民生用原子力協力に関する日米二国間委員会第3回会合の結果概要

平成26年6月12日


    1 本12日,東京において,民生用原子力協力に関する日米二国間委員会第3回会合が開催されました。

    2 この会合には,日本側から,外務省,資源エネルギー庁,文部科学省,環境省,原子力規制庁及び内閣府が参加し,米側から, エネルギー省,ホワイトハウス,国務省,商務省,原子力規制委員会及び環境保護庁が参加しました。

    3 この結果を受け,日米双方は,ファクトシート(仮訳(PDF)PDF/英文(PDF)PDF)を共同で発表しました。


ファクトシート:民生用原子力協力に関する日米二国間委員会第3回会合(仮訳)

民生用原子力協力に関する日米二国間委員会第3回会合が,2014年6月12日,東京において開催され,日本側は杉山晋輔外務審議官が,米側はダニエル・B・ポネマン・エネルギー省副長官がそれぞれ議長を務めた。今次会合には幅広い政府機関が参加した。

2012年4月の日米首脳会談の際に設置された本二国間委員会は,包括的な戦略的対話を促進し,民生用原子力の安全かつ安定的な利用及び東京電力福島第一原子力発電所事故への対応に関連した共同の活動を進めるための常設の上級レベルのフォーラムである。

第1回会合は,2012年7月24日に東京で開催され,その際に,二国間協力の調整を行うために5つのワーキンググループが設置された。以下の項目がその対象である。

  • 核セキュリティ
  • 民生用原子力エネルギーの研究開発
  • 原子力安全及び規制関連
  • 緊急事態管理
  • 廃炉及び環境管理

第2回会合は,2013年11月4日にワシントンで開催され,各ワーキンググループは,その時点までの活動を報告した。双方は,各ワーキンググループの次のステップや各分野でさらに二国間協力を強化していくための方途について協議した。

2014年6月12日の第3回会合では,各ワーキンググループは,現在までの活動を報告するとともに,次回の二国間委員会の前までに取り組むべき具体的な活動について合意した。

核セキュリティに関し,日本と米国は,両国の核セキュリティに対する姿勢を強化し,テロリストによる核物質獲得の脅威を減少させるとの約束を再確認した。核セキュリティ・ワーキンググループは,専門家との会合と交流,能力構築の取組を含む,第2回会合以降に実施された主要な活動を報告した。

2014年3月のハーグ核セキュリティ・サミットにおける発表した事項を実施するため,日本と米国は,FCAからの米国に向けた高濃縮ウラン及びプルトニウムの撤去がタイムリーに完了するよう,最大限の努力を続ける。

民生用原子力の研究開発に関し,日本と米国は,先進炉,軽水炉及び核燃料サイクル・廃棄物管理に係る研究開発の分野において実施中の共同プロジェクトについて協議した。二国間委員会は,2014年2月に東京で開催された民生用原子力研究開発ワーキンググループ(CNWG)の成果及び同様に東京で開催された確率論的リスク評価(PRA)ラウンドテーブルの結果を再検討した。米国は,日本が策定したPRAロードマップの技術的検討を行うことを提案した。日本と米国はPRA手法や原子力安全向上のための手法の適用に関して,CNWGの下で行い得る研究開発協力について検討を進める意図を示した。両国は,次回のCNWG及びサブワーキンググループを2014年11月にアルゴンヌ国立研究所で開催することで合意した。

原子力安全及び規制に関し,日本と米国は,福島第一原発の現状,新たな規制基準への適合性審査,緊急時対応,PRAの取り組み方,米国原子力規制庁(NRC)及び我が国の原子力規制委員(NRA)の航空機衝突評価に関する取組,及び国際核物質防護諮問サービスに関する米国の経験について行った

技術的な協議の結果を再検討した。日本と米国は,PRAや関連項目に関してNRAとNRCの間で情報共有を拡大することを合意するとともに,2014年冬に東京で次回のNRA・NRC運営委員会会合を開催する計画を確認した。

原子力損害賠償に関し,日本と米国は,原子力損害の補完的補償に関する条約(CSC)に対する支持を再確認した。日本は,2014年中に国会にCSCを提出するとともに,CSCへの加入を他国に働きかけることを通じて,国際的な原子力賠償の枠組みを構築し,それによりIAEAが採択した原子力安全に関する行動計画の主要な目的を達成するために,米国と協働する意図を再確認した。

緊急事態管理に関し,日本と米国は,効果的な緊急事態対応,データモニタリングや情報システム構築及び複合災害管理を確実にするために,活動やベストプラクティスの共有を続ける。日本と米国は,緊急事態管理における優先事項の特定や協働活動を進める方法として,危機管理ワーキンググループの実務者レベル間の定期的なコミュニケーションを実施し,合意された作業計画を実施することにより,このワーキンググループを再活性化することで合意した。両国は,原子力における危機管理の訓練にそれぞれをオブザーバーとして招聘した。

廃炉及び環境管理に関し,日本及び米国は,福島第一原発の除染対応において協力していく旨,改めて表明した。廃炉及び環境管理ワーキンググループ(DEMWG)の参加者は2014年1月及び4月の会合の結果を報告した。

米国は,日本による汚染水対策に関する技術提案の公募についての再検討に参加するために,技術専門家を派遣することを再確認した。さらに,米国は日本に対し,福島県におけるオンサイト及びオフサイトでの大規模かつ長期にわたる環境除染活動に関わる組織及び管理上の取組に関して,米国の上級管理者が日本側と意見交換を行い,米国での環境除染活動に関する経験や技術を提供するという提案を行った。

米環境保護庁は,福島の除染活動における多くの重大な課題に継続して対応するために,引き続き,当該事項の専門家との技術的知見の交換を推進していく。また,両国は,情報の交換を行い,福島での除染を支えるために特定の技術分野及び将来に亘る協力活動について協議を行うために,引き続き四半期ごとにテレビ会議を開催すること,福島での除染に関する技術的課題に対処するために日本側が米エネルギー省及び環境保護庁国立研究所と直接的な連携を継続することに合意した。

日本及び米国は,5つのワーキンググループにおける情報共有と協力の更なる強化,及び,必要に応じてビデオ会議を開催しつつ,米国で両国が合意する日程にて開催される次回の民生用原子力協力に関する日米二国間委員会において5ワーキンググループの成果を報告することを約束した。

引用元:

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_000938.html

www.mofa.go.jp/mofaj/files/000041547.pdf