原発損害とこれからの生活を考えるblog

by原発事故被害者支援司法書士団 team of shihosyoshi to support compensation for nuclear accident victims         

原発被害者の失ったものは何か?
様々なものが失われました。
失われたものを取り戻すために、何をすべきなのでしょうか。

避難指示が解除された村・葛尾村を行く(2/2)

避難指示が解除された村・葛尾村を行く(2/2)
葛尾村は、原発事故の前から、過疎化が進んでいました。高齢者の率は31%と高く、全国各地の山村が抱えている人口が流出し高齢化が進むという過疎化の波がここにも押し寄せてきていました。避難指示が解除されたにも関わらず、若年層、壮年層の帰村の見通しは厳しいものがあり、今後一層、過疎化が加速する可能性もあります。報道によると、村の実施した調査で、現在避難している村民の3割は村に帰還できる状況が整っても戻らないと回答したそうです。
葛尾村7

葛尾村8
 村内の産業は農業以外には、これといった目ぼしいものは見当たらず、農業の維持が重要な施策になると考えられます。
 村内の田畑は、除染作業が進んでいますが、農業の再開には程遠い状態で避難解除がされた直後の今もその状況に変わりはありません。全村避難の状態の村内の田は、本来なら田植えの季節にもかかわらず、除草されてはいますが苗は植えられていませんでした。
 葛尾村では、農地の保全管理のため設立された葛尾村農地復興組合が、営農再開支援事業を活用した農地の保全管理を行っています。我々が訪問した時も道路脇の農地で手作業による除草作業やトラクターによる農地の保全管理作業が行われていました。
葛尾村11
 村内の一角には、仮置場が設けられ大量のフレコンバッグが積み上げられています。仮置場付近の空間放射線量は脇の看板によれば0.32と比較的高めの線量です。
葛尾村9
 
葛尾村10
 南相馬市に向かうため、浪江町から南相馬市に抜ける道路を利用しようとしましたが、道路は封鎖されており通り抜けることはできませんでした。
葛尾村12
 

 村の住居地域は、除染の実施されていない山林に囲まれています。線量の高い山林に立ち入らなければ被曝の危険は軽減されますが、今まで慣れ親しんだ環境下での暮らしは、自ずと制限されることになります。
 あらゆる居住環境が、原発事故前とは程遠い今の状態での避難解除には疑問が残ります。
                   (さくらい&いしかわ)

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避難指示が解除された村・葛尾村を行く(1/2)

避難指示が解除された村・葛尾村を行く(1/2)
18日葛尾村に行って来ましたのでその様子をアップします。
 
 政府は、葛尾村に出されていた避難指示を12日解除しました。また、川内村も避難指示が14日に解除されました。さらに南相馬市も7月12日に解除されました。 
 今回の解除により、川内村では避難指示がすべて解除されますが、葛尾村と南相馬市の「帰還困難区域」は、避難指示が維持されます。


葛尾村1

 双葉郡葛尾村は、福島県浜通りにある山村で、人口1,466人、451世帯(平成28年6月1日現在)の小さな村です。
 福島第一原発事故により、村内全域が警戒区域又は計画的避難区域に指定され、全村民は村外に避難しました。
6月1日現在の葛尾村からの避難者の状況は以下のとおりです。
県内避難者
仮設住宅    604人 
借上住宅    292人 
親類宅等    466人
計    1,362人
県外避難者    104人
計1,466人       (葛尾村HP)
 避難指示解除に先立って、28年の4月1日には、三春町で業務を行っていた役場機能が約5年ぶりに葛尾村の役場本庁舎で再開されました。(三春出張所では、、窓口業務、仮設住宅や復興公営住宅の管理等の業務が引き続き当分の間継続されます。)
 村内の、保育所・幼稚園、葛尾小学校及び葛尾中学校は、避難に伴い三春町に一時移転し、三春町立旧要田中学校の校庭を借用して、三春校として当分の間維持されます。村の診療所、歯科診療所は閉所中です。医療関係のインフラの整備は当面見込まれません。
葛尾村2
 常磐道から富岡町をとおり、村内に入ると、避難指示解除後の休日にもかかわらず、人気が感じられません。まだ、ほとんどの村民が帰っていないようです。
 しかし、驚いたことに、村は、住民が帰還していないのにもかかわらず、住宅が修理・改装されているのが目立ちました。村民の方には、ほとんどお会いしませんでしたが、そこここに工事のための車両が止まっているのが目につきました。
葛尾村3
 葛尾村室内ゲートボール場も封鎖されたままです。敷地内の道路は雑草に覆われています。持参した線量計によれば、空間放射線量は0.43と、高い数字を示しました。
葛尾村4
 
葛尾村5
 
葛尾村6
 
                   (さくらい&いしかわ)                         


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原発損害賠償と相続(Part2―3)

相続手続(登記等)Q&A:遺産はどう分けたらいいのか。
「遺産はどう分けたらいいのですか。」
 こういう質問をよく受けます。おおむね、遺言書があればこれに従い、ない場合は相続人全員の話し合いで決めます。これを「遺産分割協議」と呼んでいます
 遺産分割とは、遺産を具体的な財産ごとに分けることです。甲土地はBさんが取得する、預金1000万円はCさんが取得するといったようにです。それではQ&Aをみていきましょう。


Q:遺産の分割はいつまでにすればいいのですか?
A:これもよくある質問です。遺産分割とは誰がどの財産をもらうかを決めることですが、いつまでにという定めはありません。しかし、ほっておくと話し合いが着かなくなることもあります。父親の相続手続きをほっておいたら孫まで相続人となり、話がこじれてしまうケースなどその典型例です。
 また、不動産は相続登記をしていませんと、通常売却できません。金融機関からお金を借りて住宅を建築する場合も、土地の相続登記が完了していなければ担保に入れることができず、借りられなくなるケースもあります。ですから早めに遺産分割をしておく方がよいでしょう。
 葬儀の日に遺産の話を持ち出すのは早すぎると思いますが、一般には1年以内くらいのうちに話し合いをしているようです。

Q:遺産の分割は誰とすればいいの?
A:法定相続人全員です。1人でも欠けていると話し合いは無効です。
 亡くなった父に、先妻との間に子があることを誰も知らなかった事案もあります。この事案では、司法書士が、亡くなった人の生まれてから死ぬまでの戸籍を全て調査した結果、 子供がいることがわかりました。先妻の子も相続人ですから、先妻の子を入れない話し合いは無効になります。本籍を別の市町村に移しますと、結婚などの理由で別の戸籍に入った子供は新しい戸籍簿には書かれません。一番新しい戸籍謄本を見ただけでは誰が相続人かはわからないのです。
 家族関係が複雑な場合には注意すべきです。必ず相続の専門家である司法書士に相談しましょう。

Q:父Aが亡くなり、相続人は子B、Cの二人です。子Bは父から生前、居住用の土地の贈与を受けています。遺産分割する場合、このような事情も考慮されるのでしょうか。
A:考慮されます。この土地も相続財産とみなされます。贈与された土地が1000万円、預金が3000万円なら、合わせた4000万円が相続財産とみなされ、これに対してB、Cが2分の1ずつ相続分をもつことになります。Bは既に土地の贈与を受けていますので、相続分を基準に分割するなら、預金をB1000万円、C2000万円で分けることになるでしょう。
 このような場合のBを特別受益者といいます。民法の条文を見てみましょう。

(特別受益者の相続分)

903  共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前3条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。

  遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。

  被相続人が前2項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。


Q:前と同じ例で、子Bは父の個人事業を手伝っていて、父の財産形成に少なからず貢献しました。また父の介護もBとその妻が看てきました。遺産分割する場合、このような事情も考慮されるのでしょうか。
A:考慮されます。これを寄与分といいます。ただ、これらの行為と父の財産の維持又は増加と関連性(相当因果関係)が必要です。どんなに親身に世話をしても、その世話のおかげで父の財産の減少が防げた、あるいは増加したといえなければ、寄与分は認められないことに注意すべきです。この点は、現在の多くの人の感覚にややそぐわない面があるように思えます。世話をしてくれた人に報いるためには、遺言で手当てしたほうがよいでしょう。民法の条文を見てみましょう。
 

(寄与分)

904条の2  共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第900条から第902条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。

  前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。

  寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。

  第2項の請求は、第907条第2項の規定による請求があった場合又は第910条に規定する場合にすることができる。


Q:遺産の分割の話し合いがつかないのですが、どうしたらいいのでしょうか? 
A:まず、遺言書があるかどうかをよく調べることです。
遺言があれば全てに優先しますから、遺言どおりに分割することになり話し合いは不要だからです。
 誠意を持って話し合いをしてもダメであれば、まず家庭裁判所に調停申立をしましょう。民間から選ばれた調停委員が当事者から話を聞いてくれて、和解案を示してくけます。そこで相続人皆で話し合いをしてみましょう。それでもダメならば家庭裁判所に決めてもらうことになります。

なお、参考までに民法の条文を下記に掲載します。

第907条(分割の実行)

共同相続人は、第908条の規定によって被相続人が遺言で禁じた場合を除く他、何時でも、その協議で、遺産の分割をすることができる。

②遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。

③前項の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、期間を定めて、遺産の全部又は一部について、分割を禁ずることができる。

調停申立の手続きについては次の裁判所のホームページを見てください。
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_03_5/index.html

 

Q:遺産の分割の基準はあるのですか?

A:民法は様々な事情を考えて公平にして下さいと定めています。

その条文を見てみましょう。

民法第906条(遺産分割の基準)

遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。

ところで、この基準は、どの場で使われるのでしょう。
 前にお話しましたように、相続人全員が合意すれば、どのように分割してもかまいません。父母と同居して面倒をみてきた子に全部でもかまいません。このような場面ではこの分割の基準は強く働きません。遺産をどう分けるかは私事ですので、国家はあまり干渉すべきではないからです。この基準がもっとも強く適用される場面は、相続人の間では話合いがつかず、裁判所が決める場合です。また、話合いがまとまらず、お互い折り合う必要がある場面でも、この基準が分割の目安とされることになります。
                   (さくらい&いしかわ)                               


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原発損害賠償と相続(Part2―2)

相続手続(登記等)Q&A:遺産はどう分けたらいいのか。
「遺産はどう分けたらいいのですか。」
こういう質問をよく受けます。おおむね、遺言書があればこれに従い、ない場合は相続人全員の話し合いで決めます。決める際のひとつの目安として法定相続分が民法で定められていますが、全員が合意すれはいかように決めてもかまいません。極端な例として、Bさんに全部Cさんは何も貰わない、でもいいのです。
 それでは、まず法定相続分 (単に相続分ということがあります )について具体例でみていきましょう。


法定相続分
 
Q:子供と配偶者が相続人の場合。
  Aさんが平成23年8月に亡くなりました。配偶者Bと子C、Dがいます。この三人が相続人ですが、それぞれの法定相続分はどうなるのでしょうか。
A:法定相続分は、遺言によって相続分が指定されていない場合に遺産分割の目安となるものです。
子供と配偶者が相続人である場合は、子供・配偶者共に相続分は2分の1ずつです(昭和56年1月1日以前の相続の場合は持分が異なります。)。子供は何人いても全員で2分の1です。夫々の持分は均等ですから 子C、Dさんは各4分の1ずつとなります。非嫡出子の相続分も嫡出子と均等になったことは前にお話しました。
この法定相続分を基準に分割する具体例を挙げてみましょう。亡きAさんの遺産が2000万円の土地・建物と預金2000万円とします。これを配偶者Bが土地建物を、子供C、Dが預金を夫々1000万円ずつ取得すると決めるといった具合です。

Q:Aに子供がおらず、配偶者BとAの父・母が相続人の場合、それぞれの法定相続分はどうなりますか。
A: この場合は、配偶者Bの相続分は3分の2、父母(直系尊属)の相続分は3分の1です。(昭和56年1月1日以前の相続の場合は持分が異なります。)。直系尊属が数人いる場合は3分の1を均等に分けますので、父母はそれぞれ6分の1ずつになります。このケースで、父は先に亡くなっていますと母のみが相続人となります。仮に父方の祖母が生きていても同じです。

Q:配偶者と
亡くなった方の兄弟姉妹が相続人である場合は、法定相続分はどうなりますか。
A:配偶者の相続分は4分の3兄弟姉妹の相続分は4分の1です(昭和56年1月1日以前の相 続の場合は持分が異なります)。兄弟姉妹が数人いる場合は4分の1を均等に分けます。(ただし、父母の一人だけが同じである兄弟姉妹は父母の双方が同じである兄弟姉妹の相続分の2分の1です。)。たとえば、被相続人の兄弟姉妹がEとFとしますと、配偶者は4分の3、E、Fはそれぞれ8分の1ずつになります。
もし、Fが被相続人と父親が異なっていた場合は、FはEの半分の相続分となりますので、E12分の2、F12分の1となります。血の濃さが半分だから、取り分も半分になるということです。
 なお、兄弟姉妹のみが相続人の場合は、各人が均等で、父母を異にする者は、他の兄弟姉妹に比べて半分になります。


参考までに民法の条文を下記に掲載しました。 

900  同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、左の規定に従う。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。
                   (さくらい&いしかわ)                        

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原発損害賠償と相続(Part2―1)

相続手続(登記等)Q&A
相続には色々なケースがあります。各々のケースで手続きは変わってきます。しかし、基本的な考え方は共通です。
 具体的なケースを想定して、相続の基本的な考え方・手続きをQ&A形式でまとめてみました。

例:Aさんが平成23年8月に亡くなりました。妻と子がいます。  
  • 相続人は誰? ①胎児②子供
 Aさんが平成23年8月に亡くなりました。相続人は誰でしょう。それは民法886条に定められています。Aさんの配偶者Bさんは常に相続人になります。他の相続人には相続の順番が定められています。子が第一順位です。直系尊属(父・母等)は第2順位、兄弟姉妹は第3順位の相続人です。前の順位の人がいると後の順位の人は相続人になりません。子がいれば父母や兄弟姉妹はならないのです。ここまでは多くの人がご存知と思います。それでは、最初のQ&Aです。

1.子供について。
Q:非嫡出子に相続権はありますか?
A:亡くなったAさん (被相続人) の子供は、嫡出子、養子、非嫡出子を問わず第一順位の相続人です。ただし、非嫡出子の相続分は民法では嫡出子の半分とされてきました。しかし、最近の最高裁判決でこの規定の違憲判決が出ましたので、現在は同じ相続分とされています(注)。 
 (注)平成 以前に遺産分割された場合は該当しません。
Q:未認知の子に相続権はありますか?
A:未認知のままでは、相続人になりません。認知されることが必要です。

Q: 妻のBさんはAさんの子を懐妊しています。生まれていない子 (胎児) も相続人になります。
胎児も生きて生まれれば、相続人になります(民法第 886条)。ですので、生まれてくるまで遺産分割は待っていた方よいのです。しかし、なされてしまった場合はその分割は有効となります。その場合、生きて生まれた子は、相続人として原則金銭で他の相続人に相続分の返還を請求することになります。
 なお、参考までに民法の条文を下記に掲載します。
民法第 886
  • 胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。
  • 前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、これを適用しない。 


例:Aさんが平成23年8月に亡くなりました。妻がいます。子はいません。 

Q:
子供がいないときは誰が相続人になるのですか?
A:配偶者がいれは常に相続人になりますが、子がいない場合は、第二順位として直系尊属(この間では親等の近いものから)、第三順位が兄弟姉妹です。
 被相続人の母が亡くなっていても、父がいれば父が相続人になります。この場合、母の父(祖父)は直系尊属ですが、相続人になりません。親等の近いものから相続します。
 直系尊属がいない場合は、兄弟姉妹が相続人になります。



例:Aさんが平成23年8月に亡くなりました。妻がいます。亡くなったAさんの子CさんはAさんより先に亡くなっています。

Q:
代襲相続って何?
亡くなったAさんの子CさんがAさんより先に亡くなっています。Cさんには妻E、子Fがいます。誰が相続人になりますか。
A:Aさんの孫Fも相続人になります。これを代襲相続といいます。亡くなったCさんの代わりに相続するのです。ご注意いただきたいのは、Aさんの妻Eさんには権利はありません。

Q:
亡くなったAさんの子Cさんが、Aさんより後に亡くなっています。Cさんには妻E、子Fがいます。誰が相続人になりますか。
A:子Fだけでなくこの場合は妻Eも相続人となります。前問では妻Eは相続人になりませんでした。何故でしょう。それは今回は一旦CさんがAさんを相続し、その相続権をCからEさんがさらに相続したからです。判りにくいですね。でも結論は覚えておきましょう。
「子が後に亡くなったら子の妻に権利あり。子が先に亡くなったら子の妻に権利なし」です。少し理不尽に感じる方もいるようです。なお余談ですが、韓国では子の配偶者に相続権を認めています(韓国民法)。
                   (さくらい&いしかわ)                               


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原発事故避難者の福島県内外への避難状況の概要

原発事故避難者の県内外への避難状況の概要

福島県のホームページ「ふくしま復興ステーション」に、平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報」が掲載されています。この情報は福島県災害対策本部が編集したもので毎週一回更新されています。最新の情報が網羅され現在の被害状況が得られます。
そのなかから、避難者の県内外への避難状況をピックアップしてみました。

参考:ふくしま復興ステーション
平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報

県内への避難状況
仮設住宅 平成28年4月28日現在
入居戸数      9,097 
入居人数     17,227


借上げ住宅一般 平成28年4月28日現在
入居戸数  446
入居人数  945


借上げ住宅 特例(*1) 平成28年4月28日現在
入居戸数   12,788 
入居人数   27,818 
注) (*1)特例とは、自ら県内の民間賃貸住宅に入居した避難住民の賃貸借契約を県との契約に切り替え、県借上げ住宅とする特例措置

公営住宅 平成28年4月28日現在
入居戸数  216
入居人数  595


雇用促進住宅公務員宿舎等 平成28年3月31日現在
入居戸数       575
入居人数    1,720 


親戚・知人宅等 平成28年5月2日現在
入居人数   2,247


合計人数 50,602人 


福島県から県外への避難状況
 調査時点:平成28年5月16日(月)
復興庁からのデータ提供:平成28年5月27日(金)


住宅等(公営、仮設、民間賃貸等)29,360
親族・知人宅等11,910 
病院等262

合計 41,532

避難者の総合計は、92,134人です。

平成23年3月11日の東日本大震災と同時にに発生した東電福島第一原発事故により避難を余儀なくされ、5年以上経過した現在でも避難生活をおくられている方々は9万人以上いらっしゃいます
こうした長期にわたって避難されている方々は、未だに不自由な生活を強いられています。避難指示区域(帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域)は、一部の地域が解除され、今後数年間の間に、除染作業や日常生活に必要な電気、ガス、上下水道などの基礎的インフラが整備されるなど、復旧の進捗状況を見ながら解除される地域が拡大されることが予定されています
 故郷になるべく早く帰還することは、それを望まれている方にとっては、一日も早く実現されることが必要でしょうが、様々な課題は多く、それぞれ避難者の置かれた状況に応じたきめ細やかな支援が実施されることが必要です。 

政府は、5月31日 福島県内に出されている避難指示のうち、葛尾村は612日、川内村は614日、南相馬市はは7月12日に、それぞれ解除することを決定しました。 
今回の解除により、川内村では避難指示がすべて解除されますが、葛尾村と南相馬市の「帰還困難区域」は、避難指示が維持されます。

参考:復興庁HP:全国の避難者等の数



                    (いしかわ)
                               
(※このコメント記事は執筆者個人の見解であり、原発事故被害者支援司法書士団を代表するものではありません。) 

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平成29年4月からの自主避難者に対する家賃補助の概要(2)

自主避難者に対する家賃補助の概要

平成29年4月から実施される民間賃貸住宅家賃への支援の概要
(福島県HP)
・支援の対象世帯  
 現在、応急仮設住宅等に避難している世帯のうち、収入要件を満たし、供与期間終了後も民間賃貸住宅で避難生活を継続することが必要な世帯が対象となります。
(県内避難者については、供与期間終了後も避難の継続が必要な妊婦・子ども世帯が対象となります。)
部屋が手狭、通院、通学のため、又は家賃がより低廉な住宅へ転居等で、現在居住している都道府県内(県内は避難先の市町村内)で転居する世帯も対象となります。)
対象外の世帯
以下の世帯は、この制度の対象外です。 
  ア 避難指示区域からの避難世帯
  イ 被災者生活再建支援金の対象世帯
  ウ 原子力損害賠償(住宅確保損害)の対象世帯
  エ その他の制度による家賃支援の対象世帯
・収入要件
 県が定めた基準額以下の世帯が対象です。

基準額=《世帯全員の年間所得の合計-(38万円×同居者数)》÷12ヶ月≦158,000円

収入要件の目安

収入要件(基準額以下の世帯が対象となります)
同居者数 
世帯全員の年間所得の合計下の欄の金額以下の世帯が対象


(月額)
0(158000×12)+(380000×0)1,896,000158,000
1(158000×12)+(380000×1)2,276,000189,667
2(158000×12)+(380000×2)2,656,000221,333
3(158000×12)+(380000×3)3,036,000253,000
4(158000×12)+(380000×4)3,416,000284,667
5(158000×12)+(380000×5)3,796,000316,333
6(158000×12)+(380000×6)4,176,000348,000
注:母子避難世帯など二重生活世帯については、「子ども・被災者支援法」に基づく公営住宅入居の優先的取扱いに準じて、世帯全体の所得を2分の1として取り扱います。

所得とは、所得税法の例に準じて算定された所得金額をいいます。主なものは下記の通りです。
基準とする年は平成27年となる見込みです。
1世帯で2人以上所得のある人がいる場合は、各所得金額を合算します。 
年金や生活保護の各扶助費・失業給付金などは、所得として算定されません。
詳しい説明は、「収入要件について [PDFファイル/101KB]」参照
・対象期間
 平成29年4月から2年間
補助率
 家賃への補助率(額)は、次のとおりとなります。
  1年目 家賃の2分の1(一月当たり最大3万円)
  2年目 家賃の3分の1(一月当たり最大2万円)
  また、初期費用負担の軽減のため、定額10万円を別途補助。

 新たな支援策は、県が定めた収入要件の基準額以下の世帯が対象で、しかも、支援期間は2年のみという自主避難をされている被害者の方にとっては厳しい条件が付されています。
                   (いしかわ)
                               
(※このコメント記事は執筆者個人の見解であり、原発事故被害者支援司法書士団を代表するものではありません。) 

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平成29年4月からの自主避難者に対する家賃補助の概要(1)

自主避難者に対する家賃補助の概要(1)

 福島県は東電原発事故の避難区域外から避難した自主避難者への住宅無償提供を、平成29年3月末で打ち切る方針を表明していましたが、この度、それに変わる新たな支援策を発表しました。
 新たな支援策では、一定額所得以下の世帯の家賃を2年間補助します。県は、支援の対象となる県が定めた所得基準額を下回る世帯は、2000から3000世帯と見込んでいます。
 平成15年12月時点で自主避難者はは約9000世帯約25000人が避難していると推定されています。 
  
 今回の支援策の対象者は、自主避難者全体から見れば、一部に過ぎません。原発事故から 5年たった今、状況は何か変ったのでしょうか。
 福島県からは、支援打ち切りに対する納得できるような説明は一切なく、一方的に支援を打ち切る発表がされたわけですが、あまりにも自主避難者の実情を無視したものと言わざるをえません。
政府の方針もそうですが、今、世の中全体の動きが避難者の方に対して帰還を促している気配があります。 
 原発事故被害の状況は事故当時から劇的に変わったとは言えません。いまだに原発被害の影におびえ続けている避難者の方はたくさんいらっしゃいます 。僅かな状況の変化があったとしても、支援を打ち切ることが果たしてこの時点で妥当なことなのでしょうか。
 新たな支援策は、その支援期間がわずか2年のみです 。その2年が終われば、避難の必要性は全くないものとして取り扱わられ公的支援は絶たれます。 補助を打ち切ることは、単に、経済的に自主避難者を追い詰めるだけでなく、精神的にもより厳しい状況を引き起こす危険性があります。政府・県に対して再考を求めます。


参考:福島県からのお知らせ
応急仮設住宅(仮設・借上げ住宅)の供与期間について
(復興庁HP)
「2 避難指示区域以外から避難されている方
 災害救助法に基づく応急仮設住宅(仮設・借上げ住宅)の供与は、平成29年3月末をもって終了となります。
平成29年4月以降は、災害救助法による対応から新たな支援策へ移行してまいります。」

*「家賃補助の概要」は、次回に掲載します。
                          (いしかわ)
                               
(※このコメント記事は執筆者個人の見解であり、原発事故被害者支援司法書士団を代表するものではありません。) 

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原発損害賠償と相続(Part1―2)

大まかな相続手続のあらまし

大まかな相続手続のあらまし
 相続手続きは、色々なケースがあって、それぞれに手続きが違ってきます。しかし、基本的なものは一緒です。
 ここでは、その基本的な手続きをまとめてみました。おおまかなことはここを読めばOKです。


次ぎの例で、Aさんを例に、相続手続きのあらましを見ていきましょう。

例:Aさんが平成22年1月に亡くなりました。妻Bと子C、Dがいます。
  • まず遺言があるかを確認する。
亡くなったAさんに遺言がある場合は遺言に従って相続します。Aさんが息子Cに甲土地を相続させるという内容の遺言をしていれば、遺産分割協議がなくてもBがこの土地を相続します。まず、 遺言があるかどうか確認してみましょう。
遺言があるのか無いのか解らない、遺言はあったが遺言書がどこにあるのか解らない場合は、最寄の公証役場に問い合わせしてみて下さい。平成元年以降なら公正証書遺言をしているかどうかがわかります。どこの公証役場でも調べてくれます(そのとき遺言者との一定の関係を示す書類が必要です)(全国公証人会ホームページ www.koshonin.gr.jp/sho.html )
Aさんの遺言書が自筆である場合は、家庭裁判所で検認という手続きを受けなくてはなりません。(裁判所ホームページ http://www.courts.go.jp )なお公正証書による遺言は検認を受ける必要はありません。 
・相続人が誰かの確認をする。
次はAさんの相続人は誰かです 相続人は民法で定められています(法定相続人といいます)。Aさんには妻Bさんと子CDさんがいますので、この3人が相続人です。ただ相続の手続(登記や預金の払戻し等)のためには、この3人が相続人で他に相続人がいないことを示すために、亡くなったAさんの出生から死亡までの戸籍謄本(除籍・原戸籍)を取寄せることが必要です。 これはAさんの本籍地の市町村で取れます(郵送による申請可)。Aさんが本籍地を移転していた場合は以前の本籍地所在地の市町村からも取寄せが必要です。(詳細は後日掲載のQ&A参照)
  • 相続財産の確認をする。
次に、亡きAさんの財産や債務を調べましょう。不動産は、権利証や市町村の発行する名寄帳・固定資産税評価額証明書や毎年4月末に市町村からくる固定資産税課税明細書(今年は固定資産税がいくらかかるか記載したもの)などで調べられます。預金関係は通帳やその金融機関の窓口で預金があるのかを確認できます(Aさんの相続人であることが解る戸籍等が必要になります)。株式は配当通知書や預けてある証券会社の報告書等で確認します。
注意しなければならないのは債務です。借金も相続財産の一部ですからしっかりと調査しましょう。 遺産が確認できたら、その目録や一覧表を作っておくと後々の手続きがスムースに進行します。また、葬式に費やしたお金も遺産額から差し引くことができます ので、領収書で確認しておきましょう。 
  • 相続財産の分割(遺産分割)をする。
相続財産が確定したら次は遺産分割です。
遺言がない場合の相続財産は、法定相続人全員の協議で分割することができます。住いの土地・建物は妻Bが、預金はCとDが2分の1ずつ取得する、というように具体的に分けます。これを遺産分割といいます。文書は作成せず口頭でもできますが、文書がないと相続に関する手続きができませんので、通常は遺産分割協議書を作成して法定相続人全員(B・C・D)が署名し実印を押します。なお相続の手続きには相続人全員の印鑑証明書が求められることがほとんどです。
  • (相続税の申告が必要か。)
次は、相続税の申告が必要か否かを確認します。
現在、相続税には基礎控除3000万円と相続人1一人600万円の控除が認められています。ただAさんの場合は、亡くなったのが23年ですので当時は基礎控除5000万円と相続人1一人1000万円の控除が認められていましたので、5000+(1000×3)=8000万円以上の財産がなければ、相続税はかかりません。もし、亡くなったのが平成27年1月1日以降だったなら、控除額の合計は4800万円になります。亡くなった方のうち相続税を納める必要のある人は全体の1割未満といわれていますので、ほとんどの人は申告の必要がありません。相続税についての詳細は財務省のホームぺージで確認下さい。
・最後に、各財産につき相続手続をします。
現金や手元にある動産(家具・テレビなど)は自分たちで、遺言や分割協議に従って分けます。 しかし、不動産や金融機関の預金については、それぞれの手続きに従って登記申請や払戻し請求が必要です。(相続登記の申請手続きについては、後で詳しく解説します
 以上が相続手続きの大まかな流れです。より詳しくは後日掲載のQ&Aやケーススタディを見てください。
                  (さくらい&いしかわ)


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原発損害賠償と相続(Part1)

相続手続きはお早目に

相続手続きはお早目に
 東日本大震災と、それに伴う原発事故から5年がたちました。
東北地方では、震災によって様々な問題が発生しています。
相続問題はその一つです。東京電力の不動産賠償においては、原則として 平成23 3 11日時点の不動産所有者に対して賠償がなされます。所有者が誰かは、登記簿上の所有者で判断されますが、相続登記が未了の不動産が多く存在することはご存じのとおりです。東京電力の賠償は、相続登記未了の不動産に対しても、ある一定の条件をクリアすれば取り敢えずなされることになります(下記東電プレスリーリース参照)。
東京電力に不動産賠償請求するにせよ、しないにせよ、いずれにせよ、相続手続きは早めに進めるべきです。というのは、たとえば不動産については相続の登記がなされなければ、売却や担保に入れてお金を借りることは困難になる等、様々な問題が発生する可能性があるからです。底地が未登記のままでは、金融機関からお金を借りて新築住宅や工場、お店を建築することが難しいということです。このように、相続手続きは、被災者の生活再建とも密接に関係しています。
また、後で述べますように登記未了のまま長く放置しておきますと、さらに相続人が死亡することで関係者が増え、遺産分割することが段々難しくなっていきます。例えば、亡きAさんの相続人である子Cさんがさらに亡くなりますと、Cの配偶者と子が関係者(数次相続人)となり、この人も含めて遺産分割しなければならなくなります。もし子が亡くなってまた孫も亡くなっていますと、相続人が全部で数十人になるということも稀ではありません。ですから早めの手続きが望ましいのです。
福島県や東北地方ではまだまだ未登記のまま放置されている不動産も多数あるそうです。
そこで、相続問題に対しての一般的な知識や相談のケース、東電の取り扱いなどをまとめてみました。


東京電力の賠償請求手続きに係る相続の取り扱い
プレスリリース 2013
宅地・建物・借地権等の賠償に係るご請求手続きの開始について
平成 25年3月29
「*4  相続登記がされていない不動産については、原則として、相続人の方全員を戸籍謄本などで確定していただき、遺産分割協議書や相続人の方全員の同意書によ り、ご請求者さまが当該不動産を所有されている、もしくは損害賠償請求権をお持ちであることを確認し、その持分割合に応じて賠償させていただくことになり ますが、上記の他にもご所有を確認させていただく方法について、一定の条件を満たす方を対象に緩和措置(原則二親等以内の相続人の同意書、公正証書による ご確約など)を実施させていただく予定です。相続等の登記がお済みでない資産については、今回の賠償では一旦保留とさせていただきます。」
*注:緩和措置…下記参照

プレスリリース 2013
田畑に係る財物賠償に関するご請求手続きの開始について
平成 2511 29
別紙2 田畑の所有の確認方法について
田畑の所有の確認方法について
 原則として固定資産課税情報と登記情報の「所在」と「面積」を合致させたうえで、納税義務者名義および登記名義の一致を以て対象となる田畑を所有していることを確認させていただきます。
なお、以下の理由により田畑の所有が確認できない場合につきましては、代替の証明書類で所有の確認をさせていただきます。
1.売買による所有権移転登記がお済みでない場合
不動産売買契約書により所有の確認をさせていただきます。
2.相続登記がお済みでない場合
遺産分割協議書や相続人全員の同意書により、所有の確認をさせていただきます。
なお、相続人全員の同意確認が困難な場合の対応として、次の方法もご用意しております。
(1)農地基本台帳等による方法
 以下の2点全てに該当し、「当該田畑について他の権利を主張される方がいないこと」をお約束いただける場合、当該田畑を相続により取得されたものとして、賠償させていただきます。
 ・ご請求者さまが当該田畑の固定資産税納税義務者となっていること
 ・当社事故発生日時点に、ご請求者さまが当該田畑の所有者であることを農地基本台帳もしくは耕作証明書(筆別表含む)で確認できること
(2)二親等以内の同意を得る方法
 以下の4点全てに該当し、「当該田畑について他の権利を主張される方がいないこと」をお約束いただける場合、当該田畑を相続により取得されたものとして、賠償させていただきます。
 ・ご請求者さまが当該田畑の固定資産税納税義務者となっていること
 ・ご請求者さまから二親等以内の相続人全員が同意していること
 ・当社事故発生日時点に、ご請求者さまが当該田畑の耕作者であることを農地基本台帳、耕作証明書(筆別表含む)、水稲生産実施計画書のいずれか一つで確認できること
 ・ご請求いただいてから(当社へご請求書が到着してから)3ヶ月間、他の相続人からの請求がないこと
(3)法定相続分による方法
 ご請求者さまに、戸籍謄本により相続人全員を確定していただき、法定相続分に応じて賠償させていただきます。
(4)公正証書による方式
 ご事情により他の相続人さまからの同意書をご提出いただけないご請求者さまについては、公正証書でのお約束(履行いただけない場合の法的措置に関する同意を含みます)による方法もご用意いたします。

                  (さくらい&いしかわ)


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最近の原発損害賠償に関する情報(2016年4月)

最近の原発損害賠償に関する情報(2016年4月)

最近の原発損害賠償に関する情報(2016年4月)
 2017年3月までに避難指示解除との国の方針に対応し、ADRおよび訴訟による原発事故の賠償請求にも変化が見られます。
 原発被害の賠償は、中間指針で定められた損害賠償基準に定められたものに限定されるものではありません。原発事故の被害が発生していれば、中間指針で定められたもの以外でも、また、避難指示区域外でも損害賠償請求は認められます。
 原発事故により避難生活を余儀なくされたために生じた精神的苦痛に対して損害賠償を求めるものや、原発事故で古里を失った精神的損害を求めるもの、自主避難に関して損害賠償を求めるものなど、中間指針で定められた損害賠償基準という壁を超えて損害賠償請求する動きが活発化しています。
 損害賠償でお悩みの方やご不満がある方は、原発事故被害者支援司法書士団にご相談ください。
 原発事故被害者支援司法書士団では、原発事故被害を受けられた皆様のために「無料相談」を実施しています。
 お悩みの方、ぜひ、ご相談ください。(下記フリーダイヤルにお電話ください。)


「福島切り捨て許さぬ」 原発で農民組合などが抗議行動
農業協同組合新聞 2016.01.18 
 1月15日、ふくしま復興共同センター、福島県商工団体連合会、同県農民組合は、福島第1原発事故の対応について政府・東京電力(東電)に首相官邸前で抗議行動を行うとともに、政府に対し賠償方法などについて申し入れをした。
申し入れは、以下の5点。
▽国と東京電力に対し、営農損害の賠償について従来支払額の2倍一括払いの方針を撤回し、損害が続く限り賠償すること、
▽国は「2017年3月までに避難指示解除」との方針を撤回し、社会インフラや医療環境の整備、住民合意の尊重などがなされないままで解除を行わないこと。 
▽国民的合意がまったく得られていない「20ミリシーベルト以下」を根拠とするあらゆる施策を直ちに改めること、
▽住民の生活圏から20m以内と、人が日常的に立ち入る場所以外の森は除染を見送る方針を撤回すること、
▽東電は、農業の損害賠償で従来の支払い方法を勝手に変更して、支払いを打ち切ることはやめること


月舘の1114人、原発賠償ADR申し立て
2016/02/11 福島民報
 伊達市月舘町の布川、御代田両地区の368世帯、1114人は10日、原子力損害賠償紛争解決センターに裁判外紛争解決手続き(ADR)を申し立てた。 東電第一原発事故で精神的苦痛を受けたとして、 東電に一人当たり月10万円の慰謝料を求めている。
布川、御代田両地区は、飯舘村や特定避難勧奨地点が設けられた伊達市霊山町小国、石田両地区に隣接している。水道水の摂取の一時制限、農作物の出荷・作付け制限などがあり、住民は「健康への不安を抱えている」と主張している。  


宅地単価3000円引き上げ 東電、住宅取得の算定目安
毎日新聞2016年2月19日 地方版
2016年02月19日 福島民友
 東京電力は18日、原子力損害賠償紛争審査会の中間指針の改定に従って、「住宅確保損害」賠償の損害算定の目安である福島県都市部の1平方メートル当たりの平均宅地単価を見直した。平均宅地単価は、従来の3万8000円から4万1000円に3000円引き上げられる。単価変更の通知は2月19日から開始される。
 福島県では、地価が都市部を中心に上昇しており、土地価格の実勢に合わせるため見なおされた。


<原発事故>自主避難に賠償「救済の追い風」
2016年02月19日 河北新報
 2月18日、京都地裁は、東電原発事故で福島県から京都市に避難した自主避難者への賠償を東電に命じた。原告は、元会社経営者の男性ら5名。心的外傷後ストレス傷害(PTSD)を発症し、仕事も失ったなどとして、総額約1億8000万円の損害賠償を求めていた。三木裁判長は「精神疾患と原発事故には相当の因果関係が認められ、就労不能の状態は現在も続いている」と述べ、男性と仕事のパートナーだった妻に計約3000万円の支払いを命じた。
一方、子供らの請求については、十分な損害賠償額が既に支払われているとし、請求を棄却した。


<福島第1>賠償総額7兆円 格差も拡大
河北新報
 東電の原発事故賠償金支払い済みの額は5兆9167億円。内訳は以下のとおり。
・農水産物の出荷制限や風評被害に1兆4931億円
・1人月額10万円の精神的慰謝料1兆97億円
・営業損害賠償4536億円など。
賠償総額の見通しは7兆753億円に達する見込み。 


<原発ADR>有機米風評被害 生産組合申し立て
2016年03月08日河北新報
 岩手県南と宮城県北の農家10世帯で構成される無農薬生産組合(登米市)が7日までに、原発事故の風評被害による損害損害賠償を求め、原子力損害賠償紛争解決センター(ADR)に和解の仲介を申し立てた。
 同組合へは営業損失分として2013年まで年約500万円の賠償金が支払われたが、14年は300万円に減額された。 組合は有機栽培のもち米を約40ヘクタールで生産・出荷していたが、原発事故による風評被害で売り上げが激減したと主張している。


    (記事の要約は、筆者がしたものです。 いしかわ)
                               
(※このコメント記事は執筆者個人の見解であり、原発事故被害者支援司法書士団を代表するものではありません。) 

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兵庫県司法書士会シンポジウム 「東日本大震災から5年を考える 」(2)

パネルディスカッション -災害復興における各種専門家の役割と課題-

東日本大震災から5年を考える 」パネルディスカッション
-災害復興における各種専門家の役割と課題-

パネルディスカッションは、コーディネーターは島田雄三氏(兵庫県司法書士会)パネラーは室崎教授、森川憲二氏(弁護士)、古部真由美氏(東日本大震災県外避難者西日本連絡会代表世話人)の四氏によって行われた。
パネル1
(以下、各パネラーの発言のうちから筆者の印象に残ったものを要約して記していく。選択と要約は筆者の責任でなしたもので、誤りや発言者の意図と食い違いがあったらお許し願いたい。なお、()は筆者の補足である。)

古部氏(ご自身が茨城県からの避難者である。)
関西に避難している人たちに向けて関西で唯一の手帳(「関西暮らし、みてみて帖」暮らしのための様々な情報が載っている)や月刊情報誌(月刊まるっと西日本NEWSの発行をして、1800世帯に無料配布している。無料配布の予算が足りず金策に走っている。活動は暗中模索である。関西の避難者は、半数が福島県で残りの半数は関東から来ている。

 関西では、福島の複合災害(地震という自然災害と原発事故という人災の)の実態が知られていない。被害者の実体験が知られていない(被害者は語ろうとしない)。最近,専門家の知恵を借りる状況になってきた。これから専門家の力が必要である。

パネル2
森川弁護士
 阪神では人と人のつながりを重視したが、福島では、土地と故郷との結び付きが重要である。例えば墓など。また、専門家の役割についてこれを問い直す必要がある。 実務家として目の前のことをどう捉えるか。東北では自ら足を運んでいくスタンスが必要である。

 専門家の情報提供と相談システムの構築が必要で、そこで得た情報を行政にぶつけていくことや、政策提言がどこまでできているのか。行政からお金をもらってのコンサルタントや相談でよいのか。被害者は法は解らない。避難者は専門家ではなく行政のアドバイスで選択したケースが多い。そのために判断を誤ったケースもある。
 二重ローン、相続登記 抵当権付きの不動産の問題等専門家のアドバイスを受ける必要がある。そこに専門家の役割がある。しかし、士業の連携したアドバイス事業(まちづくりを含めた)が実現していない。
 県外原発事故避難者に特有の問題として、借り上げ住宅の供与打ち切りの問題がある。福島県は2016年度で打ち切られる。これは、間接的に帰還か移住を強制することになる。1人1人の避難、滞在、帰還の選択の保障をすべき。

室崎教授
 実は今まで、福島については発言を躊躇してきた。しかし、福島の問題を抜いてこの東北の問題を考えることはと出来ない。

海の音、鳥の声、土地、歴史とのつながりなどを、コミュニティ構成の要素として復興制度の中に組み入れる必要がある。福島の原発被害地への帰還は、放射能のリスクがあり、戻れない地もある。それを残酷でもはっきり言うことも必要だと思う。また、 つくられた対立の構造をどうしたらいいのか。
答えは明らかではない。お互いに支えながら進むしかない。日本の全体が福島は特殊と考えていないか。 

専門家の役割を改めて問い直す必要がある。専門家の持っている知識を十分に伝えていく、細かなシステムをどう作っていくか。また具体的に行政に提言していく必要もある。


感想まとめ
新聞によると、昨年阪神・淡路大震災20周年を迎え、今年の震災に関する催しは半減したという。このシンポジウム担当者も参加者が少ないのではないかと心配していたが、まずまずの入りであった。

兵庫県司法書士会は、震災に関する催しを継続して主催や後援してきている。
「続けていこと忘れないことが大事」であり、それが次に繋がっていく、今回のシンポジウムに参加してそう感じた。
また、司法書士は専門家として何ができるかもう一度考える必要がある。その上で、専門家集団の一部として、群馬司法書士会も兵庫県司法書士会も共に手を携え支援活動を継続していくべきだ。
原発事故被害者支援司法書士団も、このブログによる情報提供や被害者のための相談・ADR申立て等の活動を今後も続けていく。
                   (さくらい)
                               
(※このコメント記事は執筆者個人の見解であり、原発事故被害者支援司法書士団を代表するものではありません。) 

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兵庫県司法書士会シンポジウム 「東日本大震災から5年を考える 」(1)

災害復興とまちづくりの課題 
 「東日本大震災から5年を考える」シンポジウムが兵庫県司法書士会の主催で、130日神戸チサンホテル神戸で開催された。
 シンポジウムは、室崎益輝神戸大学教授の「災害復興とまちづくりの課題」と題する基調講演のあと、「災害復興における各種専門家の役割と課題」についてパネルディスカッションが行われた。


シンポジウム1
基調講演
「災害復興とまちづくりの課題 」神戸大学室崎益輝 名誉教授

(講演内容のうち私が重要と考えたものを「」内に記し、私の感想をコメントしていく。なお、講演内容等は筆者のメモと記憶から起こしたので、誤りや発表者の意図とは違う場合があることをお許し願いたい。)
 

 室崎益輝教授は、「坂上田村麻呂からです。」と東北の話をはじめる。「東北と沖縄は同じ構造で、それは先住民が住んでいたところを大和による占領(支配)があった。その格差が根底にある」という。同感である。政府の震災復興策、東京電力の原発被害者への対応、これに対する東北の被災者、福島の被害者の態度の根底にはその影を感じとらざるを得ない。

「国の施策も東北をよくすることは二の次で、日本経済日本全体を良くすることが、東北地方をよくするという構図である。東北の世直しの目標が見えてこない。復興予算のかなりの部分(9割)は県外に出て行ってしまって、中で循環しない」。


教授は続けて、災害の特質と復興について「災害は、その時代・その社会が内包している矛盾や課題を、時代を顕在化させる。それゆえ復興では、その矛盾と向き合いその克服をはかることが避けられない」と述べる。
そうすると、東日本大震災は、高齢化や希薄になりつつ人間関係や家族関係という問題だけでなく、日本という国の中での東北の従属的地位まで顕在化させているのではなかろうか。

復興と復旧について、「質の変化を伴わないのが復旧で、質の変化を伴うのが復興だ」とする。「復興は、今までの誤りを正していく、未来を創造することだ、それが創造的復興だ」「しかし、この言葉が歪曲されて、大規模工事中心になっている。例えば石巻市の高台集団移転は、従来の集落を無視している」

復興の目標は、「自立・安全・変革の三つである。」「東北では安全についての考え方に間違いがある。人は安全だけでは生きていけない。景観や文化と総合的に考えなければならない。たとえば高さ20mの堤防がそうだ。阪神淡路大震災は自立を優先、東日本大震災は安全を優先させている」。
高さ20mの堤防がどんなものだか私には想像がつかないが相当の高さである。海とともに生きてきた人たちにとって海と切り離されたと感じるかもしれない。震災前と同様に海は見えるのだろうか。

復興の課題について、「人間復興とコミュニティーの復興は車の両輪。環境の共生、歴史自然を含めたコミュニティーの形成が大事。しかし行政は合意形成のスピードを優先し物事を決めていく。突然のアンケートが来て、考える間もなく物事が決定される。だから結果には、俺は参加していないから俺のせいではない、となってしまう。」
住民が自分たちで十分話し合って、アイデアも出し合って決めることが重要だ。またその決定を実現できる予算も必要であろう。

住宅再建と生活復興について、「住宅再建だけでなく、コミュニティーや地域経済さらには地域福祉の再建を含め、生活復興を包括的に進める。今後は、避難所-仮設住宅-復興住宅といった単線型の再建プログラムをやめ、多様な選択肢を提供し、被災者の自発性を引き出すプログラムに変えるべき」。たとえば、仮設住宅と復興住宅建築には一家族あたり相当程度の費用が掛かっている。被災者が最初から自宅を再建すると選んだら、これらの費用相当額を給付するという施策をとるという方法等がある。そうすれば被災者は複数の再建プログラムから自分で再建策を決めていくことができる。

その他にも多くの内容があったがその要旨だけ述べておこう。
・復興システムの見直し「焼ないように死なないようにする (復興ニーズを少なくする)」
・復興法制の見直しについて「後追い的な規制の法制度では対応しきれない。事前の対応が必要。新しく実態に即した法を作る必要がある」
復興規制の見直しについて「復興のためにどこまで私権を制限するのか」
・復興まちづくりについて「防災から減災そして復興へ。巨大災害には防災ではなく減災を、目指すべきではないか.
・都市計画から「まちつくり」へ。「街」でも「町」でもない「まち」である。 
                  (さくらい)
                               
(※この記事は執筆者が講演内容を要約したものです。) 

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原発事故から5年 ー避難指示区域の解除の影に(下)ー

避難指示区域の解除の影に(下) 

3、放射線の影響はあるのか?
 それだけではない。最近気になる話題として、甲状腺がんの問題もある。3月7日、福島県の「県民健康調査検討委員会」の座長である星北斗氏は、東京の外国特派員協会で調査結果について報告した。
福島県内の事故当時18歳以下の甲状腺がんの調査について、1巡目となる2011年10月から2014年3月の調査で113人、2巡目の2014年4月~で51人(2015年末現在)のひとが悪性または悪性の疑い、と判定されている。このことについて「放射線の影響とは考えにくい」が「可能性は小さいとはいえ現段階では(放射線の影響を)完全には否定できない」とのことであった。
 「放射線の影響は考えにくい」という理由としては①放射線の影響でがんになったとするためには、放射性ヨウ素の被ばく量とがんの発生頻度に一定の因果関係があると証明する必要があるが、当時の甲状腺被ばく量を把握する調査は非常に少なく、得られたデータが少ない。②チェルノブイリとは放射線量が大きく違い、福島での被ばく量は桁違いに少なく、このような影響がでることは考え難い。③地域的に大きな差が見られない。④事故当時5歳以下の人からの発見が今のところない、などの点を挙げた。その他にも過剰診療・スクリーニング効果などを、160人を超える甲状腺がん(もしくは恐れのある)患者の発見の理由であると語る人が多い。
 しかし、逆の立場で、甲状腺がんの多発を指摘する人もいる。岡山大学の津田敏秀教授は、福島県健康調査の結果の集計から、甲状腺がん発生率は、①同県中通り中部では全国平均の50倍、②県内では発見率の低い所に対し高い地域では、オッズ比で2・6倍、③2巡目の検査では今後一人も発見されなくても、全国平均の12倍の高い率になる、などと指摘され、事故後4年での超音波検査による甲状腺がんの発見は、スクリーニング効果説では説明がつかないとして、早急に対策をとることを求められている。
津田氏の論文の内容に触れたとき、本当に「放射線の影響は考えにくい」のか疑問がわかざるを得ない。少なくとも、星氏も放射線の影響を否定してはいない。つまり、甲状腺がんの発生と放射線被ばくの間の関係性は否定されておらず、星氏らの「考えにくい」という言葉があっても、避難者の不安要素であり続けるのである。

4、避難者が帰還を決断するとき
 今まで触れた帰還への障害とでもいうべき事象があるとはいえ、避難者の「帰還したい」という気持ちは、決して無くなったわけではない。愛する風土や仕事、両親などの家族の問題もある。例え、子供が小さく今は帰れないとしても、将来的にはいつか、と考える人もいるはずである。
 しかし、その帰還は強制されたものであってはならない。「こども・被災者支援法」の第2条2項にはこうある。「被災者生活支援等施策は、被災者一人一人が第八条第一項の支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができるよう、被災者がそのいず れを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない」。 一人一人が自らの意思により、納得したうえで、帰還することが重要なのである。ところが、今の政府の政策や、世間の風潮はあまりにも安易に帰還を促すものになっていないだろうか。
 一定の空間線量を下回り、社会インフラが確保できたのであれば避難指示区域を解除するということ自体は問題なかろう。しかし、単に空間線量が下がっただけで、避難指示区域を解除し、ましてや自主避難者の支援を打ち切るということは大きな間違いである。これは実質的に自主避難者に帰還を強制することであり、「こども・被災者支援法」の基本理念に大きく抵触するということだけは、ここで指摘しておきたい。 
 
                  (みやざわ)
                               
(※このコメント記事は執筆者個人の見解であり、原発事故被害者支援司法書士団を代表するものではありません。) 

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