2019年11月

先週、日高振興局管内の漁業の事業・補助金等の状況を県職員にまとめてもらうようお願いをしていたので、今週月曜日、そのペーパーをもらうついでに、2時間ほど担当者と意見交換しました。

 今の漁業をどうしたらよくできるのか?

・漁礁を入れたらよいか?→底引き網漁をしている漁協の反発が強い

・稚貝を増やしてはどうか?→けっこうな予算がかかるし、磯焼けなどで定着しにくい

・稚魚を増やしては?→放流するまで稚魚を中間育成するいけすのキャパシティに各漁協それぞれ限界があり、増やすとなると新規に作る必要がある

・遊漁船を増やす→漁業ではないので、支援するメニューがない

・担い手を増やす→農業のような独立を促すだけの支援制度がない

・洋上風力発電を推進しては?→各漁協の理解が得られにくい

・投石する→国費の事業を活用すれば一定の成果は出るが、漁業者がそれで食べていけるかというと疑問

・朝市を開く→ただ開くだけでは漁業者の所得向上にはつながりにくい

・ひじきを養殖する→労働コストのわりには収益が上がらない

・加工品を作る→悪くはないが、コストがかかるし、販路を開拓する努力も必  要 

・近大試験場とタイアップする→可能性は低いが、やる価値はある

・産直施設をつくる→悪くはないけど、簡単なものなら数千万程度、いいものなら2億はかかるね

・小学生に漁業教育をする→まあ、地道な作業だけどやれたらいいね

・漁家民泊→悪くはないが、漁家の協力が得られにくそうだね

・農業総合研究所の漁業版みたいなことができないかな?→漁協とのバランスが難しいね   

 単協間の利害が一致しない、所得が上がらないなどから、今の漁業は業として成り立っていないというのが現状と言えます。

 残念ながら、現状において、私自身も有効な手段を見出せていないというのが正直なところです。しかしながら、今回担当者と話をして、ポイントになることもありました。

 漁家レストランなど、漁業とは直接関係のない事業をする、遊漁船をするだけでなく、釣った魚でバーベキューをしたり、魚料理の講習会をしたりするなど「現状あるものを少しひねる」、また、水産物から全く離れたいさき饅頭を作るなど「現状の枠の中で考えないようにする」ことが大事だと思います。

 朝市をネット中継し、ネットから買える仕組みを作るなど「IT機器を活用する」、近大のウナギ養殖場を日高地方に誘致する、大企業とコラボするなど「大きな資本・技術のあるところとコラボする」などは、一定成果を上げられそうな気がしました。

 「お金が上がることをしなければ」というのを基礎に、漁業問題を考えなければいけないことは明らかです。そんな中、日高振興局では、現状をなんとかしようと管内の若手漁業者との懇談会を開いています。そういった動きが実を結ぶよう、私もできる限りのことをしようと思っています。

 

PS 今日は、午前中は娘のマラソン選考会で娘の秘書役、午後は和歌山市内の和歌山県人会世界大会に参加します。

今週は、所感を書くにあたってピンと来るものがなかったので、今週の行動についての報告・雑感ということにさせていただきます。

日曜日:前日のねんりんピックの開会式に引き続き、御坊・日高郡で開催された健康マージャン、グランドゴルフに参加(こちらはミニ秘書:娘も同行)。参加者を見ていると、まだまだ現役といった方が多数いたのが印象的で、歳を重ねても活躍できる仕組みづくりの必要を痛感。昼からは、支援者に紹介された地元のカフェに家族と食事に。元の民宿が見事にリノベーション。オーナーと懇談。

月曜日:午前中:朝、陳情いただいている道路沿いにある看板の場所を確認した後、父所有の山に休みの娘を連れてマツタケを探しに。まだまだ寒さが来ていないゆえんか坊主。娘を預けてから午後、道路の白線、修繕、擁壁に関する進捗を確認。一旦自宅に戻り、会社(田辺市)で打ち合わせ。

火曜日:東京出張へ。13:00~18:00まで研修。夜は、同僚議員や町議と懇談。午前様でホテルに戻る。

水曜日:朝、学生時代の思い出の地、池袋界隈を2時間近く散策。外国人観光客を含め外国人が増えている。10年後、20年後の和歌山を想像。女性のさらなる活躍、賃金上昇、AIの進展などでまずは日本人の労働環境を満たす必要を思いながらも、資本主義の波に押し流されていく現実を感じる。帰途、新幹線の中で、ドローンを活用した鳥獣害対策についての陳情をいただく。また自身の会社から、某自治体の洪水ハザードマップが間違っているとの指摘。当局に通報。

木曜日:朝8:00御坊市の政務事務所で地元農業者から陳情と意見交換。地域を切り開くこと、引っ張っていくことの難しさ等ジレンマを共有、話して互いにすっきり。続いて10:00からは公選法について別の相談。その後、県庁へ。昼からは、昨日のハザードマップの誤りについて河川課に確認。税務課に128億円ある未徴収税金についてヒアリング。マスコミ関係者と懇談。昨日のドローンを活用した鳥獣害対策について協議、官庁速報のチェック、選管に公選法に関してヒアリング、公文書管理条例の資料依頼。帰途、政務事務所に再度立ち寄り資料整理。帰宅後、会社関係書類のチェック。

金曜日:午前中、半島振興特別委員会の日高振興局管内の調査に参加。午後、政務事務所で一般質問の内容を検討。資料の収集、読み込み。所感のアウトライン作成。水道運営権につき、宮城県が民間売却のための条例を提案とのこと、今後を注視。

土曜日:午後、串本でロケット発射場を作っているスペースワン株式会社の祝賀パーティーに参加。夜は、同級生の会(御坊市)で懇談。

本日:9:00に日高川町(旧美山村)で開催のフォレスト祭りに参加。その後印南に戻り、かえるのフエスティバルに参加。夕刻からは御坊市で行われる宮井紀行さんのコンサートに参加。(いずれも予定)

PS 寒くなってきました。今日で扇風機は片付けます(笑)

毎年115日は 「世界津波の日」。今週、世界津波の日を迎えるにあたって、先週の3連休を中心に県下各地で防災訓練や関連イベントが行われました。

 私も、先月の26日に開催された防災講演会、今月2日には美浜町での避難訓練、4日の印南の防災訓練と講演会に参加。家族間においても、避難場所や防災グッズの確認、それぞれ通学・通勤時に災害に遭った時の想定問答など行いました。

 さて4日の講演会は、京都大学名誉教授河田恵昭(かわた よしあき)先生の講演でした。河田先生の講演はもう5、6回聞いてきましたが、今回のテーマは、世界津波の日制定の立役者となった濱口梧陵を生んだ和歌山県で、防災意識を文化レベルまで押し上げれば、津波の警報などなくても命を守ることができる、という趣旨のものでした。

 そして、そういった防災を文化のレベルまで押し上げていく最大の障害として挙げられていたのが、『正常性バイアス(正常化の偏見)』という言葉。

どういうことかというと、災害などで目の前に危険が迫っていても、正常な日常生活の延長線上の出来事として捉えて、「自分は大丈夫」「まだ大丈夫」「どうせ大したことない」などと考えてしまう人間の心理的な傾向とのこと。

このバイアスは、上記したように、大災害が起こる前に立ちはだかりますが、災害が起こった際にも邪魔をします。「もう、大きな揺れが収まったから大丈夫だろう」「津波の放送がないから来ないはずだ」「電気が付いたから大丈夫だろう」みたいな感じで。

実際、町の人たちと話していると「いざとなったらなんとかなるで」「昭和の津波以上に来ることないで」「避難所も作ってくれるやろから大丈夫や」の意見を結構伺います。

こういったバイアスに対抗するには、災害を想定した非日常を作り出す必要があり、「訓練」や「講演会」も有効な手段。こういった試みを継続していければ、やがて文化となり確実に防災力の向上につながります。

ただ、一方で不安もあります。それはこういった訓練や講演会が日常化してきているのではないかということ。最近は正常性のバイアスを乗り越えるような刺激がなくなってきていると感じることもあります。

避難訓練にしても定時に行うのではなく不規則に行う、季節も暑かったり、寒かったりする時期を変える、日中だけでなく夜間に行うとか、一人暮らしで災害時に動けない人を救助することを中心にした訓練、想定の最大値の避難者が生じた際の避難訓練・・・。色んなアレンジができると思います。

また、上記した訓練は(住民には正常性バイアスがかかっていますから)やはり行政から仕掛けていく必要があります。「これは県のやることではなく市町村のやることです」とか、「市町村ではそんなところ(実際起きてもいないもの)まで考える余裕もお金もありません」など、正常性のバイアスというか単なるバイアス(偏見)が、防災を率先していく行政や政治家にあるとすれば由々しき事態です。

バイアスにとらわれるのではなく、そういった疑問点をお互いに解消しながら、住民の生命を守るために最大限の努力をしていかなければならない。自身の行動も含めそんなことを感じています。 

PS 今週、決算委員会(3日間)が終わりました。約25問くらいは質問できたと思います。次は12月議会に予定している一般質問。12月まで、今日現在、県外出張2件を含め20件程度イベントなりアポイントが入っています。ぼちぼち準備にかかります。



10日ほど前、学生時代からお世話になっている羽根さんから「僕が主宰しているグランプリがガイアの夜明けで放送されたから見て」との連絡があり、今週その放送を拝見しました。

 羽根さんは、奈良県十津川村の出身。お父さんは十津川村の元村議会議長。また自身はハーバード大学やペンシルベニア大学で日本語講師として教鞭をとられた経験もある方です。

アクティブラーニングと言って、積極的に学習できる人材を育てるという取組みで、日本においては先駆者として活躍されています。

僕は学生時代、記憶術や初期のアクティブラーニングを吉祥寺の決して立派とは言えないアパート(笑)で伝授してもらった経験があります。こうやってTVに出演されている姿を見ていると、大成功されたんだなと、嬉しくなってきます。

さて冒頭のグランプリの内容ですが、全国各地にある野菜、果物、魚などの一次産品を地元の酒屋さんやパン屋さんなど商店とコラボさせて新商品を生み出し、それを日本各地から集めて「日本の宝物グランプリ」というコンテストを開き、日本一を競ってもらうというもの。日本でグランプリを取れば、世界大会に参加でき、優勝すれば、知名度や販路が広がり、成功につながるというもの。5万円の月収が売り上げ7500万のヨーグルト牧場になったり、80万円の年商がお茶とコラボした大福を作ることによって売り上げが100倍になったお茶屋さんも出ているようで、地方活性化にも一役買っています。

少し前にもBSの番組で、「和歌山で3億円を稼ぎ出す農家」「外国人観光客が34倍になった徳島県の限界集落」「山口では一本60万円の日本酒が海外で人気が出ている」という番組を観ました。ともに、企業やコンサルタントなどがコラボしてでき上がったものです。

木曜日付けの当地方紙では、公地域の観光関係者が単体の自治体の枠を超えコラボする会議が始まったと出ていました。先月半ばにお邪魔した各地域の地域資源を活用した料理の交換会でも、企業などとコラボした、すぐにでも表に出せる商品があります。

地域を元気にしていくためには、①地元の当たり前を活用する②町のトップが真剣に取り組んでいる③危機感を持っている④個性的な人がいる(Iターン者に多い)⑤インターネットや世界を相手にするなどのファンダメンタルが必要だ、と今まで自身は考えていたのですが「コラボする」というワードも大事やなあ。

そんなことを思っています。

PS 印南町が管理をしているJR印南駅が初めてライトアップされました。娘は大喜びです(笑)心も明るくしてくれます!!

 

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