原発損害とこれからの生活を考えるblog

by原発事故被害者支援司法書士団 team of shihosyoshi to support compensation for nuclear accident victims         

原発被害者の失ったものは何か?
様々なものが失われました。
失われたものを取り戻すために、何をすべきなのでしょうか。

兵庫県司法書士会シンポジウム「 災害列島における防災と復興を考える 」 (3)

兵庫県司法書士会シンポジウム「 災害列島における防災と復興を考える 」 (3)

パネルディスカッション
「復興の課題と今後の備え~住宅問題を中心として~」

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森川弁護士
 東日本大震災の仮設住宅建設費用は700万円、阪神淡路大震災では400万円だった。
いろんなものを積み上げると一世帯1000万円ほど国が支出している。1000万円の資金で家は建つ。現に、熊本地震では1000万円で住宅の計画販売がされようとしている。居住を確保するための支援方法を大胆に変えていくという必要性がある。その可能性はあるのに国はやっていない。
塩崎教授
計画では、高台移転事業のコストは、宅地整備費が1戸あたり4326万円、移転民間住宅費用は6583万円だ。6000万円以上支出して立地へ移転することが適切なのだろうか。自力再建に対する補助金とどちらが安いのだろうか。高額な高台移転事業より自力再建を選ぶというのが、市民的には正しい感覚ではないのか。国民経済的に見ればむちゃくちゃな計画だ。
古部氏
生活再建を考えるときに、避難者は、仕事に就いていると帰りたくても帰れない。帰って生活が成り立つのかも不安だ。
避難者はいろんな悩みや不安を抱えている。県外避難者にも、お互いさまで受け入れる日本でいてほしい。命を応援する制度が必要と感じる。
塩崎教授
県外移住になんでそんなに問題が生ずるのか。
復興の主体は地方自治体であるのが原則だが、その原則によって日本国内で生じている不平等を解消する必要がある。
森川弁護士
岩手県では、住宅新築に最大565万円+100万円の上乗せ支援を行う。宮城県でも一部市町村によっては上乗せ支援を行う。現状は自治体で支援に差異がある。
その差異をなくす、あるいは小さくするためにはどうしたらいいのか。国レベルの制度システムや支援を充実させる必要がある。できるだけ平等化にするシステムの構築が望まれる。
塩崎教授
東日本大震災では、復興予算はほとんど国から出ている。しかしそれは最初だけだ。
予算がいかない所には、まったくいかない。
森川弁護士
現物支給の原則から資金援助へ、災害救助法の法律を改正する必要があるだろう。
古部氏
住宅支援終了に伴い、市営・県営住宅等の無償入居が原則終了する。避難生活を継続する避難者のために福島県が県外に住宅を確保したとの報道が最近あったが、他県にも広がってほしい。
塩崎教授
被災者は、当初、被害をわかっていなくて、だんだんとわかってくる。行政も同様。
被災者が直面するトータルの問題をわかっている人、考えている人は誰もいない。
これが根本の問題だ。

まとめ
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古部氏
被災県と関西の支援情報を受け取るには「全国避難者情報システム 」の登録が必要だ。
住宅支援終了に伴う住み替えによって引越した後も情報を受け取るためには再登録が必要。引越し前に必ず再登録をする事が重要だが、被災者は知らないことが多い。システムが途絶えないように、広報する必要性がある。
森川弁護士
二重ローンの問題等、被災者に責任はないのに、人生をかけた財産をすべて失った被災者に対して、個人で何とかしなさいとするのは苛酷である。復興に資金をかけるのは平等の原則に基づく憲法の要請である。
現在の制度に良い点もある。良い点を活かしつつ改善すべき点は早急に改善していくべきだろう。
復興まちづくりには住民合意形成が重要である。住民に判断材料を提供し合意形成を促進するためにも、
常日ごろからの専門家、ボランティアのアドバイスを受けられるシステムを構築する必要性がある
塩崎教授
災害の経験・教訓に基づいて、残すべきことを整理し、来るべき大災害に備えなければならない。
特に欠けているのが復興に対する備え、これに力を注ぐべきである。災害の後に対する意識を持つことが必要だ。


兵庫県司法書士会は、震災に関する催しを継続して主催・後援し続けている。
「続けていくこと、忘れないことが大事」であり、それが阪神・淡路大震災および東日本大震災の教訓を次に繋げていく原動力となる。また、東日本大震災から6年が過ぎようとしている今、一人一人が何ができるかもう一度考える必要がある。共に手を携え支援活動を継続していく必要もある。今回のシンポジウムに参加してそう感じた。
原発事故被害者支援司法書士団も、このブログによる情報提供や被害者のための相談・ADR申立て等の活動を今後も続けていきたい。  
    (内容の要約は、筆者によるものです。 いしかわ)
                     

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兵庫県司法書士会シンポジウム「 災害列島における防災と復興を考える 」 (2)

パネルディスカッション「復興の課題と今後の備え~住宅問題を中心として~」
パネルディスカッション「復興の課題と今後の備え~住宅問題を中心として~」
パネリスト 塩崎賢明(立命館大学政策科学部教授)
     森川憲二(弁護士)
    古部真由美(東日本大震災県外避難者西日本連絡会代表世話人)
    コーディネーター 島田雄三(司法書士)
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パネルディスカッションは、コーディネーターは島田雄三氏(兵庫県司法書士会)パネラーは塩崎賢明教授、森川憲二氏(弁護士)、古部真由美氏(東日本大震災県外避難者西日本連絡会代表世話人)の四氏によって行われた。
(以下、各パネラーの発言のうちから筆者の印象に残ったものを要約して記していく。選択と要約は筆者の責任でなしたもので、誤りや発表者の意図とは違う場合があることをお許し願いたい。)
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古部氏(ご自身が茨城県からの避難者である。)
関西に避難している人たちに向けて、月刊情報誌「月刊まるっと西日本NEWS」(暮らしのための様々な情報が載っている)の発行をして、1700世帯に無料配布している。
避難者のための相談窓口を開設したり、帰省費用助成支援等の事業もしている。
自主避難者に対する福島県の住宅支援は原則3月に終了する。帰還をしない、あるいはできない自主避難者のために住宅支援の延長をすでに決定した自治体もある一方、「延長を検討中」や「未定」の自治体も多い。
「まるっと西日本」では、住宅支援のスムーズな延長をサポートするため、府県や市町村に対し格差のない支援が行われるよう訴えるとともに、被災者からの声を受け止める相談窓口を開設している。
高齢の自主避難者は、仕事が見つからない人が多い。それらの人達の中には、住宅支援が終了すると生きていけないと訴える人もいる 。無償の住宅支援は生活の維持・再建に欠かせないシステムだ。住宅支援の終了は深刻な問題だ。今後の方策がみつからない。行く末が暗い 。
Q:夫は福島で生活し、妻子は避難している方々の現状はどうか 。
 実際、家族での移住は増加している。分裂したままに生活している母子の避難も多い。避難者は、将来について家族で話し合いをしているが、折り合いがつかず、離婚に発展するケースも増えている 。

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森川弁護士
復興の課題と今後の備えに関して次の3点をあげておく。
最初に、制度面。
自然災害は、日常的に発生する。南海トラフ地震をメインとする、大規模災害の発生の確実性も高い。
被災予想を正確に立て備えとして何が必要か早期に目標設定をする必要がある。将来の災害に備え、制度的備えの整備・拡充を図るべきだ。
県外への原発事故避難者に特有の問題として、借り上げ住宅の供与打ち切りの問題がある。福島県は本年3月で原則、支援を打ち切る。これは、間接的に帰還か移住かの選択を強制することになる。1人1人の避難、滞在、帰還の選択の自由を保障をすべきだ。
2番目として資金面の改善の必要性。
災害が発生した場合に備えて、資金面でも事前にやっておくべきことを検討する必要がある。資金の備蓄の必要性もある。
番目として人と組織の問題をあげておきたい。
被災者および住民団体への自治体の支援や地域ごとのネットワークの形成を図ることが必要だ。
ボランティア・専門家が災害に対する支援について何ができるのか整理することも必要。     
災害法制や復興まちづくり法制についての情報提供・伝達の重要性を再認識し有効な実施策を支援することも必要だ。
Q:立法提言を弁護士団体等はやっているのか。
日弁連は、災害復興支援委員会を中心に、立法提言をしている。
 
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塩崎教授
災害に対する日本人の意識について、備えを本当に重要だと思っているのか疑問を持つことがある。
例えば、私が住んでいる京都を例にあげれば、大部分の市民は、大災害を気にしているし、その危険性はわかっているが、災害が発生した場合に実際どうなるのか予測がつかない人が多いと感じる。
そのためか、建物の耐震改修は進んでいない。お金がないのが最大の理由だが、仮に、お金があったら改修工事をするかと問えば、貯金すると答える住民が多いのが現状だ。
災害はいつ来るかわからないという不確実性が内在する。住民一人一人が、個人住宅は実は公共性があるという考えに至るかどうかが鍵ではないだろうか。
備えのための予算は、何兆円も計上されているが、有効に活用・使用されるのだろうか。日本の行政はしっかりしている。しかし、半面、住民に向いていない傾向が見られる。
                  (続く いしかわ
                     

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兵庫県司法書士会シンポジウム「 災害列島における防災と復興を考える 」(1)

基調講演「復興の課題と今後の備え~住宅問題を中心として~」

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「 災害列島における防災と復興を考える 」シンポジウムが兵庫県司法書士会の主催で、平成29年1月21日(土) チサンホテル神戸で開催された。
 シンポジウムは、塩崎賢明立命館大学政策科学部教授の「復興の課題と今後の備え~住宅問題を中心として~」と題する基調講演のあと、「復興の課題と今後の備え~住宅問題を中心として~」についてパネルディスカッションが行われた。
 このシンポジウムは、東日本大震災及び原子力発電所事故の被災地、被災者及び被害者、その他頻発する災害への支援を継続することを確認すると共に、震災から20年が経過した兵庫県における復興の過程を検証し、東日本大震災の被災地の復興を考え、今後発生する災害で想定される諸問題にどのように対処していくのか、特に住宅に関する問題に焦点をあてて行われた。


基調講演
「復興の課題と今後の備え~住宅問題を中心として~」
 塩崎賢明立命館大学政策科学部教授
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講演内要旨
(講演内容は筆者のメモと記憶から起こしたので、誤りや発表者の意図とは違う場合があることをお許し願いたい。)
 塩崎教授は、「日本は、災害大国です。」と話をはじめる。
 災害大国日本は、太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシア・プレート、北アメリカプレートがひしめき合うきわめて特殊な国土であり、世界で発生するM6以上の地震の約2割が日本周辺で発生、分かっているだけでも約2,000の活断層が存在し、世界の活火山の約7%(110)が日本に分布するという。
災害リスク
 「自然災害は必ず起きる。防げない事象だ。被害を最小限におさえるのが減災という考え方。国の防災戦略では、被害を半分に減らす目標が掲げられている。市町村の地域防災計画は大半が緊急対応で、予防・復興はごくわずかだ。 
 一方、人的災害(原発事故等)は、めったに起こらない。防ごうと思えば防げる。」

復興の現状一何が問題か
「東日本大震災の被害状況は、死者15,894人行方不明2,561人関連死3,410人孤独死190人(3県)自殺154人(3県)全壊128,931戸、半壊269,045戸、一部損壊736,323戸だ。」
間接被害である関連死が多い。直接死に対する関連死の割合は、18・5%と高い。福島県では直接死に対する関連死の割合では、関連死の方が多い。関連死は過酷な避難所生活、避難所への移動が主な原因だ。」
「東日本大震災では、5年を経た現在でも、17万人の避難者がいる。福島の避難者は約9万人、県外に4.3万人避難している。仮設住宅に7万人が未だ居住している。災害公営住宅の完成は約5割というのが現状だ。
復興が進まない原因はどこに問題があるのか。
お金がない?→すでに26兆円。今後6.5兆円が予定されている。
お金をたくさん使っているが、その使途がはっきりしない。東日本大震災復興基本法の問題点がある。」

住宅復興
「住宅再建の前にまちづくりの問題を先行してやらないと行く先が決まらない。復興災害を繰り返してはいけない。身の支に合わない巨大開発はやってはいけない。」
原発「自主避難者」への住宅供与の打切りが進んでいる。いわゆる「自主避難者」=区域外避難者への住宅供与は、2017年3月で打ち切り(12600世帯)となる。月収21.4万円以下の世帯には、2年間補助、上限3万円(1年目)、2万円(2年目)民間賃貸住宅家賃補助が予定されているが十分とはいえない。
区域外避難者の多くは2重生活などに苦しみ、被災者向けの災害公営住宅も対象外。
また、政府は避難区域の指定解除を推進している。」
恒久住宅の確保には、自力再建、災害公営住宅の2つの選択肢がある。災害公営住宅は、約3万戸計画、5割程度の完成している。入居後の生活問題。コミュニティ維持管理問題が重要な問題点。
また、仮設から恒久住宅へ行きたくてもいけない人々がいる。そうした人たちの孤独化が増進し、ひいては孤独死に至るような事態が起こらないようにする計画が必要だ。これからどうなっていくのか、一番の心配事だ。」

次なる巨大災害への備え
「原発災害の発生を防ぐこと、自然災害の被害を減らす事が必要。
自然災害の被害を減らすためには、 ①事前の予防、②緊急対応、③復旧・復興が不可欠。
防災計画は②緊急対応中心になっている。復興計画はほとんど考慮外。」
「最近の研究では、日本列島を載せているプレートは小さなピースに分割されており、別々の方向に動いている。
 日本は地震多発&原発密集の国であり、世界の地震の2割以上が日本で発生(1994~2003年、M6.0以上の地震)している。その狭い国土に54基の原発がある。原発災害対策は、特別に重要だ。
 巨大地震が多く、原発が多い国は日本だけ。世界のどの国とも異なる特殊な条件のもとにある。フクシマの対応に数十年かかり、その間にもう一度起これば、日本破滅。日本では原発全廃しかない。」
「災害後の復興対策「復興への備え」が重要だ。
復興の大目標=被災者の生活再建である。とりわけ、災害で助かった命を失うことをなくすこと、すなわち、関運死を防ぐことが重要だ。具体的には、避難所における福祉避難所、医療施設、簡易ベッドなど人間的生活の確保などが考えられる。
「健康で文化的な最低限度の生活」の保障「国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」とする憲法の規定は、「災害時は除く」わけではない。日本の避難所の生活状況は先進国とはいえない。被災者・国民全体の意識改革が必要だ。
 関連死だけは、止めてほしい。ほとんど犯罪に近い。」
 

塩崎教授のお話から、防災・復興の課題がおぼろげながら見えてきた。震災を契機に、防災・減災の意識は高まりつつある。しかし、復興の過程における問題の解決にはほど遠い現状も垣間見えた。特に、住まいの問題の解決には、単なる居住空間の問題ではなく住宅生活全般に関わる複合的な視野が必要だと感じた。
                                  (いしかわ)
                     

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情報誌「原発損害2016」先着10名様プレゼント

情報誌「原発損害2016」先着10名様プレゼント

情報誌「原発損害2016」先着10名様プレゼント
 2014年4月11日~2016年9月7日までの原発事故被害者支援司法書士団のブログ「原発損害とこれからの生活を考えるblog」記事の中から原発損害賠償に関する記事を抜粋した情報誌を発刊しました。
2014年以後の福島第一原発事故に関する損害賠償の情報を集めました。避難者の方々や支援されている方々原発損害とこれからの生活を考える」うえでのヒントになれば幸いです。
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  B5版: 172ページ
発行日: 2016/11/04
著者:原発事故被害者支援司法書士団
原発事故被害者支援司法書士団は全国の司法書士有志が結集して組織されている団体です。
 原発事故損害賠償請求を中心とした避難生活に伴う様々な相談を受けたり、原子力損害賠償紛争解決センター(ADR)への和解仲介申し立ての支援をしています。

ご希望の方は、「本希望」の旨、送付先住所、お名前、を明記の上、下記あてにメールして下さい。お一人様1冊まで
genpatudan@yahoo.co.jp
申込期限:2017年2月20日(10名様に達し次第終了)
                     

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災害列島における防災と復興を考えるシンポジウム

シンポジウム開催のお知らせ:1月21日(土) チサンホテル神戸
終了いたしました
災害列島における防災と復興を考えるシンポジウム
主催 兵庫県司法書士会
後援 阪神・淡路まちづくり支援機構・近畿司法書士会連合会
平成29年3月11日をもって、未曽有の被害をもたらした東日本大震災から6年となります。年月の経過とともに、人々の関心が薄れ、会員の意識の低下も感じられるところです。それにもかかわらず、現在においても、原子力発電所事故により広域避難を強いられている方々は、住宅の無償提供の打切り等によって、避難先での定住か、帰還かといった非常に重い決断を迫られています。また、被災地では仮設住宅から公営住宅等の恒久住宅への移転が進みつつあり、被災者の孤立化等の問題も懸念されます。
昨年4月には熊本地方を震源とする大地震が発生するなど、もはや災害は身近なものとなってしまっており、日頃の備えや、災害発生後の支援によって我々が果たす役割は非常に大きくなっていると思われます。
 そこで、東日本大震災及び原子力発電所事故の被災地、被災者及び被害者、その他頻発する災害への支援を継続することを確認すると共に、現時点で顕出した被災者の居住における問題点を検証し、復興を考え、今後発生する災害への備えとしたく、シンポジウムを開催する運びとなりました。

日 時  平成29年1月21() 13:30~17:00
場 所  チサンホテル神戸(神戸市中央区中町通2-3-1
電車 JR「神戸駅」より徒歩3
地下鉄海岸線「ハーバーランド駅」より徒歩4
地下鉄山手線「大倉山駅」西2出口より徒歩6
阪急電鉄・阪神電鉄「高速神戸駅」東出口より徒歩1
プログラム
基調講演「復興の課題と今後の備え~住宅問題を中心として~」
     塩崎 賢明 立命館大学政策科学部教授
パネルディスカッション
「復興の課題と今後の備え~住宅問題を中心として~」
パネリスト 塩崎賢明(立命館大学政策科学部教授)
      森川憲二(弁護士)
      古部真由美(東日本大震災県外避難者西日本連絡会代表世話人)
     コーディネーター 島田雄三(司法書士)
■お申込み・お問い合わせ■
兵庫県司法書士会事務局 シンポジウム係
TEL 078-341-6554 
参加無料   定員100名(要申込み・先着順)
  •     定員に余裕がある場合は当日参加も可
                     

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新年あけましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます


日の出2

新しい2017年の幕開けです。

 

ほとんどの方は年の初めに当たり、「新年こそは」と明るい未来を期待すると思います。しかし「自主避難者」と呼ばれる人たちにとって、今年ほど幕が開いてほしくない年は無かったのでは無いでしょうか。

政府は「避難者」という属性に分類される人を無くそうとしています。それは避難している場所に定住するか、地元に帰還するかの最終的選択を避難者に強いる形で行われようとしています。

避難者に、その選択をさせるための環境整備として「自主避難者」への家賃補助が、この3月をもって(ほとんどの方について)停止されようとしているのです。

 

自主避難者は賠償の額などの点で世間に大きな誤解を受けています。そのため、多くの罪のない子供たちが差別やいじめの対象になっていることは、マスコミで報道されているとおりです。いや、あれはむしろ氷山の一角です。差別を怖れ、福島からの避難者であることを隠している人も多くいます。それほどまでにして、自主避難者の方が避難を続ける理由は何でしょうか?

 それは、人によって異なってくるかもしれません。しかし、基本的には福島の地元に帰ることが、安心できないからではないでしょうか。そこで、子供を育てることに納得できない、これ一つでも十分な理由になると思います。

「多くの人が帰還しているからもう大丈夫なのでしょう。」そういう意見は多くあります。しかし、自分の子供たちを線量の未だ高い地元で育てるとなれば、意見は異なってくる場合もあると思います。命は一人に一つしかありません。

 

「子供・被災者支援法」では、本来、避難者の自由意思を尊重する精神が謳われています。ところが政府自民党は、その法の基本方針の策定に当たり、多くの地域について「もはや支援する状況にない」と切って捨てました。「科学的に安全である」というその根拠に異論反論する学者、専門家が多くいることは、国民全員が知っておくべきことだと思います。

そのような異論反論を、また避難者の自由意思を無視して、今、家賃補助が廃止されれば、今でも困窮している「自主避難者」の生活がより苦しくなることは目に見えています。

 

自主避難者への誤解が解かれ、また多くの人々に自主避難者が置かれた状況を理解して頂き、少しでも自主避難者を取り巻く状況が改善できるよう、原発事故被害者支援司法書士団も全力で活動していきたいと思います。

                   (みやざわ)  

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南相馬市避難指示解除―避難者それぞれの選択― Part2(終)

「理容カトウ」加藤さんの選択

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「理容カトウ」加藤さんの選択
 「理容カトウ」を営業する加藤さんは、震災後数日で東京に避難。東京の理髪店で使ってもらっていたという。しかし、帰還は早く、翌年4月20日には店を再開している。まだ水も出ない時期である。
 店を再開して暫くは客が一人も来ない、あるいは来ても一人という日々が続く。「お茶を飲みに来る人の方が多いくらいだった。」加藤さんはいう。その頃は果たして何人帰ってくるのかと不安な日々が続いたそうである。しかし、洗濯機に水を汲んで営業をつづけていると、少しずつお店に寄る人が増えてきた。人が住まなくなった町とはいえ、自宅の清掃や状況確認に定期的に帰ってくる人はいる。そんな人が、昔からの「理容カトウ」を見つけて、見に来たついでに髪を切っていく。「(空白期間が)1年だったからお客が来てくれたんだと思う。」と加藤さんは言う。
 嫌なことも聞いた。加藤さんが早々と業務を再開して暫くすると、加藤さんに文句を言う人がいた。「そこで仕事をしていると、避難指示解除が早くなる。」というのだ。「そういう人は帰ってきて何もない人なんだよ。」という。ただ、「戻らない人に文句を言う人は嫌い」と朗らかに笑った。帰ってきたのは自分の選択であり、人に強制すべきではないということなのであろう。加藤さんには息子さんがいる。「自分が嫌な思いをしたから継がせる気は無かった」が戻ってきた。今一緒に仕事をやっているという。
 「帰ってきたのは自分の選択」というのは、この取材でお会いした人に共通する姿勢であった。家族の気持ちさえバラバラにしてしまったこの原発事故に対して、どう対応するのか、それは最終的には自分が決めるしかない。南相馬という福島第一原発にほど近い地域に帰ってきた人、そして帰ってこない人々。それぞれの事情と決断を我々は尊重するべきであろう。
                                               (みやざわ) 


再開したラーメン店「双葉食堂」
JR小高駅の近くにある人気ラーメン店「双葉食堂」が再開された。
「双葉食堂」は、1951年創業の老舗だ。看板メニューはしょうゆ味の鶏がらスープ縮れ麺の中華そば。
遠方から訪れる客も多い人気店だ。
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味は?
写真の笑顔を見ればわかるでショ。
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南相馬市避難指示解除―避難者それぞれの選択― Part2(2)

「双葉旅館」 小林知子さんの選択

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「双葉旅館」 小林知子さんの選択
6月18日、我々は南相馬市小高区にある「双葉旅館」と、避難指示の解除前から営業をしていた、「理容カトウ」を訪ね、話を聞かせてもらった。
最初に「双葉旅館」を訪れ、女将さんからお話を聞いた。
「双葉旅館」は、海岸線から3㎞ 海岸線から国道6号線を超えて押し寄せた津波で一階床上まで浸水した。更に追い打ちをかけるような原発事故により、小林さん一家は避難を余儀なくされた。
現在(6月)では、旅館はリホームをされ、営業再開に向けての準備は整いつつある。未だ避難指示は解除されていないため、正式な旅館としての営業はできない状態ではあるが、自宅を遠方の避難先から見に来た際の宿泊等、需要は継続的にある。
いよいよ避難指示解除が近づいた本年1月からは泊まれる部屋を三部屋程度確保しておくよう役所から要請を受けて営業していた。また、7月の野馬追については予約で一杯であるとのことだった。(避難解除は7月12日であり、野馬追(23日~25日)の開催時には解除ずみである。)
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双葉旅館のご主人は農業の再生のため、一般社団法人南相馬農地再生協議会を組織され、菜種油の製造に取り組んでおられる。放射能で汚染された農地でナタネ、ヒマワリ、大豆などを栽培する際、葉・茎・油粕はセシウム汚染されるが、そこから絞った油には全く移行せず、検出限界(0.029Bq/kg)以下であることが確かめられており、チェルノブイリ周辺でも大規模に作られている。
「油菜ちゃん」と名付けられたなたねオイルは、日本で開発された「キラリボシ」「キザキノナタネ」という遺伝子組み換えでない品種を原料として作られている。南相馬から自信をもって全国に発信できるオイルであるとしている。こういった製品が「福島産」ということで敬遠されてしまうことこそ、真の風評被害と言えるものである。

 
しかし、その様な地道な復興へ向けての活動をしていても、女将さんは、除染については肯定的な評価をしているとはいえない。特に野山の除染についてはほとんど悲観的である。
「日本は現実主義ではない。大丈夫、大丈夫の世界ですね。」
今でも高線量のところは周囲に多い。例えば4μ㏜/h位の高線量のところに行くと、疲れを感じるという。ところが、日本では高線量のところに目印を置くなどという工夫もない。また、高線量のところから出てきた車のタイヤを洗う設備もない。目にも見えない、そして「ただちに身体に影響はない」からといって、それをまったく無防備に受けてもいいわけはない。少なくとも住民たちが無用の被ばくを避けられる工夫は必要だ。
しかし、目に見えるような工夫をしようとする、またはそういったことを議論することさえ「風評被害を生む」とか「復興の妨げになる」という理由で、非難されかねない空気が、間違いなく日本には存在している。この「大丈夫、大丈夫」という姿勢こそ、逆に、原発事故に対する政府・自治体の対応への「不信感」の温床ではないのだろうか。
おかみさんは、「昔、小高にはすべての(種類の)店があった。ここだけですべて間に合っていた。今は皆やめてしまっている。」という。勿論、避難指示区域であったことで、住民が住めない町であったのであるから、商店が継続していくことはまったく無理なようにも思う。しかし、例外もある。
その一つはこの「双葉旅館」であるし、あと一つの例として挙げられるのが「理容カトウ」さんであろう。
                   (みやざわ)  

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南相馬市避難指示解除―避難者それぞれの選択― Part2(1)

「おだかぷらっとほーむ」代表広畑裕子さんの選択

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「おだかぷらっとほーむ」代表広畑裕子さんの選択」 
福島県南相馬市小高区にある住民交流スペース「おだかぷらっとほーむ」は、JR小高駅近くの商店街にある。住民同士の情報受発信の場として、あるいは交流の場として平成27年10月に開設された住民有志による「小高を応援する会」が運営の主体だ。
28年6月、我々は、同会の広畑裕子代表にお話を伺うために小高区に行った。約束の時間よりもやや早めに到着したので、時間待ちのために時間調整を兼ねて町の様子を観察しながらぶらぶら歩いていると、道端で広畑さんに偶然会う。バスで来た見学者の人たちを手を振って見送っているところだった。声をかけると「じゃぁどうぞ」、と目の前の「おだかぷらっとほーむ」の事務所に招かれた。偶然にも我々は事務所に向かう正しい道筋を歩んでいたのだ。
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広畑さんは、原発事故当時小髙区に住む会社員だった。仮設住宅で暮らしているうちに平成25年4月に、仮設に隣接する空き地の活用を思い付き、地権者から土地を借りて、自らの手でビニールハウスを建て、「のらもと農園」を立ち上げ、花の栽培に取り組んでいる。今では仙台を始めとして全国に出荷している(2015年3月の群馬司法書士新聞震災特別号から)。
「おだかぷらっとほーむ」は、小高の町中にあり小高駅からも近い。「小高に来た人が『ぷらっと』訪れ、『ぷらっと』休んでほしいとの思いを込めて名付けた」ということ。ソファやテーブル、デスクなどが備えられており、懇談や作業に利用されている。
今年7月に予定されている南相馬の避難解除についてどう思うかを聞いてみた。以下は私なりにまとめた広畑さんの話だ。 
「それは行政がやること。解除されたから戻る、されないから戻らない、といったものではない。行政は行政、人は人、私は私。人それぞれの判断で、戻る戻らないは自分で決めること。私は戻れると自分で判断したから戻った。今は、私がいかにここで楽しく暮らすかを考えている。」
「現在居住人は97人。四月以降増えている(南相馬市のホームページの9月15日の居住者数は826人)。選ばれる町になった。同じ土俵に上がったと思う。そもそも「戻る」という表現は駄目。外から新しく入ってくる。どこから誰が来てもいい。welcomeキャンペーン中です。」 
私が「新たに自分でここを選んで来たということですか。」と尋ねると「そう」と答えた。
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広畑さんの自分で生きていく場所を決める決断力と他人に強制はしないという考え方には敬意を表したい。その前向きの姿勢はすごいと思う。
だが、小高区を取り巻く環境は客観的には厳しい。第一原発から20キロ圏内にあり、帰還する住民は多くて3000名といわれる。その多くは高齢者であろう。戻る戻らないの決断をまだ下せない住民も多数いる。小高区が避難しているの仮設住宅、借り上げ住宅の入居期限は、平成30年3月まで延長された。だがそれ以後の再延長は難しいと思う。
 避難している多くの人がひとつの重大な決断を下す時期が迫っている。

                   (さくらい)  

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無料相談のご案内


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原発事故被害者支援司法書士団」は、原発事故損害賠償請求の支援をしています。
司法書士団は全国の司法書士有志が集まって設立された団体です。
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最近の原発損害賠償に関する情報(2016年11月)

最近の原発損害賠償に関する情報(2016年11月)
原発事故から5年半以上の時間が経過しましたが、いまだに被害は継続して発生しています。損害も当初では予想できなかった事案も起きています。
損害賠償基準は中間指針その他で定められていますが、現在係争中の事案には指針を超える請求も多く見られます。
原発被害の賠償は、中間指針で定められた損害賠償基準に定められたものに限定されるものではありません。原発事故の被害が発生していれば、中間指針で定められたもの以外でも、また、避難指示区域外でも損害賠償請求は認められます。
以上の道理は中間指針の中でも述べられていますが、実際にはハードルは高く、通常の請求やADRでは認められることは稀でした。その高いハードルを乗り越えるための手段として専門家の支援を受けたADRや訴訟は有効な手段です。特に、訴訟は被害者の権利を実現するものとして活用する実益の高い最後の手段です。
損害賠償でお悩みの方やご不満がある方は、原発事故被害者支援司法書士団にご相談ください。
原発事故被害者支援司法書士団では、原発事故被害を受けられた皆様のために「無料相談」を実施しています。
お悩みの方、ぜひ、ご相談ください。(下記フリーダイヤルにお電話ください。)


農林業2年分一括賠償を拒否 県内JAグループ方針
2016/11/02 福島民報
東京電力が示していた原発事故による農林業の損害賠償に対する平成29年1月以降の損害について2年分一括して支払うという考えを、福島県内のJAグループは受け入れない方針を固めました。
賠償案は平成30年12月までの2年分の損害については賠償するが、それ以後の賠償については相当因果関係がある被害についてのみ個別的に対応するとしています。
JAは、31年以降の賠償が保証されていないとし、原稿の包括請求方式の継続を求めています。


前橋原発避難者訴訟結審 来年3月17日「希望もたらす判決を」
2016.11.1 産経新聞
福島第一原発事故により避難を余儀なくされた避難者45世帯137人が前橋地裁に損害賠償を求め提訴した集団訴訟が結審しました。
損害賠償の指針は平成23年の中間指針で示されていましたが、原告側は、指針は短期避難を想定し、個人への柔軟な対応を欠いているとして集団訴訟を提訴しました。また、裁判では東電の過失責任および国の指導監督責任が問われています。
判決は来年3月17日の予定です。判決は全国で提訴されている東電を被告とする訴訟の先例となる可能性もあり注目されています。


原発賠償「とにかく謝れ」 激務で睡眠不足うつ病に 東電社員が体験証言
2016年10月31日 東京新聞
 三年前にうつ病と診断され休職中の東京電力社員が職場での体験を証言しました。
東電社員の一井さんは三年前にうつ病と診断され、現在は休職中です。会社からは休職期間終了の11月5日付で解雇すると通知されています。一井さんは中央労働基準監督署(東京)に労災申請をする予定でいます。 
一井さんは賠償金を支払う業務を担当、納得してもらえない被害者に対して電話対応するのが仕事でした。休職直前の2~6月の給与明細に記録された残業時間は月58~89時間ですが、一井さんの計算では91~169時間に上ったといいます。
苦情の窓口では、ひたすら謝って聞くしかできないのがつらかったと一井さんは語っています。


80代女性自殺で提訴 飯舘の遺族、東電に損害賠償求める
2016年10月18日 福島民友
17日、自殺した80代女性の遺族2人が自殺した原因は東電原発事故が原因だとして、慰謝料など約6000万円の損害賠償を求めて福島地裁に提訴しました。
女性は、生まれてこの方飯舘村で暮らしていましたが、原発事故に伴い家族と共に福島市の借り上げ住宅に避難。同村で夫の墓参りをした翌日の朝、避難先の部屋で自殺しました。
原告である女性の家族は、原発事故と自殺の間には因果関係があると訴状で主張しています。


<原発事故>農林業賠償 2年分一括払い提案
2016年09月22日 河北新報
東電は、2017年1月以降の避難区域の農林業者に対する損害賠償についての考えを明らかにしました。
東電の提案では、17年1月以降の2年分の逸失利益は一括して支払い、19年1月以降は、各農家などの個別の事情に応じた対応するとしています。避難区域外の風評被害損害に対しては直近の年間逸失利益の2年分を賠償するとしています。。
県と関係団体は今後協議し、賠償案を受け入れるかどうか決める予定です。


福島原発被害東京訴訟第19回期日 弁護団が低線量被ばくについて意見陳述
2016年9月14日 クリスチャントゥデイ
国及び東京電力の原発事故の責任を問う「福島原発被害東京訴訟」の第19回期日が14日、東京地方裁判所13号法廷で開かれました。
同裁判は、原発事故により東京都内に避難を余儀なくされた原告が、損害賠償を求めて東京地裁に提訴したものです。第19回期日で原告側は、低線量被曝が健康に及ぼす影響について意見陳述を行いました。
原告は、低線量被ばくの危険性、危険回避のための避難行動の合理性等を陳述し、避難行動は切実なものであり、その精神的損害は極めて重大なものであり決して許されないと主張しました。


福島)広野町民が集団でADR申し立てへ 
2016年8月16日 朝日新聞 
 広野町は緊急時避難準備区域に指定されていたが2011年9月にその指定が解除されました。解除に伴い東電の賠償(1人当たり月10万円)の支払いは打ち切られています。
広野町は街独自の避難指示も出しており、その指示は12年3月末に解除されています。弁護団は街独自の避難指示が解除された後、1年間は精神的被害が継続したとして、賠償を追加請求する予定です。また、不動産賠償についても価値減少分の賠償を求める方針です


<原発事故>原陪審 精神的賠償増額は否定的
2016年07月28日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201607/20160728_63004.html 
 原子力損害賠償紛争審査会(鎌田薫会長)の委員が
避難区域の4町村を訪れ、町村長と意見交換をしました。委員側は町村長側が求めた精神的賠償の増額については「帰還困難区域は故郷喪失の一括賠償で対応している」と否定的でした。
また、鎌田会長は営業損害賠償の継続に関して東電と関係省庁の会議に基づく形で方策を考えていきたい」と方針を明確にしませんでした。

    (内容の要約は、筆者によるものです。 いしかわ)
                     

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南相馬市避難指示解除―避難者それぞれの選択― Part1(6)

元司法書士佐藤さんの選択(5)

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 小高区商店街
 
元司法書士佐藤さんの選択(5) 
損害賠償
風の冷たさに秋の深まりが感じられるようになった10月、原発事故被害者支援司法書士団無料相談の電話が鳴った。 
一件は浪江町、もう一件は南相馬市小高町の住民で、現在、避難されている方からの相談だった。両者とも今後の生活について、特に賠償打ち切りについての不安感を抱いて電話をかけてきた。
「避難指示の解除に伴い避難先からの帰還が可能となるが、就労損害や慰謝料は打ち切られる。しかし、実際には帰還することなど考えられる状況ではない。賠償が打ち切られれば、生活が困難となる。東電の対応は、ADRでの対応を含め、冷酷で、かつ、打算的である。」などなど、様々な不安や不満を訴えておられた。相談担当者は次のような感想を述べた。
「印象としては、なんらかの手続きを行なうための助力を求めるというより自分が抱えている問題を話す相手を求めているように思えました。自死対策では、「傾聴」の重要性が強調されますが、それと同様に、解決困難な問題を、だれかに聞いてほしいと思っている様子でした。原発被害者に対する、周囲の人々の冷淡な対応にも傷付いているようでした。避難先で、また、東電や国、ADR、行政などの対応によって、孤立していることが感じとれました。被害者が孤立していることは、いろいろな局面で感じていましたが、一層深刻な状況に追い込まれているように感じました。 」
就労損害や精神的損害賠償が打ち切られるのは、政府・東電がもはや損害は生じることはないと判断したことによるのだろう。
現実的には東電原発事故に起因する損害は継続して発生し続けている。特に見逃しがちなのが被害者の心に対するダメージだ。報道では、東日本大震災及びその後に発生した東電原発事故による精神的衝撃を受けたことを原因とする、心的外傷後ストレス障害(PTSD)やうつ病の福島での発症率は高いとされている。長期間の避難生活による不安などを起因とする心の病も突き詰めれば原発事故によってもたらされた被害だ。
それらの病は多くの被災者被害者に著しい苦痛や、生活機能の障害をもたらしている。損害賠償請求では、因果関係があれば賠償の対象になるが、発症した人の内、果たしてどれだけの人が損害賠償の請求を視野に入れているのだろうか。
 東電の定形の補償金請求書には、当初から生命・身体的損害及び精神的損害に対する損害賠償は含まれている。上記被害の一部はここに含まれる。しかし、生命・身体的損害補償金が支払われるためには、因果関係を証明する書類の提出をしなければならないなど高いハードルがある。また、「自宅以外での生活を長期間余儀なくされ、正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたり著しく阻害されたために生じた精神的苦痛 」(注:後記中間指針)に対する損害、いわゆる「精神的損害に対する損害賠償」は、一定の条件をクリアーすれば支払われるが、その内容は抽象的であり、どの範囲でどうしたものが賠償の対象になるのか曖昧であり、具体性を欠くものになっている。
当初から、東電から送られてくる定形の補償金請求書は、一般の人では複雑で理解し難いものだった。それゆえ、未だに正当な請求さえもしていない被害者もいると聞く。それに加えて、原発事故と発症の因果関係の証明の困難さや中間指針の曖昧な精神的損害賠償の規定は、ややもすれば、損害の範囲を矮小化してしまい、正当な請求をも請求の対象にならないというメッセージを被害者の方々に与えてしまう危険性をはらんでいる。

正しく真当な請求をするためには、どうしても手助けする組織や人々が必要だ。また、賠償請求のためだけにとどまらず、被災者の生活や生き方など全般に及ぶ支援も不可欠だ。
佐藤さんは被害者に対するベーシックな法的支援の必要性を次のように説く。
「法律の相談だけではなく、その人の人生、生き方に対処すべきだ。」
「決断できない人に対する支援が必要。」
「最近障害者支援法が施行されたが、障害者の方の支援など、細かい面にをも目を向ける必要がある。」
 小高区の法的な問題や支援の現状について、佐藤さんは次のように分析する。
「住宅損害の未請求者が多い。細かい点が分からないためだろう。」
「担い手である法律家は 10数名弁護士がいる。法テラスはなくても支障ない。」
「司法書士に対する要望には、休眠抵当の処理、相続等がある。」
「調停は意外と増加していないが、離婚は増加している。」
 
損害賠償請求は一段落したと捉える風潮もある。しかし、被害は継続して発生し続けているというのが現実であり、損害がある限りは賠償がなされるべきであるというのが原則だ。そうした意味で政府の打ち出した賠償打ち切りの方針は納得できない。

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   解体中の家屋も多い(小高区)

佐藤さんの決断
佐藤さんは、避難指示が解除後は、自宅に戻る決断をしている。
自宅を解体し除染を行い自宅を新築する予定だ。
「帰る、帰らないの判断は個々に任せるべき。」
それぞれがそれぞれの選択を決断しなければならない時期になろうとしている。

注:平成23年8月5日原子力損害賠償紛争審査会中間指針
生命・身体的損害
(指針)
避難等対象者が被った以下のものが、賠償すべき損害と認められる。
Ⅰ)本件事故により避難等を余儀なくされたため、傷害を負い、治療を要する程度に健康状態が悪化(精神的障害を含む。以下同じ。)し、疾病にかかり、あるいは死亡したことにより生じた逸失利益、治療費、薬代、精神的損害等
Ⅱ)本件事故により避難等を余儀なくされ、これによる治療を要する程度の健康状態の悪化等を防止するため、負担が増加した診断費、治療費、薬代等

精神的損害
(指針)
Ⅰ)本件事故において、避難等対象者が受けた精神的苦痛(「生命・身体的損害」を伴わないものに限る。以下この項において同じ。)のうち、少なくとも以下の精神的苦痛は、賠償すべき損害と認められる。
① 対象区域から実際に避難した上引き続き同区域外滞在を長期間余儀なくされた者(又は余儀なくされている者)及び本件事故発生時には対象区域外に居り、同区域内に住居があるものの引き続き対象区域外滞在を長期間余儀なくされた者(又は余儀なくされている者)が、自宅以外での生活を長期間余儀なくされ、正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたり著しく阻害されたために生じた精神的苦痛
② 屋内退避区域の指定が解除されるまでの間、同区域における屋内退避を長期間余儀なくされた者が、行動の自由の制限等を余儀なくされ、正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたり著しく阻害されたために生じた精神的苦痛

中間指針第四次追補
「帰還困難区域又は大熊町若しくは双葉町の居住制限区域若しくは避難指示解除準備区域については、第二次追補で帰還困難区域について示した一人6 0 0 万円に一人1 ,0 0 0 万円を加算」
「長年住み慣れた住居及び地域が見通しのつかない長期間にわたって帰還不能となり、そこでの生活の断念を余儀なくされた精神的苦痛等を一括して賠償」

(記事中に書かれた佐藤さんの発言部分は、筆者がまとめたものです。)
                   (いしかわ)
                               
(※このコメント記事は執筆者個人の見解であり、原発事故被害者支援司法書士団を代表するものではありません。)   

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南相馬市避難指示解除―避難者それぞれの選択― Part1(5)

元司法書士佐藤さんの選択(4)
元司法書士佐藤さんの選択(4)
復興(2)
小高区の主要産業は農業だ。したがって、地域の復興には農業が震災前の状態に戻ることが重要なファクターとなる。
 農業の復活にはいくつかの不可欠な要素が考えられる。中でもとりわけ重要と考えられるのが、除染と農業従事者の意欲と後継者の問題だ。
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除染
環境省は、南相馬市において、特別地区内除染実施計画(南相馬市)に基づき、旧警戒区域及び旧計画的避難区域で除染を実施している。これにより、放射線量は軽減される予定だ。完了目標は平成28年度末。平成28年4月30日現在の除染実施率は、宅地では、ほぼ100パーセント、農地では34パーセントとされている。
我々が訪れた六月、町の郊外の農地では、除染中の旗があちこちで見受けられ、除染作業が進められている様子が見て取れた。
放射能汚染が農業経営に及ぼす影響には、直接作付けされた農作物に及ぼされる影響と消費者のマインドの及ぼされる影響とが考えられる。田畑の除染後の線量測定結果や農作物の出荷時の線量検査によって、放射能の影響は科学的に数量化できる。測定結果や検査結果が安全基準以下であれば農作物を食しても人体に影響はなく安全と一応いえる。しかし、それが消費活動に結びつくには、消費マインドがいかに改善されるかに懸かっている。いわゆる「風評被害」問題だ。
「風評」の意味は、「(よくない)うわさ。世の中の取りざた。(大辞林 第三版)」とされている。ありもしない噂や誇張された報道・噂などにより被害が発生した場合は「風評被害」とされても間違いがない。しかし、原発事故に起因する消費活動の低下は、その背景には、一口に「風評被害」と括れない複雑な消費者の心理が見受けられる。消費者の心のなかでは、報道や公的機関等から発せられたデータや科学・医学的知見に対する不信感や漠然とした恐怖感などが幾重にも織りなされ、それが購買意欲を削いでいるのではないだろうか。
一口に「風評被害」といわれるが、消費者がいろいろな情報を総合判断した上で商品を選択する行動まで責めるのは、被害の原因を消費者に転嫁しているようであまり賛成できない。とはいえ、第一原発の事故により漏れた放射能被害により被災地の農作物が売れないことは確かであり、放射能の恐怖から消費者マインドが解き放され「風評」による被害が改善されるための方策を考えることが極めて重要なことであることは言うまでもない。一方で「原発事故」による損害が現在も継続していることを改めて認識することも重要で、東電の賠償打ち切り如何にかかわらず損害賠償は損害の続く限り継続して請求していくことが必要だろう。
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イメージ写真です。記事との関連性はありません。

農業従事者の意欲と後継者
「小高に帰る人の見込みは3000人。帰る人はほとんどが高齢者。若者は帰らない。」とすれば、放射能汚染の問題に見通しがついたとしても、肝心の農業従事者にとっての将来は必ずしも明るいものとはならない。
今、全国で、農業従事者の高齢化・農業後継者不足による農業衰退の危機が叫ばれている。全国で起きているそれらの動きは、何年もの長い期間をかけて徐々に進行する。福島ももちろん例外ではないが、原発被害地域で起きていることは、原発事故を契機として、まるですっぽりと何十年間もの時間が切り取られたように急激な住民の高齢化・過疎化が進行しているという深刻な事態なのだ。
 農業を再開するためには、何よりも農業従事者自身の意志に基づく自立した行動が基となるが、佐藤さんは、「現在の農業者にこれから立て直していくという意欲は感じられない。5年の月日は長い。」と感じている。こうした状況下で、帰還後の農業の再開する意欲を高めるためには何らかの行政の支援が不可欠だ。
「農水省は、農業を次世代に引き継うように再生事業を計画している。農業=わが国の食糧を維持するというのは政策の柱。それ故に農業再生事業は重要と考えているようだ。」
「しかし、震災前の形態に農家を戻す事業とは考えられない。NPOや株式会社の参入を考えて、これからの農業再生のモデルケースとしようとしている節が見受けられる。」
これからの農業の形として集約化、効率化を進めようとしているとすれば、それは農業再生の一つの回答であるかもしれない。「一方、現在のまま農業を続けることを希望している農業者は希望が持てない。」と佐藤さんは将来を憂える。

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南相馬市避難指示解除―避難者それぞれの選択― Part1(4)

元司法書士佐藤さんの選択(3)

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復興(1)
 避難指示が解除された7月12日の朝、5年4ヶ月ぶりに乗客をのせた列車が小高駅に到着した。
常磐線は、原発事故が原因で南相馬市の小高駅から原ノ町駅の9・4キロ間が不通になっていたが、避難指示が解除されたと同時に5年4ヶ月ぶりに運転が再開された。復興には基礎的インフラが整備されることが不可欠だ。常磐線の運行再開は、本格的な復興に向けての第一歩として、印象的な出来事であった。
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小高駅から西に少し歩を進めると、真新しい災害公営住宅「小高東町団地」(2DK平屋14戸、3DK2階建6戸、集会所1棟)が見える。既に竣工し、入居が始まっている。
駅から西の地域では、解除後の市街地整備として、小高駅から小高神社の参道に折れるまでの商店街を中心に「小高区市街地整備基本計画」が推められている。
その整備計画の中心である「小高区復興拠点施設」は、平成30年4月までに完成する予定だ。具体的な計画の内容は、敷地面積約5600平方メートル、入浴施設、集会・宿泊施設屋「えんがわサロン」交流の場となる「お座敷サロン、お茶の間サロン」、屋内遊びなどが予定されている複合施設だ。コンセプトは、「多くの人を呼び込むことで『交流』を促し、『賑 わいと活気』を創出する。」ことだと小高区地域協議会説明資料には記されている。

人影のない整備計画の対象地を歩くと、空き地が目立つ。住民の方のお話によると、地震と長期間放置されたダメージで取り壊しを余儀なくされた住宅の敷地後だという。柱が少ないため耐震性の弱かった商店は一般の住宅よりも取り壊された割合が多いそうだ。街を歩きながら、佐藤さんの「小高区の復興は、人口が3000人程度、帰還者は高齢者に偏る等を前提とした「まち」づくりをすべき。」という言葉が頭に浮かぶ。
避難者たる個人にとっては、生活の再建が最も優先される事項だ。市や県等の行政が描く計画は、基本的なインフラ整備から、将来に向けての施策など十分に配慮された内容だ。しかし、帰還した後、人口の減少した街で生活維持に必要な収入を元の生活レベルまで上げていく方策は、個々の個人に託される部分が多い。行政が描く計画は、人口が減少し著しい高齢化の下での「まちづくり」という視点を十分に考慮しているかといえば疑問が生じる。
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たとえば、商店の経営を考えると、人口減少すなわち顧客の減少及び高齢化に伴う将来的な市場の縮小という高いハードルがそびえる中での再開となる。
コンビニを例に取れば、一般に、1店舗あたりの損益分岐点は1日40~50万円、1ヶ月1200~1500万程度と言われている。客単価は約700円、来店客数は600人~700人が必要な数字だ。帰還者予想3000人の町で開業するには、かなり勇気を要する数字ではないだろうか。
「今までも小高は過疎地。帰る人の見込みが 3000人だとすれば過疎が急激に加速する。帰る人はほとんどが高齢者であり、近い将来的には突然人口が減少する可能性がある。」
「3000人が戻ると予想されるが、戻った人が快適に住めることを中心に予算を構想すべきだ。例えば、高齢者に対しては交通手段を確保するなど生活に必要不可欠なものに重点を置くべきだろう」
「復興予算はだれのための予算なのか。本当にやるべき事業なのが、やるべき施策なのか疑われる使い方がある。」という佐藤さんの言葉は重い。

                   (いしかわ)  

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