先週、日高振興局管内の漁業の事業・補助金等の状況を県職員にまとめてもらうようお願いをしていたので、今週月曜日、そのペーパーをもらうついでに、2時間ほど担当者と意見交換しました。
今の漁業をどうしたらよくできるのか?
・漁礁を入れたらよいか?→底引き網漁をしている漁協の反発が強い
・稚貝を増やしてはどうか?→けっこうな予算がかかるし、磯焼けなどで定着しにくい
・稚魚を増やしては?→放流するまで稚魚を中間育成するいけすのキャパシティに各漁協それぞれ限界があり、増やすとなると新規に作る必要がある
・遊漁船を増やす→漁業ではないので、支援するメニューがない
・担い手を増やす→農業のような独立を促すだけの支援制度がない
・洋上風力発電を推進しては?→各漁協の理解が得られにくい
・投石する→国費の事業を活用すれば一定の成果は出るが、漁業者がそれで食べていけるかというと疑問
・朝市を開く→ただ開くだけでは漁業者の所得向上にはつながりにくい
・ひじきを養殖する→労働コストのわりには収益が上がらない
・加工品を作る→悪くはないが、コストがかかるし、販路を開拓する努力も必 要
・近大試験場とタイアップする→可能性は低いが、やる価値はある
・産直施設をつくる→悪くはないけど、簡単なものなら数千万程度、いいものなら2億はかかるね
・小学生に漁業教育をする→まあ、地道な作業だけどやれたらいいね
・漁家民泊→悪くはないが、漁家の協力が得られにくそうだね
・農業総合研究所の漁業版みたいなことができないかな?→漁協とのバランスが難しいね
単協間の利害が一致しない、所得が上がらないなどから、今の漁業は業として成り立っていないというのが現状と言えます。
残念ながら、現状において、私自身も有効な手段を見出せていないというのが正直なところです。しかしながら、今回担当者と話をして、ポイントになることもありました。
漁家レストランなど、漁業とは直接関係のない事業をする、遊漁船をするだけでなく、釣った魚でバーベキューをしたり、魚料理の講習会をしたりするなど「現状あるものを少しひねる」、また、水産物から全く離れたいさき饅頭を作るなど「現状の枠の中で考えないようにする」ことが大事だと思います。
朝市をネット中継し、ネットから買える仕組みを作るなど「IT機器を活用する」、近大のウナギ養殖場を日高地方に誘致する、大企業とコラボするなど「大きな資本・技術のあるところとコラボする」などは、一定成果を上げられそうな気がしました。
「お金が上がることをしなければ」というのを基礎に、漁業問題を考えなければいけないことは明らかです。そんな中、日高振興局では、現状をなんとかしようと管内の若手漁業者との懇談会を開いています。そういった動きが実を結ぶよう、私もできる限りのことをしようと思っています。
PS 今日は、午前中は娘のマラソン選考会で娘の秘書役、午後は和歌山市内の和歌山県人会世界大会に参加します。