原発損害とこれからの生活を考えるblog

by原発事故被害者支援司法書士団 team of shihosyoshi to support compensation for nuclear accident victims         

原発被害者の失ったものは何か?
様々なものが失われました。
失われたものを取り戻すために、何をすべきなのでしょうか。

最近の原発損害賠償に関する情報(2017年6月)

最近の原発損害賠償に関する情報(2017年6月)

自主避難者に対する住宅支援打切り
 自主避難者に対する住宅支援が避難者の実情を無視した形で三月末で打ち切られました。
国や行政は支援の打ち切りの理由として放射線量の低下等をあげています。
 しかし、今回の措置によりやむを得ず自宅に戻った方々、これまで通り避難生活を継続するぜざるを得ない人達、どちらも今後もずっと原発被害者であることに変わりがなく、打ち切りによって原発被害者としての立場が変化したものでもありません。
 先日の前橋地裁の判決では、自主避難者に対する損害賠償も認められました。判決では、「具体的な健康被害が生じることが科学的に確証されていることまでは必要ないものの、科学的知見その他当該移転者の接した情報を踏まえ、健康被害について、単なる不安感や危機感にとどまらない程度の危険を避けるために生活の本拠を移転したものと言えるかどうかが重要 」とし、いわゆる「平穏に生活する権利」が侵害されたことを認めています。
 国や行政は支援法の精神に則って今後も被害者の支援を継続して行う責任があるのは言うまでもありません。4月に入ったら突然、避難者の方の放射能に対する不安等が解消され「平穏に生活する」ことができるわけでもないのですから。
・支援打ち切り「困窮強いられる」原発被害者3団体が会見
ourplanet  03/09/2017


福島原発事故賠償判決の衝撃
 第一原発の事故で群馬県に避難した原発被害者が、国と東京電力に対して一人当たり1100万円の損害を求めた集団訴訟で、前橋地裁は3月17日、原告の一部62人に総額3800万円の支払いを命じました。
 裁判では、津波津波の予見性について争われました。判決では予見可能であり、国と東電が対策を講じていれば津波による被害を防ぐことが可能だったと結論付けました。
この判決に対して各方面から様々な意見が寄せられています。
・福島原発事故「防げた」 前橋地裁が国と東電“断罪”の衝撃
2017年3月18日日刊ゲンダイ
・社説[原発賠償判決]断罪された国の不作為
沖縄タイムス2017年3月20日
・原発避難、国の責任認める判決「裁判官の勇気あるメッセージ」島弁護士が語る意義
弁護士ドットコム2017年03月29日


除染作業中の事故に対する損害賠償提訴
 トラックの荷台の一部が落下する事故で右足を骨折した男性が、1952万円の支払いを求めて横浜地裁川崎支部に損害賠償の訴えを提起しました。
訴えによると、男性は後遺症で就業が困難になった上、雇用先の下請け会社の労災隠しにより精神的苦痛とを受けたとして賠償を求めたものです。
・福島原発
除染労災隠し 元作業員が1次下請けを賠償提訴
毎日新聞2017年4月24日


元社員が告発賠償業務の実態
東電の賠償金支払いの多くは 東電に対する直接の請求によって支払わられているのが実態です。
東電の担当者からから見た場合、賠償業務はどのようなものなのか。
驚くべき実態がリポートされています。
・元社員が実名で暴露! 東電原発事故、賠償業務のヒド過ぎる実態
2017年05月16日 06時00分    週プレNEWS


顧客を失ったことによる損害賠償が認められる
 原発事故により調律の仕事が減少したことにより被害を被った調律師への賠償が認められました。
原発事故により顧客が避難を強いられたため顧客を失ったとして営業所の損害賠償を求めた訴訟の判決が5月17日仙台地裁で言渡されました。
判決では東電の責任を認め、80万円の調律師への損害賠償が認められました。
取引先を原発事故により失ったことにより損害賠償義務があるという判断は画期的と原告代理人は語っています。
原発訴訟 調律師への賠償認める 顧客失い損害、東電に責任
産経ニュース2017.5.18


避難区域外農林業賠償、来年1月以降分提示を東電に求める
 避難区域外農林業賠償については、実際に生じた損失を東電が支払う枠組みが今年12月まで維持されますが、原子力損害対策協議会と福島県は来年1月以降の賠償についても早急に賠償基準を提示するよう東電に要求しました。これに対し、東電は具体的な方針については言及しませんでし
た。
・避難区域外農林業賠償案 来年1月以降分提示を 県対策協など東電に求める
福島民報2017/06/01


 原発事故に関連したことでお悩みの方やご不満がある方は、原発事故被害者支援司法書士団にご相談ください。
 原発事故被害者支援司法書士団では、原発事故被害を受けられた皆様のために「無料相談」を実施しています。
 お悩みの方、ぜひ、ご相談ください。(下記フリーダイヤルにお電話ください。)
  (内容の要約は、筆者によるものです。いしかわ)                     

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(受付時間:月~金(祝日を除く)10:00~16:00)
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5月連休の長岡市山古志(旧山古志村)

5月連休の長岡市山古志(旧山古志村)
5月の連休に長岡市山古志(旧山古志村)に行ってきました。 
山古志は2004年10月23日に発生した震度6強の新潟県中越地震より壊滅的な被害を受けた地域です。
旧山古志村は、その地震で村民の死者5名、全壊家屋339棟を含む747棟の家屋損害という大きな被害を受けました。地震のため村に通じる全ての道路が寸断され孤立した村には全村民に対し避難命令が出され、全村民が避難生活を余儀なくされました。
避難命令により、その後村民は仮設住宅等に避難生活を長期間強いられましたが、3年後の2007年4月に避難指示が解除されたことにより村に戻ることができるようになりました。
地震前の旧山古志村の総人口は2184人、解除により約70%の村民約1500人が帰還しました。

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長岡市山古志支所の隣に「やまこし復興交流館おらたる」があります。
そこでは、パネル写真やプロジェクションマッピング、村の紹介映像などで中越地震の模様を再現したり復興の状況あゆみなどを展示しています。山古志村のジオラマの上に映し出された映像で地震の恐ろしさや被害の甚大さを実感できました。
 係員のお話によりますと現在の山古志の人口は約1000人ほどに減ったそうです。過疎化が確実に進行して人口が減少しているようです。
帰村した人たちは高年齢層が多く、帰村せず他地域に移り住んだ人たちは子育て世代以下の年齢層が多かったようです。そうした年齢層の偏りから、その後の山古志では過疎化に拍車がかかっているいるようです。
帰村しなかった農家の人たちも耕作地を放棄したわけではなく、昼間耕作し夜になると新たな居住地に帰って行く人が多いそうです。
そんなわけで山古志地区は、もしかしたら、昼間のほうが人口が多いかもと、係の方が笑顔でおっしゃっておりました。また、子供が少ないのが寂しいとも語っていました。

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「やまこし復興交流館おらたる」の一部に錦鯉が展示されておりました。
山古志地域は錦鯉発祥の地と言われています。
山古志で鯉が飼われるようになったのは数世紀前にさかのぼります。棚田に池を作り食用の鯉をったのがその始まりらしいと伝えられています。その後鑑賞魚として性質を変えていき現在では世界各地に愛好家がおり山古志を代表する産業になっています。
 交流館のお土産売り場に「かぐらなんばん」を原料に使ったサイダーが売られていました。「かぐらなんばん」はピーマンより一回り小さい大きめの唐辛子のことです。唐辛子で作ったサイダーと言われましたので飲む時にやや腰が引けておりましたが、やや刺激がある程度で全く辛くもなく爽やかな味のサイダーでした。
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山古志地域の各所で棚田の美しい風景が見られます。
棚田は山間地の傾斜地に作られた田で、山の斜面に面積の小さい田が階段のように何層も何層も連なる風景は 写真家の垂涎の撮影スポットになっているようです。
訪れた時はちょうど田植えの準備のために水が田に貼られ新緑の中でまるで絵のように美しく輝いていました。かつての日本の山村はこのような姿であったのかと思いを馳せました。

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中越地震の被災地は、地震前から山古志村を含め過疎化の進行していた地域です。震災の後、被災地では利便性を求めて地域を離れる人が増え、過疎化高齢化の波が一気に押し寄せました。他の日本の地域でも過疎化高齢化は進行していますが山古志村では地震を機にその流れが一気に加速してしまったようです。
 福島第一原発被災地は、最近続々と避難指示が解除され住民の帰還が始まっています。山古志の地震後の経緯や現状から、被災地でも同様な事が起きる可能性はきわめて高いと推測されます。
                (いしかわ)                     

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南相馬市社会福祉協議会主催講演会の講師

南相馬市社会福祉協議会主催講演会の講師

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 南相馬市にある、介護予防デイサービスセンター「サポート拠点元気塾」にお邪魔
しました。
 そこで私たちは、「相続について」講演をさせていただきました。
主催は南相馬市社会福祉協議会、福島県司法書士会が支援して開催された講演会です。
聞いていただいた皆さんは、元気塾に通所している15人の方々です。年齢は平均推定70から80才過ぎと思われます。女性の方が多かったようです。
このブログに掲載(ブログ画面左端カテゴリー相続(7))されたものを題材に、「相続」と「成年後見」について二人で掛け合い漫才のように、わかりやすく話させていただきました。「元気」という塾の名のとおり、皆さんお元気で、講演中には笑いや質問も飛び出し、賑やかな会となりました。
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講演会の前に、施設の近くの「かしま福幸商店街」で昼飯をとりました。「かしま福幸商店街」は、プレハブ造りの仮設商店街です。
ラーメン屋さんが営業しておりましたので、そこで美味しいラーメンをいただきました。
通り沿いにある商店街入口にあった看板には、11店舗の店舗名が記載されておりましたが、営業中の店舗はラーメン屋さん1店舗でした。
看板には「がんばろう ふくしま!」のタイトル文字が書かれていました。その下には、
「この施設は東日本大震災で被災された事業者等にご利用いただくため、南相馬市および中小機構が鹿島商工会の協力のもと共同で整備しました。事業再興の場としてお役に立てていただきたいと願っております。」と、この商店街の設置の目的が書かれていました。
現在、ほとんどの店舗は営業している様子もなく、既に閉店した模様です。
東日本大震災から6年余、この商店街の役割もその目的を終わりつつあるように見えました。

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  (さくらい&いしかわ)                     

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福島・浪江町、避難指示一部解除

福島・浪江町、避難指示一部解除

 平成29年3月31日、
浪江町内全域に出されていた避難指示は、「帰還困難区域」を除いて解除されました。
 浪江町役場は、平成29年4月1日から再開され業務が行われています。町内では、工事中の家屋も散見されましたが、住民の方の帰還はほとんどされていない印象でした。
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 浪江町の海岸からは、東電第一原発の施設の一部が見えます。
第一原発の距離は、最も近いこの地域から約4km、浪江町役場までの距離は約8kmです。沿岸部にある空間線量計は値は、0.213マイクロシーベルトでした。 
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浪江町は、津波によっても甚大な被害がでました。
「浪江町の現状と課題」(平成24年6月浪江町役場)によると、津波被害は、津波浸水面積が6k㎡、死者及び行方不明者が184名 (内、津波による死亡及び行方不明者 182名)、 流出した家屋は604戸とされています。
 役場から海岸に向かい車を走らせると、沿岸の近くに、大量の瓦礫が集積された集積場がありました。海岸べりでは、防潮堤の工事中で復興の足音が感じられる現場もありました。その一方、雑草の生い茂った周辺の被害地には今なお津波で破壊された建物が残されていました。
 津波により漁港は壊滅状態になり、漁業に対するダメージは甚大で震災前の状態に復旧するにはこれからまだ多くの時間が必要となるでしょう。この地域では原発事故被害だけではなく、津波という巨大な自然災害による被害も発生しているという事実を再認識させられる風景が目の前にありました。 
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福島・富岡町、避難指示一部解除

福島・富岡町、避難指示一部解除

桜咲く
富岡町に行ってきました。
 4月1日、福島県富岡町では、帰還困難区域を除く居住制限区域と避難指示解除準備区域が解除されました。富岡町民約9600人、約7割が対象となります。
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夜ノ森の桜並木
夜ノ森の桜並木は、浜通りを代表する桜の名所です。約1500本の並木が桜のトンネルを作っています。樹齢100年を超えるソメイヨシノもあるそうです。

 解除前には、ほとんど人影を見かけなかった通りにも、ちらほらと花見客が桜のトンネルを散策してしている姿が見られました。夜には桜がライトアップされるそうです。
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 帰還困難区域との境にはゲートが有り、立ち入ることは出来ません。ゲート脇には「富岡は負けん!」と書かれた看板がありました。
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 富岡町役場は、3月6日に移転先の郡山市から同町の庁舎に戻り、本格的に業務を再開しています。
 庁舎内では、職員が普段道理に業務を進めていましたが、訪れる住民の姿を見かけることはありませんでした。
 町内の家々の状態は解除前とほとんど変わっていませんした。帰還の動きもこれから徐々に進むのではないでしょうか。
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富岡町は、東京電力福島第一原子力発電所から、そう遠くない位置にあります。
国道6号線からは、発電所の施設が間近に見えます。
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原発損害賠償と相続(Part3―2)

今回のテーマは「相続の放棄」です。

Q3:夫は数年前に死亡しているのですが,相続放棄の申述をすることはできるのですか。
A:相続放棄の申述は,相続人が相続開始の原因たる事実(被相続人が亡くなったこと)及びこれにより自己が法律上相続人となった事実を知ったときから3か月以内に行わなければなりません。ただし,相続財産が全くないと信じ,かつそのように信じたことに相当な理由があるときなどは,相続財産の全部又は一部の存在を認識したときから3か月以内に申述すれば,相続放棄の申述が受理されることもあります。裁判所にもよりますが、現在この条件は比較的ゆるやかに考えられていますので、三ヶ月を過ぎてしまった人でもあきらめずに司法書士等の専門家に相談するのがよいと思います。

Q4:兄が多額の借金を残し3年前に死亡しました。2ヶ月前ほど゜に、兄の妻から子とともに相続放棄をしたと聞きました。私はどうしたらよいのでしょうか。兄と私の父母(祖父母も)は兄より先に亡くなっています。
:あなたも兄の相続人になりますので、放置すれば多額の借金を背負うことになります。相続放棄の手続きを速やかにした方がよいと思います。法定申述期間の三ヶ月ですが、あなたが兄の相続人になったのを知ったのは、兄の妻から相続放棄をしたことを聞いたときからですので、まだ三ヶ月経過していません。

Q5:相続放棄の申述が受理されたときは,どのような手続をすればよいのですか。
A:亡くなった人の財産を管理している場合は,相続人に引き継ぐことになります。また,債権者から債務の請求をされている場合には,債権者に対して,家庭裁判所で相続放棄の申述が受理されたことを連絡するのがよいかと思われます。 債権者から次のQ6の証明書を求められることもあります。                                    

Q6相続放棄が受理された証明書がほしいのですが,どのように申請するのですか。
A:相続人がAとBで、Bが相続放棄をしますと、A人が相続についての手続き、たとえば相続登記、自動車の名義書換、金融機関の預金払戻、等様々な手続きをする場合に、この相続放棄申述受理の証明書が必要になります。                           これをBさんが取得するには、家庭裁判所に備付けの申請用紙がありますので,申請用紙に必要事項を記入し,1件につき150円分の収入印紙,郵送の場合は返信用の切手を添えて,受理をした家庭裁判所に申請してください。直接,受理した家庭裁判所まで申請にいらっしゃるときは,印鑑及び通知書や運転免許証などの本人を確認することができるものを持参してください。Aさんなど第三者が申請する場合は他に利害関係を証明する書類等が必要になります。たとえばAさんが相続人であることがわかる戸籍謄本などです。なお、相続放棄が受理されますと、裁判所から「相続放棄申述受理通知書」がBさんに送付されてきます。これを証明書の代わりに使える手続き(相続登記等)もあります。

Q7:亡き父甲の相続人はわたしAとBの二人です。Bが相続放棄したか調べる方法はありますか。
A:家庭裁判所(被相続人の最後の住所地を管轄する)に、相続放棄の有無についての照会をするという方法があります。照会には利害関係を証する書面等が必要になります。Aさんの場合は、甲の死亡した記載のある戸籍謄本、ABが甲の相続人であることが解る戸籍謄本等です。
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原発損害賠償と相続(Part3―1)

今回のテーマは「相続の放棄」です。

相続手続きはお早目に
 東日本大震災と、それに伴う原発事故から6年がたちました。
東北地方では、震災によって様々な問題が発生しています。相続問題はその一つです。被災地では、相続が済んでいないケースが多々見受けられるようです。相続未了のまま放置されている不動産も多数あるそうです。
 東京電力の賠償は、相続登記未了の不動産に対しても、ある一定の条件をクリアすれば取り敢えずなされることになります(下記東電プレスリーリース参照)、賠償金が支払われた後、相続未了の土地にある建物の立替などをしようとすると、相続登記をすることが必要となります。また、相続未了のまま放置しますと、相続人が増加して遺産の分割がうまくいかないなどのトラブルが起きるリスクが増加する恐れがあります。
なるべく早く相続の手続きを進めることをおすすめします。

東京電力の賠償請求手続きに係る相続の取り扱い
プレスリリース 2013年
宅地・建物・借地権等の賠償に係るご請求手続きの開始について
平成 25年3月29 日
「*4  相続登記がされていない不動産については、原則として、相続人の方全員を戸籍謄本などで確定していただき、遺産分割協議書や相続人の方全員の同意書によ り、ご請求者さまが当該不動産を所有されている、もしくは損害賠償請求権をお持ちであることを確認し、その持分割合に応じて賠償させていただくことになり ますが、上記の他にもご所有を確認させていただく方法について、一定の条件を満たす方を対象に緩和措置(原則二親等以内の相続人の同意書、公正証書による ご確約など)を実施させていただく予定です。相続等の登記がお済みでない資産については、今回の賠償では一旦保留とさせていただきます。」
*注:緩和措置…下記参照

今回のテーマは「相続の放棄」です。

「相続の放棄とは何ですか?」
Q1:相続人みんなで話し合い兄に全部相続させました。私は何ももらいませんでした。私がしたのが相続の放棄ですか。

A:
これは民法で定めている放棄ではありません。兄に遺産全部を相続させることを遺産分割協議で決めただけです放棄は家庭裁判所で手続きをしなければいけません。
 では、相続放棄と遺産分割協議で何ももらわないのとでは、どこが同じでどこが違うのでしょう。プラスの財産を何ももらわない点では同じです。違いはマイナスの財産、いわゆる借金を引き継ぐかにあります。相続放棄をすると、その人は相続人でなかったことになりますから、借金も引き継ぎません。しかし、遺産分割協議で何ももらわない場合は、その代りに借金も引き継がないと分割協議で決めても、債権者には効力がありません。法定持分に応じて負担することになります。借金が1000万円で相続人が子2人なら、何ももらわなかった子も、債権者から請求されたら500万円を支払わなくてはなりません。
放棄が行われる多くの場合は、被相続人の多額の借金を逃れたい場合です。また、こんな場合も相続放棄したほうがよいでしょう。被相続人が会社役員で会社債務の連帯保証人になっている場合で、長男が会社その他の財産を引き継ぎ、次男は何ももらわないような場合の、次男の場合です。
なお、参考までに民法の条文を下記に掲載します。
第938条(放棄の方式)相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。
第939条(放棄の効力)相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初から相続人とならなかったものとみなす。
 

Q2:相続の放棄したいのですが、その手続きを教えてください。
 被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に相続放棄の申述をします。
相続放棄の申述は,原則相続人が相続開始の原因たる事実(被相続人が亡くなったこと)及びこれにより自己が法律上相続人となった事実を知ったときから3か月以内に行わなければなりません。
必要書類は、被相続人の死亡の記載のある戸籍又は除籍謄本と戸籍の除附票か住民票の除票と放棄する人が相続人だと解る戸籍謄本等です。
 相続の放棄の手続きについての申請書、添付書類等の詳細は次の裁判所のホームページを見てください。
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_03_5/index.html  
              (さくらい&いしかわ)      
  

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最近の原発損害賠償に関する情報(2017年3月17日原発避難者訴訟)

最近の原発損害賠償に関する情報(2017年3月17日原発避難者訴訟))

福島第一原発事故により避難を余儀なくされた避難者45世帯137人が前橋地裁に損害賠償を求め提訴した集団訴訟の判決が3月17日言い渡されました。
報道によれば、原告の請求は1名あたり1100万円(うち、弁護士費用100万円)、請求金額合計15億700万円でした。それに対して以下の賠償が認められました。
 認容金額合計3855万円
 全部棄却72名
 一部認容62名
 避難指示等区域内の原告数72名 うち認容19名
  最高額350万円 最低額75万円
 自主的避難等区域内の原告数58名 うち認容43名
  最高額73万円最低額7万円
  (相続分を合算した者102万円)
認められた賠償額は原告である原発被害者にとっては厳しいものとなりました。判決では、津波が原発の敷地内に到達しため建屋地下に設置された配電盤が浸水し冷却機能を喪失したことが原因であり、東電はそれを予見でき、それに対する注意義務があったことを肯定しました。
損害賠償額の認定にあたっては、国の中間指針は、あくまで自主的に解決するための指針で、指針を超える損害は最終的には裁判などで判断されるとし、中間指針を超える賠償を認めました。一方、賠償額の算定では、原告の求めた額には程遠いものになりました。一部の原告の賠償が認められなかったのは、東電から支払われた慰謝料を上回る賠償額が認定されなかったためということです。判決は、国の責任を東電と同等に認めるなど今後の原発損害賠償に関する裁判の方向を示す画期的なものであることは間違いありません。しかし、新聞報道でも、「原告、笑顔なき勝訴」等々伝えているとおり、原告である原発被害者にとっては、長い間の戦いの結果としては満足のいく結果には程遠いものでした。

原発避難者訴訟 判決要旨
2017年3月18日 東京新聞
20年続けた仕事を失い、収入は3分の1に…」原発避難訴訟、原告たちのリアル
2017 年3月18日BuzzFeed News 
前橋地裁判決を受けての弁護団声明 
原子力損害賠償群馬弁護団

    (内容の要約は、筆者によるものです。 いしかわ)
                     

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6年目の3月11日を迎えて:自主避難する自由を守れ

自主避難する自由を守れ

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6年目の311日を迎えて
自主避難する自由を守れ
あの大震災、そしてそれに引き続いて起こった原発事故から6回目の311日を迎えた。マスコミは1週間ほど前から、思い出したように大震災及び原発事故の特集を開始しているが、普段、原発事故の報道に接することはほとんどなくなっている。事故の被害者たちは今どうしているのか、当事者以外でこのことを気にかける人は、最早少ない。
そんな中、国は「避難指示区域」の看板をはずすことに熱心である。良い言い方をすれば「復興を加速する」と言うのだろうか?この331日にも飯館村(帰宅困難地域除く)や川俣村山城屋地区のなどの地域が解除され、残る「避難指示区域」は、帰宅困難地域と一部の避難指示解除準備区域のみと、福島県内でもかなり限られた地域になる。
避難元の避難指示が解除された場合、避難し続けている人は自動的に自主避難者となる。もはや避難元に帰れない理由は、個人的事情以外に無くなる。地元には最低限のインフラは整備されているし、放射線の被爆という点では問題がない、と判断されたからである。しかし、地元に帰る「自主避難者」は多くない・・・。なぜ、帰らないのだろうか?
まず、インフラの整備が最低限であり、希望する仕事もない、ということが挙げられるかもしれない。しかし、それだけではない。家族の安全ということも関心の中心に位置するであろうことは容易に想像できる。
避難指示解除に至った地域であっても、それは福島県以外の地域と同じように安全になったということを必ずしも意味するわけではない。最低限「年間20m㏜以内の被爆」という「福島基準」に適合した、ということに過ぎない場合もある。他の地域の「年間1m㏜」の20倍という基準での「安全確認」である。放射線管理区域の被爆限度は年5.2m㏜、原発労働者などが白血病を発症した場合の労災認定基準が年5m㏜、であることを考えれば、「20m㏜以内」という基準がいかに高いものであるか、安全と言い切れないものであるかは明らかである。全国一律の基準で考えるべきではないのか。
また、福島原発の廃炉作業の混迷もあげられる。「メルトスルー」は現実のものであり、廃炉作業をするにも燃料デブリがどこに存在するか確かめる術も今のところない。その危険で、何十年かかるかわからない廃炉作業をしているすぐそばに戻るということは、決して気楽なことではない。
その他にも、自主避難者が家賃の補助以外なんの公的補償もないにも拘らず避難を続けることの理由は様々あるだろう。しかし、本稿はその理由を明らかにすることが目的ではない。多くの自主避難者が帰還をためらっているこの3月末、自主避難者に対する家賃補助が原則として打ち切られる。一部の報道には、家賃補助打切りに対し反対するものも見られるが、世間の反応は鈍い。しかし、生活に困窮する自主避難者にとってはそれこそ切実な問題である。
世間の鈍い反応は、震災後6年間で継続的に形作られたものである。震災直後、世間の目は震災被害者に同情的で、なんとか被災者の役に立ちたいと様々な働きかけが見られた。
しかし、震災から時間が経つとともに、人々は多くの地域が避難指示解除され、それら地域で昔の伝統が復興したというニュースを聞く。マスコミは明るい側面を強調し、帰還し故郷を盛り上げようと活動する人を数多く取り上げる。人々は、もう福島は大丈夫なのだと感じ始める。
そんな中、原発の賠償金が何兆円という額になる、というニュースが出る。世間は、それが我々の電気代に跳ね返るのではないかと考え始める。そして、街では被害者が賠償金でパチンコに入り浸っている、などということが喧伝され始める。自主避難者は一時金をもらっただけで(一時金さえもらっていない人もいる)、避難する費用にも足らなかったのに、周囲からは賠償金を沢山貰っているはずだと嫉妬の目で見られる。避難元にたまに帰れば、あの人はなんでもないのに帰ってこない、と裏切者扱いをされるようで落ち着かない。今はなるべく福島から避難していることを知られないよう、隠れるようにして生きている。
そんな悲しい連鎖の中で、自主避難者は避難を続けている。ほとんどの自主避難者は子供を抱え、子供を被爆から守りたい一心なのに・・・。
 そもそも「自主避難者」という呼称自体、当事者としては疑問を感じる向きがある。元々避難指示区域以外に居住していた人は、確かに避難指示で強制的に避難させられたのではない。自分の判断で避難したのだから「自主」避難者であるという点では間違いない。しかし、元いた場所に住んでいたかったのに、未曾有の原発事故が起こったため、被害を受ける可能性があると判断したから避難したである。そもそも避難生活を望んだ訳ではない。高い線量から子供や家族を守るために、「やむにやまれず」避難をしたのに過ぎない。
そして、国の判断ではなく、自分で危険かどうかを判断することは、少しもおかしなことではない。自分が危ないと思ったから逃げる、それは極々当たり前のことであり、自分が、そして自分の子供が危ないと感じるのに避難できない状況があれば、それは間違いなく不幸な状況ではないか。
自分の判断で避難する。その理由は他人がとやかく言うべきではない。避難するか、済み続けるかの判断について、自主性を尊重することが「子供被災者支援法」の要諦であったはずである。ところが、「子供被災者支援法」は、その基本方針の策定の際、完全に骨抜きにされてしまった。
チェルノブイリ事故の5年後ウクライナで成立したチェルノブイリ法には、1m㏜~5m㏜以内の地域の住民には「避難の権利ゾーン」が設定され、避難するか居住し続けるかを選択でき、どちらにしても必要な支援が受けられる。ところが、日本には20m㏜以内の地域に住む人には、「被爆を避ける自由」が与えられていないのである。いかに、ウクライナと日本の国土の大きさや地価、そして人口密度などの事情が違うにせよ、余りにも被災者の人権を軽んじているのではあるまいか?
自主避難者は、公的補助は家賃補助のみという状況の下で、困窮に耐えつつ避難を続けている。この人たちの家賃補助を停止するのは、避難する自由を奪う事であり、大きな人権問題なのだ。
(みやざわ)                     

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最近の原発損害賠償に関する情報(2017年2月)

最近の原発損害賠償に関する情報(2017年2月)
原発事故から6年が経過しようとしています。避難区域の解除が進んでいますが、原発被害区域は元の状態に戻りつつあるとは到底言えない状態です。避難者の自死や損害避難生活を原因とする関連死など、いまだに被害は継続して発生しています。避難の長期化に伴う当初では予想できなかった事案も起きています。
原発被害の賠償は、中間指針で定められた損害賠償基準に定められたものに限定されるものではありません。原発事故の被害が発生していれば、中間指針で定められたもの以外でも、また、避難区域の解除がされた後でも、避難指示区域外でも損害賠償請求は認められます。
原発事故に関連したことでお悩みの方やご不満がある方は、原発事故被害者支援司法書士団にご相談ください。
原発事故被害者支援司法書士団では、原発事故被害を受けられた皆様のために「無料相談」を実施しています。
お悩みの方、ぜひ、ご相談ください。(下記フリーダイヤルにお電話ください。)

福島第一原発事故廃炉作業で白血病労災認定の元原発作業員東電提訴
東京電力福島第一原発事故後の廃炉作業などに従事し、白血病を発症して労災認定を受けた北九州市の元原発作業員の男性が、東電と九州電力に約5900万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしました。
訴状によると、累積被ばく線量は約 19.8ミリシーベルトに上ったとされています。
男性は、福島第一原発4号機の原子炉建屋で、使用済み核燃料を取り出すための足場の設置工事に約半年間従事などした後、14年1月に急性骨髄性白血病と診断されました。
男性は、労災を申請。15年10月に白血病で労災が認定されました。さらに、男性は死の恐怖からうつ病も発症し16年5月にうつ病でも労災が認定されました。
労災が認定された原発作業員による提訴は初めてとのことです。
・福島第1原発事故 「廃炉作業で白血病」 労災認定の元原発作業員、東電提訴
2016年11月23日毎日新聞
・白血病で労災認定の福島原発元作業員が提訴「東電は何ひとつ謝ってくれていない」
2016年11月22日弁護士ドットコムニュース

農林業賠償(避難区域内)3年分一括賠償
政府と東電は、平成29年1月以降の農林業の損害賠償では、避難区域内は事故前の年間利益の3年分を一括で支払う、32年以降については損害がある限り適切に賠償するとの見直し案を県やJAに伝えました。
見直し案の内容は、避難区域内での賠償は、原発事故前の年間利益の 3倍相当額を一括で支払う(200万円 × 3 = 600万円(金額は仮定))、平成32年以降は損害ある限り農林業者の意向を踏まえた方式で適切に支払う、避難区域外では、29年中は実際に生じた損失を支払う現行の枠組みを継続、30年以降の枠組みは農林業者の意向を踏まえ29年内に確定する、としています。
・農林業3年分一括賠償 政府、東電 反発受け1年上乗せへ
2016/12/01 福島民報
・避難区域内農林業賠償は3年分一括県に伝達 32年以降「損害ある限り」 政府、東電
 2016/12/02 福島民報

原発で非難した子供のいじめ、神奈川で9人被害(内不登校2人)
神奈川県内に避難し損害賠償の訴訟を起こしている世帯のうち、8世帯の子供がいじめを受けていたことが弁護団による聞き取りでわかりました。
高校生以下の子供がいるおよそ30世帯の原告から弁護団が聞き取りを行った結果、8世帯の子供が原発により避難していることを理由に暴言を言われたり暴力を振るわれるなどのいじめを受けていました。
弁護団は、いじめの実態はもっと多いと思われると話しています。
・原発避難いじめ  神奈川で8世帯9人被害 うち2人不登校
2016年12月19日毎日新聞

浪江町民ADR 75歳以上の一人と東電和解。約15000人の一律増額は拒否変えず
浪江町民15000人が精神的損害賠償額を一人月35万円に増額するよう求めていたADRで、原子力損害賠償紛争解決センターは1人月5万円、75歳以上は月8万円を上乗せする和解を和解案を示しましたが、東電はその和解案を拒否していました。
その和解案のうち東電と、75歳以上の一人と月8万円を上乗せするとする和解が20日までに成立しました。
しかし、東電は、ほかの一律増額の和解については拒否する姿勢を維持しています。
・福島第1原発事故 「一律増額」拒否変えず 浪江町民、ADRで東電 /福島
2017年1月19日毎日新聞
高齢者1人と「初の和解」 浪江町ADR、精神的損害賠償
2017年02月21日福島民友

避難指示が26年4月以降に解除された5市町村の帰還率は約13パーセント
産経新聞の取材によると避難指示が解除された田村市、川内村、楢葉町、葛尾村、南相馬市の5市町村の帰還率が13パーセントにとどまっていることが分かったとされています。
住民票に登録されている計19460人のうち一月の時点で、居住しているのは2561人、13.1パーセントとされています。
・住民帰還率、いまだ13% 原発事故の避難解除地域 福島県5市町村
2017.1.28産経ニュース

連帯呼び掛け/原発訴訟原告団
原発被害者訴訟原告団全国連絡会が、2月19日東京都豊島区で集会を開き避難者に連帯を呼びかけました。集会には約110人が参加、栽培や避難者の状況について報告がありました。
・原発事故避難者の連帯呼び掛け 賠償訴訟原告団が集会
2017年2月19日東京新聞

群馬県内の自主避難者調査/避難継続を6割希望
自主避難者に対する福島県の住宅支援は原則3月に終了します。住宅支援打ち切りは、自主避難者に間接的に帰還か移住かの選択を迫ることになります。
県の調査によると群馬県内に避難している自主避難者の中で福島県に戻る意向を示したのは108世帯中9世帯と報道されました。6割が現在の避難状態の継続を希望しています。帰還をしない、あるいはできない自主避難者が多数いらっしゃる現実が浮き彫りになりました。1人1人の避難、滞在、帰還の選択の自由を保障をすべき施策が望まれます。
・群馬県で生活 6割希望 原発事故の自主避難者調査
2016年12月31日 上毛新聞


  (内容の要約は、筆者によるものです。いしかわ)
                     

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兵庫県司法書士会シンポジウム「 災害列島における防災と復興を考える 」 (3)

兵庫県司法書士会シンポジウム「 災害列島における防災と復興を考える 」 (3)

パネルディスカッション
「復興の課題と今後の備え~住宅問題を中心として~」

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森川弁護士
 東日本大震災の仮設住宅建設費用は700万円、阪神淡路大震災では400万円だった。
いろんなものを積み上げると一世帯1000万円ほど国が支出している。1000万円の資金で家は建つ。現に、熊本地震では1000万円で住宅の計画販売がされようとしている。居住を確保するための支援方法を大胆に変えていくという必要性がある。その可能性はあるのに国はやっていない。
塩崎教授
計画では、高台移転事業のコストは、宅地整備費が1戸あたり4326万円、移転民間住宅費用は6583万円だ。6000万円以上支出して立地へ移転することが適切なのだろうか。自力再建に対する補助金とどちらが安いのだろうか。高額な高台移転事業より自力再建を選ぶというのが、市民的には正しい感覚ではないのか。国民経済的に見ればむちゃくちゃな計画だ。
古部氏
生活再建を考えるときに、避難者は、仕事に就いていると帰りたくても帰れない。帰って生活が成り立つのかも不安だ。
避難者はいろんな悩みや不安を抱えている。県外避難者にも、お互いさまで受け入れる日本でいてほしい。命を応援する制度が必要と感じる。
塩崎教授
県外移住になんでそんなに問題が生ずるのか。
復興の主体は地方自治体であるのが原則だが、その原則によって日本国内で生じている不平等を解消する必要がある。
森川弁護士
岩手県では、住宅新築に最大565万円+100万円の上乗せ支援を行う。宮城県でも一部市町村によっては上乗せ支援を行う。現状は自治体で支援に差異がある。
その差異をなくす、あるいは小さくするためにはどうしたらいいのか。国レベルの制度システムや支援を充実させる必要がある。できるだけ平等化にするシステムの構築が望まれる。
塩崎教授
東日本大震災では、復興予算はほとんど国から出ている。しかしそれは最初だけだ。
予算がいかない所には、まったくいかない。
森川弁護士
現物支給の原則から資金援助へ、災害救助法の法律を改正する必要があるだろう。
古部氏
住宅支援終了に伴い、市営・県営住宅等の無償入居が原則終了する。避難生活を継続する避難者のために福島県が県外に住宅を確保したとの報道が最近あったが、他県にも広がってほしい。
塩崎教授
被災者は、当初、被害をわかっていなくて、だんだんとわかってくる。行政も同様。
被災者が直面するトータルの問題をわかっている人、考えている人は誰もいない。
これが根本の問題だ。

まとめ
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古部氏
被災県と関西の支援情報を受け取るには「全国避難者情報システム 」の登録が必要だ。
住宅支援終了に伴う住み替えによって引越した後も情報を受け取るためには再登録が必要。引越し前に必ず再登録をする事が重要だが、被災者は知らないことが多い。システムが途絶えないように、広報する必要性がある。
森川弁護士
二重ローンの問題等、被災者に責任はないのに、人生をかけた財産をすべて失った被災者に対して、個人で何とかしなさいとするのは苛酷である。復興に資金をかけるのは平等の原則に基づく憲法の要請である。
現在の制度に良い点もある。良い点を活かしつつ改善すべき点は早急に改善していくべきだろう。
復興まちづくりには住民合意形成が重要である。住民に判断材料を提供し合意形成を促進するためにも、
常日ごろからの専門家、ボランティアのアドバイスを受けられるシステムを構築する必要性がある
塩崎教授
災害の経験・教訓に基づいて、残すべきことを整理し、来るべき大災害に備えなければならない。
特に欠けているのが復興に対する備え、これに力を注ぐべきである。災害の後に対する意識を持つことが必要だ。


兵庫県司法書士会は、震災に関する催しを継続して主催・後援し続けている。
「続けていくこと、忘れないことが大事」であり、それが阪神・淡路大震災および東日本大震災の教訓を次に繋げていく原動力となる。また、東日本大震災から6年が過ぎようとしている今、一人一人が何ができるかもう一度考える必要がある。共に手を携え支援活動を継続していく必要もある。今回のシンポジウムに参加してそう感じた。
原発事故被害者支援司法書士団も、このブログによる情報提供や被害者のための相談・ADR申立て等の活動を今後も続けていきたい。  
    (内容の要約は、筆者によるものです。 いしかわ)
                     

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兵庫県司法書士会シンポジウム「 災害列島における防災と復興を考える 」 (2)

パネルディスカッション「復興の課題と今後の備え~住宅問題を中心として~」
パネルディスカッション「復興の課題と今後の備え~住宅問題を中心として~」
パネリスト 塩崎賢明(立命館大学政策科学部教授)
     森川憲二(弁護士)
    古部真由美(東日本大震災県外避難者西日本連絡会代表世話人)
    コーディネーター 島田雄三(司法書士)
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パネルディスカッションは、コーディネーターは島田雄三氏(兵庫県司法書士会)パネラーは塩崎賢明教授、森川憲二氏(弁護士)、古部真由美氏(東日本大震災県外避難者西日本連絡会代表世話人)の四氏によって行われた。
(以下、各パネラーの発言のうちから筆者の印象に残ったものを要約して記していく。選択と要約は筆者の責任でなしたもので、誤りや発表者の意図とは違う場合があることをお許し願いたい。)
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古部氏(ご自身が茨城県からの避難者である。)
関西に避難している人たちに向けて、月刊情報誌「月刊まるっと西日本NEWS」(暮らしのための様々な情報が載っている)の発行をして、1700世帯に無料配布している。
避難者のための相談窓口を開設したり、帰省費用助成支援等の事業もしている。
自主避難者に対する福島県の住宅支援は原則3月に終了する。帰還をしない、あるいはできない自主避難者のために住宅支援の延長をすでに決定した自治体もある一方、「延長を検討中」や「未定」の自治体も多い。
「まるっと西日本」では、住宅支援のスムーズな延長をサポートするため、府県や市町村に対し格差のない支援が行われるよう訴えるとともに、被災者からの声を受け止める相談窓口を開設している。
高齢の自主避難者は、仕事が見つからない人が多い。それらの人達の中には、住宅支援が終了すると生きていけないと訴える人もいる 。無償の住宅支援は生活の維持・再建に欠かせないシステムだ。住宅支援の終了は深刻な問題だ。今後の方策がみつからない。行く末が暗い 。
Q:夫は福島で生活し、妻子は避難している方々の現状はどうか 。
 実際、家族での移住は増加している。分裂したままに生活している母子の避難も多い。避難者は、将来について家族で話し合いをしているが、折り合いがつかず、離婚に発展するケースも増えている 。

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森川弁護士
復興の課題と今後の備えに関して次の3点をあげておく。
最初に、制度面。
自然災害は、日常的に発生する。南海トラフ地震をメインとする、大規模災害の発生の確実性も高い。
被災予想を正確に立て備えとして何が必要か早期に目標設定をする必要がある。将来の災害に備え、制度的備えの整備・拡充を図るべきだ。
県外への原発事故避難者に特有の問題として、借り上げ住宅の供与打ち切りの問題がある。福島県は本年3月で原則、支援を打ち切る。これは、間接的に帰還か移住かの選択を強制することになる。1人1人の避難、滞在、帰還の選択の自由を保障をすべきだ。
2番目として資金面の改善の必要性。
災害が発生した場合に備えて、資金面でも事前にやっておくべきことを検討する必要がある。資金の備蓄の必要性もある。
番目として人と組織の問題をあげておきたい。
被災者および住民団体への自治体の支援や地域ごとのネットワークの形成を図ることが必要だ。
ボランティア・専門家が災害に対する支援について何ができるのか整理することも必要。     
災害法制や復興まちづくり法制についての情報提供・伝達の重要性を再認識し有効な実施策を支援することも必要だ。
Q:立法提言を弁護士団体等はやっているのか。
日弁連は、災害復興支援委員会を中心に、立法提言をしている。
 
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塩崎教授
災害に対する日本人の意識について、備えを本当に重要だと思っているのか疑問を持つことがある。
例えば、私が住んでいる京都を例にあげれば、大部分の市民は、大災害を気にしているし、その危険性はわかっているが、災害が発生した場合に実際どうなるのか予測がつかない人が多いと感じる。
そのためか、建物の耐震改修は進んでいない。お金がないのが最大の理由だが、仮に、お金があったら改修工事をするかと問えば、貯金すると答える住民が多いのが現状だ。
災害はいつ来るかわからないという不確実性が内在する。住民一人一人が、個人住宅は実は公共性があるという考えに至るかどうかが鍵ではないだろうか。
備えのための予算は、何兆円も計上されているが、有効に活用・使用されるのだろうか。日本の行政はしっかりしている。しかし、半面、住民に向いていない傾向が見られる。
                  (続く いしかわ
                     

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兵庫県司法書士会シンポジウム「 災害列島における防災と復興を考える 」(1)

基調講演「復興の課題と今後の備え~住宅問題を中心として~」

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「 災害列島における防災と復興を考える 」シンポジウムが兵庫県司法書士会の主催で、平成29年1月21日(土) チサンホテル神戸で開催された。
 シンポジウムは、塩崎賢明立命館大学政策科学部教授の「復興の課題と今後の備え~住宅問題を中心として~」と題する基調講演のあと、「復興の課題と今後の備え~住宅問題を中心として~」についてパネルディスカッションが行われた。
 このシンポジウムは、東日本大震災及び原子力発電所事故の被災地、被災者及び被害者、その他頻発する災害への支援を継続することを確認すると共に、震災から20年が経過した兵庫県における復興の過程を検証し、東日本大震災の被災地の復興を考え、今後発生する災害で想定される諸問題にどのように対処していくのか、特に住宅に関する問題に焦点をあてて行われた。


基調講演
「復興の課題と今後の備え~住宅問題を中心として~」
 塩崎賢明立命館大学政策科学部教授
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講演内要旨
(講演内容は筆者のメモと記憶から起こしたので、誤りや発表者の意図とは違う場合があることをお許し願いたい。)
 塩崎教授は、「日本は、災害大国です。」と話をはじめる。
 災害大国日本は、太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシア・プレート、北アメリカプレートがひしめき合うきわめて特殊な国土であり、世界で発生するM6以上の地震の約2割が日本周辺で発生、分かっているだけでも約2,000の活断層が存在し、世界の活火山の約7%(110)が日本に分布するという。
災害リスク
 「自然災害は必ず起きる。防げない事象だ。被害を最小限におさえるのが減災という考え方。国の防災戦略では、被害を半分に減らす目標が掲げられている。市町村の地域防災計画は大半が緊急対応で、予防・復興はごくわずかだ。 
 一方、人的災害(原発事故等)は、めったに起こらない。防ごうと思えば防げる。」

復興の現状一何が問題か
「東日本大震災の被害状況は、死者15,894人行方不明2,561人関連死3,410人孤独死190人(3県)自殺154人(3県)全壊128,931戸、半壊269,045戸、一部損壊736,323戸だ。」
間接被害である関連死が多い。直接死に対する関連死の割合は、18・5%と高い。福島県では直接死に対する関連死の割合では、関連死の方が多い。関連死は過酷な避難所生活、避難所への移動が主な原因だ。」
「東日本大震災では、5年を経た現在でも、17万人の避難者がいる。福島の避難者は約9万人、県外に4.3万人避難している。仮設住宅に7万人が未だ居住している。災害公営住宅の完成は約5割というのが現状だ。
復興が進まない原因はどこに問題があるのか。
お金がない?→すでに26兆円。今後6.5兆円が予定されている。
お金をたくさん使っているが、その使途がはっきりしない。東日本大震災復興基本法の問題点がある。」

住宅復興
「住宅再建の前にまちづくりの問題を先行してやらないと行く先が決まらない。復興災害を繰り返してはいけない。身の支に合わない巨大開発はやってはいけない。」
原発「自主避難者」への住宅供与の打切りが進んでいる。いわゆる「自主避難者」=区域外避難者への住宅供与は、2017年3月で打ち切り(12600世帯)となる。月収21.4万円以下の世帯には、2年間補助、上限3万円(1年目)、2万円(2年目)民間賃貸住宅家賃補助が予定されているが十分とはいえない。
区域外避難者の多くは2重生活などに苦しみ、被災者向けの災害公営住宅も対象外。
また、政府は避難区域の指定解除を推進している。」
恒久住宅の確保には、自力再建、災害公営住宅の2つの選択肢がある。災害公営住宅は、約3万戸計画、5割程度の完成している。入居後の生活問題。コミュニティ維持管理問題が重要な問題点。
また、仮設から恒久住宅へ行きたくてもいけない人々がいる。そうした人たちの孤独化が増進し、ひいては孤独死に至るような事態が起こらないようにする計画が必要だ。これからどうなっていくのか、一番の心配事だ。」

次なる巨大災害への備え
「原発災害の発生を防ぐこと、自然災害の被害を減らす事が必要。
自然災害の被害を減らすためには、 ①事前の予防、②緊急対応、③復旧・復興が不可欠。
防災計画は②緊急対応中心になっている。復興計画はほとんど考慮外。」
「最近の研究では、日本列島を載せているプレートは小さなピースに分割されており、別々の方向に動いている。
 日本は地震多発&原発密集の国であり、世界の地震の2割以上が日本で発生(1994~2003年、M6.0以上の地震)している。その狭い国土に54基の原発がある。原発災害対策は、特別に重要だ。
 巨大地震が多く、原発が多い国は日本だけ。世界のどの国とも異なる特殊な条件のもとにある。フクシマの対応に数十年かかり、その間にもう一度起これば、日本破滅。日本では原発全廃しかない。」
「災害後の復興対策「復興への備え」が重要だ。
復興の大目標=被災者の生活再建である。とりわけ、災害で助かった命を失うことをなくすこと、すなわち、関運死を防ぐことが重要だ。具体的には、避難所における福祉避難所、医療施設、簡易ベッドなど人間的生活の確保などが考えられる。
「健康で文化的な最低限度の生活」の保障「国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」とする憲法の規定は、「災害時は除く」わけではない。日本の避難所の生活状況は先進国とはいえない。被災者・国民全体の意識改革が必要だ。
 関連死だけは、止めてほしい。ほとんど犯罪に近い。」
 

塩崎教授のお話から、防災・復興の課題がおぼろげながら見えてきた。震災を契機に、防災・減災の意識は高まりつつある。しかし、復興の過程における問題の解決にはほど遠い現状も垣間見えた。特に、住まいの問題の解決には、単なる居住空間の問題ではなく住宅生活全般に関わる複合的な視野が必要だと感じた。
                                  (いしかわ)
                     

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情報誌「原発損害2016」先着10名様プレゼント

情報誌「原発損害2016」先着10名様プレゼント

情報誌「原発損害2016」先着10名様プレゼント
 2014年4月11日~2016年9月7日までの原発事故被害者支援司法書士団のブログ「原発損害とこれからの生活を考えるblog」記事の中から原発損害賠償に関する記事を抜粋した情報誌を発刊しました。
2014年以後の福島第一原発事故に関する損害賠償の情報を集めました。避難者の方々や支援されている方々原発損害とこれからの生活を考える」うえでのヒントになれば幸いです。
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  B5版: 172ページ
発行日: 2016/11/04
著者:原発事故被害者支援司法書士団
原発事故被害者支援司法書士団は全国の司法書士有志が結集して組織されている団体です。
 原発事故損害賠償請求を中心とした避難生活に伴う様々な相談を受けたり、原子力損害賠償紛争解決センター(ADR)への和解仲介申し立ての支援をしています。

ご希望の方は、「本希望」の旨、送付先住所、お名前、を明記の上、下記あてにメールして下さい。お一人様1冊まで
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