠償請求がほとんどでしたが、集団訴訟を中心に訴訟による解決を求めるケースが増加傾向にあります。
 原発被害の賠償は、中間指針で定められた損害賠償基準に定められたものに限定されるものではありません。原発事故の被害が発生していれば、中間指針で定められたもの以外でも、また、避難指示区域外でも損害賠償請求は認められます。
 以上の道理は中間指針の中でも述べられていますが、実際にはハードルは高く、通常の請求やADRでは認められることは稀でした。訴訟は、被害者の権利を実現するものとして活用する実益の高い最後の手段です。
 損害賠償でお悩みの方やご不満がある方は、原発事故被害者支援司法書士団にご相談ください。
 原発事故被害者支援司法書士団では、原発事故被害を受けられた皆様のために「無料相談」を実施しています。
 お悩みの方、ぜひ、ご相談ください。(下記フリーダイヤルにお電話ください。)


東電、農林業賠償「秋までに提示」
毎日新聞2016年6月14日
 避難指示区域の農林業者に対する営業損害賠償について、東電は、来年以降の方針を「秋までに示す」との考えを明らかにした。東電は農林業者の損害賠償請求期間を、本年12月までとし、それ以後の賠償方針を明らかにしていなかった。


<原発事故>賠償請求断念 節目の給付
2016年05月29日 河北新報
福島県広野町は、避難区域並みの精神的損害賠償(慰謝料)の請求を断念し、7月に財政調整基金を取り崩して全町民に現金10万円、及び県の交付金を活用した地域振興券10万円分の合計20万円を給付する。
福島県広野町の町民に対する、1人月10万円の精神的損害賠償(慰謝料)は、2011年9月末の緊急時避難準備区域解除に伴い、12年8月で終了している。解除後も帰還者は増加せず、現在時点で 全町民約5100人の5割強の約2700人にとどまっている。


東電に3100万円賠償命令 双葉病院訴訟 東京地裁初判決原発事故と因果関係認定
2016/04/28 福島民報
原発事故により避難を余儀なくされ、それが元で体調を崩して死亡した双葉病院患者2人の遺族が東電に対して計約6600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日あった
判決で、東京地裁(中吉徹郎裁判長)は、原発事故と死亡との因果関係を認め、東電に計約3千百万円の支払いを命じた。
しかしながら、判決では、交通事故訴訟の判例に基づき賠償額を1人当たり2千万円を基準に算定し、原告の強制避難などによる精神的苦痛は交通事故の場合より大きいとした主張は退けた。
一方、東京地裁は原発事故に伴う避難と死亡との因果関係を認め原告の主張を認める判断を示した。
東京地裁の判決は、双葉病院患者の遺族が東電に損害賠償を求めた訴訟の初の判決である。


中通りの主婦らが東電提訴 原発事故で精神的損害
福島民友ニュース2016年4月23日
中通りの6市町に住む主婦ら52人が、自主避難や被ばくによる将来の健康不安、放射能汚染などで精神的損害を受けたとして、1人当たり110万円から900万円、計約9900万円の損害賠償を東電に求め、福島地裁に提訴した。
東電は「請求内容や主張を詳しく伺った上で真摯(しんし)に対応していく」とコメントしている。


<原発事故>取引先廃業 間接損害も賠償
2016年03月30日  河北新報
原発事故により取引先が廃業したため計約3000万円損害を受けたとして、宮城県内の5事業者が仙台地裁に訴えていたが、29日、仙台地裁で東電が賠償金計約1250万円を支払うことで4社の和解が成立した。
東電は、中間指針を基に、間接被害の賠償は「取引に代替性がない場合」などに限定されると主張。損害の穴埋めが事実上困難な場合のみ賠償に応じてきた。
和解した4社の取引先廃業による損害は、全体の1~3割程度だったが、東電は和解に応じた。
今回の和解は原発事故の間接的な営業損害賠償に新たな道筋を付けたものと評価される。


<原発賠償>東北25件提訴 ADR1万件超
2016年03月21日 河北新報
宮城、福島両県の住民からのADRの申立ては、2011~14年の4年間で、全体の約8割、1万2003件に上る。
原発事故の被害について国や東電に損害賠償を求め仙台、福島両地裁の両地裁に提起された主な訴訟は少なくとも25件に上っている。その内、審理中の訴訟は20件、5件は確定したり、和解が成立している。
提起された訴訟は様々で、土地・建物、自死、関連死、原発事故による収入減などの損害賠償を国や東電に求めている。
 地元コミュニティーの崩壊など、「古里の喪失」の精神的損害を求める訴訟も提起された。
 

    (記事の要約は、筆者がしたものです。 いしかわ)


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避難指示が解除された村・葛尾村を行く(2/2)

避難指示が解除された村・葛尾村を行く(2/2)
葛尾村は、原発事故の前から、過疎化が進んでいました。高齢者の率は31%と高く、全国各地の山村が抱えている人口が流出し高齢化が進むという過疎化の波がここにも押し寄せてきていました。避難指示が解除されたにも関わらず、若年層、壮年層の帰村の見通しは厳しいものがあり、今後一層、過疎化が加速する可能性もあります。報道によると、村の実施した調査で、現在避難している村民の3割は村に帰還できる状況が整っても戻らないと回答したそうです。
葛尾村7

葛尾村8
 村内の産業は農業以外には、これといった目ぼしいものは見当たらず、農業の維持が重要な施策になると考えられます。
 村内の田畑は、除染作業が進んでいますが、農業の再開には程遠い状態で避難解除がされた直後の今もその状況に変わりはありません。全村避難の状態の村内の田は、本来なら田植えの季節にもかかわらず、除草されてはいますが苗は植えられていませんでした。
 葛尾村では、農地の保全管理のため設立された葛尾村農地復興組合が、営農再開支援事業を活用した農地の保全管理を行っています。我々が訪問した時も道路脇の農地で手作業による除草作業やトラクターによる農地の保全管理作業が行われていました。
葛尾村11
 村内の一角には、仮置場が設けられ大量のフレコンバッグが積み上げられています。仮置場付近の空間放射線量は脇の看板によれば0.32と比較的高めの線量です。
葛尾村9
 
葛尾村10
 南相馬市に向かうため、浪江町から南相馬市に抜ける道路を利用しようとしましたが、道路は封鎖されており通り抜けることはできませんでした。
葛尾村12
 

 村の住居地域は、除染の実施されていない山林に囲まれています。線量の高い山林に立ち入らなければ被曝の危険は軽減されますが、今まで慣れ親しんだ環境下での暮らしは、自ずと制限されることになります。
 あらゆる居住環境が、原発事故前とは程遠い今の状態での避難解除には疑問が残ります。
                   (さくらい&いしかわ)

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避難指示が解除された村・葛尾村を行く(1/2)

避難指示が解除された村・葛尾村を行く(1/2)
18日葛尾村に行って来ましたのでその様子をアップします。
 
 政府は、葛尾村に出されていた避難指示を12日解除しました。また、川内村も避難指示が14日に解除されました。さらに南相馬市も7月12日に解除されました。 
 今回の解除により、川内村では避難指示がすべて解除されますが、葛尾村と南相馬市の「帰還困難区域」は、避難指示が維持されます。


葛尾村1

 双葉郡葛尾村は、福島県浜通りにある山村で、人口1,466人、451世帯(平成28年6月1日現在)の小さな村です。
 福島第一原発事故により、村内全域が警戒区域又は計画的避難区域に指定され、全村民は村外に避難しました。
6月1日現在の葛尾村からの避難者の状況は以下のとおりです。
県内避難者
仮設住宅    604人 
借上住宅    292人 
親類宅等    466人
計    1,362人
県外避難者    104人
計1,466人       (葛尾村HP)
 避難指示解除に先立って、28年の4月1日には、三春町で業務を行っていた役場機能が約5年ぶりに葛尾村の役場本庁舎で再開されました。(三春出張所では、、窓口業務、仮設住宅や復興公営住宅の管理等の業務が引き続き当分の間継続されます。)
 村内の、保育所・幼稚園、葛尾小学校及び葛尾中学校は、避難に伴い三春町に一時移転し、三春町立旧要田中学校の校庭を借用して、三春校として当分の間維持されます。村の診療所、歯科診療所は閉所中です。医療関係のインフラの整備は当面見込まれません。
葛尾村2
 常磐道から富岡町をとおり、村内に入ると、避難指示解除後の休日にもかかわらず、人気が感じられません。まだ、ほとんどの村民が帰っていないようです。
 しかし、驚いたことに、村は、住民が帰還していないのにもかかわらず、住宅が修理・改装されているのが目立ちました。村民の方には、ほとんどお会いしませんでしたが、そこここに工事のための車両が止まっているのが目につきました。
葛尾村3
 葛尾村室内ゲートボール場も封鎖されたままです。敷地内の道路は雑草に覆われています。持参した線量計によれば、空間放射線量は0.43と、高い数字を示しました。
葛尾村4
 
葛尾村5
 
葛尾村6
 
                   (さくらい&いしかわ)                         


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原発損害賠償と相続(Part2―3)

相続手続(登記等)Q&A:遺産はどう分けたらいいのか。
「遺産はどう分けたらいいのですか。」
 こういう質問をよく受けます。おおむね、遺言書があればこれに従い、ない場合は相続人全員の話し合いで決めます。これを「遺産分割協議」と呼んでいます
 遺産分割とは、遺産を具体的な財産ごとに分けることです。甲土地はBさんが取得する、預金1000万円はCさんが取得するといったようにです。それではQ&Aをみていきましょう。


Q:遺産の分割はいつまでにすればいいのですか?
A:これもよくある質問です。遺産分割とは誰がどの財産をもらうかを決めることですが、いつまでにという定めはありません。しかし、ほっておくと話し合いが着かなくなることもあります。父親の相続手続きをほっておいたら孫まで相続人となり、話がこじれてしまうケースなどその典型例です。
 また、不動産は相続登記をしていませんと、通常売却できません。金融機関からお金を借りて住宅を建築する場合も、土地の相続登記が完了していなければ担保に入れることができず、借りられなくなるケースもあります。ですから早めに遺産分割をしておく方がよいでしょう。
 葬儀の日に遺産の話を持ち出すのは早すぎると思いますが、一般には1年以内くらいのうちに話し合いをしているようです。

Q:遺産の分割は誰とすればいいの?
A:法定相続人全員です。1人でも欠けていると話し合いは無効です。
 亡くなった父に、先妻との間に子があることを誰も知らなかった事案もあります。この事案では、司法書士が、亡くなった人の生まれてから死ぬまでの戸籍を全て調査した結果、 子供がいることがわかりました。先妻の子も相続人ですから、先妻の子を入れない話し合いは無効になります。本籍を別の市町村に移しますと、結婚などの理由で別の戸籍に入った子供は新しい戸籍簿には書かれません。一番新しい戸籍謄本を見ただけでは誰が相続人かはわからないのです。
 家族関係が複雑な場合には注意すべきです。必ず相続の専門家である司法書士に相談しましょう。

Q:父Aが亡くなり、相続人は子B、Cの二人です。子Bは父から生前、居住用の土地の贈与を受けています。遺産分割する場合、このような事情も考慮されるのでしょうか。
A:考慮されます。この土地も相続財産とみなされます。贈与された土地が1000万円、預金が3000万円なら、合わせた4000万円が相続財産とみなされ、これに対してB、Cが2分の1ずつ相続分をもつことになります。Bは既に土地の贈与を受けていますので、相続分を基準に分割するなら、預金をB1000万円、C2000万円で分けることになるでしょう。
 このような場合のBを特別受益者といいます。民法の条文を見てみましょう。

(特別受益者の相続分)

903  共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前3条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。

  遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。

  被相続人が前2項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。


Q:前と同じ例で、子Bは父の個人事業を手伝っていて、父の財産形成に少なからず貢献しました。また父の介護もBとその妻が看てきました。遺産分割する場合、このような事情も考慮されるのでしょうか。
A:考慮されます。これを寄与分といいます。ただ、これらの行為と父の財産の維持又は増加と関連性(相当因果関係)が必要です。どんなに親身に世話をしても、その世話のおかげで父の財産の減少が防げた、あるいは増加したといえなければ、寄与分は認められないことに注意すべきです。この点は、現在の多くの人の感覚にややそぐわない面があるように思えます。世話をしてくれた人に報いるためには、遺言で手当てしたほうがよいでしょう。民法の条文を見てみましょう。
 

(寄与分)

904条の2  共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第900条から第902条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。

  前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。

  寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。

  第2項の請求は、第907条第2項の規定による請求があった場合又は第910条に規定する場合にすることができる。


Q:遺産の分割の話し合いがつかないのですが、どうしたらいいのでしょうか? 
A:まず、遺言書があるかどうかをよく調べることです。
遺言があれば全てに優先しますから、遺言どおりに分割することになり話し合いは不要だからです。
 誠意を持って話し合いをしてもダメであれば、まず家庭裁判所に調停申立をしましょう。民間から選ばれた調停委員が当事者から話を聞いてくれて、和解案を示してくけます。そこで相続人皆で話し合いをしてみましょう。それでもダメならば家庭裁判所に決めてもらうことになります。

なお、参考までに民法の条文を下記に掲載します。

第907条(分割の実行)

共同相続人は、第908条の規定によって被相続人が遺言で禁じた場合を除く他、何時でも、その協議で、遺産の分割をすることができる。

②遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。

③前項の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、期間を定めて、遺産の全部又は一部について、分割を禁ずることができる。

調停申立の手続きについては次の裁判所のホームページを見てください。
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_03_5/index.html

 

Q:遺産の分割の基準はあるのですか?

A:民法は様々な事情を考えて公平にして下さいと定めています。

その条文を見てみましょう。

民法第906条(遺産分割の基準)

遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。

ところで、この基準は、どの場で使われるのでしょう。
 前にお話しましたように、相続人全員が合意すれば、どのように分割してもかまいません。父母と同居して面倒をみてきた子に全部でもかまいません。このような場面ではこの分割の基準は強く働きません。遺産をどう分けるかは私事ですので、国家はあまり干渉すべきではないからです。この基準がもっとも強く適用される場面は、相続人の間では話合いがつかず、裁判所が決める場合です。また、話合いがまとまらず、お互い折り合う必要がある場面でも、この基準が分割の目安とされることになります。
                   (さくらい&いしかわ)                               


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原発損害賠償と相続(Part2―2)

相続手続(登記等)Q&A:遺産はどう分けたらいいのか。
「遺産はどう分けたらいいのですか。」
こういう質問をよく受けます。おおむね、遺言書があればこれに従い、ない場合は相続人全員の話し合いで決めます。決める際のひとつの目安として法定相続分が民法で定められていますが、全員が合意すれはいかように決めてもかまいません。極端な例として、Bさんに全部Cさんは何も貰わない、でもいいのです。
 それでは、まず法定相続分 (単に相続分ということがあります )について具体例でみていきましょう。


法定相続分
 
Q:子供と配偶者が相続人の場合。
  Aさんが平成23年8月に亡くなりました。配偶者Bと子C、Dがいます。この三人が相続人ですが、それぞれの法定相続分はどうなるのでしょうか。
A:法定相続分は、遺言によって相続分が指定されていない場合に遺産分割の目安となるものです。
子供と配偶者が相続人である場合は、子供・配偶者共に相続分は2分の1ずつです(昭和56年1月1日以前の相続の場合は持分が異なります。)。子供は何人いても全員で2分の1です。夫々の持分は均等ですから 子C、Dさんは各4分の1ずつとなります。非嫡出子の相続分も嫡出子と均等になったことは前にお話しました。
この法定相続分を基準に分割する具体例を挙げてみましょう。亡きAさんの遺産が2000万円の土地・建物と預金2000万円とします。これを配偶者Bが土地建物を、子供C、Dが預金を夫々1000万円ずつ取得すると決めるといった具合です。

Q:Aに子供がおらず、配偶者BとAの父・母が相続人の場合、それぞれの法定相続分はどうなりますか。
A: この場合は、配偶者Bの相続分は3分の2、父母(直系尊属)の相続分は3分の1です。(昭和56年1月1日以前の相続の場合は持分が異なります。)。直系尊属が数人いる場合は3分の1を均等に分けますので、父母はそれぞれ6分の1ずつになります。このケースで、父は先に亡くなっていますと母のみが相続人となります。仮に父方の祖母が生きていても同じです。

Q:配偶者と
亡くなった方の兄弟姉妹が相続人である場合は、法定相続分はどうなりますか。
A:配偶者の相続分は4分の3兄弟姉妹の相続分は4分の1です(昭和56年1月1日以前の相 続の場合は持分が異なります)。兄弟姉妹が数人いる場合は4分の1を均等に分けます。(ただし、父母の一人だけが同じである兄弟姉妹は父母の双方が同じである兄弟姉妹の相続分の2分の1です。)。たとえば、被相続人の兄弟姉妹がEとFとしますと、配偶者は4分の3、E、Fはそれぞれ8分の1ずつになります。
もし、Fが被相続人と父親が異なっていた場合は、FはEの半分の相続分となりますので、E12分の2、F12分の1となります。血の濃さが半分だから、取り分も半分になるということです。
 なお、兄弟姉妹のみが相続人の場合は、各人が均等で、父母を異にする者は、他の兄弟姉妹に比べて半分になります。


参考までに民法の条文を下記に掲載しました。 

900  同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、左の規定に従う。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。
                   (さくらい&いしかわ)                        

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原発損害賠償と相続(Part2―1)

相続手続(登記等)Q&A
相続には色々なケースがあります。各々のケースで手続きは変わってきます。しかし、基本的な考え方は共通です。
 具体的なケースを想定して、相続の基本的な考え方・手続きをQ&A形式でまとめてみました。

例:Aさんが平成23年8月に亡くなりました。妻と子がいます。  
  • 相続人は誰? ①胎児②子供
 Aさんが平成23年8月に亡くなりました。相続人は誰でしょう。それは民法886条に定められています。Aさんの配偶者Bさんは常に相続人になります。他の相続人には相続の順番が定められています。子が第一順位です。直系尊属(父・母等)は第2順位、兄弟姉妹は第3順位の相続人です。前の順位の人がいると後の順位の人は相続人になりません。子がいれば父母や兄弟姉妹はならないのです。ここまでは多くの人がご存知と思います。それでは、最初のQ&Aです。

1.子供について。
Q:非嫡出子に相続権はありますか?
A:亡くなったAさん (被相続人) の子供は、嫡出子、養子、非嫡出子を問わず第一順位の相続人です。ただし、非嫡出子の相続分は民法では嫡出子の半分とされてきました。しかし、最近の最高裁判決でこの規定の違憲判決が出ましたので、現在は同じ相続分とされています(注)。 
 (注)平成 以前に遺産分割された場合は該当しません。
Q:未認知の子に相続権はありますか?
A:未認知のままでは、相続人になりません。認知されることが必要です。

Q: 妻のBさんはAさんの子を懐妊しています。生まれていない子 (胎児) も相続人になります。
胎児も生きて生まれれば、相続人になります(民法第 886条)。ですので、生まれてくるまで遺産分割は待っていた方よいのです。しかし、なされてしまった場合はその分割は有効となります。その場合、生きて生まれた子は、相続人として原則金銭で他の相続人に相続分の返還を請求することになります。
 なお、参考までに民法の条文を下記に掲載します。
民法第 886
  • 胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。
  • 前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、これを適用しない。 


例:Aさんが平成23年8月に亡くなりました。妻がいます。子はいません。 

Q:
子供がいないときは誰が相続人になるのですか?
A:配偶者がいれは常に相続人になりますが、子がいない場合は、第二順位として直系尊属(この間では親等の近いものから)、第三順位が兄弟姉妹です。
 被相続人の母が亡くなっていても、父がいれば父が相続人になります。この場合、母の父(祖父)は直系尊属ですが、相続人になりません。親等の近いものから相続します。
 直系尊属がいない場合は、兄弟姉妹が相続人になります。



例:Aさんが平成23年8月に亡くなりました。妻がいます。亡くなったAさんの子CさんはAさんより先に亡くなっています。

Q:
代襲相続って何?
亡くなったAさんの子CさんがAさんより先に亡くなっています。Cさんには妻E、子Fがいます。誰が相続人になりますか。
A:Aさんの孫Fも相続人になります。これを代襲相続といいます。亡くなったCさんの代わりに相続するのです。ご注意いただきたいのは、Aさんの妻Eさんには権利はありません。

Q:
亡くなったAさんの子Cさんが、Aさんより後に亡くなっています。Cさんには妻E、子Fがいます。誰が相続人になりますか。
A:子Fだけでなくこの場合は妻Eも相続人となります。前問では妻Eは相続人になりませんでした。何故でしょう。それは今回は一旦CさんがAさんを相続し、その相続権をCからEさんがさらに相続したからです。判りにくいですね。でも結論は覚えておきましょう。
「子が後に亡くなったら子の妻に権利あり。子が先に亡くなったら子の妻に権利なし」です。少し理不尽に感じる方もいるようです。なお余談ですが、韓国では子の配偶者に相続権を認めています(韓国民法)。
                   (さくらい&いしかわ)                               


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原発事故避難者の福島県内外への避難状況の概要

原発事故避難者の県内外への避難状況の概要

福島県のホームページ「ふくしま復興ステーション」に、平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報」が掲載されています。この情報は福島県災害対策本部が編集したもので毎週一回更新されています。最新の情報が網羅され現在の被害状況が得られます。
そのなかから、避難者の県内外への避難状況をピックアップしてみました。

参考:ふくしま復興ステーション
平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報

県内への避難状況
仮設住宅 平成28年4月28日現在
入居戸数      9,097 
入居人数     17,227


借上げ住宅一般 平成28年4月28日現在
入居戸数  446
入居人数  945


借上げ住宅 特例(*1) 平成28年4月28日現在
入居戸数   12,788 
入居人数   27,818 
注) (*1)特例とは、自ら県内の民間賃貸住宅に入居した避難住民の賃貸借契約を県との契約に切り替え、県借上げ住宅とする特例措置

公営住宅 平成28年4月28日現在
入居戸数  216
入居人数  595


雇用促進住宅公務員宿舎等 平成28年3月31日現在
入居戸数       575
入居人数    1,720 


親戚・知人宅等 平成28年5月2日現在
入居人数   2,247


合計人数 50,602人 


福島県から県外への避難状況
 調査時点:平成28年5月16日(月)
復興庁からのデータ提供:平成28年5月27日(金)


住宅等(公営、仮設、民間賃貸等)29,360
親族・知人宅等11,910 
病院等262

合計 41,532

避難者の総合計は、92,134人です。

平成23年3月11日の東日本大震災と同時にに発生した東電福島第一原発事故により避難を余儀なくされ、5年以上経過した現在でも避難生活をおくられている方々は9万人以上いらっしゃいます
こうした長期にわたって避難されている方々は、未だに不自由な生活を強いられています。避難指示区域(帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域)は、一部の地域が解除され、今後数年間の間に、除染作業や日常生活に必要な電気、ガス、上下水道などの基礎的インフラが整備されるなど、復旧の進捗状況を見ながら解除される地域が拡大されることが予定されています
 故郷になるべく早く帰還することは、それを望まれている方にとっては、一日も早く実現されることが必要でしょうが、様々な課題は多く、それぞれ避難者の置かれた状況に応じたきめ細やかな支援が実施されることが必要です。 

政府は、5月31日 福島県内に出されている避難指示のうち、葛尾村は612日、川内村は614日、南相馬市はは7月12日に、それぞれ解除することを決定しました。 
今回の解除により、川内村では避難指示がすべて解除されますが、葛尾村と南相馬市の「帰還困難区域」は、避難指示が維持されます。

参考:復興庁HP:全国の避難者等の数



                    (いしかわ)
                               
(※このコメント記事は執筆者個人の見解であり、原発事故被害者支援司法書士団を代表するものではありません。) 

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平成29年4月からの自主避難者に対する家賃補助の概要(2)

自主避難者に対する家賃補助の概要

平成29年4月から実施される民間賃貸住宅家賃への支援の概要
(福島県HP)
・支援の対象世帯  
 現在、応急仮設住宅等に避難している世帯のうち、収入要件を満たし、供与期間終了後も民間賃貸住宅で避難生活を継続することが必要な世帯が対象となります。
(県内避難者については、供与期間終了後も避難の継続が必要な妊婦・子ども世帯が対象となります。)
部屋が手狭、通院、通学のため、又は家賃がより低廉な住宅へ転居等で、現在居住している都道府県内(県内は避難先の市町村内)で転居する世帯も対象となります。)
対象外の世帯
以下の世帯は、この制度の対象外です。 
  ア 避難指示区域からの避難世帯
  イ 被災者生活再建支援金の対象世帯
  ウ 原子力損害賠償(住宅確保損害)の対象世帯
  エ その他の制度による家賃支援の対象世帯
・収入要件
 県が定めた基準額以下の世帯が対象です。

基準額=《世帯全員の年間所得の合計-(38万円×同居者数)》÷12ヶ月≦158,000円

収入要件の目安

収入要件(基準額以下の世帯が対象となります)
同居者数 
世帯全員の年間所得の合計下の欄の金額以下の世帯が対象


(月額)
0(158000×12)+(380000×0)1,896,000158,000
1(158000×12)+(380000×1)2,276,000189,667
2(158000×12)+(380000×2)2,656,000221,333
3(158000×12)+(380000×3)3,036,000253,000
4(158000×12)+(380000×4)3,416,000284,667
5(158000×12)+(380000×5)3,796,000316,333
6(158000×12)+(380000×6)4,176,000348,000
注:母子避難世帯など二重生活世帯については、「子ども・被災者支援法」に基づく公営住宅入居の優先的取扱いに準じて、世帯全体の所得を2分の1として取り扱います。

所得とは、所得税法の例に準じて算定された所得金額をいいます。主なものは下記の通りです。
基準とする年は平成27年となる見込みです。
1世帯で2人以上所得のある人がいる場合は、各所得金額を合算します。 
年金や生活保護の各扶助費・失業給付金などは、所得として算定されません。
詳しい説明は、「収入要件について [PDFファイル/101KB]」参照
・対象期間
 平成29年4月から2年間
補助率
 家賃への補助率(額)は、次のとおりとなります。
  1年目 家賃の2分の1(一月当たり最大3万円)
  2年目 家賃の3分の1(一月当たり最大2万円)
  また、初期費用負担の軽減のため、定額10万円を別途補助。

 新たな支援策は、県が定めた収入要件の基準額以下の世帯が対象で、しかも、支援期間は2年のみという自主避難をされている被害者の方にとっては厳しい条件が付されています。
                   (いしかわ)
                               
(※このコメント記事は執筆者個人の見解であり、原発事故被害者支援司法書士団を代表するものではありません。) 

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平成29年4月からの自主避難者に対する家賃補助の概要(1)

自主避難者に対する家賃補助の概要(1)

 福島県は東電原発事故の避難区域外から避難した自主避難者への住宅無償提供を、平成29年3月末で打ち切る方針を表明していましたが、この度、それに変わる新たな支援策を発表しました。
 新たな支援策では、一定額所得以下の世帯の家賃を2年間補助します。県は、支援の対象となる県が定めた所得基準額を下回る世帯は、2000から3000世帯と見込んでいます。
 平成15年12月時点で自主避難者はは約9000世帯約25000人が避難していると推定されています。 
  
 今回の支援策の対象者は、自主避難者全体から見れば、一部に過ぎません。原発事故から 5年たった今、状況は何か変ったのでしょうか。
 福島県からは、支援打ち切りに対する納得できるような説明は一切なく、一方的に支援を打ち切る発表がされたわけですが、あまりにも自主避難者の実情を無視したものと言わざるをえません。
政府の方針もそうですが、今、世の中全体の動きが避難者の方に対して帰還を促している気配があります。 
 原発事故被害の状況は事故当時から劇的に変わったとは言えません。いまだに原発被害の影におびえ続けている避難者の方はたくさんいらっしゃいます 。僅かな状況の変化があったとしても、支援を打ち切ることが果たしてこの時点で妥当なことなのでしょうか。
 新たな支援策は、その支援期間がわずか2年のみです 。その2年が終われば、避難の必要性は全くないものとして取り扱わられ公的支援は絶たれます。 補助を打ち切ることは、単に、経済的に自主避難者を追い詰めるだけでなく、精神的にもより厳しい状況を引き起こす危険性があります。政府・県に対して再考を求めます。


参考:福島県からのお知らせ
応急仮設住宅(仮設・借上げ住宅)の供与期間について
(復興庁HP)
「2 避難指示区域以外から避難されている方
 災害救助法に基づく応急仮設住宅(仮設・借上げ住宅)の供与は、平成29年3月末をもって終了となります。
平成29年4月以降は、災害救助法による対応から新たな支援策へ移行してまいります。」

*「家賃補助の概要」は、次回に掲載します。
                          (いしかわ)
                               
(※このコメント記事は執筆者個人の見解であり、原発事故被害者支援司法書士団を代表するものではありません。) 

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