厳選生活宣言

いいものはいい。そんなモノたちにかこまれて生活したい

 関東大震災直後の千葉県野田市(当時は福田村)で、香川県から行商に来ていた15人ほどの一団が、「朝鮮人が来襲する」などの流言に惑わされた地元の自警団の尋問を受け、四国の方言が理解されず、集団で暴行され、9人が殺害されたという事件があった。この事件の発掘に立ち上がったのが辻野弥生さん。「福田村事件 関東大震災・知られざる事件」(崙書房出版)の著者である。この辻野さんの取材の様子とその成果が11月6日の東京新聞朝刊で紹介されていた。

被差別部落出身の人たち

 行商団は、非差別部落出身の人たち。地元で農業をしていれば豊かに過ごせただろうが、多くの人は地元の村でも迫害されていたという。この一団は薬売りの行商をしていたのだが、2歳や3歳の子供もいたという。故郷を追われて、点々と行商を続けるしかない人たちだったのだろう。

 犠牲者の中には23歳の女性で、お腹の中には赤ちゃんがいたらしい。胎児を含めると、犠牲者は10人ということになる。

発掘は困難を極めた

 著者の辻野さんは関東大震災後の朝鮮人虐殺を調べていたが、この事件に行き当たって衝撃を受けたという。しかも、事件の現場で証言を得ようとしてもみな口を閉ざして語ろうとしない。この点は南京大虐殺でも同じだが、日本兵の多くは従軍日誌をつけていて、何月何日に捕虜何千人を川岸に連れて行って、三方向から機関銃で掃射したなどと克明につけてある。だが、これが一冊ではあまり信ぴょう性がない。複数の従軍日誌を集めて、日付や状況などが一致していることが確認できて初めて虐殺の事実がわかる。そこで問題は、相手がそれを明らかにしてくれるか、というところだが、多くの元日本兵は墓まで持って行こうと考えるらしい。よほど思い出したくない、人間として恥ずかしい行為であったと思うのだろう。それを一冊一冊、何年も通いつめて、やっとのことで日誌を渡してもらえる。それによって南京大虐殺の動かぬ証拠が次第に固まっていった。

 おそらく、この事件もそうだろう。

嘘をついたまま死なないで欲しい

 男性が浮気や不倫をしていた場合、一概には言えないが、正直に言って謝るよりも隠し通したほうがいい(と思う)。嘘だと思いつつ、どこかで信じたい気持ちもあるのに、それを裏切って正直なところを見せてもあまりいいことがないように思う。

 日本軍の場合、何から何まで隠す。降伏してからマッカーサーが来るまで、日本の陸軍省には、書類を焼却する煙がもうもうと上がっていたらしい。研究者にもよるが、旧日本軍の資料は99%以上とか99.9%とか失われたという。

 ところが、こういう話になると、戦争なんてこんなもの、どこの国でもそうだと、当てずっぽうでいう人がいる。それは大間違いで、旧ナチスドイツの文書は何十トンにも及ぶらしい。ドイツは、自分たちのやっていることは歴史の検証に耐えうるものであると思っていた、逆に日本人はあとから調べられたらたまったものではない、と思いながらする行為(もちろん不倫もそう)が多いのだろう。

 だが、やってしまったらそれも歴史である。後世の日本人のために歴史として残さなければならず、それに立ち会った者は、貴重な歴史の証人である。責められるのがわかっているのなら、せめて書き残して死後それが明らかになるような形でもいいから残してもらいたい、と思う。

群集心理などでは片付けられない

 それにしてもなぜこんなことが起こったのか。

 以前、レベッカ・ソルニット著の「災害ユートピア」について書いたことがあった。本来、災害時には人はパニックを起こさない。ところが、日本の場合、政府が進んで朝鮮人が井戸に毒を入れた、などの情報を流して、人々をパニックに陥れ、その情報に踊らされた民衆が狂気の行動を取る。

 日本は脅しの国なのだろうか。子どもたちの多くは、「勉強しないと浮浪者になる」と親から脅されている。もちろん、そこまであからさまに言う親は少数だが、結局行っていることは同じという親がほとんどだ。

 ありもしないし、本気で思ってもいないこと、例えば、戦前だとロシアが攻めてくるとか、最近では朝鮮からミサイルが飛んでくる、などの流言飛語も発信元が政府だったりするのだが、このあたりが原因なのだろう。

 危機があれば防衛費を増やし、アメリカの兵器を買うことになり、アメリカのご機嫌を取ることができるから、日本の輸出産業も遠慮なくアメリカに輸出し、すんなり儲けることができる。政治家はそういう企業から献金をもらえるから、やめられないのかもしれない。また、危機を煽れば、「いま森友なんかで足の引っ張り合いをしている時ではない」とも言いやすい。

 こんなこと、どこの国でもやっていることだ、という人もいるかもしれないが、そうなのだろうか。

 自民党の研究会はオリンピックの暑さ対策としてサマータイムの導入を検討していたが、「間に合わない」として、今国会への関連法案提出を見送ったという(11/1東京新聞)

IOCも日本も選手より自分の利害

 今年(2018年)の夏は酷暑で、こんな気候でマラソンを実施して、死者が出たらどうする、とか、選手の多くが棄権するのでは、と心配された。

 もともと無理があった。日本はオリンピックの誘致の際に、福島(原発事故)はコントロールできている、だとか、この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリート が最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である、などと、ちょっと恥ずかしくて普通の神経なら言えないことをいっていた。

 当初からIOCは開催期間を7月15日から8月31日の間の16日間、としていた。テレビ放映権の関係で、秋にスポーツイベントが目白押しで、谷間となるこの日程にオリンピックを入れたいらしい。国際オリンピック委員会というと、”平和の祭典"の主催者、といういいイメージを持たれそうだが、所詮はビジネス、ということなのだろう。実際、オリンピックの誘致にペーパーカンパニーを使って二億数千万円という賄賂を贈ることまでしている。同じようなことをしていたブラジルでは逮捕者(ブラジル・オリンピック委員会のヌズマン会長。賄賂額は日本とほぼ同額)まで出ている。ブラジルよりは日本のほうが法治国家だと思っていたのだが、実態はそうではないらしい。日本側の措置は別として、IOCが何らかの対処をするかと思っていたら、何もしない。そういう組織なのだろう。

 時期の選定についても、悪いのは選手のことを第一に考えないIOCであって日本ではないのだが、その状況が分かっていて応募し、はしゃいでいるのだから同じ穴の狢、ということか。

酷暑でマラソンができるのか

 それにしても日本のこの時期の暑さを「温暖」とはモノはいいようだ。今年が異常だったといえばそれまでだが、例年梅雨明けから数日は猛暑となる。今年だけの問題ではない。特に酷暑で問題になりそうなのはマラソンだが、コースの舗装を白いものに変える、というのは金銭面を別にすればまあわかるが、打ち水だとか沿道のビルの一階を開放してエアコンの冷気を流すだとかの話になると、もうほとんど"竹槍でB29”レベルになってくる。そこまでして戦争をしたいのか、と今なら思えるが、当時は大真面目だったのだろう。東京オリンピックもその歴史の繰り返しとすれば、もはや喜劇でしかないということだろうか。

 マラソンのスタート時間は午前7時となりそうだが、どう考えても午前5時位にするしかない、これでは日本では見る人は激減し、観客も始発すらないのだからあまり集まらないだろう。寂しい風景が世界に中継されることになる。サマータイムの導入しかない、と考えられたのも当然だろう。

サマータイム導入の検討は

 自民党は、夏の時間を2時間繰り上げる。五輪組織委員会の森喜朗会長が7月末、安倍晋三首相に導入を要請し、与党はお盆明けにも本格検討を開始、秋の臨時国会に議員立法提出を目指すが、導入は19年と20年の2年限定になる公算、という線で検討を始めた。

 だが、今後ずっとやるのならまだしも、オリンピックのためだけに19年を試験期間として実施、20年で本格的に実施して、翌年からはナシとなると、一番心配されているのはエンジニアの負担だ。

 その上、日本睡眠学会も2012年に、サマータイムの導入は睡眠の質を低下させ、さらなる睡眠不足を招くとして反対声明を出している。

 ところが、安倍さんは、サマータイムについて「国民の評価が高いと聞いている」らしいのだが、もしそれが本当なら、いつ、何人の国民からその高評価を聞いたのか、どのような調査だったのか数字を挙げて明確にしないと、口からでまかせを言う嘘つき病が国民全体に蔓延する危険がある。

EUでも廃止の方向

 ヨーロッパでのサマータイムの導入は廃止されることがほぼ決定した。その理由は7月初旬から8月16日まで欧州連合(EU)28か国でインターネットを通して意見公募した結果、これまで実施されて来た1年に2回の時間変更に反対する意見が84%を占めるという圧倒的多数となったからである。

 この結果を踏まえてEUのユンケル委員長はサマータイムの導入を廃止するという案をEU議会に掛けることを決定。ユンケル委員長がこの決定をEU議会で審議することを迅速に決めた背景には、EUのリーダー国ドイツやフランスでこの廃止に圧倒的支持が集計されたことと、彼は来年5月の次期EU委員長に立候補しないことを内心決めているからである。よって、彼がEU委員長として在任している間にこの案件を前に進ませることを決めたようである。その裏付けとして、EUの大半の市民がそれを望んでいるからだとユンケル委員長は表明しているそうだ。

 結局、現実に実施してみたらあまりうまく行かなかった、ということなのだろう。よくサマータイムのメリットとして言われるエネルギーの節約については、EU委員会の調査ではエネルギーの節約は0.5%〜2.5%程度に過ぎないという。また、北海道でサマータイムではないが、早朝出勤を促進したところ、体調不良を訴える人が3割、結局のところ勤務時間が増えたなどの不満も26%出たらしい。

 政治家は事実に基づいて政策を主張し、またその主張は国民やオリンピック選手の健康を配慮したものでなければならず、決して自分の都合や党利党略、利権に基づいて発言するべきではないだろう。

 安倍さんも多少反省したのか、サマータイムの検討をやめたらしい。ついでに安倍さんは、自分や妻が森友問題に関与していたら、首相も国会議員もやめる、というような発言もやめるらしい。反省したのかもしれないが、本当に反省しているのなら、本当にやめるべき、という気もする。

 ハロウィンなんて、一定の歳以上の人は「最近流行っているというのは知ってるけどなんのこと?」、くらいの感覚だろう。

 そしておそらく、年齢を問わずほとんどの人が、ハロウィンにはどういういわれがあって、どんな意義のあるお祭りか、など知りもしないし知ろうともしない。なんでもいいから何かをネタに大騒ぎできればいい、と思っているのだろう。

 クリスマスにしても、諸外国では家族と過ごす祈りの時間のような、本来のあり方が守られていて、勝手に恋愛イベントにしてしまっている日本人からすると、「恋人同士がイブに一緒にいないでそれぞれの家庭に戻るの?」となる。だが、もともとどういう行事なのかを知っていれば、それが歯止めになって、あまり本来の趣旨から逸脱することもなさそうだが、なんであるかがわからず、広告代理店にあおられたりすると、その「空気」に従ってエネルギーを傾け、暴発にまで至るのかもしれない。


渋谷では逮捕者まで

 渋谷では、ハイになりすぎたのか、通行する軽トラックをひっくり返し、そのボディーの上に乗って踊るような若者も出てきた。スクランブル交差点では、女性の体に触る者も出てきて、無秩序化してしまっている。商店での盗難も

 翌朝のゴミの散乱ぶりは目を覆うばかりで、これがサッカー観戦の際にスタジアムのゴミ掃除をする日本人と同じ人種なのか、と思うほど。

 ちなみに、私は、掃除をする人間と渋谷を散らかす人間は、別種類ではなく、全く同じ日本人であろうと思う。田舎の、小心で無口なおじさんと、戦争で残虐行為を行う人間は、全く同じ人間そのものであったように。

ハロウィンとはなに?

 Wikipediaによると、


 毎年10月31日に行われる、古代ケルト人が起源と考えられている祭のこと。もともとは秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事


 とのことである。

 あの、かぼちゃのおばけのようなもの、ジャック・オー・ランタン

「アイルランド、および、スコットランド(いずれもケルト系文化が色濃い)に伝わる鬼火のような存在」で、

「生前に堕落した人生を送ったまま死んだ者の魂が死後の世界への立ち入りを拒否され、悪魔からもらった石炭を火種にし、萎びて転がっていたカブ(ルタバガ)をくりぬき、それを入れたランタンを片手に持って彷徨っている姿」

を表している、ということらしい。この風習がアメリカに伝わってから、カブがアメリカでよく採れるカボチャに変わったらしい。

 そうすると、怖いものに仮装して、悪霊から身を守ろう、というあたりまでは、まあまあわからない。池袋などでは、事実上コスプレパーティーになっているらしいが、ちゃんとその先で秩序正しく(?)盛り上がっているらしい。ただ、都知事の小池さんなどはサリーちゃんやメーテル(銀河鉄道999の)に仮装しているらしく、ノリがいいとも、先頭に立って悪ノリしているとも言えるが、「あんなのが出てきたら引く」という人もいるだろうから、むしろ歯止めになっているかもしれない。


どうして渋谷は暴走するのか

 歯止めのある池袋と異なり、渋谷ではどうして若者が暴徒化するのか。

 2014年ごろは池袋と同じく、コスプレを楽しむ人が多く、平服で行くのが恥ずかしいくらいの状況だったらしいが、だんだんにコスプレは廃れ、見物客、とくにユーチューバーと外国人観光客が目立ち始めたという。本来の目的(?)がなくなった群衆がただ集まってエネルギーが凝縮する、それに若さと焚き付ける人たちの目が合わさって火がつく。ユーチューブにアップロードするために、コンビニバイト中にコンビニの冷蔵庫に裸で入ってみせたり、わざと白い粉を袋に入れて町を歩くなど、何かあっと言わせたい、いいねと言われたい気持ちが、普通ではないノリになることもあるかもしれない。


理由は若者の劣化か

 同時に「若者の劣化」を言う人も多い。成人式の無法ぶりにハロウィンの渋谷を重ねて見る人もいるだろう。今回のトラックを横転させる行為などを見ても、なんの目的もなく、なんの考えもなくただ暴れたい人間が、若さを持て余している。

 学校生活でも、昔のような荒れる学校の時代とは異なり、子どもたちは表面上はおとなしい。若いうちからきちんとモラルが身についていて素晴らしい、とも思えるが、相変わらず学校は、機械的に規則を押し付けるだけで、何がいいことで何が悪いことかなど考えるようには教育していない。それどころか、良し悪しは別にして、学校が決めた服装を未だに押し付けて、考えない従順な子供を育てている。この点は昔から変わらないのだが、特に最近は学校の授業時間も増え、塾に通う率も高止まりしていて子供が息を抜く間もない。そんな状態で表面上おとなしいとなれば、誰が見ても、今の若者は抑圧されている、となるだろう。


根拠なく「昔は良かった」などと思う人たち

 何も考えない劣化した若者、と非難するのはいいが、オトナはどうなのだろう。

 今年は明治維新から150年。だが、正しくは近代化が始まって150年ではない。実は日本の近代化は幕府が始めていた。重工業の育成、軍隊の近代化、立憲主義への移行など、必要な作業を幕府は進めていたのに、そこに必要もない内乱を引き起こし、列強からの侵略の危険をむしろ作るような、「維新の志士」たち。実は、尊王も攘夷もない、ただ暴れる口実が欲しかっただけではないか、という歴史学者も多い。結局尊皇攘夷などと言いながら、皇居に向かって砲撃、外国に負けると途端にひれ伏す。そんななにも考えていない劣化した若者が、せっかく近代化に向けて走り始めた列車の運転士を襲撃したのが明治維新という見方もできる。

 その襲撃事件から150年などといって記念するようなオトナが、日本の姿も見えずに若者の劣化などと言っているから、若者はエネルギーをどこに向けてぶつけていいのかわからない、という側面があるのかもしれない。

 もしそうだとしたら、ハロウィンの渋谷は明治150年に起こるべくして起こった、劣化した日本への警鐘と見るべき事件とも言える。もちろん、それは変化への明るい兆しではない。ああ、こんな症状が出だしたら、この病気も次のステージに入った、ということをあらわす兆候だろう。

 「まぐまぐ」の記事によると、東電は3.11クラスの津波が襲うことを予期できたのに、防がなかった、ということらしい。

 福島第一原発は5.7mの津波を想定していたというが、東日本大震災で実際に原発を襲った波は14〜15m。想定外かと思ったら、東電内部で15.7mの津波が襲うという試算がまえからあったらしい。それを当時の経営陣が握りつぶし、必要な工事を怠った、という。

 その試算というのは、事故の9年前、2002年に出された、政府の地震調査研究本部・長期評価部会による「長期評価」に基づくもの。だがその発表寸前に内閣府から横槍が入り、「誤差を含んでいる」「利用にあたっては・・留意する必要がある」とまるで信用できないものであるかのような但し書きをつけられてしまった。それに呼応するように東電幹部が、「長期評価」にはいろんな意見がある、だから、必ずしも15.7mを想定した工事はやらなくてよいという流れになったらしい。

 この記事から考えると、やはり原発事故は人災の側面が大きいのかもしれない。

北方領土「一島返還」論

 「北方領土」というと"本来日本の領土"という意味を含んだような言い方だが、その願望は理解できても現実はロシア領土である。だが、日本政府は、歯舞群島、色丹島の2島に加え、国後島、択捉島をあわせた4島返還論である。

 地形的に考えて、歯舞、色丹は北海道の一部で、国後・択捉は千島だから、歯舞・色丹だけでも日本に引き渡して二島返還、平和条約締結(1956年)という考え方もあった。もともと、江戸時代に結んだ日露修好条約ではそう定めていた。ある意味、本来の姿に戻るとも考えられたが、当時のソ連と日本が仲良くすることを嫌ったアメリカが、四島返してもらうまで平和条約を結ばせない方針だったため、交渉が決裂した。

 さらに、こちらの記事によると、ロシアは一島返還、つまり歯舞だけ渡して終わりにしようと考えているという。歯舞群島だけなら四島の2%に過ぎないらしく、もしその線でまとまればプーチンの大勝利となる。

 だが、考え方としては一応成り立つ話でもある。というのは戦前、北海道東部には、根室の行政区と、千島の行政区があったが、根室の管区に入っていたのは歯舞だけである。色丹は、千島の管区に含まれていた。だから、戦後千島を放棄したのであれば国後・択捉はもちろん、色丹も放棄したことになり、放棄していないのは北海道の一部である歯舞だけ、とも考えられる。だとしたら、一島返還論も、成り立つ筋であるとも言える。

 ただ、あまりにこじれてしまって永久に決着がつかないよりも、領土問題とは別に平和条約が締結できるのが一番平和なのかもしれない。

山梨県が長寿である理由

 男性の健康寿命第一位は山梨県で、その理由がAIの分析によると、図書館らしい(こちらの記事。)。山梨県は人口あたりの図書館数が2.5倍になることから、それが要因だと考えられるらしい。

 専門家は、図書館までの運動がいいんだろうとか、頭を使うのがいいに違いないと分析しているらしい。ただ、おそらく山梨以外にも図書館の多い地域はあるだろうが、、他の都道府県でも図書館が多いほど長命であるという相関関係がはっきりしているのかどうかについてはこの記事ではわからなかった。それを差し引いても、AIに分析を委ねると人間には思いつかないような意外なことを教えてくれることがある、ということかもしれない。

 同時に、AIが本当のところどの程度のものなのか、私も含めてあまりわかっている人がいない状況で、あまり過度な期待をする危険もありうるだろう。特に最近では、わけもわからずに社長がバスに乗り遅れたくないのか、AIの導入を検討せよ、と指示だけを出してきて困っている現場もあるという。かつて、どうせ人間がデータを入れて、一定の条件ならこの出力、と決めているだけなのに、コンピューター相性占いなどと名前をつけられただけで、人間にはできないすごいことをしてくれる、と思われていた時代の誤解と同じことをしているかもしれない。

 少子化問題が深刻化する中、労働力人口が減少して、日本はこのままどうなっていくのか、と考える人が多い。

 人口ピラミッド(年齢別に棒グラフを並べたもの)は、発展途上国=ピラミッド型、先進国=つりがね型などとかつて言われたりしたが、日本のように高齢者の位置だけが左右に張り出し、若年に向かうに連れて人口が減る形を、「棺桶型」(おそらくドラキュラなどに出てくる西欧のタイプ)というらしい。

外国人労働者の受け入れ体制は?

 日本がその先頭に立つらしいが、10年遅れで台湾が続くという。だが、台湾では外国人労働者の受け入れが日本より進んでおり、25年ほど前からそれに取り組んでいるというから、日本の対策は台湾に比べて35年遅れていることになる。

 具体的には、日本のように、技能実習生という身分で5年という短期ではなく、労働者として受け入れ12年はいられるらしい。言語習得にもそれほどうるさくなく、日本のリクルーターが例えばベトナムに行ったりしても、向こうの若者は日本に魅力をあまり感じていないらしい。

 実習生は労働者ではないから最低賃金の制限もない。日本は先進国で人権が保障されていると思ったら、南北戦争前の南部と変わらないのかもしれない。助けてほしい、という次のような声も聞かれる。

「勤務時間は8時から5時で、残業は5時半から9時半。そのあとも仕事があり、そのときは服を手でぬいます。毎月の給与明細がありません。わたしの基本給は6万円。残業は時給400円。給料は月に12万円。ベトナムでサインした契約書では基本給は食費別で8万5,000円でしたが、実際の給料は6万円です。
 ベトナムの送り出し機関に電話したけれど、電話に出なかった。ベトナムで契約した給料と違います。監理団体からは「ベトナムの会社が違うので知らなかった」と言われた。道理にあわないので、この手紙を書きました。」

 監督者や同僚からの日常的な暴力に晒されている、という話もテレビで紹介されていた。

日本の対策はあくまでも「産めよ増やせよ」

 安倍さんは、

「夫婦別姓は家族の解体を意味します。家族の解体が最終目標であって、家族から解放されなければ人間として自由になれないという、左翼的かつ共産主義のドグマ(教義)。これは日教組が教育現場で実行していることです」(「WiLL」ワック2010年7月号)

literaより

として、戦前、というより明治31年から始まった「家制度」が、爆発的な人口増加を産んだ思い出に浸っているのか、なんとか大日本帝国にもどして、女性を結婚に追いやりたいらしい。

結婚に魅力を感じない

だが、/こちらのサイトでは、

結婚適齢期とはおおよそ20歳から34歳のことを言うようですが、その結婚適齢期の女性の6割が未婚であると言われています。1985年の調査では女性の未婚率35%だったのに対し、2010年では57%と22%も未婚率が増えています。

 女性たちは結婚を選択しなくなっている。

未婚か既婚かの境目は年収200万円というデータがあるようです。年収200万円に満たない女性は、結婚して男性に頼りながら生きていく、年収200万円以上稼いでいる女性は独身を好むそうです。

つまり、男女平等がただの掛け声だけでなく、ある程度実質化してくると、女性は男性に頼らなくなる。戦前のように女性を結婚に追い込むためには、女性差別によるしかない、ということになる。安倍さんは、すべての女性が輝く、といっているので、実は自分で真逆のことを同時にやっていることになるが、ちゃんとそのメカニズムを理解しているのだろうか。

ついに「恋人までいらない」

こちらのサイトでは、

「30年近く生きてきて『彼氏がほしい』と思ったことがない」

 先月、“ひとりを楽しむ“がコンセプトのウェブサイト『DANRO』に掲載されたコラムが大きな反響を呼んでいる。執筆したのは「恋愛が必要だと思ったことはない。逆になんで皆さんが欲しがっているのか教えて欲しい。そんなに恋愛とか大事なのかなっていう感じ」と話すライターの中垣内麻衣子さん(28)だ。「支え合いがって言うけど、そんなに支えが必要な場面、ありますか?関係を維持するのに毎週とか2週間に1回とかのペースで会うのって、ちょっと面倒くさいなと思っちゃう。いや~時間に余裕があるのかな、暇なのかなって思う」。

 この意見に対して、共感する人がかなりいるらしい。こうなってくると、結婚しない人が増えているだけでなく、ついにその前提ともいえる、男女の交際自体がめんどくさい時代に入っているということだろうか。そういえば、数年前から「恋愛はコスパに合わない」という観念が流行しだした。以前は、そもそもそんな考えが生ずる余地などなかったが、今では例えば気持ちが伝わるように手書きでラブレターを書け、などというと「手が痛くなる」考えてしまう人も多いのだろう。

 その背景として、そもそもの情熱が減少している、という事情がある。

sei_ishiki日本性教育協会のサイトより

 いくらきれいごとをいっても、異性へと駆り立てる感情の基礎にあるのはこういう情熱だが、それがない。老人のように枯れてきているのだろうか。いや、老人のほうがよほどそういう話に熱心であるような気がするくらいだ。

本当に情熱はないのか

 私の友人に、さんざん外国車やそれに乗る人間を馬鹿にしていたくせに、多少余裕ができるとそのバカにしていた外国車を買った人がいる。イソップの狐ではないが、手の届きにくいものに対して情熱は湧きにくいが、手が届くとなるととたんに情熱が湧く。

 恋愛についても、手が届きにくいものになっているのかもしれない。子供の自尊感情が弱まっていると言われる中、多少の失敗を乗り越える力も弱まり、恋愛に対しても告白に失敗して自分が傷つくのを恐れる、恋愛がますます遠ざかっている。

 その上、昔に比べれば、"手の届くアイドル"が売りのグループもたくさんある。インターネットで赤裸々な動画も見られるから、特に行為に対する興味やミステリーのようなものもないし、むしろあまりに露骨過ぎて、経験する前から食欲が減退する男子も多いだろう。ありとあらゆる場面で、恋愛、結婚に向かう情熱が削がれる社会になっている。

基本は自由だが・・・

sei_image1 もちろん、女性差別によって、女性を結婚に追い込むような社会は論外で、自由な意思決定ができる社会でなければならない。

 同時に、異性と気軽に付き合い、それが素晴らしいことだというイメージを若者が持ち、結婚して子供を産み育てたいと思えるような社会を作る必要があるのだろうが、それができていないのが現実なのだろう。保育園に預けにくい、教育費が高いなど取り組むべき課題がたくさんあるが、どれに対しても後手後手にまわっているのが現状で、多くの若者は日本社会がそうなるのを待つより、外国に逃げたほうがいいのかもしれない。

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